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【大相撲の宮城野部屋問題】師匠剥奪、閉鎖案も浮上 元白鵬、暴力問題で窮地

 大相撲の元幕内北青鵬による暴力問題で宮城野部屋が窮地に追い込まれている。宮城野親方(元横綱白鵬)が師匠の立場を剥奪され、部屋閉鎖の可能性も浮上する中、師匠代行の下で春場所(10日初日・エディオンアリーナ大阪)へ向かう。

宮城野部屋で取材に応じる宮城野親方(元横綱白鵬、左)と北青鵬=2月、東京都墨田区
宮城野部屋で取材に応じる宮城野親方(元横綱白鵬、左)と北青鵬=2月、東京都墨田区
宮城野部屋で謝罪する宮城野親方(元横綱白鵬、左)と北青鵬=2月、東京都墨田区
宮城野部屋で謝罪する宮城野親方(元横綱白鵬、左)と北青鵬=2月、東京都墨田区
宮城野部屋の師匠代行に決まった玉垣親方=2月27日、大阪市天王寺区の宮城野部屋宿舎
宮城野部屋の師匠代行に決まった玉垣親方=2月27日、大阪市天王寺区の宮城野部屋宿舎
宮城野部屋宿舎の入り口に掲示された張り紙=2月27日、大阪市天王寺区
宮城野部屋宿舎の入り口に掲示された張り紙=2月27日、大阪市天王寺区
宮城野部屋を巡る問題の経緯と今後の予定
宮城野部屋を巡る問題の経緯と今後の予定
宮城野部屋で取材に応じる宮城野親方(元横綱白鵬、左)と北青鵬=2月、東京都墨田区
宮城野部屋で謝罪する宮城野親方(元横綱白鵬、左)と北青鵬=2月、東京都墨田区
宮城野部屋の師匠代行に決まった玉垣親方=2月27日、大阪市天王寺区の宮城野部屋宿舎
宮城野部屋宿舎の入り口に掲示された張り紙=2月27日、大阪市天王寺区
宮城野部屋を巡る問題の経緯と今後の予定

 ▽「衝撃走った」
 2月23日の日本相撲協会臨時理事会。宮城野親方は再雇用者の参与を除けば最下位の「平年寄」へと2階級降格し、3カ月で20%の報酬減額も科された。北青鵬は現役引退。さらに4月以降は伊勢ケ浜一門が宮城野部屋の取り扱いなどを預かることが決まった。同一門の親方は「衝撃が走った。宮城野親方がどのくらいの期間、師匠を務められないのかも分からない」と困惑した。
 宮城野親方は現役時代に史上最多の優勝45度を遂げた一方、問題行動も少なくなかった。角界内部では過去の「累積」が加味されたとの声もささやかれ、協会幹部は「降格は免れないと思うが、その後の処遇が重過ぎる。部屋が閉鎖になったら、今度は協会が批判される」と懸念した。
 ▽力士離散も
 師匠代行となった玉垣親方(元小結智乃花)は2月27日に宮城野部屋へ合流。協会やコンプライアンス委員会の指導により、所属する親方や力士らには不要不急の外出を禁じるなど厳格な行動制限を明言した。初稽古の28日は非公開で行い、部屋で再び問題が起きた場合は「私を含めて全員クビ。不祥事を二度と起こさないように」と厳しい表情で語った。
 4月以降の部屋の処遇や宮城野親方が師匠の座にいつ戻るのか、このまま戻れないのかは不透明だ。新たな師匠が決まって部屋が存続しても、その場合は同親方は別の部屋へ移る意見も出ている。新師匠が固まらず伊勢ケ浜一門の別の部屋に全員が移籍する案や、一門内外の部屋へ各力士らが離散して所属する案となれば「大横綱白鵬」を生んだ宮城野部屋は一時閉鎖へと追い込まれる。
 ▽危惧
 2010年に暴力団観戦問題による閉鎖で北の湖部屋に吸収された木瀬部屋は2年後に再興した。ただ「それぞれにカラーがあり、簡単に一緒になれるものではない。一つの部屋どころか、二つの部屋をつぶすことになる」と危惧する関係者もおり、部屋の閉鎖には大きなリスクが伴う。
 宮城野部屋は20人近い力士を抱え、一門内では伊勢ケ浜部屋に次ぐ勢力だ。しかも問題の余波は消えておらず「どの部屋も全員は受け入れられないだろう」と漏らす親方もいる。春場所まで残り1週間を切っても、事態の収束は見通せない。

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