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【インドネシア大統領選】長男援護、ジョコ氏に批判 残り1週間、陣営リード

 14日投開票のインドネシアの大統領選まで7日で1週間。現政権継承をうたうプラボウォ国防相の支持率が一部世論調査で過半数を突破、選挙戦をリードしている。副大統領候補はジョコ大統領の長男ギブラン氏。ジョコ氏は、ライバル候補の地盤で大票田のジャワ島中部を集中的に訪れ支援策も実行しているが、あからさまな援護に批判も強まっている。

インドネシア・ジャカルタで開かれた連帯党の集会で話すジョコ大統領の次男で党首のカエサン氏(中央)=1月27日(共同)
インドネシア・ジャカルタで開かれた連帯党の集会で話すジョコ大統領の次男で党首のカエサン氏(中央)=1月27日(共同)
支援の米を持つトリ・ハンダヤニンシさん=5日、インドネシア・ソロ(共同)
支援の米を持つトリ・ハンダヤニンシさん=5日、インドネシア・ソロ(共同)
インドネシア・ジャカルタで開かれた連帯党の集会で踊る若者ら=1月27日(共同)
インドネシア・ジャカルタで開かれた連帯党の集会で踊る若者ら=1月27日(共同)
インドネシア・ジャカルタ、ソロ
インドネシア・ジャカルタ、ソロ
インドネシア・ジャカルタで開かれた連帯党の集会で話すジョコ大統領の次男で党首のカエサン氏(中央)=1月27日(共同)
支援の米を持つトリ・ハンダヤニンシさん=5日、インドネシア・ソロ(共同)
インドネシア・ジャカルタで開かれた連帯党の集会で踊る若者ら=1月27日(共同)
インドネシア・ジャカルタ、ソロ

 ▽ばらまき
 ジャワ島中部ソロ(スラカルタ)の主婦トリ・ハンダヤニンシさん(48)は1月下旬、政府の社会支援で米10キロを受け取った。ギブラン氏が市長を務めており「とても助かる。ジョコ氏が背後にいるプラボウォ氏にみんな投票するのでは」。支援は干ばつ被害などの「お見舞い」が名目。新型コロナウイルス禍以来の支援で、今後も続く。
 地元メディアによるとジョコ氏は昨年12月以降、ソロのあるジャワ島中部の中ジャワ州を公務として繰り返し訪問している。同州はジョコ氏が所属する最大与党、闘争民主党が擁立したガンジャル前知事の地盤で国内3番目に有権者が多い。全国でも劣勢のガンジャル氏は足元も荒らされた形で苦しさが増している。
 ▽4本指
 同州で町内会長を務めるユヌス・トゥリガンガさん(54)は米の配布を担う。ジョコ氏を支持していたが、長男擁立で「失望」。選挙期間中の集中支援に「国家予算の不正な利用だ」と憤る。役職上、配布を断るわけにはいかないが「人々が惑わされないことを信じている」と祈る。
 ジョコ氏の母校、国立ガジャマダ大などの著名大教授らは、1月末から現政権を「縁故的」と相次いで批判。ネット上では4本指を掲げる投稿が広がっている。選挙戦で候補者を識別する番号1番と3番を足した数字で、2番のプラボウォ陣営の排除を意味する。投稿した活動家ジョン・ムハンマドさんは「不正や倫理違反を周囲に伝えよう」と民主主義の重要性を訴える。
 「限界なく働く、プラボウォとギブラン」。1月下旬、プラボウォ陣営に付いた連帯党の集会で、土砂降りの中、若者らが応援歌に合わせ踊っていた。ジョコ氏の次男カエサン氏が昨年、党首に就任しており「ジョコ党」と書かれた服を着た支援者も。「ジョコに続け」。カエサン氏は声を張り上げ、批判を気にする様子はなかった。(ジャカルタ共同=山崎唯)

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