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【世界の街から】日本茶とワイン

 スイスで日本茶の普及を目指して活動する「日本茶大使」がいると聞き、西部ジュネーブにある極東芸術美術館で開かれた試飲会に参加した。講師を務めるのは岡本江美子さん。2016年に日本茶輸出促進協議会から任命され、日本茶のPR活動を定期的に行っている。伝統的な茶道の紹介というより、日頃から飲むよう勧めるのが目的だ。

スイス・ジュネーブで開かれた日本茶の試飲会で、お茶の入れ方を説明する岡本江美子さん=1月(共同)
スイス・ジュネーブで開かれた日本茶の試飲会で、お茶の入れ方を説明する岡本江美子さん=1月(共同)
スイス・ジュネーブで開かれた日本茶の試飲会で、お茶の歴史や効能を説明する岡本江美子さん=1月(共同)
スイス・ジュネーブで開かれた日本茶の試飲会で、お茶の歴史や効能を説明する岡本江美子さん=1月(共同)
スイス・ジュネーブで開かれた日本茶の試飲会で、お茶の入れ方を説明する岡本江美子さん=1月(共同)
スイス・ジュネーブで開かれた日本茶の試飲会で、お茶の歴史や効能を説明する岡本江美子さん=1月(共同)

 参加者は地元のスイス人や記者ら9人。「日本茶には煎茶、抹茶、ほうじ茶、玄米茶、番茶、玉露…たくさんの種類があるんです」。聞いたことがあるお茶でもそれぞれの特長までは知らず勉強になる。参加者はビタミンCが多く含まれることや、コレステロールの吸収を抑制するといった効能に興味深そうに聞き入っていた。お茶の入れ方も実践。「濃さが均一になるよう交互に湯飲みに注ぎます」。参加者同士でお茶を入れ、1杯目と2、3杯目でそれぞれ異なる味わいを楽しんだ。
 新型コロナウイルスの感染拡大で試飲会を開催できない時期が続き、ロシアのウクライナ侵攻の影響で茶葉の価格も高くなった。それでも「リピーターが確実に増え、活動を続けられている」のだという。
 妻と参加したエルベさん(60)は「家族や友人と一緒に飲んで過ごすひとときもお茶の楽しみ方だと学べた」と満足げ。「日本でのお茶は、私たちにとってのワインのようだね」と付け加えた。
 スイスでは、平日の昼間でもワインを飲む光景をよく目にする。ボトルを空にして平然と職場に戻る様子を見ていると、日本茶と同じようなものという理解が正しいのか疑問もあるが、エルベさんの楽しみ方には賛成だ。(ジュネーブ共同=畠山卓也)

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