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【衆院予算委】立民攻勢「脱税国会だ」 裏金、政策活動費に照準

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、立憲民主党が「脱税に当たる」と攻勢を強めている。衆院予算委員会で連日、政治資金収支報告書への不記載や、政策活動費に照準を合わせ、岸田文雄首相を追及。「裏金国会」と位置付ける今国会に「脱税国会」のイメージも与え、真相解明に後ろ向きな政権の姿勢をあぶり出す狙いだ。

衆院予算委で立憲民主党の後藤祐一氏(左手前から2人目)の質問に答弁する岸田首相=7日
衆院予算委で立憲民主党の後藤祐一氏(左手前から2人目)の質問に答弁する岸田首相=7日
衆院予算委で質問する立憲民主党の後藤祐一氏=7日
衆院予算委で質問する立憲民主党の後藤祐一氏=7日
「脱税疑惑」を巡る主なやりとり
「脱税疑惑」を巡る主なやりとり
衆院予算委で立憲民主党の後藤祐一氏(左手前から2人目)の質問に答弁する岸田首相=7日
衆院予算委で質問する立憲民主党の後藤祐一氏=7日
「脱税疑惑」を巡る主なやりとり

 ▽マネロン
 「脱税の疑いがあるマネーロンダリングじゃないか」。7日、衆院第1委員室。立民の後藤祐一氏は、収支報告書の不記載があった安倍派の萩生田光一前政調会長が支出欄などを「不明」として訂正したことに触れ、首相に見解を問うた。
 首相は「収支報告書は事実に即して記載されるべきもので、訂正も事実に即して記載されるべきものだ」と正面から答えなかった。後藤氏は「こんなことで16日からの確定申告、国民は真面目にやる気にならないよ」と憤りをあらわにした。
 5日から始まった予算委の基本的質疑で、立民は「脱税疑惑」を訴え続けた。
 井坂信彦氏は5日、政党から議員個人に支出される政策活動費に関し、使い切らなかった分は雑所得に当たり、納税義務が生じると指摘。自民幹事長在任中の5年間で約50億円を受け取ったとされる二階俊博氏に対し、使途を確認するよう首相に求めた。
 首相は「確認するまでもなく、適切に使用されていると認識している」と述べるにとどめた。あきれ果てた井坂氏は「脱税天国のような答弁だ。こんな議員特権を認めたら、裏金国会が脱税国会になる」と宣告した。
 ▽波状攻撃
 井坂氏は、派閥から議員側への裏金にも目を付けた。議員の政治団体への寄付なら非課税だが、実態が議員の個人所得ならば課税対象になるというわけだ。質疑では、収支報告書の不記載についても「脱税に当たる可能性がある。領収書のない飲食費を政治活動費と認めて、非課税にしていいのか」と迫った。
 首相は「国税や検察が判断すべきことだ」と語り、防戦に追われた。
 立民の波状攻撃はやまない。
 6日質問に立った早稲田夕季氏は「自民党議員は裏金を懐に入れ、脱税疑惑がある。追徴課税もない。国民は消費税のインボイス(適格請求書)制度が始まり、税金を1円から支払っている」と批判した。
 米山隆一氏も二階氏への政策活動費に関し、1時間当たりに換算すると10万円ほど使っていることになると説明。「ひたすら政治のために支出し続けたなんてあり得ない」と切り捨てた。
 確定申告をにらみ裏金の悪質性を徹底的に浮き彫りにする戦略に、官邸筋は構える。「国民の怒りが増幅されれば、20%台の内閣支持率はさらに下落するかもしれない」

いい茶0

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