政治部 森田憲吾
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自民県連、大村氏推薦を全会一致で決定 城内会長「決まった以上は一致団結」【静岡県知事選】
自民党静岡県連は22日、常任選挙対策委員会と総務会を静岡市葵区で開き、知事選(5月9日告示、26日投開票)に立候補を表明した元副知事大村慎一氏(60)の推薦を全会一致で決めた。23日にも党本部に上申する。浜松市の支部内には前浜松市長鈴木康友氏(66)を推す声もあったが、大村氏への一本化で決着した。短期決戦に向けた準備も本格化し、選挙モードに突入した。 総務会では、浜松市の複数の支部から「これまで経済界と連携してきた。地域事情を考慮してほしい」「大村氏と鈴木氏で意見が割れ、自主投票を求める声もある」との意見が出た。大村氏の推薦に反対する声はなかったという。 城内実県連会長(衆院静岡7区)は
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推薦か、自主投票か 24日判断 公明党県本部の対応 自民注視【静岡県知事選】
自民党静岡県連が大村氏の推薦を正式決定したことで、注目されるのが公明党県本部の動向だ。24日の役員会で大村、鈴木両氏のいずれかの推薦か自主投票かを判断する見通しで、県議会で協力関係にある自民は秋波を送る。 自民県連の増田享大幹事長は22日、「今まで情報共有してきた。まずは今日の結果を報告し、連携を図っていきたい」と記者団に述べた。 自民、公明両党は国政で連立を組み、県議会では連携して川勝平太知事と対峙(たいじ)してきた。自民県議は「新人対決とはいえ、知名度では市長経験のある鈴木氏が上。公明党がどちらを推すかで状況は大きく変わる」と対応を注視する。 公明県本部は20日に幹事会を開いて対応
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静岡県知事選巡る対応、公明県本部が結論持ち越し 24日に決定へ
公明党静岡県本部は20日、静岡市駿河区で幹事会を開き、知事選(5月9日告示、26日投開票)の対応を協議した。立候補を表明している元副知事の大村慎一氏(60)と前浜松市長の鈴木康友氏(66)の双方を推す声があり、結論を持ち越した。24日の役員会で方針を決める。 幹事会後、蓮池章平代表代行は記者団に「地域で考えに差があり、今日の時点では意見集約できなかった。どちらかに推薦を出すべきという声も、自主投票にしてほしいという声もあった」と説明した。 両氏はともに公明党県本部に推薦を依頼している。国政で連立を組む自民党県連は大村氏の推薦を内定し、連合静岡や立憲民主、国民民主両党県連、県議会会派ふじの
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自民静岡県連、揺れる「支援」 支部先行、鈴木氏か大村氏か「分裂含み」【静岡県知事選】
5月9日告示、26日投開票の静岡県知事選は元副知事の大村慎一氏(60)と前浜松市長の鈴木康友氏(66)による選挙戦が確定的となり、自民党県連がどちらを支援するかが焦点となっている。異例ずくめの短期決戦でようやく選考方針を決めたが、一部支部が先んじて支援の旗印を鮮明にする。支援先を一本化できるかは見通せず、県連と支部の足並みが乱れた2017年の知事選を想起する関係者もいる。 「どちらに決まっても、別の地域から批判が出るのは仕方がない」。城内実県連会長(衆院静岡7区)は15日の記者団の取材に、候補者選考の難しさを指摘した。「推薦出し合戦みたいなのはちょっと控えていただきたい」とも述べ、17日に
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【静岡県知事選】自民県連、18日めどに推薦候補内定 一本化成否が焦点
自民党県連は14、15の両日、知事選(5月9日告示、26日投開票)の候補者選定に向けた会合を相次いで開き、4月18日をめどに推薦する候補者を内定する方針を決めた。出馬表明した元副知事の大村慎一氏(60)と前浜松市長の鈴木康友氏(66)はいずれも自民県連に推薦願を提出していて、17日に両氏から政策を聞き取った上で判断する。一本化できるかどうかが最大の焦点。 14日に開いた静岡県選出国会議員と県議らによる会合で、候補者選考の手順やスケジュールを了承した。選考対象は「党派にとらわれず、『オール静岡』で支持を求める立候補予定者」とした。県連幹部が直接面談し、川勝県政の評価のほか、リニア中央新幹線問
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自民静岡県連、内憂外患の様相 「ポスト川勝」選びで分裂の火種 裏金事件でベテラン離党勧告も打撃
自民党県連が難局に直面している。党派閥の政治資金パーティー裏金事件で逆風にさらされる中、重鎮が離党勧告処分を受け、知事選でも難しい対応を迫られているのが実情。党勢が上向く気配はなく、「ポスト川勝」選びでは分裂の火種を抱え、内憂外患の様相だ。 「ご苦労をおかけしている。深く反省し、強い危機感を持って対応しないといけない」 党本部が7日に静岡市内で開いた政治刷新車座対話。茂木敏充幹事長は裏金事件で政治不信を招いたとして、県連三役やベテラン県議らに謝罪した。出席者からは「岸田文雄首相(党総裁)が責任を取るべき」「関係者全員の処分が必要」など厳しい声が相次いだ。 裏金問題は地方議員にも深刻な影
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自民静岡県連、新執行部で知事与党返り咲き狙う 候補者選び難航、分裂選挙懸念も
自民党静岡県連の新たな執行部の陣容が11日、内定した。5月上旬にも開かれる党県連大会で正式決定する見通しで、5月9日告示、同26日投開票の知事選でかじ取り役を担う。知事与党への返り咲きへ候補者選定を急ぐが、県連内の意見は割れ、特定の候補を推せるかどうかは不透明だ。分裂選挙への懸念も強まっている。 「知事選でわれわれが選択する候補者の勝利を目指す」「失われた15年を取り戻し、県政の信頼を回復させる」。11日に行われた役員選考会で、新三役は目前に迫った知事選に強い決意を示した。 対立が続いてきた川勝平太知事の突然の辞職で、自民にとっては知事ポストを奪取するまたとない好機が訪れた。超短期決戦と
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「紅こうじ」健康被害、新たに4人 静岡県内患者は計43人
静岡県は11日、小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡り、県内で健康被害の疑いのある患者が新たに4人確認されたと発表した。県内の患者は計43人になった。
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「紅こうじ」健康被害、静岡県内新たに4人 患者は計39人に
静岡県は10日、小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡り、県内で健康被害の疑いがある患者が新たに4人確認されたと発表した。県内の患者は計39人となり、健康被害の拡大に歯止めがかからない。 県内の患者はいずれも大阪市が回収命令を出した「紅麹(こうじ)コレステヘルプ」を摂取していた。県衛生課によると、対象商品は既に店頭から撤去され、販売されていないことを確認済みという。 川勝平太知事は同日の記者会見で「最近まで使用していた人は無症状でも念のため医療機関を受診し、健康被害が確認された場合は最寄りの保健所に連絡してほしい」と呼びかけた。
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浜松新球場、多目的ドームか屋外型か 基本計画策定へ 静岡県知事辞意で先行き不透明【ニュースを追う】
