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【旧統一教会】接点次々、早期幕引き論も 解散請求「審問」控え

 宗務行政を所管する盛山正仁文部科学相が、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体の推薦確認書に署名していたと事実上認めた。「政策協定」ともされる推薦確認書について、教団側は数十人規模の国会議員に署名を求めていたとみられる。解散命令請求の「審問」を控える中、林芳正官房長官と教団側との新たな接点も浮上。自民党内には盛山氏の更迭による早期幕引きを求める声も出ている。

旧統一教会の関連団体が2021年衆院選前に自民党衆院議員と交わした推薦確認書(盛山文科相と関係ありません)
旧統一教会の関連団体が2021年衆院選前に自民党衆院議員と交わした推薦確認書(盛山文科相と関係ありません)

 ▽数十人
 「文科相も、自民党のほとんどの国会議員も、教団に首根っこをつかまれている」。両親が信者で「もるすこちゃん」を名乗りバーチャルユーチューバー(Vチューバー)として活動する30代男性は、教団側と自民党の関係の根深さを指摘する。
 複数の教団関係者によると、推薦確認書には(1)憲法改正や安全保障体制の強化(2)家庭教育支援法や青少年健全育成基本法の制定(3)LGBTや同性婚合法化への慎重対応―などが掲げられているが、議員によって項目は異なるという。
 署名すると、教団側は選挙支援をバーターに政策推進への協力を求める。ある議員は「政策協定と受け取った」と話し、署名を断ったと漏らす。
 共同通信の取材では、推薦確認書の提示を受けた自民党議員は8人で、うち4人が署名したことを認めた。だが、教団関係者によると全国で数十人規模の国会議員に要求していたとみられ、多くの議員の政治活動に影響を与えた可能性がある。
 ▽反撃
 盛山氏は7日の衆院予算委員会で「内容をよく読むことなくサインしたかもしれない」と弁明。「当該団体に選挙支援を依頼した事実はない」「解散命令請求を行った当事者でしっかり職責を果たしたい」と野党の辞任要求を拒んだ。
 自民党内には「盛山氏を更迭し、早期の幕引きを図る選択肢もある」(中堅議員)との声がちらほらあるものの、別の議員は「派閥解散を宣言したとはいえ、岸田派の盛山氏を岸田文雄首相が簡単に切れるはずがない」と踏む。
 盛山氏が決断した解散命令請求を巡っては、東京地裁が22日に教団側と文化庁側の双方から意見を聴く「審問」を初めて開く見通しだ。このタイミングで浮上した複数の閣僚と教団側との接点。官邸筋は「メディアを通して教団側が反撃しているのではないか」といぶかり、ある政権幹部は「徹底的に戦う」と強調した。

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