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精巧、遊び心でガチャ市場が600億円突破 本物そっくり 中小メーカーも存在感【経済トレンド】

 「ガチャガチャ」の愛称で親しまれるカプセル玩具市場が活況を呈している。精巧で遊び心にあふれた大人向けの商品がけん引し、2022年度には初めて市場規模が600億円を突破。メーカー数十社がしのぎを削っており、毎月500アイテムが市場に出回る。その場で買わないと次の機会には入れ替え後の場合も多く、ファンの間では“一期一会”が合言葉だ。(共同通信=出井隆裕記者)

NTT東日本の公衆電話のミニチュア
NTT東日本の公衆電話のミニチュア
東京ばな奈のマスコット((c)1991,GRAPESTONE Co.,Ltd.)
東京ばな奈のマスコット((c)1991,GRAPESTONE Co.,Ltd.)
奇譚クラブの「コップのフチ子」(2024年4月、東京・代々木)
奇譚クラブの「コップのフチ子」(2024年4月、東京・代々木)
奇譚クラブが手がけたガチャガチャの商品(2024年4月、東京・代々木)
奇譚クラブが手がけたガチャガチャの商品(2024年4月、東京・代々木)
「ねこのかぶりもの」シリーズの商品をネコがかぶったイメージ((c)nagano/chiikawa committee)
「ねこのかぶりもの」シリーズの商品をネコがかぶったイメージ((c)nagano/chiikawa committee)
バンダイナムコアミューズメントのガチャガチャの専門店=2024年3月撮影、東京・歌舞伎町
バンダイナムコアミューズメントのガチャガチャの専門店=2024年3月撮影、東京・歌舞伎町
カプセル玩具市場の推移
カプセル玩具市場の推移
NTT東日本の公衆電話のミニチュア
東京ばな奈のマスコット((c)1991,GRAPESTONE Co.,Ltd.)
奇譚クラブの「コップのフチ子」(2024年4月、東京・代々木)
奇譚クラブが手がけたガチャガチャの商品(2024年4月、東京・代々木)
「ねこのかぶりもの」シリーズの商品をネコがかぶったイメージ((c)nagano/chiikawa committee)
バンダイナムコアミューズメントのガチャガチャの専門店=2024年3月撮影、東京・歌舞伎町
カプセル玩具市場の推移


 ▽本物そっくり

 タカラトミーアーツ(東京)ガチャ企画部の大槻淳(おおつき・あつし)さんは「最近は公衆電話や信号機、人気のお菓子など日常生活で目にするものを小さくし、精巧に再現した商品の人気が高い」と説明する。

 NTT東日本の公衆電話のミニチュアは受話器のフックが動き、ボタンも押せる。土産物としておなじみのお菓子、東京ばな奈のマスコットは外観、触り心地とも本物そっくりに。「自社の認知拡大につながるためコラボした企業側の反応も上々だ」と大槻さん。

 ▽かぶり物

 2022年度のカプセル玩具市場は前年度比35・6%増の610億円で、10年前の2倍以上の規模に拡大した(日本玩具協会調べ)。収益の土台となる子ども向け商品に上積みされる形で大人向けの需要が伸びた。

 タカラトミーアーツとバンダイ(東京)が二大メーカーだが、中小も存在感を示し、市場の活性化に一役買っている。

 その代表格が東京・代々木にある玩具メーカーの奇譚(きたん)クラブだ。2012年には制服姿のOLがコップの縁にぶら下がったり、座ったりする「コップのフチ子」がブームを巻き起こし、たくさんのファンを獲得した。

 「玩具のクオリティーにこだわりを持っているので、他社が当社のヒットをまねしても負けない自信がある」と広報担当の斉藤二紀(さいとう・にき)さん。最近のヒットは「ねこのかぶりもの」シリーズだ。実際に使えるネコのかぶり物で人気キャラ「ポケモン」「ちいかわ」などをあしらっている。

 ▽ニーズにマッチ

 ガチャガチャ自販機をずらっと並べた専門店も増えている。バンダイナムコアミューズメント(東京)は2020年8月に初出店し、2024年3月までに279店に達した。

 新型コロナウイルス禍でも順調に店舗数を伸ばしており、同社は要因について「商品のクオリティーの向上、ラインアップの増加がニーズにマッチした」と分析する。
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 ガチャガチャ ガチャやガシャポンとも呼ばれている。

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