浜松市中央区の遠州灘海浜公園篠原地区の新野球場整備を巡り、県は6月にも、国の事業認可の前提となる基本計画を策定する。最短で2032年度供用開始というスケジュールも明らかになり、曲折をたどった大型プロジェクトは建設に向けて動き出す見通しとなった。ただ、焦点となっている規模と構造の絞り込みは先送りされ、「2024年問題」に伴う人手不足や建築資材の高騰など課題も山積する。川勝平太知事の突然の辞意表明もあり、肝いり事業の行方は視界不良だ。 県が野球場の整備を予定する遠州灘海浜公園篠原地区周辺(本社ヘリ「ジェリコ1号」から、写真部・宮崎隆男) 「雪の降らない静岡県は青空の下での野球場がいい。あ
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【裏金事件】静岡県連、首相責任問う声も 自民幹事長と「車座対話」
自民党は7日、派閥パーティー裏金事件を受け、党幹部が全国行脚して現場の声を聞く「政治刷新車座対話」を静岡市内で開き、茂木敏充幹事長が静岡県連関係者と意見交換した。関係者によると、県連側からは厳しい意見が相次ぎ、岸田文雄首相(党総裁)の責任を問う声も上がった。 冒頭を除き非公開。県連からは増田享大幹事長ら三役、ベテラン県議、青年局や女性部代表ら約10人が出席した。川勝平太知事の辞職表明に伴う次期知事選も議論になった。茂木氏は会合後、「県のトップをどうするか新しい局面を迎えている。今後、県連とも話し合い、対応を考えたい」と記者団に述べた。独自候補を擁立するかは明言しなかった。 車座対話は党勢
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川勝知事に「発言撤回と早期辞任を」 静岡県議会自公会派が申し入れ 不信任決議案は見送り
川勝平太知事による突然の辞意表明を巡り、静岡県議会会派の自民改革会議と公明党県議団は4日、職業差別と受け取れる発言の明確な謝罪と撤回を知事に申し入れた。県政の停滞や政治空白を生じさせるべきではないとして、一刻も早い辞任も求めた。自民会派内には不信任決議案の提出を求める声もあったが、可決が見込めないとして見送った。 自民会派の増田享大代表と公明会派の蓮池章平団長が知事室を訪れ、口頭で申し入れた。面会は非公開。両氏によると、川勝知事は「しっかりと受け止めます」と答えたという。 増田代表は記者団に「発言で傷つけられた皆さんの思いは収まっていない。これからもできる限りの謝罪をしてほしい。地元の気
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【自民・塩谷氏離党勧告】衆院静岡8区支部長ポスト、県連幹事長「地元と協議」
自民党は4日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、関係議員ら39人の処分を決めた。安倍派の衆院側、参院側でトップだった塩谷立(衆院比例東海)、世耕弘成両氏を離党勧告とし、同派幹部を務めた下村博文、西村康稔両氏に党員資格停止1年、高木毅氏に同6カ月を科した。宮沢博行氏(衆院比例東海)は処分対象にならなかった。 塩谷氏への離党勧告処分が決まったことを受け、自民党静岡県連の増田享大幹事長は4日、衆院静岡8区の支部長ポストについて「衆院選が遠からず予想されている。時間的余裕もないため、地元支部や党員、役員としっかり協議したい」と述べた。静岡県庁で記者団の取材に応じた。 知事選への影響を問わ
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突然の表明に政界混乱 県議会「緊急事態」「停滞招く」【川勝知事辞職表明】
15年近く県政トップを務めてきた川勝平太知事が突然の辞任表明をしたことを受けて2日、静岡県内政界に衝撃が広がった。「5選に前向きだったのでは」「県政に停滞を招く」など与野党を問わず驚きの声が相次いだ。2025年の次期知事選は1年程度前倒しされる見通しとなり、選挙戦略の見直しは必至だ。リニア中央新幹線南アルプス静岡工区の工事にも影響するとの見方が出ている。 県議会も、突然の知事辞任表明に驚きの声が相次いだ。最大会派の自民改革会議の増田享大代表は取材に、「今回の発言は辞職に値するような内容だった」と断じ、知事不信任決議案の提出を視野に検討を進めていたことを明らかにした。「静岡県にとっては緊急事
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浜松新球場、供用開始32年度以降に 静岡県、規模と構造絞り込み難航も
静岡県が浜松市中央区の遠州灘海浜公園篠原地区に整備を予定する新野球場の供用開始時期を、最短で2032年度と見込んでいることが1日、分かった。国の事業認可と用地取得に約3年、設計と施工に約5年かかる。ただ、規模や構造の絞り込みは難航が予想され、想定通りに進むかどうかは見通せない。建設資材の高騰や深刻化する人手不足も課題になりそうだ。 同日公表した基本計画の素案で事業スケジュールを示した。県はこれまで具体的な供用開始時期を明らかにしていなかった。 県は野球場の規模と構造を①1万3千人の屋外型②2万2千人の屋外型③2万2千人の多目的ドーム型―の3案に絞り、素案に盛り込んだ。近くで産卵するアカウ
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水道管の劣化 AIで診断 県、更新事業を効率化 新興企業開発 システム活用 周辺の土壌や気象条件から判定
静岡県企業局は水道管の劣化状況を人工知能(AI)で診断する新たなシステムを導入した。周辺の土壌や交通量、気象条件といった膨大なデータから地中にある水道管の状態を判定し、地図上で可視化する仕組み。水道インフラの老朽化が課題となる中、最新技術を生かして更新事業の効率化を図る。 都内のスタートアップ(新興企業)が開発した水道管の劣化予測システムを活用した。水道管は地面に埋まっているため、土壌の成分や車の往来、地震の有無などで劣化の進み具合に差が生じるとされる。こうしたビッグデータと経過年数、過去の漏水履歴などの情報を組み合わせて劣化具合を推定する。 水道管の老朽化は全国的な課題だ。古くなって
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自動運転「レベル2」 移動サービス25年度に延期 静岡県、新車両導入
静岡県は29日までに、自動運転車両による移動サービスの開始時期を、目標としていた2024年度から25年度に延期する方針を決めた。走行速度や乗車定員に関する利用者ニーズを踏まえ、新たな車両を導入して実証実験を重ねる。新たな工程表では、25年度に一部の操作をシステムが担う「レベル2」の一般向け運行を始め、27年度に5カ所以上へ拡大し、30年度には特定条件下で運転手がいなくても走行可能な「レベル4」を実現するとした。 県建設政策課未来まちづくり室によると、新たに導入する車両はワゴン車タイプ。既存車両の最高時速19キロに対し、30キロ程度を想定する。乗車定員も現在の8人から10人程度に増える。2
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紅こうじサプリ 静岡県内疑い患者計6人 県「直ちに摂取やめて」
小林製薬の「紅こうじ」のサプリメントによる健康被害問題で、静岡県は28日、県内で関連が疑われる患者が新たに5人確認されたと発表した。うち2人は入院治療を受けた。いずれも腎機能障害を発症したが、重篤なケースはないという。患者は計6人となり、県内でも影響が広がってきた。 県衛生課によると、5人は大阪市が回収命令を出した「紅コウジコレステヘルプ」を摂取していた。摂取期間は数カ月から数年間。いずれも今年1~3月に発症した。手足のむくみや倦怠(けんたい)感、尿の泡立ちといった症状が出たり、血液検査で腎機能の数値が異常だったりした。6人の患者を保健所別にみると、富士が3人、中部、静岡市、浜松市が各1人
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紅こうじ商品摂取 浜松市保健所に相談「腎機能の数値悪化」 静岡県が国に報告
小林製薬の「紅こうじ」のサプリメントを巡る健康被害問題で、静岡県は27日、対象商品を摂取した人から「腎機能の数値が悪化した」との相談が浜松市保健所に寄せられたと明らかにした。健康被害が疑われることから国に報告したという。
