解体予定の建物活用し訓練 三島・再開発区域で富士山南東消防本部
富士山南東消防本部は、三島市の三島駅南口東街区再開発事業区域で解体される建物を活用した訓練を行っている。施錠されたドアや窓を破壊しての救助作業など通常は行いにくい訓練を通じ、災害対応力の向上を図っている。
![住宅の玄関ドアを壊して侵入する訓練=三島市](/news/images/n143/1421752/IP240224TAN900029000_O.jpg)
再開発組合の協力を受け、解体工事が行われていない土日に実施。市内の消防署のほか、長泉消防署の署員が参加している。解体作業が終わる3月末ごろまで、一般の住宅やビルなど実際の災害現場に近い環境で、火災や震災、高所救助などの訓練を行う。
三島消防署と北分署の署員6人が、一般住宅2階に住民が取り残された火災現場を想定した救出訓練に臨んだ。署員は住宅や進入経路を見極めて窓にはしごをかけ、救助者役の署員を抱えて救い出した。
災害現場で玄関や窓を強制開放する際、玄関や窓などの材質や鍵の種類を判別した上で使用する道具などを変える必要がある。再開発事業区域内にはさまざまな建物があり、三島消防署救助係の勝又英也係長(49)は「普段は経験不足を知識で補っている。災害現場で有効活用できる技術を身につけることができ、危険の感受性も高まる」と話した。