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【衆院代表質問で党首対決】裏金「異次元の不祥事」 立民追及、首相防戦

 政府4演説に対する各党代表質問が衆院で始まり、岸田文雄首相と立憲民主党の泉健太代表が対峙した。自民党派閥の政治資金パーティー問題に端を発した「裏金国会」での党首対決。追及の先頭に立つ泉氏は裏金問題に関し「異次元の不祥事」と非難し、政権交代による金権政治打破と政治改革実現を訴えた。首相は防戦に追われた。

衆院本会議で立憲民主党の泉代表(手前)の質問を聞く岸田首相(奥右)=1月31日午後
衆院本会議で立憲民主党の泉代表(手前)の質問を聞く岸田首相(奥右)=1月31日午後
衆院本会議で立憲民主党の泉代表(手前)の質問を聞く岸田首相=1月31日午後
衆院本会議で立憲民主党の泉代表(手前)の質問を聞く岸田首相=1月31日午後
衆院本会議で代表質問に臨む立憲民主党の泉代表(左手前)。右奥は岸田首相=1月31日午後
衆院本会議で代表質問に臨む立憲民主党の泉代表(左手前)。右奥は岸田首相=1月31日午後
代表質問の主なやりとり
代表質問の主なやりとり
衆院本会議で立憲民主党の泉代表(手前)の質問を聞く岸田首相(奥右)=1月31日午後
衆院本会議で立憲民主党の泉代表(手前)の質問を聞く岸田首相=1月31日午後
衆院本会議で代表質問に臨む立憲民主党の泉代表(左手前)。右奥は岸田首相=1月31日午後
代表質問の主なやりとり

 ▽当てこすり
 「起訴されなくても、安倍派で40人近くの裏金議員が発覚している。まさに異次元の不祥事だ」。31日、衆院本会議場。質問に立った泉氏は首相に迫った。財源の確保が疑問視される政権の「異次元の少子化対策」を当てこすった。
 さらに畳みかける。「一般国民はおにぎり一つを万引しても逮捕される。裏金議員に道義的責任、政治的責任があると言うならば、自民党総裁として全ての裏金議員に辞職を求めてはどうか」「離党勧告や除名処分を行わないのか」
 首相は「事実関係の把握に努めており、しかるべき手順を踏んだ上で対応を考える」と述べる程度で、29日の衆参予算委員会の集中審議と同様、答弁で踏み込まなかった。官邸筋は「窮地に立つ中、野党にどれだけ攻め込まれても低姿勢でいるしかない」と打ち明ける。
 ▽批判のボルテージ
 両党首が対決したこの日、安倍派の政務官2人が辞任した。派閥パーティーの還流を政治資金収支報告書に記載していなかったことが判明。自民重鎮は「裏金問題はいつ収拾するんだ」と懸念する。
 泉氏は代表質問で「深刻な問題だ。首相の責任は重大だ」と批判のボルテージを上げた。
 立民と同様、他の野党も裏金問題が最大の焦点になると位置付け、政権をただす「弾込め」(日本維新の会関係者)を急いできた。26日召集の通常国会に合わせ、立民、維新、共産、国民民主4党はそれぞれ政治改革案を取りまとめた。
 政治家本人への罰則強化などでは大筋で一致するものの、政治資金パーティーの在り方では違いもある。立民筋は「裏金問題で何とか連携し、政権を追い込みたい」と意気込む。立民の岡田克也幹事長は31日、維新の藤田文武幹事長と国会内で早速会談し、共闘を呼びかけた。
 2月1日で発生から1カ月となる能登半島地震を巡っても、野党各党は被災者支援の在り方について政府に説明責任を求める構えだ。ただ裏金問題で揺れる政権に震災対応を任せていいのだろうか―。そう指摘する立民幹部は自らに言い聞かせる。「いいはずがない。だからこそ野党が政権党に取って代わらねばならないんだ」

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