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大井川鉄道の在り方検討会 早期運行再開で一致 8.4億円の財源確保焦点
2022年9月の台風15号で被災し一部区間で運休が続く大井川鉄道(島田市)の在り方検討会が26日、県庁で開かれ、早期の運行再開を目指す方針で一致した。運行再開に必要な費用約22億円のうち、大鉄の負担額は8・4億円以上になる見込みで、財源をどう確保するかが今後の焦点となる。具体的な再開時期は明示しなかった。 検討会は国や県、大鉄のほか、沿線の静岡市、島田市、川根本町などで構成。新型コロナウイルスや自然災害の影響で厳しい経営環境が続く中、観光資源としての重要性や地元の要望などを踏まえ、24年度も全線復旧に向けた検討を継続していく。資金調達の手段としてクラウドファンディング(CF)や企業版ふるさ
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2025年知事選への対応協議 自民静岡県連会合 候補者リストを共有
自民党静岡県連は23日、静岡県内選出国会議員と三役、歴代幹事長による会合を静岡市内で開き、2025年の次期知事選や政治とカネの問題を巡って意見交換した。知事選では候補者リストを共有し、絞り込みを本格化させる方針を確認した。 会合は非公開。国会議員や県議ら約20人が出席した。関係者によると、本県に関わりのある官僚や政治家などをリストアップした資料が提示されたが、擁立作業で具体的な進展はなかった。 城内実会長(衆院静岡7区)は会合後の取材に、「最もふさわしい方に知事になっていただくためにも、自民だけで決めるということでなく、各種団体、財界を含めていろいろな方に意見を聞きながら進めていきたい」
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子どもの意見を施策に反映 静岡県が聴取本格化 24年度、「こども計画」策定 仕組み構築へ
静岡県は2024年度、子どもや若者の意見を施策に反映させる取り組みを本格的に始める。昨年4月施行のこども基本法が義務づけているためで、対面やオンライン、アンケートなどさまざまな手法を駆使して当事者の声を聴く。ただ、対象範囲や意見集約の方法、率直な意見をどう引き出すかなど課題も多く、24年度末に策定する「県こども計画(仮称)」をモデルに意見聴取の仕組みをつくる。 少子化対策や子ども・子育て支援を総合的に進める庁内組織「ふじさんっこ応援推進本部」の会合をこのほど開き、全庁を挙げて子どもの意見聴取、反映に取り組む方針を確認した。副本部長の瀬崎浩二健康福祉部理事(少子化対策担当)は「どのような手法
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知事言動で新たな火種 混乱続き23年度静岡県議会終了 自民との溝 一層深く
川勝平太知事の言動を巡って混乱が続いた2023年度の県議会が終了した。18日閉会した2月定例会は予算案の可決にこぎ着けたが、知事の危機管理姿勢が物議を醸し、「磐田は浜松より文化が高かった」との発言が新たな火種となった。最大会派自民改革会議と知事の溝は深まるばかりで、次期知事選を見据えて議会のさらなる緊迫化は避けられない情勢だ。 ■強硬論 「反省どころかエスカレートしている。一刻も早く混乱から脱却して新しい静岡県をつくりたい」。2月定例会閉会後、記者団の取材に応じた自民会派の増田享大代表は語気を強めた。閉会日直前の知事の「文化発言」には「特定の地域を侮蔑するひどい発言。県民の思いを受けて
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資材高騰 公共工事を直撃 事業費膨張 人手不足が追い打ち 計画見直し 県内相次ぐ【迫る24年問題】
建設資材や人件費の高騰を受け、静岡県内の公共工事で事業費の膨張や工事の遅れといった影響が広がっている。建設業界の残業規制が厳しくなる「2024年問題」で人手不足はさらに深刻化し、資材価格も高止まりが続く見通し。工事計画の見直しが相次ぎ、市民生活にも影響が及びつつある。 「当時の試算で370億円。今なら500億円近くになるのではないか」 7日の県議会建設委員会。浜松市の新野球場計画を巡り、地元選出の委員が多目的ドームの建設費をただした。県が示した概算事業費は22年度にはじいた数字で、直近の建設資材や人件費の高騰分は反映されていない。県の担当者は「浜松市と役割分担や費用負担を決めていきたい」
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浄水発生土 園芸用土へ 加工や販売の仕組み構築 静岡県企業局、業者と契約
静岡県企業局は2024年度、工業用水の浄水工程で出る「浄水発生土」を有効活用する取り組みに着手する。現在は大半を産業廃棄物として処分しているが、民間企業の協力を得て園芸用土に加工、販売する仕組みを構築する。年間約1億5千万円の処分費をゼロにすることを目指す。 有効活用するのは厚原浄水場(富士市)の浄水発生土。公募型プロポーザル方式でこのほど、大阪市の造園業者と契約した。浄水場内に新たに発生土の加工装置を設置し、運転や維持管理、販売までを一貫して手がける。今年10月の稼働を目指す。 「浄水発生土の処分費用が経営を圧迫し、長年の懸案だった」。企業局水道企画課の担当者はこう指摘する。 厚原
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川勝知事「磐田は浜松より文化高い」「藤枝東はボール蹴ることが一番重要」 会見で釈明、撤回せず
川勝平太知事は13日、磐田市を拠点に活動するサッカー女子なでしこリーグ1部の静岡SSUボニータによる表敬訪問で「磐田っていう所は文化が高い。浜松よりもともと高かった」と述べた。その後の定例記者会見で発言の真意を問われ、「他意はない。歴史的な事実を言っただけ」と釈明し、浜松市民も同様の認識を持っていると主張した。 県庁で監督や選手と懇談する中で発言した。知事は会見で、奈良時代に遠江国分寺が建立されたことを挙げ、「かつては磐田が遠州の中心地の一つだった」と説明した。浜松を引き合いに出した理由については「徳川家康が引間城に移ってから発展していった。浜松の人たちは知っている」と述べ、発言に問題はな
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マイカー依存73%に上昇 高齢者中心、コロナ影響か 静岡県西部交通実態調査
静岡県は2022年度に静岡県西部7市町で実施したパーソントリップ調査(交通実態調査)の速報値をまとめた。平日に移動する際の主な交通手段は自動車が73%を占め、07年度の前回調査から5ポイント上昇した。高齢者を中心にマイカー依存度が高まっている実態が浮き彫りになった。新型コロナウイルス禍の公共交通機関の利用控えなどが影響したとみられる。 このほど開いた県都市計画審議会で報告した。浜松、磐田、掛川、袋井、湖西、菊川各市と森町の住民のうち無作為に抽出した約2万7600世帯に調査票を送り、約7200世帯が回答した。特定の平日と休日各1日の外出について、目的地や交通手段を聞いた。 自動車以外の交通
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「受動喫煙ゼロ」数値目標に 家庭、職場、飲食店で35年度 静岡県の次期健康増進計画
静岡県は、本県の総合的な健康づくりの指針となる次期健康増進計画(2024~35年度)に、「受動喫煙ゼロ」の数値目標を明記する方針を固めた。当初は「望まない受動喫煙のない社会の実現」との表現で調整していたが、受動喫煙が健康に及ぼすリスクなどを踏まえ、より具体的な目標設定が必要と判断した。 このほど静岡市内で開いたふじのくに健康増進計画推進協議会に最終案を示し、了承された。県によると、現状で受動喫煙にさらされている人の割合(22年度)は家庭6・6%、職場21・1%、飲食店22・4%。いずれも35年度に0%にすることを目指す。 1月の同協議会たばこ・アルコール・薬物部会で、委員から具体的な数値
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浜松新野球場3案併記へ 基本計画にドーム型と屋外型 絞り込みは先送り
