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テーマ : 三島市

地域守ったえん堤、お守りに 工事関係者ら伊豆・天城小に贈る 60年の役目終え再利用

 約60年間土石流などから伊豆市民を守ってきた猫越(ねっこ)第2砂防えん堤(同市湯ケ島)。取り壊しに伴い発生したコンクリートを利用し、国土交通省沼津河川国道事務所と工事を行った小野建設(三島市)の関係者が子どもたちのお守りを作った。このほど、伊豆市の天城小に贈呈した。

猫越第2砂防えん堤のコンクリートを使った「見守りコンクリート」
猫越第2砂防えん堤のコンクリートを使った「見守りコンクリート」
贈呈式で国土交通省沼津河川国道事務所と小野建設の関係者から「見守りコンクリート」を受け取る児童=伊豆市の天城小(写真の一部を加工しています)
贈呈式で国土交通省沼津河川国道事務所と小野建設の関係者から「見守りコンクリート」を受け取る児童=伊豆市の天城小(写真の一部を加工しています)
猫越第2砂防えん堤のコンクリートを使った「見守りコンクリート」
贈呈式で国土交通省沼津河川国道事務所と小野建設の関係者から「見守りコンクリート」を受け取る児童=伊豆市の天城小(写真の一部を加工しています)

 えん堤は高さ10メートル、長さ91メートルで、1965年に完成した。元々はコンクリートでできた不透過型で、大雨時は流れてきた土砂をためて川の水を流すことによって、土石流にならないように維持し下流域の安全を確保してきた。2020年から行っていた工事が今月終わり、土石流や流木の捕捉に効果を発揮するとされる格子状の鋼管の透過型になった。
 同事務所と同社の関係者が取り壊したコンクリートの有効な活用を考え、お守りにすることを考案した。3センチほどの小瓶に1センチほどのかけらを一粒一粒入れて完成させ、「見守りコンクリート」と名付けた。えん堤と同じ地区にある天城小児童への配布を決め、4~6年生用に100個を用意した。
 同校で開かれた贈呈式で、同事務所湯ケ島出張所の山根宏之所長は「長い間地域を見守ってきたえん堤のコンクリート。災害時の安全に関わっていることを知り、家族で防災について話し合う契機になれば」と手渡した。受け取った4年の小林蒼君(10)は「えん堤を造った人の思いが伝わってきた」と述べ、勝俣結生さん(10)は「地元を守ってくれて感謝している。大切にしたい」と喜んだ。
 (大仁支局・小西龍也)

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