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【裏金国会】政倫審、自民二転三転 「取材OK」「出席拒否」

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた衆院政治倫理審査会を巡り、自民の対応が二転三転した。全面非公開から「報道陣の取材オーケー」まで譲ったのもつかの間、公開を容認していたはずの安倍、二階両派幹部2人の出席拒否を自民が野党に連絡。与野党協議は不調に終わり、28日の開催シナリオは崩れた。野党は「こんな体たらくをさらす自民は初めてだ」と憤る。

衆院政治倫理審査会の与野党筆頭幹事による協議を行った、立憲民主党の寺田学氏(手前)と自民党の丹羽秀樹氏(右奥)=27日午後、国会
衆院政治倫理審査会の与野党筆頭幹事による協議を行った、立憲民主党の寺田学氏(手前)と自民党の丹羽秀樹氏(右奥)=27日午後、国会
衆院政治倫理審査会の与野党筆頭幹事による協議を行った、立憲民主党の寺田学氏(手前)と自民党の丹羽秀樹氏(奥)=27日午後、国会
衆院政治倫理審査会の与野党筆頭幹事による協議を行った、立憲民主党の寺田学氏(手前)と自民党の丹羽秀樹氏(奥)=27日午後、国会
衆院政治倫理審査会の開催に向けた与野党協議が不調に終わり、記者団の取材に応じる岸田首相=27日午後、首相官邸
衆院政治倫理審査会の開催に向けた与野党協議が不調に終わり、記者団の取材に応じる岸田首相=27日午後、首相官邸
衆院政治倫理審査会の開催に向けた与野党協議が不調に終わり、取材に応じる岸田首相=27日午後、首相官邸
衆院政治倫理審査会の開催に向けた与野党協議が不調に終わり、取材に応じる岸田首相=27日午後、首相官邸
衆院政治倫理審査会を巡る27日の動き
衆院政治倫理審査会を巡る27日の動き
衆院政治倫理審査会の与野党筆頭幹事による協議を行った、立憲民主党の寺田学氏(手前)と自民党の丹羽秀樹氏(右奥)=27日午後、国会
衆院政治倫理審査会の与野党筆頭幹事による協議を行った、立憲民主党の寺田学氏(手前)と自民党の丹羽秀樹氏(奥)=27日午後、国会
衆院政治倫理審査会の開催に向けた与野党協議が不調に終わり、記者団の取材に応じる岸田首相=27日午後、首相官邸
衆院政治倫理審査会の開催に向けた与野党協議が不調に終わり、取材に応じる岸田首相=27日午後、首相官邸
衆院政治倫理審査会を巡る27日の動き

 ▽いびつな形
 「議員の傍聴のみ認めたい」。27日午前、国会内で開かれた政倫審の与野党筆頭幹事による協議。自民の丹羽秀樹氏は26日と変わらぬ案を示した。フルオープンにこだわる立憲民主党の寺田学氏は一蹴。28、29両日の政倫審開催を正式決定するため、午前11時に押さえていた幹事会は延期となった。
 その後、丹羽氏は記者団の取材に応じ、政倫審開催を申し出ている5人の一部が公開を容認していると説明した。寺田氏も呼応するように「そういう方に向け政倫審を開くのは望ましい」と記者団に語った。
 公開を容認する議員の審査を先行させ、非公開の議員とは区別する―。いびつな形ではあるが、午後になると自民側はさらに具体策を提示。記者の取材を認め、録音も許可、ただしテレビ中継は不可とする案を持ちかけた。しかし野党は「テレビも入れ、全面公開の中で行われるべきだ」との主張を譲らない。
 ▽「なぜ俺だけ」
 ここから交渉は難路に入る。先行審査の対象となっていた安倍派事務総長経験者の西村康稔前経済産業相と、二階派の武田良太事務総長のうち、西村氏の出席拒否を自民が伝えたためだ。
 先行審査を受け入れる余地を残していた野党は、不意打ちを食らった。丹羽氏から方針転換を告げられた寺田氏は「大きく事情が変わり過ぎている」と不満を示した。
 状況はさらに転変する。立民に対し、自民国対幹部が「武田氏が『なぜ俺だけなんだ』と言って断ってきた」と伝達してきた。「2人と言っていたのが1人になり、この1人も明日は出ないとは、一体どういうことだ」。立民幹部は周囲に怒りをぶちまけた。
 ▽責任逃れ
 自民の変節の裏に何があるのか。丹羽氏は27日夕、寺田氏に「理由は説明できない」と言葉を濁した。ただ「出席拒否」とされる西村氏は「出たくないとか何も言っていない。国対には『積極的に説明責任を果たしたい』と伝えていた」と周囲に打ち明ける。自民執行部は「2024年度予算案の衆院通過のためとはいえ譲り過ぎだ」と不満をこぼした。
 真相がどうであれ、岸田文雄首相を筆頭に、自民が「説明責任」から逃げた印象は否めない。立民の岡田克也幹事長は「問われているのは首相のリーダーシップだ。国民の不信感はさらに高まる」と迫る。
 27日夜、記者団から政倫審公開を主導する考えがあるのかどうか問われた首相は淡々と答えるのみだった。「最良の方法を取るよう自民関係者に指示している」

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