浜松市の遠州灘海浜公園篠原地区に整備予定の新野球場について、静岡県は7日の県議会2月定例会建設委員会で、多目的ドーム型1案と屋外型2案の計3案を盛り込んだ公園基本計画の素案を示した。規模と構造の1案絞り込みは先送りし、4月にパブリックコメント(意見公募)を実施した上で、3案を併記したまま基本計画を取りまとめる方針を明らかにした。 提示したのは(1)浜松市や地元経済界が要望する2万2千人収容の多目的ドーム型(2)1万3千人(愛鷹球場相当)の屋外型(3)2万2千人(草薙球場相当)の屋外型ーの3案。PFI(民間資金活用による社会資本整備)事業の成立が見込めることに加え、東部や中部にある県営球場
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障害者工賃 最高1万6866円 22年度 イベント再開寄与
静岡県内の就労継続支援B型事業所で働く障害者の2022年度平均工賃(月額)が前年度比398円(2・4%)増の1万6866円となったことが6日までの県のまとめで分かった。新型コロナウイルス感染拡大前の水準を上回り、記録が残る06年度以降で最も高額だった。 前年度を上回るのは2年連続。コロナ禍が収束に向かったことでイベントが再開し、「福産品」と呼ばれる授産製品の販売機会が増えた。障害者が農業分野で働く農福連携が進んだことも売り上げ増に寄与したという。 ただ、23年度に2万円まで引き上げる県の目標とは開きがある。県は事業所の販路開拓を後押ししたり、企業に福産品の購入や業務発注を呼びかけたりして
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森林集約 整備効率化 モデル事業着手 間伐費用を補助 静岡県議会
川勝平太知事は、静岡県内林業の生産性を向上させるため、複数の所有者にまたがる森林整備を効率的に進める「森林施業の集約化」を加速させる方針を示した。2024年度に所有者との合意形成や間伐などを支援するモデル事業に着手する。中谷氏への答弁。 林業従事者の高齢化や担い手不足で手入れができない森林の増加が懸念される中、森林の集約化を促すことで適正管理につなげる狙い。県によると、県内の民有林は5ヘクタール未満の所有者が7割を占める。小規模分散により森林整備が思うように進まないケースがあるという。 モデル事業は森林組合や民間事業者といった林業経営体を対象に、所有者との合意形成や作業道の整備、間伐など
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浜松新野球場 用地取得「時間要する」 規模、構造丁寧に検討 静岡県議会答弁
静岡県議会2月定例会は4日、自民改革会議の大石健司氏(牧之原市・吉田町)、藤曲敬宏氏(熱海市)、鈴木利幸氏(旧浜松市北区)、ふじのくに県民クラブの沢田智文氏(磐田市)が一般質問を行った。勝又泰宏交通基盤部長は浜松市の遠州灘海浜公園篠原地区に整備する新野球場について、国の事業認可の速やかな取得を目指す一方、公園全体の用地取得には「時間を要する」として規模や構造の絞り込みを丁寧に進める考えを示した。鈴木氏への答弁。 県は1万3千人の屋外型、2万2千人の屋外型、2万2千人の多目的ドーム型の3案を3月7日に始まる県議会建設委員会に示す。ただ、県議会内には「2月定例会での意見集約は難しい」との見方
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聴覚障害児の療育体制 構築 音声言語の習得支援 全国初 27年度までに 静岡県議会定例会
静岡県議会2月定例会は1日、自民改革会議の加藤祐喜氏(長泉町)、鳥沢由克氏(裾野市)、飯田末夫氏(旧浜松市南区)が一般質問を行った。森貴志副知事は聴覚障害児の音声言語習得を支援するため、2027年度までに全国初となる療育体制の構築を目指すと表明した。先進国オーストラリアの療育手法を取り入れ、聴覚訓練や聴力評価、カウンセリングを実施する療育センターを設ける。鳥沢氏への答弁。 県立総合病院(静岡市葵区)の「きこえとことばのセンター」に聴覚検査などに必要な機器を整備し、25年度から3年間、人工内耳を装用した県内の乳幼児を毎年10人程度受け入れる。オーストラリアの療育機関「シェパードセンター」の協
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アリーナ計画地 発掘調査 スポーツ施設には代替地案 静岡市議会
静岡市議会2月定例会は29日、自民党市議団の堀努氏と創生静岡の風間重樹氏が代表質問を行った。望月哲也観光交流文化局長は2024年度から、アリーナ整備を目指すJR東静岡駅北口市有地で遺跡発掘調査に着手する方針を示した。調査に伴い、暫定利用しているローラースポーツ施設の運営は25年9月末ごろまでを見込んでいるとし、新たな施設の候補地を検討する考えを明らかにした。堀氏への答弁。 北口市有地は埋蔵文化財包蔵地に指定され、恒久的な利活用を進めるためには発掘調査が必要となる。調査期間は今年6月ごろからおおむね3年間。まず芝生広場から始め、スケートボードやBMXを楽しめるローラースポーツパークエリアについ
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2万2000人ドーム型など3案 浜松新野球場 県絞り込み 県議会定例会
静岡県議会2月定例会は27日、自民改革会議の河原崎聖氏(島田市・川根本町)とふじのくに県民クラブの田内浩之氏(湖西市)が代表質問を行った。森貴志副知事は浜松市の遠州灘海浜公園篠原地区に整備予定の新野球場について、基本計画に盛り込む球場の規模と構造を2万2千人の多目的ドーム型など3案に絞り込んだと明らかにした。事業費については言及しなかった。田内氏への答弁。 ドーム型以外の2案はいずれも屋外型球場。規模は2万2千人と1万3千人で、近くで産卵するアカウミガメに影響を及ぼさないよう照明設備は設けない。 ドーム型は天候に左右されず幅広いイベントが開催可能で、屋外型は建設コストを抑えられる利点がある。
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2万2千人ドーム型など3案 浜松新野球場、静岡県が絞り込み
静岡県が浜松市の遠州灘海浜公園篠原地区に整備する新野球場を巡り、森貴志副知事は27日の県議会2月定例会で、基本計画に盛り込む球場の規模と構造を2万2千人の多目的ドーム型など3案に絞り込んだと明らかにした。田内浩之氏(湖西市、ふじのくに県民クラブ)の代表質問に答えた。 多目的ドーム型以外の2案はいずれも屋外型で、規模は2万2千人と1万3千人。ドーム型は天候に左右されず幅広いイベントが開催可能で、屋外型は建設コストを抑えられる。3案は2月定例会の建設委員会に示され、絞り込みに向けて議論が進展するかどうかが焦点。 森副知事は大手ゼネコンなどの民間事業者や野球関係団体への聞き取りを重ねた結果「野
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ふじっぴー初めておしゃべり「仲良くしてね」 ヤマハのAI技術活用 静岡県PR隊に【動画あり】
静岡県は22日、県のイメージキャラクター「ふじっぴー」がしゃべる姿をお披露目した。ふじっぴーが話すのは2000年の誕生以来初めて。ヤマハのAI(人工知能)技術を活用して実現した。SNSやイベントを通じ、県政情報や本県の魅力を声で伝える。 県庁のイベントに登場したふじっぴーは「ずっとみんなとおしゃべりしたいと思っていたんだ」と喜んだ。県広聴広報課の岩崎正課長から県PR隊に任命され、「おいしい食べ物や富士山、観光地をPRしたい」と意気込んだ。 県庁内の一時預かり保育施設の子どもたちと触れ合う場面もあり、「かわいい」「これからも仲良くしてね」などと掛け合いを披露した。 人の声をリアルタイムで
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持続可能な公共交通へ 事業者と連携し利活用促進 静岡県が計画案 人材確保を明記
