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テーマ : 三島市

静岡人インタビュー「この人」 静岡古城研究会会長 望月保宏さん(三島市)

 静岡県内に残る城や砦(とりで)跡の構造や歴史的役割を研究する1972年発足の団体「静岡古城研究会」を束ねる。新型コロナ禍の影響により本来より1年遅れ、本年度に50周年記念事業を展開した。県立沼津工高校長。静岡市清水区出身。60歳。

望月保宏さん
望月保宏さん

 ―どのような会か。
 「戦に備えた防御施設を有した城や屋敷跡を研究している。鎌倉から戦国時代のものが多い。城館があったとされる場所に月に数回ほど出向いて遺構を調べるほか、一般向けに古城見学会や山城セミナーを毎年開いている。地主の依頼があれば、古城の遺構を守るために草刈りにも取り組む。現在の会員は20~90代の約80人。最近は若い人や女性の入会もある」
 ―50年余の活動の功績は。
 「会員の地道な遺構調査により、これまで見つかっていなかった古城が新たに100カ所以上発見された。中には文化財保護法上の埋蔵文化財包蔵地に登録されたケースもある。研究成果をまとめた冊子『静岡県の城跡 中世城郭縄張図集成』の中部版と西部版を発刊し、歩みを広く伝え、記録に残した」
 ―県内の古城の特徴は何か。
 「もともと遠江・駿河・伊豆に分かれていたため、戦国時代には今川、武田、北条、徳川など、さまざまな戦国大名の勢力が代わる代わる入ってきた。県内には大小含めて少なくとも800カ所以上の古城があるとみられる。諸大名の特徴が残る城跡を見学できるのが魅力」
 ―今後の目標を。
 「会としては、冊子東部版の2030年発刊を目指している。個人としては、定年退職したらこれまで以上に城館跡を見て回りたい。土塁や堀の跡から、天守や石垣のない『土の城』の往時の姿を想像するのが楽しい」
 (教育文化部・鈴木美晴)

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