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【教団側との関係巡る国会追及】盛山文科相、答弁迷走 記憶ない、思い出した…

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側との関係を巡り、渦中の盛山正仁文部科学相の国会答弁が迷走気味だ。「記憶がない」「思い出してきた」などと、一貫性に疑問符が付く説明を繰り返す。文科相は、教団への解散命令請求手続きを進める立場にある。野党は「盛山氏は資質に欠ける」(立憲民主党)として辞任を求めている。

盛山文科相の衆院予算委員会答弁
盛山文科相の衆院予算委員会答弁

 ▽問い詰められ
 答弁のぶれは、盛山氏が6~8日の衆院予算委員会で、立民議員から追及を受けた際に表面化した。同党の長妻昭氏が6日、旧統一教会の関連団体から2021年衆院選時に推薦状を受け取ったかどうかを聞くと、盛山氏は「はっきりとした記憶がない。あれば、ちゃんと(自民党調査で)報告していた」と主張。ところが翌7日、西村智奈美氏に「記憶は少しよみがえってきたか」と問い詰められると「報道された写真を見て、うすうす思い出してきた」と語った。
 盛山氏について朝日新聞は、関係団体から推薦状を受け取ったほか、教団側が掲げる政策に賛同する推薦確認書に署名したと報道した。推薦確認書を巡っては、教団側との「政策協定」と受け止める向きもある。
 ▽二転三転
 この推薦確認書に署名したかどうかでも、盛山氏の答弁は揺れた。7日の予算委で、西村氏の質問に「よく覚えていない」と回答したが、さらなる追及に対し「軽率にサインしたのはおっしゃるとおりだ」と認めた。翌8日になると、藤岡隆雄氏に「サインしたかどうか覚えていない。それ自体(推薦確認書)を頂戴していないのではないか」と述べ、答弁を二転三転させた。
 盛山氏を巡っては、教団の関連団体のメンバーらが電話で同氏への投票を有権者に呼びかける選挙支援を受けたとも報じられている。同氏は「確認できない」と繰り返すが、沈静化する兆しはない。野党からは「十分な説明ができないなら辞任すべきだ」(玉木雄一郎・国民民主党代表)などの声が相次ぐ。
 ▽新たな難題
 岸田文雄首相は難しい対応を迫られる。野党の盛山氏更迭要求を、既に拒んでいるためだ。応じれば、同じく教団側との接点が取り沙汰される林芳正官房長官の進退問題に波及しかねないとの危機感が背後に透ける。
 旧統一教会問題の再燃が、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件に振り回される首相にとって、新たな難題となっている。

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