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【参院予算委】立民「茂木派も裏金疑惑」 新たに照準、政権身構え

 2024年度予算案の衆院通過を受け、論戦の舞台は参院に移った。立憲民主党は、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り「茂木派にも裏金疑惑が生じた」と批判。新たに茂木敏充自民党幹事長に照準を合わせ、ただす意向だ。テーマを防衛政策や少子化対策にも広げ、深掘りの議論を岸田文雄首相に迫る。裏金疑惑の拡大を懸念する政権は、野党の追及に身構える。

参院予算委で岸田首相(左手前)に質問する立憲民主党の蓮舫氏(右端)=4日午後
参院予算委で岸田首相(左手前)に質問する立憲民主党の蓮舫氏(右端)=4日午後
参院予算委で答弁する岸田首相=4日午後
参院予算委で答弁する岸田首相=4日午後
参院予算委で答弁する岸田首相=4日午後
参院予算委で答弁する岸田首相=4日午後
参院予算委で岸田首相(左手前)に質問する立憲民主党の辻元清美氏(右手前)=4日午前
参院予算委で岸田首相(左手前)に質問する立憲民主党の辻元清美氏(右手前)=4日午前
参院審議で野党が重視するテーマ
参院審議で野党が重視するテーマ
参院予算委で岸田首相(左手前)に質問する立憲民主党の蓮舫氏(右端)=4日午後
参院予算委で答弁する岸田首相=4日午後
参院予算委で答弁する岸田首相=4日午後
参院予算委で岸田首相(左手前)に質問する立憲民主党の辻元清美氏(右手前)=4日午前
参院審議で野党が重視するテーマ

 ▽マイナス
 「茂木氏と、茂木派事務総長の新藤義孝経済再生担当相に裏金疑惑が判明した。茂木派方式ではないか」。4日の参院予算委員会。立民の蓮舫氏は、茂木氏の後援会組織に関し、使途の詳細が不明な支出が億単位あった問題などに言及した。
 「指摘があれば、本人が説明することが重要だ」と述べた程度の首相。岸田派の解散表明以降、裏金事件を受けた衆院政治倫理審査会の開催や、予算案の衆院通過を巡り、茂木氏との関係はぎくしゃくし溝がある。違法性は否定し、とりあえず静観しよう―。首相答弁からは、そんな思惑が見て取れる。
 ただ官邸筋は「2人の関係はともかく、政権を支える屋台骨の幹事長に裏金疑惑が取り沙汰されるのはマイナスでしかない」と顔をしかめる。
 ▽密室
 立民の辻元清美氏は、次期戦闘機を含む防衛装備品の第三国輸出を取り上げた。「武器の輸出国にならないというのは国是のようなものだ。基本方針を変える大きな問題は自民、公明両党の密室で話すことではない」と主張。防衛政策で国会審議を無視し、裏金事件と同様に十分な説明責任を果たそうとしない自民の姿勢を浮き彫りにしたい狙いが透ける。
 立民の石橋通宏氏は23年に生まれた赤ちゃんの数(出生数)が過去最少の75万8631人だった問題に触れた。財源の確保が疑問視される政権の「異次元の少子化対策」について「出生率が上がる効果はほぼない。的外れだと言われている」と突き放した。
 非正規雇用や格差問題にも切り込み「自民党が行ってきた政治に反省がなければ、解決できない」と非難した。
 ▽あぶり出し
 野党は今後の参院審議で、能登半島地震や、11日に発生から13年を迎える東日本大震災を巡っても、被災地に寄り添った対応を求める構えだ。とはいえ衆院に続き、論戦の中心が裏金事件であるのは論をまたない。参院予算委2日目となる5日は、日本維新の会や共産党が改めて質問する。
 4月の衆院3補欠選挙をにらみ、有権者の支持引き付けを図る野党。立民幹部は宣言する。「裏金事件と茂木氏の『闇』のあぶり出しは終わらないよ」

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