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パリでおにぎり人気沸騰 「食の都」に専門店続々 日本米の輸出拡大期待も

 食の都フランス・パリで、おにぎり人気が沸騰し、専門店が続々オープンしている。歩きながら食べられる気軽さや健康志向、小麦を使わないグルテンフリー需要の高まりのほか、具材を選べばベジタリアンやどんな宗教の人でも食べられる“懐の深さ”も背景にありそうだ。日本政府は日本米輸出拡大に期待を寄せる。

自慢のおにぎりを見せる「ギリギリ」のサミュエル・トリフォさん=2月、パリ(共同)
自慢のおにぎりを見せる「ギリギリ」のサミュエル・トリフォさん=2月、パリ(共同)
「ギリギリ」の店内でおにぎりを作るサミュエル・トリフォさん=2月、パリ(共同)
「ギリギリ」の店内でおにぎりを作るサミュエル・トリフォさん=2月、パリ(共同)
店内で客におにぎりを渡すサミュエル・トリフォさん(左)=2月、パリ(共同)
店内で客におにぎりを渡すサミュエル・トリフォさん(左)=2月、パリ(共同)
「おむすび権米衛」パリ店でおにぎりを食べる男女=2月、パリ(共同)
「おむすび権米衛」パリ店でおにぎりを食べる男女=2月、パリ(共同)
客で混み合う「おむすび権米衛」パリ店の店内=2月(共同)
客で混み合う「おむすび権米衛」パリ店の店内=2月(共同)
自慢のおにぎりを見せる「ギリギリ」のサミュエル・トリフォさん=2月、パリ(共同)
「ギリギリ」の店内でおにぎりを作るサミュエル・トリフォさん=2月、パリ(共同)
店内で客におにぎりを渡すサミュエル・トリフォさん(左)=2月、パリ(共同)
「おむすび権米衛」パリ店でおにぎりを食べる男女=2月、パリ(共同)
客で混み合う「おむすび権米衛」パリ店の店内=2月(共同)

 パリ中心部の専門店「ギリギリ」。昼過ぎに訪れると、昆布や梅干しなどのおにぎりを次々と買い求める客の姿があった。1個3~4ユーロ(約490~650円)。日本から見ると割高だが、三つ買ってもパリのランチの相場より安い印象だ。
 「ヘルシーだし気軽に食べられる。バゲットのサンドイッチよりいいかも」。ツナマヨのおにぎりを買った出版社勤務の女性(28)が魅力を熱く語った。
 経営するのはフランス人男性サミュエル・トリフォさん(36)と妻の渡辺愛さん(39)。2018年に別の場所でオープンし、今年に入って今の場所に移った。
 トリフォさんは「ここ数年で(少なくとも)5軒の専門店がパリにできた。すし、ラーメンのようにさらに人気が出てほしい」と期待する。
 ギリギリからわずか200メートルの所にも別のおにぎり店がある。スーパーなどでもここ1、2年でよく目にするようになり、認知度は確実に高まっている。日本貿易振興機構(ジェトロ)も「日本米の輸出拡大につなげたい」と熱視線を向ける。
 パリ初の専門店は15年にパリ日本文化会館内でうどん店「国虎屋」が始めた「おにぎりバー」だとされる。店主の野本将文さん(65)は「当時は食べ方を知らない人も多かった」と話す。
 火付け役となったのは、日本の専門店「おむすび権米衛」。17年11月、欧州1号店を「味に敏感な人が多い」パリにオープン。今でも長蛇の行列ができる人気店だ。昨年2月には同じくパリに2号店も。現地法人代表の佐藤大輔さん(51)は「われわれの売りはあくまで日本米の味だ」と自負する。日本から玄米を取り寄せ、店内で精米して調理。日本米がおいしい状態で食べられる。
 おにぎりはグルテンフリーのほか、具材を選べばベジタリアンやビーガン(完全菜食主義者)、イスラム教などあらゆる宗教の人も食べられる「今の時代の流れに乗った食べ物」だと佐藤さん。
 今後の目標はパリ市内で店舗を増やすことに加え、欧州の他の都市への展開も考えている。「まだ全然これから。天井は見えていない」。挑戦はさらに続く。(パリ共同=田中寛)

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