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立候補者8氏 川勝知事との連携、距離感さまざま【参院選しずおか】
22日の公示から1週間が経過し、選挙戦真っただ中にある参院選で、川勝平太知事が鳴りを潜めている。昨年10月の参院静岡選挙区補欠選挙では、街頭で特定の候補者の応援に立つなど注目を集めたが、今回は目立った行動をしていない。補選でのいわゆる「コシヒカリ発言」が問題視された際に表明した「政務をしない」との約束が守られている格好だ。一方で、国と県との連携は県民生活の向上に欠かせない。参院選静岡選挙区の立候補者に川勝知事との連携を聞くと、距離感の違いが浮き彫りになった。 立候補者の中で最も知事との近さを強調したのは、無所属現職の山崎真之輔氏(40)=国民推薦=。県議時代から知事を支えてきたとし、「直接間接問わずに政策面で連携している。信頼関係は全く変わらない」と強調した。補選では川勝知事から支援を受けたが、今回は選挙前に交流サイト(SNS)に並んだ写真をアップしたほかは目立った連携は見られない。 無所属現職の平山佐知子氏(51)は「防災関係、教育問題などで個別に相談した経緯もある」と参院議員として連携してきたとし、「県選出の議員としてこれからも連携を深めたい」とした。知事については「富国有徳の思想のもと、優れた行政手腕とトップセールスで県政を引っ張ってきた」と評価した。 是々非々を強調したのは共産党新人の鈴木千佳氏(51)。「県民の願いを実現する施策・方針には力を合わせて取り組み、間違ったことはきっぱり反対する」と言い切った。その上で「住民の暮らし、地域経済を守る自治体本来の役割を果たせるよう、必要な提言を行っていく」とした。 一方、補選で知事の批判の対象になった自民党新人の若林洋平氏(50)=公明推薦=は「情報発信力は素晴らしい」と持ち上げつつ、「静岡のポテンシャルを生かしきれていない」と苦言も呈した。その上で「経済低迷、人口流出の課題において連携したい」と具体的なテーマに言及した。 NHK党新人の舟橋夢人氏(56)は「静岡は日本の縮図。連携して一緒に静岡と日本を盛り上げたい」と前向き。同党新人の堀川圭輔氏(48)は「リニア問題、大規模太陽光発電所(メガソーラー)問題と同様に多くの県民が不安、不満に思っているNHK問題解決のために応援してくれるのでは」と期待した。諸派新人の山本貴史氏(52)は「特に考えていない」とし、無所属新人の船川淳志氏(65)は「個々の施策についてオープンな対話ができると確信している」とした。 ■コシヒカリ発言後 各方面から批判… 知事「誰も応援せず」明言 知事選のたびに、自民党と激しい戦いを繰り広げてきた川勝平太知事は、選挙後には「ノーサイド」を強調してきた。一変したのが昨年6月の知事選。自民推薦候補がリニア中央新幹線について党の方針と異なる「ルート変更」や「工事中止」に言及したことに激高し、「ノーサイドというわけにはいかない」と対決姿勢を継続した。続く10月の参院静岡選挙区補欠選挙、衆院選では自民党の対立候補を応援するため街頭演説に立った。補選の演説で「(御殿場市には)コシヒカリしかない」と発言し、各方面から批判を浴びると、今後、政務を行わないと約束した。 今回の参院選については、公示後の6月29日の定例記者会見で「誰の応援もしない」と明言し、特定の候補者の支援は行わない考えを改めて示した。
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静岡県 期成同盟会加入へ 愛知県知事表明【大井川とリニア】
リニア中央新幹線建設を巡り、静岡県が建設促進期成同盟会へ加入を申請していた件で、同盟会の会長を務める大村秀章愛知県知事は29日の記者会見で、加入を認める方針を示した。静岡県が同日「現行ルートでの整備を前提に、スピード感を持って課題解決に向けて国と協力して取り組む」との意向を文書で示したことを受け、正式な加盟に向けて調整するとした。 川勝平太静岡県知事は同日の定例記者会見で、文書を同盟会側に送ったことを説明し、「国と一体となって県民の(大井川水問題などに対する)不安を解消する」と述べた。 大井川流量問題や南アルプス環境保全問題が解決していないとしてトンネル工事の着工を認めていない静岡県に対し、同盟会側が建設推進の意向確認を求めていた。静岡県は回答書で現行の南アルプスルートでの整備を進める立場を明確にした上で「品川―名古屋間の2027年開業、大阪までの全線開業37年を目指すとの立場を共有する」と記した。
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川勝知事「ルート変更、今後は主張せず」表明【大井川とリニア】
川勝平太知事は29日の定例記者会見で、リニア中央新幹線建設促進期成同盟会に「現行ルートでの整備を前提に取り組みを進める」と県の姿勢を示したことを踏まえ、自身がたびたび言及してきたルート変更の可能性について今後は主張しない考えを明らかにした。 川勝知事はこれまで「大井川流域住民の理解が得られない」として南アルプストンネル工事の中止とルート変更の可能性にたびたび言及してきたが、今後は「(ルート変更議論を)先導することはない」と述べた。 同盟会は3日に都内で開催した総会で、静岡工区での工事について「水資源、自然環境への回避・軽減とリニアの早期実現を両立」「地元自治体の理解を得ながら早期着工を図る」と決議した。川勝知事はこれに加え、南アルプスの生態系について議論する国の専門家会議が立ち上がったことも踏まえ、現行ルートを前提に協議する環境が整ったと判断したとみられる。 川勝知事はルート変更について「事業者が考えることで、(県側は)言える資格も義務もない」と説明した上で「JR東海が(国の)専門家会議でルート選定(理由)についてしっかり答えられれば、何も問題ない」と強調した。 一方で、同社が南アルプスルートを選定した過程に不透明な点があるとして、同社と同ルートを採択しリニア工事実施計画を認可した国土交通省に対し、今後も説明や情報公開を求めるとした。
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自民リニア公約絶賛 知事「さすが責任与党」【大井川とリニア】
川勝知事は29日の定例記者会見で、7月10日投開票の参院選を巡り、自民党が公約でリニア中央新幹線整備について「品川―名古屋間の早期開業と、その建設工事に伴う水資源と自然環境への影響の回避・軽減の両立を図っていく」と明記したことを絶賛した。「本県の主張と全く一緒。さすが責任与党だと高く評価している」と述べた。 知事はこれまでの自民党の公約を「基本的に全線開通促進を繰り返しうたっていた」と指摘し「劇的な変化だと大変ありがたく思っている」と持ち上げた。リニア問題が参院選の争点になるとの認識も重ねて示し「それぞれ候補者が自分の言葉でどのように語るかは極めて関心がある」と述べた。