静岡県は22日までに、持続可能な公共交通機関の在り方を示す「ふじのくに地域公共交通計画」の案をまとめた。人口減少や運転手不足など公共交通を取り巻く環境が厳しさを増す中、交通事業者や市町との連携を強化し、交通ネットワークの維持確保や利活用促進、サービスの高度化を図る。運転手など公共交通を支える人材確保も明記した。 計画案は2050年ごろに実現を目指す姿をまとめた「ビジョン編」と、24~28年度の5年間で取り組む具体的な施策を示した「プラン編」で構成。このうちプラン編は「地域の足を支える公共交通の確保」と「乗りやすい、乗ってみたい公共交通の提供」を基本方針に据えた。 公共交通をほとんど利用
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外国人材に「選ばれる県」へ サポートセンター開設 受け入れ環境整備 膨らむ介護ニーズに対応【静岡県24年度予算案】
介護現場で人手不足が深刻化する中、外国人の受け入れが拡大している。静岡県は13日発表した2024年度当初予算案に「国際介護人材サポートセンター(仮称)」の開設を盛り込み、人材確保対策を強化する方針を打ち出した。膨らみ続ける介護需要の担い手として期待が高まる一方、人材の奪い合いは国境や業種を越えて激しさを増す。介護サービスを持続させていくためにも受け入れ環境のさらなる充実が求められる。 「お元気ですか」。沼津市の特別養護老人ホームみはるの丘浮島で、インドネシア出身のフェブリ・ヨランダさん(26)が打ち解けた様子で利用者に話しかけた。経済連携協定(EPA)の介護福祉士候補者として働き始めて3年
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学習端末更新へ 基金創設に23億円計上 静岡県2月補正予算案
静岡県は13日、2023年度一般会計2月補正予算案を発表した。政府が全ての小中学生に学習用デジタル端末を配布した「GIGAスクール構想」で、端末更新の費用を積み立てる基金の創設に23億円を計上。国の補正予算に呼応し、介護職員や障害福祉職員らを対象に月額6千円相当の処遇改善を図る費用として12億8400万円を盛り込んだ。県茶業研究センター(菊川市)の新研究棟整備には17億2千万円を充てた。 新型コロナウイルス対策費や災害復旧費などの減額分を差し引き、全体では864億6千万円の減額補正となる。
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⚾野球通じスポーツ振興を ハヤテと静岡県が連携協定 公式戦観戦機会提供へ
今季からプロ野球2軍ウエスタン・リーグに参入する静岡市拠点のハヤテ223(ふじさん)と静岡県は8日、野球を通じたスポーツ振興に関する連携協定を結んだ。公式戦の観戦機会提供や野球教室の開催などを通じ、青少年の育成や交流人口拡大による地域活性化に取り組む。 ハヤテ223が運営する新球団「くふうハヤテベンチャーズ静岡」の池田省吾球団社長と村松毅彦県スポーツ・文化観光部長が、県庁で協定書に署名した。 村松部長は「プロ野球チームの誕生は大きな喜び。ハヤテ223のチャレンジに最大限協力し、スポーツの聖地静岡の実現を目指す」と述べた。池田社長は「既に地域の皆さんと触れ合う活動をスタートしている。協定を
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自動運転バスの実証実験相次ぐ 静岡県内公道6カ所、全国3位 運転手不足解消に期待
静岡県内で自動運転バスの実証実験が相次いでいる。県や静岡、浜松市などが計6カ所で公道走行を実施し、共同通信の調査では愛知、栃木両県に次いで3番目に多かった。県によると、このほかにも複数の自治体が関心を示し、運行エリアがさらに広がる可能性がある。残業規制強化で運転手不足が深刻化する「2024年問題」が懸念される中、人口減や高齢化が進む地方の移動手段として期待が高まっている。 23年度に静岡、浜松、沼津、掛川市、松崎町のほか、三島市と長泉町にまたがるエリアで実証実験が行われた。いずれも一部の操作をシステムが担う「レベル2」だが、特定条件下で運転手がいなくても走行可能な「レベル4」の実現を視野
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外国人介護職員1000人超 静岡県調査、雇用事業所も最多423カ所
静岡県が1月31日発表した外国人介護職員就業状況調査によると、2023年10月1日時点で県内介護事業所で働く職員は前年度より180人多い1066人となり、調査を開始した09年度以降で初めて千人を突破した。雇用事業所数も53カ所増の423カ所と過去最多を更新した。介護分野の人手不足が続く中、貴重な担い手として定着しつつある。 県は19年度に特定技能制度が創設され、就労目的で入国する外国人が増えていると指摘。日本語教育の支援などを通じ、引き続き人材確保と職場定着に取り組むとしている。 国籍別ではベトナムが28人増の218人となり、前年度トップのフィリピン(216人)を抜いて最多となった。ミャ
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記者コラム「清流」 逆さ地図
「逆さ地図」をご存じだろうか。日本海を中心に南北を逆転させた地図で、中国大陸の上に覆いかぶさるように日本列島が位置している。地政学リスクがよく分かり、東京支社勤務時代、国防族と呼ばれる国会議員の事務所で何度か目にした。 年始を襲った能登半島地震。被災地はインフラ復旧の遅れや避難生活の長期化などさまざまな苦境に直面している。「能登半島をひっくり返すと伊豆半島のようだ」。発災直後にこんな言葉を聞き、はっとした。道路網や医療提供体制、過疎化、住宅耐震化など同様の課題を抱え、本県にとって人ごとではない。 今回の地震はトップの危機管理意識も議論を呼んだ。国防も災害対応も、重要なのは想像力を働かせる
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ノロウイルス食中毒 静岡県が警報
静岡県は29日、県内でノロウイルスによる食中毒が相次いだことを受け、本年度初のノロウイルス食中毒警報を発表した。期間は2月5日まで。 県衛生課によると、ノロウイルスによる食中毒は1月17日に小山町の飲食店、同20日に浜松市中央区の食堂でそれぞれ発生した。いずれも提供された料理が原因で、調理従事者からの二次感染とみられる。 県は調理前とトイレ後の手洗い、食品の加熱調理などを徹底するよう呼びかけている。
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水道管の耐震化進まず、静岡県43% 財政難や人手不足が課題、災害復旧に影響
能登半島地震では水道施設が甚大な被害を受け、断水の長期化が課題となっている。南海トラフ巨大地震が想定される静岡県でも対策は急務だが、主要な水道管の耐震化率は自治体の財政難や人手不足もあって4割強にとどまる。被災地で復旧や給水に当たった自治体職員らはインフラ整備の重要性を指摘する。 「復旧作業がいつ終わるのか見通せない。長期戦を覚悟しなければ」 石川県珠洲市で水道施設の被災状況を調査した浜松市水道工事課の河村栄二技監(49)は現地の深刻な状況を語った。道路があちこちで陥没し、損傷箇所の特定も容易ではなかったという。「効率的に耐震化を進める必要がある」と教訓を口にした。 被災地では全国の
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男性育休、手取り10割に 静岡県独自支援へ 中小企業の取得促す
静岡県は2024年度、中小企業の男性従業員が育児休業を取得した場合、手取り収入が実質10割になるよう独自の支援金を支給する方針を固めた。男性の育休取得を促すとともに、育児中の家庭の経済的負担を軽減させるのが狙い。24年度当初予算案に関連費用として1千万円超を計上する。25日までの関係者への取材で分かった。 国は25年度から、育休給付を拡充して手取りを実質10割にする制度を始める。国に先駆けて取り組むことで少子化対策につなげ、仕事と子育てを両立できる環境づくりを推進する。 対象は中小企業に勤める男性従業員。14日間以上の育休取得を条件とし、給付日数は最大28日間とする方向で最終調整している
