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クイーンの来日公演 日本との絆に思わずほろり【ワーオ!】

 英ロックバンド「クイーン」が米歌手のアダム・ランバートと「ラプソディ・ツアー」を開催した。1975年の初来日から強い絆で結ばれてきた日本のファンに向けた集大成ともいえる公演だ。

Photo by Ryota Mori
Photo by Ryota Mori

 4都市を巡るツアーの最後は、2日にわたる東京ドーム公演。近未来的な衣装のアダムが「RADIO GAGA」で華やかな歌声を響かせると、約4万5千人の観客から大歓声が上がった。
 76歳のブライアン・メイの艶やかなギター、74歳のロジャー・テイラーのキレと重量感を兼ね備えたドラムは変わらない。1991年に亡くなったフレディ・マーキュリーの不在は埋めようもないが、アダムが2人にクイーンとして再び光を当てたことが胸に迫る。
 ブライアンがしみじみとした様子で「変わらずに私たちと一緒にいてくれてありがとう」と語りかけた。歌詞の一部に日本語を取り入れた「手をとりあって」に観客も声をそろえ、日本との絆をあらためて実感した。
 シンコーミュージック・エンタテイメント取締役で「クイーン・コンシェルジュ」を名乗り、ファン読本「クイーン・オブ・マイ・ライフ」を刊行した吉田聡志にとって、アダムは「当初はゲストボーカルという印象だった」。その印象は一変した。「来日のたびにアダムがバンドを引っ張るようになってきた。私たちと同じようにフレディを愛し、トリビュートして歌っている姿勢が、ファンにはたまらなくいとおしい。フレディと比較する人はもういない」
 北海道公演では、ファンがクイーンへの思いを寄せ書きしたメッセージボードが用意され、楽屋で見たブライアンとロジャーも感動した様子だったという。「メンバーも日本を特別に感じてくれていた。日本のクイーンのファンで良かった」との吉田の言葉に、思わずほろりとした。(森原龍介・共同通信記者)

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