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スイートピー新品種続々 全国首位の宮崎県開発 珍しい色、作業短縮も

 スイートピーの出荷量全国首位の宮崎県が、農家の生産を後押しする独自品種の開発に力を入れている。今シーズンは独特な色合いや作業時間の短縮といった特色を持つ5品種がデビュー。近年は海外でも需要が高まっており、関係者は「栽培の省力化や生産の安定化が進み、日本一の産地のさらなる発展につながる」と期待する。

スイートピーの新品種「恋かすみ」を生産する木村俊さん=1月、宮崎県日南市
スイートピーの新品種「恋かすみ」を生産する木村俊さん=1月、宮崎県日南市
スイートピーの新品種を生産している木村俊さん=1月、宮崎県日南市
スイートピーの新品種を生産している木村俊さん=1月、宮崎県日南市
宮崎県総合農業試験場が開発したスイートピー5品種。左から「恋かすみ」「藤かすみ」「詩かすみ」「さくやひめ」「ムジカ式部」=1月、宮崎県庁
宮崎県総合農業試験場が開発したスイートピー5品種。左から「恋かすみ」「藤かすみ」「詩かすみ」「さくやひめ」「ムジカ式部」=1月、宮崎県庁
宮崎県総合農業試験場が開発したスイートピー5品種。左から「恋かすみ」「藤かすみ」「詩かすみ」「さくやひめ」「ムジカ式部」=1月、宮崎県庁
宮崎県総合農業試験場が開発したスイートピー5品種。左から「恋かすみ」「藤かすみ」「詩かすみ」「さくやひめ」「ムジカ式部」=1月、宮崎県庁
宮崎県総合農業試験場が開発したスイートピー「恋かすみ」=1月、宮崎県日南市
宮崎県総合農業試験場が開発したスイートピー「恋かすみ」=1月、宮崎県日南市
スイートピーの新品種「恋かすみ」を生産する木村俊さん=1月、宮崎県日南市
スイートピーの新品種を生産している木村俊さん=1月、宮崎県日南市
宮崎県総合農業試験場が開発したスイートピー5品種。左から「恋かすみ」「藤かすみ」「詩かすみ」「さくやひめ」「ムジカ式部」=1月、宮崎県庁
宮崎県総合農業試験場が開発したスイートピー5品種。左から「恋かすみ」「藤かすみ」「詩かすみ」「さくやひめ」「ムジカ式部」=1月、宮崎県庁
宮崎県総合農業試験場が開発したスイートピー「恋かすみ」=1月、宮崎県日南市

 「珍しくて育てやすい。こういう品種を待っていた」。日南市の木村俊さん(50)は1月下旬の出荷最盛期、白地にはけで描いたようなピンク色の模様が特徴の新品種「恋かすみ」を前に笑顔を浮かべた。色違いの「かすみ」シリーズ全3種を生産し、評判は上々だ。
 スイートピーは色が豊富で、冠婚葬祭や家庭用など用途が幅広い花として知られる。宮崎県は日照時間が長く、生産が盛んだ。県総合農業試験場が1989年以来、開発したのは計28品種に上る。担当者は「匹敵する都道府県は他にない」と胸を張る。
 木村さんは、紫色で華やかな「ムジカ式部」も栽培。花に絡みつく巻きひげが葉の先端に生えないため、取る手間が不要で作業時間を削減できる。県はこのほか、曇りや雨が続いてもつぼみが落下しにくい「さくやひめ」も開発した。県内全域で今期初出荷の5品種は計148万本の生産を見込んでいる。
 宮崎県によると、2021年産のスイートピー出荷は約2900万本で、産出額は約8億4千万円。全国シェアの半数を占め、2位の岡山県、3位の大分県を大きく引き離す。
 輸出も増えており、22年度は5年前に比べ1・8倍の132万本を送った。日本産は他国産に比べ高品質といい、米国のほか、韓国などアジアでも引き合いがある。
 卸売会社の大田花き(東京都)でスイートピーを担当する酒井宏基さん(38)は「宮崎県産はオリジナル品種があり、色のバリエーションで優位に立っている。新色が出ると新たな需要も生まれる」と指摘。人気を集めるかどうかは販売してみないと分からないものの「チャレンジしていく姿勢が大切だ」と話す。
 宮崎県は県内の生産者にのみ開発品種を販売している。総合農業試験場の田村瑞紗主任技師は「新品種をどんどん活用して収入の安定につなげてほしい」と語る。今後も市場や生産者の需要を聞き取り、新品種を手がける計画だ。

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