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チュニジアの公衆浴場を体験 海外特派員コラム「世界の街から」

 昔から日本の銭湯や温泉が好きで、海外特派員になってからも各国で入浴できる場所を探してきた。チュニジアには公衆浴場「ハンマーム」の文化が根付いており、体験してみた。

チュニジア・チュニス旧市街のハンマーム「カシャシーン」=8月(共同)
チュニジア・チュニス旧市街のハンマーム「カシャシーン」=8月(共同)
チュニジア・チュニス旧市街のハンマーム「カシャシーン」の休憩室=8月(共同)
チュニジア・チュニス旧市街のハンマーム「カシャシーン」の休憩室=8月(共同)
チュニジア・チュニス旧市街のハンマーム「カシャシーン」で、あか擦りを受ける男性(左端)ら=8月(共同)
チュニジア・チュニス旧市街のハンマーム「カシャシーン」で、あか擦りを受ける男性(左端)ら=8月(共同)
チュニジア・チュニス旧市街のハンマーム「カシャシーン」=8月(共同)
チュニジア・チュニス旧市街のハンマーム「カシャシーン」の休憩室=8月(共同)
チュニジア・チュニス旧市街のハンマーム「カシャシーン」で、あか擦りを受ける男性(左端)ら=8月(共同)

 世界遺産の首都チュニス旧市街にあるハンマーム「カシャシーン」。従業員ヤシン・アビディさん(45)によると、チュニジアがオスマン帝国の属領だった頃から「数百年続く」という。ドーム形の天井や休憩室の幾何学模様の内装に歴史を感じた。
 訪れた浴場は男性専用だが、男女入れ替え制のものもある。日本と違って全裸は厳禁だ。水着を着て蒸し風呂に入って体を温めた後、屈強な男性からあか擦りやマッサージを受けた。男性が背中に乗ったり腕を引っ張ったりして、体中をもみほぐす。全身洗ってもらって浴場を出ると、体も心もリフレッシュしていた。
 ハンマームは清潔を重んじるイスラムの教えと相まって、庶民の憩いや社交の場として中東各地に広まった。トルコでは「ハマム」と呼ばれ、記者がイスタンブール駐在だった時も疲労回復のために利用していた。
 ただトルコ同様、チュニジアでも「若者のハンマーム離れが進んでいる」(アビディさん)という。近年は美容室などを備えた豪華なものも登場しているが、近代化に伴い数は減少傾向にある。
 客の飲食店経営ムハンマド・ソリマンさん(38)に「若く見えるね」と声をかけると「ハンマーム通いのおかげさ。でも最近は客が少なくなったね」との返事。日本の銭湯と同じ課題を抱えているのかもしれないと思いつつ、伝統文化は続いてほしいと願った。(チュニス共同=吉田昌樹)

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