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座長コメント廃止求める 国交省会議、川勝知事「議論誘導」と批判【大井川とリニア】

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、川勝平太知事は10日の定例記者会見で、国土交通省専門家会議(座長・福岡捷二中央大教授)の運営方法に改めて苦言を呈した。会議後に開く非公開協議に基づき福岡座長が方向性を示す文書「座長コメント」について「議論を誘導する感じが見受けられる」として廃止するように求めた。
 静岡県は8月、座長コメントが「議論を総括しているかのような印象を与える」としてコメントの公表をやめるか、コメントをまとめる際の協議内容を公開するように求めたが、国交省は県の要請を受け入れていない。
 川勝知事は10日の会見で、県と事前に合意した「会議の全面公開」が守られていないとし「全部オープンにすれば、わざわざまとめる必要はない」と指摘した。福岡座長に対しては「座長コメントを出さなくて済む方法を考えてほしい」と要請し、会議での各委員の発言内容を列挙する方法に変更すべきだとも提案した。
 川勝知事はまた政府に対し、コロナ禍のリニア整備をどうするか中間評価する委員会を設置するよう求めた。
 大井川流域の住民らがJR東海を相手取り県内区間の工事差し止めを求める訴えを起こしたことに関しては「当然だ。(JRは)『環境アセスメントで(手続きが)終わっているだろう』と非常に傲慢(ごうまん)で、資料も要求しなければ出てこない状況だ」と言及。JRの消極的な情報開示の姿勢が住民不安の遠因だとの認識を示した。

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