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相次ぐ震災、直後から心の支援「PFA」 静岡県内でも注目 専門職外も実践可能
全国各地で災害が頻発する中、発生直後から被災者に提供できる支援として、「PFA(心理的応急処置)」と呼ばれる手法が注目されている。カウンセリングや医療とは異なり、専門家以外の人でも実践できるのが特徴だ。能登半島地震の被災地では避難生活が長期化していて、専門家は被災者に寄り添った心のケアの重要性を指摘する。 「避難してきた人の表情を見ることが大切」「落ち着いて話を聞ける場所を確保して」 静岡県精神保健福祉センターが静岡市駿河区で開いた行政職員向けのPFA研修会。被災地支援などに取り組むNPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン(東京)の高橋布美子さんが呼びかけた。参加した県や市町の職員17人は
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浜松の新野球場 静岡県、認可取得へ調査 2024年度
静岡県は24日までに、浜松市中央区の遠州灘海浜公園篠原地区に整備する新野球場について、2024年度に事業認可の取得に向けた調査を実施する方針を固めた。24年度当初予算案に関連費用として2200万円を盛り込む。 事業認可の取得は基本計画の策定が前提となる。県議会6月定例会で成案を取りまとめた上で、国に事業認可を申請する。用地買収に必要な調査を進めるほか、民間の資金やノウハウを活用する「PFI」と呼ばれる手法の導入についても引き続き検討する。 県は野球場のタイプを3案程度に絞り込み、県議会2月定例会に提示する見通し。ドーム型と照明設備のない屋外球場が軸になり、パブリックコメント(意見公募)を
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困難抱える女性支援「調整会議」新設 静岡県が計画素案 全市町に女性相談員
静岡県はドメスティックバイオレンス(DV)や性被害、生活困窮などに直面する女性への支援を推進する新たな基本計画の素案をまとめた。支援内容を協議する調整会議を新設し、現在は県内18市にしかいない女性相談支援員を全35市町に配置する目標を明記した。民間団体との連携も強化し、必要な支援に結び付けていく。 名称は「困難な問題を抱える女性支援基本計画(仮称)」で、計画期間は2024年度から5年間。女性が抱える問題が多様化、複雑化する中、女性が安心し自立して暮らせる社会の実現を目指す。 22年に成立した困難女性支援法は女性の福祉増進や人権擁護を基本理念に掲げ、国と自治体は支援に取り組む責務があると
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【自民裏金事件】静岡県内議員 極めて深刻/派閥解散やむを得ず
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で3派閥の会計責任者らが立件された19日、静岡県内の同党国会議員に「極めて深刻な事態だ」と衝撃が広がった。裏金づくりの舞台となった派閥の解散が相次ぎ決まったことには「当然」「やむを得ない」と理解を示す声が上がる一方、これまで捜査が及んでいない派閥の所属議員からは「唐突だ」と戸惑いの声も漏れた。 最大派閥安倍派の宮沢博行氏(衆院比例東海)は、自身が主張していた同派の解散が決まったことについて「国民へのけじめとして必要なこと、当然のことだ」と受け止めた。「今回の問題は順法精神の欠如」とし、幹部に対して説明責任を果たすよう求めた。 二階派の若林洋平氏(参院
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能登被災地 水や食料なく緊迫 静岡DMAT活動報告
能登半島地震を受けて県内の医療機関から被災地に派遣された静岡DMAT(災害派遣医療チーム)の中間報告会が17日、県庁で開かれた。現地に入った医師らが「水や食料がなくなり緊迫した」などと過酷な状況を振り返り、南海トラフ巨大地震への備えとして日頃の訓練の充実を求めた。 県によると、静岡DMATは発災翌日の2日から15日までに、24チーム116人が被災地の石川県に派遣された。この日は6チームが活動を報告し、病院との連絡手段や医療ニーズの把握など現地で明らかになった課題を共有した。 浜松医科大付属病院(浜松市)のチームは最大震度7を観測した石川県志賀町の町立富来病院で活動した。担当者は「最も困っ
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高齢者虐待増 22年度482件 介護職員からは最多 静岡県まとめ
静岡県内の高齢者に対する虐待が2022年度に482件確認され、前年度から54件増えたことが16日までの県のまとめで分かった。このうち介護施設職員らによる虐待は過去最多を更新した。虐待に対する関心の高まりから相談や通報が増え、実態把握が進んだとみられる。 調査は高齢者虐待防止法に基づき、06年度分から毎年実施。市町が虐待と判断した件数を集計した。虐待件数の増加率は12・6%で、全国平均の2・1%を大幅に上回った。相談・通報件数は130件増の1006件で過去最多だった。 職員らによる虐待は22件確認され、前年度から3件増えた。被害を受けた高齢者は26人。暴行などの身体的虐待が57・7%で最も
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介護計画作成にAI活用 ケアマネ業務効率化へ 静岡県、効果検証
静岡県は介護支援専門員(ケアマネジャー)が作成するケアプランについて、人工知能(AI)を導入して業務効率化を図る取り組みに乗り出した。介護サービス利用者のビッグデータを活用し、質の高いプランづくりを後押しする狙いがある。高齢化の進行に伴い介護需要のさらなる増加が見込まれる中、県内のモデル事業所で効果を検証している。 ケアプランは要介護度や生活環境などに応じて、介護サービスの種類や頻度を決める。利用者や家族の意向を踏まえてケアマネがつくるのが一般的だが、経験に頼る部分が多く、ノウハウの伝達も難しいとされる。 AIシステムは利用者の基本情報や要介護認定情報などを入力すると、過去の膨大な情報
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特養待機者5000人割る 静岡県内4月時点、3年連続減
静岡県はこのほど、県内の特別養護老人ホームの入所希望者(待機者)が4月1日時点で4926人となり、1年前の前回調査から536人減ったと発表した。減少は3年連続。高齢者人口は増えているが、施設や入所定員などの受け皿が拡大したことが背景にあるとみられる。 一方、1人暮らしで介護者がいないなどの理由で入所の必要性が高いと判断された人は696人で、前回より10人増えた。県介護保険課は「在宅での生活が困難な人の入所ニーズに対応するため、特養をはじめとする施設整備を計画的に進める」としている。 市町別の待機者数は静岡市が804人で最も多く、浜松市656人、富士市355人、藤枝市314人、焼津市286
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後発品不正相次ぎ 医薬品製造の監視強化 静岡県、品質確保へ全施設に無通告査察
国内のジェネリック医薬品(後発薬)メーカーによる製造工程での不正が相次いだことを受け、静岡県が静岡県内の製造業者に対する監視体制を強化している。医薬品の供給不足が続く中、全国トップクラスの医薬品生産県である本県で重大な問題が発生すれば、医療現場などに深刻な影響を及ぼしかねないためだ。無通告の査察などを通じ、品質確保の取り組みや法令順守の体制づくりを後押しする。 後発薬を巡っては全国のメーカーで不正やトラブルが相次ぎ、県によると、2021年2月以降、全国16事業所が業務停止や業務改善命令を受けた。生産が停滞したところに、新型コロナウイルスなどの感染拡大が重なり、さまざまな医薬品の供給不足を招
