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テーマ : 三島市

知事言動で新たな火種 混乱続き23年度静岡県議会終了 自民との溝 一層深く

 川勝平太知事の言動を巡って混乱が続いた2023年度の県議会が終了した。18日閉会した2月定例会は予算案の可決にこぎ着けたが、知事の危機管理姿勢が物議を醸し、「磐田は浜松より文化が高かった」との発言が新たな火種となった。最大会派自民改革会議と知事の溝は深まるばかりで、次期知事選を見据えて議会のさらなる緊迫化は避けられない情勢だ。

 ■強硬論
 「反省どころかエスカレートしている。一刻も早く混乱から脱却して新しい静岡県をつくりたい」。2月定例会閉会後、記者団の取材に応じた自民会派の増田享大代表は語気を強めた。閉会日直前の知事の「文化発言」には「特定の地域を侮蔑するひどい発言。県民の思いを受けて行動するのが議会の使命だ」と述べ、閉会中審査で追及する可能性に言及した。
 2月定例会は連日、知事の危機管理姿勢が問題視された。年明け早々、能登半島地震の首長会議を欠席。自民と公明党県議団が抗議を申し入れ、県外での大規模災害時に「責任ある行動」を求める決議案を全会一致で可決した。
 そのさなかに飛び出した文化発言。知事はかねて「今後、不適切発言をした場合は辞職する」と主張し、自民会派の一部には「不信任や辞職勧告決議案を出すべき」などと強硬論もあったが、ひとまず当事者の反応を見極める方針に落ち着いた。
 23年度の県議会は知事の言動を巡りたびたび紛糾した。6月定例会はいわゆる「コシヒカリ発言」を巡る給与未返上問題で知事不信任決議案が提出された。9月定例会は「東アジア文化都市のレガシー(遺産)拠点を三島市の国有地に置きたい」との発言で議会が空転。12月定例会で知事は訂正に応じないと明言したが、県議会の反発を受け謝罪と撤回に追い込まれた。

 ■煮え湯
 攻勢をかける自民。視線の先には来年の知事選がある。過去何度も煮え湯を飲まされただけに「いかに知事が不適格かを県民に発信し続ける」(ベテラン)。今後も一貫して辞職を求める姿勢は変わらず、再度の不信任決議案提出というシナリオも現実味を帯びる。
 公明会派も対決姿勢を強める。2月定例会最終本会議で登壇した盛月寿美氏は「県議会との信頼関係は崩れている。人や自治体を自分の勝手な基準で評価し、思いのままに発言、行動する姿はもう見たくない」と切り捨てた。
 一方、知事を支える第2会派ふじのくに県民クラブ。18日に会見した田口章会長は「これまでも不要な発言はしないよう伝えてきた。これ以上は続けてほしくない」と苦言を呈し、「(県民から)厳しい声が増えてきている気がする」とも述べた。不信任決議案はわずか1票差で否決されただけに、ふじ会派の動向が注目される。
 (政治部・森田憲吾)
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