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京都御所で体験学習 「歴史の舞台」に大喜び 宮内庁、事前に出前授業も

 五箇条の御誓文や明治天皇の即位の礼が行われた京都御所(京都市上京区)で、生きた歴史を学んでみませんか―。宮内庁京都事務所が、小中学生を対象に京都御所などで開いている体験型の「こども学習」がスタートして10年。若い世代が皇室文化に触れる貴重な機会となっている。

御殿の屋根の材料になる檜皮のサンプルに触れる児童ら=2023年12月、京都御所
御殿の屋根の材料になる檜皮のサンプルに触れる児童ら=2023年12月、京都御所
京都御所で、宮内庁職員から説明を受ける児童たち=2023年12月
京都御所で、宮内庁職員から説明を受ける児童たち=2023年12月
京都仙洞御所の庭園を散策する京都市立大宅小の児童=2023年12月、京都市上京区
京都仙洞御所の庭園を散策する京都市立大宅小の児童=2023年12月、京都市上京区
京都御所の紫宸殿(ししんでん)を見学する京都市立大宅小の児童=2023年12月
京都御所の紫宸殿(ししんでん)を見学する京都市立大宅小の児童=2023年12月
京都市、京都御所、京都仙洞御所
京都市、京都御所、京都仙洞御所
御殿の屋根の材料になる檜皮のサンプルに触れる児童ら=2023年12月、京都御所
京都御所で、宮内庁職員から説明を受ける児童たち=2023年12月
京都仙洞御所の庭園を散策する京都市立大宅小の児童=2023年12月、京都市上京区
京都御所の紫宸殿(ししんでん)を見学する京都市立大宅小の児童=2023年12月
京都市、京都御所、京都仙洞御所

 優美な御殿の周りや庭園を歩きながら、同事務所の職員が平安京や皇室ゆかりのエピソードを披露。「教科書でしか知らなかった歴史を、本物の舞台で体感できる」と子どもたちも大喜びだ。
 「京都御所に初めて来た人は?」「はーいっ」。同事務所の山本徹也文化財管理専門官が問いかけると、子どもたちが次々に手を挙げた。
 2023年12月8日、京都市立大宅小(同市山科区)の6年生3学級(計99人)が京都御所と、隣接する京都仙洞御所の現地見学に訪れた。ほぼ全員が京都御所は初体験だった。
 「平安京の最初の宮殿は違う場所にありました。今の場所が天皇の住まいになったのは1331年からです」「御殿は大火事で何度も焼け、建て直されました。現在の京都御所も幕末の1855年に再建されました」。実際の御殿を前にした説明に、児童も教諭も真剣な表情でうなずく。
 「三種の神器って本当にあるんですか」「火事はなぜ起きたの」。次第に、子どもたちからの質問も熱を帯びる。山本専門官は「よく勉強してるな」と関心しきりだ。
 上皇の住まいだった京都仙洞御所では、真っ赤な紅葉が彩る庭園をゆっくり散策。池に舞い降りる野生のカモに歓声を上げたり、御殿の屋根の材料になる檜皮のサンプルに触れ、その硬さに驚いたり。晩秋の御所の魅力を満喫できたようだ。
 「こども学習」は若者に宮廷文化の粋を知ってもらおうと、2014年度に開始。10年間で約3千人が参加した。
 事前に宮内庁職員が学校へ赴いてレクチャーする出前授業、現地見学、成果発表と復習―の3点セット。参加を希望する学校は大半が関西圏だが、遠方の場合、事前学習と復習はオンラインでも実施可能という。
 大宅小は23年11月に事前学習、24年2月に成果発表会を実施した。発表の日は、ちょうど参観日。子どもたちが作ったスライドショーを上映しながらの発表には、当日教わった京都御所の豆知識が詰まっており、保護者からは「ほほう」と感嘆の声も。
 6年生の学年主任の岡田海斗教諭(34)は「京都に住んでいても、歴史的建造物や遺跡を訪ねる機会はなかなかない。こんなに素晴らしい文化財が身近にあることを、知ってほしかった。卒業前に教室だけでは得られない、貴重な体験ができました」と話した。

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