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【英キャサリン皇太子妃、がん公表】プライバシー守る決意 広がる臆測、沈静化図る

 英国のウィリアム皇太子(41)の妻キャサリン妃(42)が22日、がんを公表した。1月に腹部の手術を受けた後、公の場に姿を見せず、病状を巡り臆測が飛び交った。今月公開した家族写真が加工されていたことが判明して騒動はさらに拡大。がんの種類や進行度は伏せつつも、一定の情報を明らかにして事態を沈静化させ、家族のプライバシーを守りたいとの強い決意をにじませた。

英王室の系図(写真はロイター、ゲッティ)
英王室の系図(写真はロイター、ゲッティ)

 「術後の検査でがんが見つかり、化学療法の初期段階にある」。22日に公表したビデオメッセージで、キャサリン妃はベンチに座り穏やかな表情で打ち明けた。
 「私たち家族にとって、この数カ月は信じられないほど大変な日々だった」と振り返り、幼い3人の子どもたちに「全てを説明し、安心させるのに時間がかかった」と告白。その上で、がんの治療が終わるまで「家族には時間とプライバシーが必要なことを理解してほしい」と訴えた。
 キャサリン妃は親しみやすい人柄で知られ、英国民を対象とした王室メンバーの最近の好感度調査でも1位になった。2022年9月に「国民の母」として敬愛されたエリザベス女王が死去して以降、王室を支える主要メンバーの一人として期待が高まっている。
 今年1月16日、腹部の手術のためロンドンの病院に入院。29日の退院時も姿を見せず、王室も病名など詳細を明らかにしなかったことから、メディアや交流サイト(SNS)ではさまざまなうわさが広がり、重病説もささやかれた。
 そんな中、ウィリアム皇太子が2月27日に予定された式典への出席を急きょ取りやめ、キャサリン妃の健康不安説に拍車をかけた。キャサリン妃は3月10日に術後初めて家族写真を公開したが、加工されていたことが判明。大手通信社が相次いで写真の配信を取り消し、SNSでも混乱が広がり、キャサリン妃が謝罪する事態に発展した。
 チャールズ国王(75)も1月に前立腺肥大の治療のため入院。2月にはがんを公表して治療を続けており、英王室は主要メンバーの健康問題という試練に直面している。
 BBC放送は、キャサリン妃自身による「前代未聞」のがん公表は「この数週間に起こったことをかき消すものだ」と評価。健康状態をオープンにする方向への転換で「王室はプライバシーの尊重を求め、臆測の嵐に終止符が打たれることを望んでいる」と指摘した。(ロンドン共同=植田粧子)

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