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障害者虐待最多 静岡県内、2022年度77件 施設での発生増
2022年度に静岡県内の障害者が家族や障害者福祉施設職員らから虐待を受けた件数が77件に上ったことが、22日までの県のまとめで分かった。前年度から3件増え、障害者虐待防止法が施行された12年度以降で最も多かった。家族らによる虐待が前年度を下回る一方、施設職員による虐待は最多を更新した。 県障害者政策課は増加の理由について「虐待防止の研修が事業所に義務づけられ、虐待や通報に対する意識が高まったのではないか」と指摘した。県や県内市町に寄せられた相談・通報件数は8件増の181件と増加傾向にある。 施設職員による虐待は5件増の28件だった。利用者を平手打ちする、腹部をたたくといった身体的虐待が1
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盛り土条例検証へ特別委 県議会 自民、他会派に提案へ
静岡県議会最大会派の自民改革会議は21日までに、県盛り土規制条例の在り方を検討する特別委員会の設置を他会派に提案する方針を固めた。賛同が得られれば、2024年にも設置され、議論が始まる。条例の廃止も視野に入れ、盛り土規制法との整合性などを検証するとみられる。 条例は熱海市伊豆山の大規模土石流を教訓に制定され、一定規模以上の盛り土造成を届け出制から許可制に変更し、罰則を強化した。ただ、業界団体などからは、規制の厳格化により工事の遅れや経済的負担などを懸念する声が相次いでいた。23年5月には盛り土規制法が施行され、一部で「県民や事業者にとって二重規制になる」との指摘も出ていた。 自民会派は22年
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外国人宿泊客数 静岡県内9月は全国ワースト2位 コロナ前の4割
9月に静岡県内のホテルや旅館に泊まった外国人の数が、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年同月比で4割にとどまり、全国で2番目の低水準だったことが20日までに分かった。中国の訪日客数の回復が遅れていることが主因。一方、中国を除く外国人全体ではコロナ前を上回り、韓国や香港、台湾などが好調に推移している。 観光庁が公表した9月の宿泊旅行統計調査によると、県内の外国人延べ宿泊者数は8万6540人だった。前年同月から5・5倍に増えたが、19年比は60・3%減と落ち込んだままで、宮崎県の61・0%減に次ぐワースト2位だった。全国平均は18・9%増。17都府県がプラスに転じ、本県のインバウンド(訪日
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物価高「影響ある」6割 子どもの居場所、運営苦慮 静岡県調査
子どもへの食事提供や学習支援を手がける県内の「子どもの居場所」のうち、6割近くが物価高騰の影響があると回答したことが18日までの県の実態調査で分かった。1年前の前回調査からほぼ倍増した。食材の変更やメニューの見直しを強いられる施設もあり、運営に苦慮している実態が浮かんだ。 調査は9~10月、県と県社会福祉協議会が実施した。無償か低額で食事を提供する子ども食堂、勉強をサポートする学習支援施設、遊び場を提供する施設などを調べ、休止中を含めて計258施設を確認した。 物価高騰の影響があると答えたのは57・0%に上り、前回の29・9%を大幅に上回った。影響なしは35・7%(前回51・2%)だった
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子どもの頃から「適塩」慣れよう 静岡県の高血圧対策 給食試食会で保護者にも働きかけ
静岡県は高血圧対策の一環で、子どもの頃から適切な塩分量の食事に慣れてもらう「適塩キッズ育成事業」に乗り出した。家庭での取り組みが重要として、児童だけでなく保護者に対しても減塩や野菜摂取を働きかけるのが特徴だ。薄味の食事を意識付けることで、将来の生活習慣病予防につなげる。 静岡県の健康寿命は男女とも都道府県別で5位と「全国トップクラス」(県健康増進課)だが、脳血管疾患による死亡率の高さが健康課題となっている。県民健康基礎調査によると、1日当たりの食塩摂取量は男性が10・6グラム、女性が9・2グラム。いずれも国の目標(男性7・5グラム未満、女性6・5グラム未満)を上回り、日頃の食生活の適切な塩
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ハヤテ応援 協力を 県外近隣自治体に要請へ 静岡県議会
村松毅彦スポーツ・文化観光部長は来季からプロ野球2軍ウエスタン・リーグに参入するハヤテ223(ふじさん)の応援態勢構築に向け、山梨県や長野県など県外の近隣自治体にも協力を働きかける考えを示した。伊丹氏への答弁。 静岡県は7月、県営施設の優先使用などを盛り込んだ連携協定を静岡市、ハヤテと締結し、県内初のプロ野球球団創設を後押ししてきた。村松部長は安定した球団運営や県内での認知度向上、ファン獲得などを課題に挙げ、県民に公式戦の観戦や野球教室への参加を促すなど「オール静岡」で新球団を応援する機運を醸成すると強調。県外の自治体に対しても応援協力を求めるとした。 村松部長は「野球王国静岡の復活や地
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都市型スポーツ施設追加/中小補助制度見直しへ/民俗芸能保存継承に注力/病児・病後児保育107施設 静岡県議会12月定例会
静岡県議会12月定例会は6日、自民改革会議の江間治人氏(磐田市)とふじのくに県民クラブの伊藤和子氏(袋井市・森町)が代表質問を行った。勝又泰宏交通基盤部長は2024年度に策定を目指す遠州灘海浜公園篠原地区(浜松市西区)の公園基本計画について、中核施設となる野球場のほかにスケートボードやBMXといった都市型スポーツの施設整備を盛り込む方向で検討していると明らかにした。伊藤氏への答弁。 民間事業者を対象にした官民連携導入可能性調査では、都市型スポーツ施設の導入や合宿施設を併設することでより多くの集客が見込めることが判明したとし、勝又部長は「にぎわいの創出につなげていきたい」と述べた。近隣に道の
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忘年会シーズン食中毒にご注意 衛生意識に緩み? 静岡県警戒
忘年会シーズンを迎え、静岡県が食中毒の発生に警戒を強めている。新型コロナウイルス禍で患者数は抑えられていたが、今冬は宴会や外食の機会が増えるとみられ、衛生意識の緩みも懸念されるためだ。ノロウイルスによる食中毒が多発する時期にも重なり、県は「冬場もリスクは高い」として手洗いなどの対策を呼びかける。 県のまとめでは、2023年に県内で発生した食中毒はこれまでに6件、患者は113人に上る。21年(6件111人)や22年(8件167人)とほぼ同水準で推移する一方、コロナ感染拡大前の19年(14件785人)を大幅に下回る。コロナ禍で手洗いやアルコール消毒など衛生意識が高まり、飲食店の利用が控えられた
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脱「医師少数県」 数値目標を設定 次期保健医療計画素案 26年度に8317人
静岡県は5日までに、2026年度の県内医師数を20年末より345人多い8317人とする数値目標を次期保健医療計画に盛り込む方針を明らかにした。都道府県別で下位3分の1の「医師少数県」からの脱却を目指す。人口10万人当たりの医師数も219・4人から238・9人に引き上げるとした。県の独自調査で127人の不足が判明した病院薬剤師についても、人材確保の必要性を明記した。 このほど開かれた県医療対策協議会に素案を示した。来年3月の計画策定を予定する。 20年12月末時点の県内医療施設従事医師数は7972人。10年前から1089人増えたが、全国平均と比べて特に病院勤務医が少ない。人口10万人当たり
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大井川鉄道、全線再開に22億円 被災当時想定から膨らむ 自社負担8.4億
