あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 三島市

クラフトビールを地域資源に モルトかす再利用「循環共生圏」目指す 10醸造所と沼津・三島市が連携

 静岡県内10醸造所でつくる静岡クラフトビール協同組合(沼津市)と、醸造所の多い沼津、三島の両市が19日、官民連携の組織を発足させた。醸造時に発生するモルト(麦芽)かすの飼料としての再利用などを進め、循環型社会の構築を目指す。

ビール醸造の際に出るモルトかす。クラフトビール醸造所では大半が産業廃棄物として処理される
ビール醸造の際に出るモルトかす。クラフトビール醸造所では大半が産業廃棄物として処理される
沼津、三島の両市長や醸造所の関係者が集った「東駿河湾クラフトビール地域循環共生圏推進協議会」の発足総会=19日午前、沼津市
沼津、三島の両市長や醸造所の関係者が集った「東駿河湾クラフトビール地域循環共生圏推進協議会」の発足総会=19日午前、沼津市
ビール醸造の際に出るモルトかす。クラフトビール醸造所では大半が産業廃棄物として処理される
沼津、三島の両市長や醸造所の関係者が集った「東駿河湾クラフトビール地域循環共生圏推進協議会」の発足総会=19日午前、沼津市

 新組織は「東駿河湾クラフトビール地域循環共生圏推進協議会」。同日、沼津市内で発足総会を開き、頼重秀一市長が会長に就いた。補助金が活用できる県の「ふじのくにフロンティア地域循環共生圏」の認定を目指す。
 本県は34のクラフトビール醸造所があり、豊富な水を擁する沼津、三島両市には8カ所が集中する。各社共通の課題の一つがモルトかすの処理で、大半が産業廃棄物として処分される。肥料や飼料、食料や化粧品の原料にも再利用できるが、再利用向けには醸造所ごとでは量が不安定で、引受先が見つかりにくいという課題があった。
 組合10社分では年間約300トンが集まるため、まずは脱水機の共同利用などの効率化を構想する。組合の片岡哲也代表理事(柿田川ブリューイング社長)は「モルトかす飼料で育てた畜産物をさらにブランド化したい」と、ビールと合わせた食の提案にもつなげたいと意気込む。
 沼津、三島の両市は企業のマッチングやイベント開催、国立遺伝学研究所(三島市)も発酵技術で連携する。協議会は2024年度に共生圏の申請を予定。県が認定した場合、事業費の3分の2、3年間で最大2千万円を各市に補助する。
 頼重市長は「県東部はクラフトビールの聖地。地域に根付いた産業として観光連携にも取り組みたい」と語った。
 (東部総局・尾藤旭)

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

三島市の記事一覧

他の追っかけを読む