静岡県は29日、昨年9月の台風15号で被災し一部区間の運休が続く大井川鉄道(島田市)について、全線での運行再開に必要な費用が総額で約22億円に上ると明らかにした。鉄道・運輸機構や鉄道総合技術研究所による現地調査を踏まえて精査した結果、当初想定された約19億円から膨らんだ。大鉄の負担額は8・4億円以上になる見込み。県や地元市町による支援策や資金調達の方法を今後議論する。 同日に県庁で開かれた「大井川鉄道本線沿線における公共交通のあり方検討会」で報告した。大鉄の鈴木肇社長は会合後の取材に、「コロナ禍で赤字が続き、企業単独で負担するのは難しい。復旧の道筋は立っていないのが現状だ」と述べた。工事
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7都市公園基本計画案 静岡県、利用目標427万人 28年度再訪割合も明記へ
静岡県はこのほど開かれた県都市公園懇話会で、2024年度から5年間の次期県営都市公園経営基本計画案を示した。県草薙総合運動場など7公園の年間利用者数を28年度に427万6千人とし、22年度実績から8・5%引き上げる目標を掲げた。利用者の安定的な確保に向け、繰り返し来園するリピーターの利用割合を新たな指標として明記する方針も明らかにした。 対象は草薙総合運動場のほか、遠州灘海浜公園(中田島北地区)、愛鷹広域公園、県富士山こどもの国、小笠山総合運動公園、吉田公園、浜名湖ガーデンパーク。 年間利用者数の目標は、18~22年度の実績から新型コロナウイルスの影響を受けた20~21年度を除く平均値や
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知事選候補、早期擁立へ 自民静岡県連、会合で方針確認
自民党静岡県連は23日、2025年の次期知事選に向けた会合を静岡市葵区で開き、候補者の擁立作業を事実上スタートさせた。県議会で川勝平太知事に不信任決議案を突き付けるなど対立が先鋭化する中、早期に候補者擁立を目指す方針を確認した。具体的な候補者名は挙がらなかったという。 会合は非公開。県内選出国会議員のほか、増田享大幹事長ら県連三役、過去に幹事長を務めた県議ら約20人が出席し、リニア中央新幹線工事への対応をはじめとする県政課題や川勝知事に対する県民の評価などを巡って意見交換した。 自民県連は知事選のたびに川勝知事と激しくぶつかってきたが、不戦敗を含めて4連敗中。敗因の一つに候補者選考の遅れ
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静岡県移住相談、全国5位 2022年度、最多更新1万3496件 地方回帰持続なるか
静岡県と県内の市町が2022年度に受け付けた移住に関する相談件数は前年度比1855件増の1万3496件となり、全国順位は7位から5位に上昇したことが21日までの総務省のまとめで分かった。テレワークが浸透し、首都圏へのアクセスにも優れる本県への関心が高まったことが背景にあるとみられる。新型コロナウイルス禍で鈍っていた東京一極集中の再加速が指摘される中、今後も地方回帰の流れを持続できるかが焦点となる。 全国の自治体が東京などに設置した窓口やイベントでの相談件数を集計した。県内の相談件数は過去最多を更新し、調査が始まった15年度から4・4倍に拡大した。22年度の増加率は15・9%で、全国平均の1
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静岡県が橋渡し 宿泊業・人手不足解消 求職者・短期業務実習 観光需要の取りこぼし防ぐ
静岡県は県内のホテル・旅館に就職を希望する人と宿泊事業者をつなぐマッチング支援に乗り出す。新型コロナウイルスの5類移行などで観光需要が本格回復する一方、宿泊業界の人手不足は深刻さを増している。短期間の業務実習で接客技術などを身に付けてもらい、宿泊業界への就職を後押しする。 「宿泊業新規雇用支援事業」と題し、宿泊施設に正社員として就職を希望する人を県内外から40人募集する。モデル地域として設定した伊豆や浜松市西区など12市町のホテル・旅館が対象。求職者は2~10日間にわたってフロントや接客、清掃などの業務実習に当たる。勤務する上で必要なスキルや就労イメージを獲得してもらい、実習先施設への正
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静岡空港国際線、明暗分かれる ソウル・円安追い風に好調 上海・処理水影響?苦戦 台北・再開のめど立たず
新型コロナウイルス禍で落ち込んでいた航空需要が持ち直す中、静岡空港国際線の明暗が分かれている。3月にいち早く定期便を再開した韓国・ソウル線が搭乗率8割を超える一方、9月下旬に続いた中国・上海線は出足が鈍く、台湾・台北線は再開のめどが立っていない。国際線の搭乗者数はコロナ前に遠く及ばず、県は静岡空港の完全復活に向けて運航再開の働きかけや需要の掘り起こしを急ぐ。 ソウル線は4~9月の搭乗者数が3万5925人、搭乗率が81・9%と好調に推移している。円安を追い風にインバウンド(訪日客)が増え、観光のため静岡から韓国を訪れるアウトバウンド需要も寄与した。10月29日からは毎日運航となり、搭乗者数の
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臨床研修医内定、最多282人 24年度静岡県内 県の確保対策奏功
新人医師が医療現場で指導を受ける臨床研修制度で、県内の病院で2024年度から研修を始めることが内定した医学生らが前年度より10人多い282人となり、過去最多を更新したことが16日までに分かった。増加は3年連続。本県の課題である医師不足解消には若手医師の定着が不可欠で、県は引き続き医療機関と連携して医学生向けのリクルート活動など医師確保対策を推進する。 厚生労働省が公表した医師臨床研修マッチング結果によると、24年度に臨床研修を受け入れる県内24病院の募集定員は計304人。定員に対する内定者の割合を示す「マッチ率」は92・8%だった。前年度から1・2ポイント上昇して過去最高となり、都道府県
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病院薬剤師、100人超不足 薬局と競争激化で採用苦戦 静岡県調査
医療現場の人手不足が課題となる中、静岡県内の病院で働く薬剤師が100人以上不足していることが15日までの県の調査で分かった。病院関係者からは「採用がままならない」「薬局との競争が激化している」と切実な声が上がる。人材確保を後押ししようと、県は全国の薬学生を対象にした病院合同就職説明会を来年2月に初開催する。 「希望通りの人数がなかなか集まらない」。島田市立総合医療センターの浅原慶徳薬剤部長(59)は薬剤師の採用の難しさを指摘する。毎年2~3人の薬剤師を募集しているが、定員に達しないケースが多く、採用ゼロの年もあった。 在籍する常勤薬剤師は29人。育休や産休取得による一時的な不足を補えな
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持続可能な医療提供へ 静岡県、金融機関と連携強化 病院の安定経営支援
高齢化と人口減少が進む中、県は持続可能な医療体制の提供に向けて金融機関との連携強化に乗り出した。このほど県内の銀行や信用金庫の担当者らが参加する地域医療構想セミナーを初開催した。今後の医療ニーズの変化を見据え、地域に根差す金融機関の知見やノウハウを生かしながら医療機関の安定経営を支援する狙いだ。 県は団塊の世代が全員75歳以上となる2025年時点を想定した地域医療構想を策定し、医療提供体制の将来像をまとめているが、新型コロナウイルスを踏まえた新興感染症への対応や来春から始まる「医師の働き方改革」は反映されていない。人口構造の変化や医療現場を支える人材確保などへの対応が急務となる中、政府は
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孤独・孤立対策へ官民組織、静岡県が設立 コロナで深刻化、支援機関連携促進
静岡県は新型コロナウイルス禍で深刻化した孤独・孤立問題に対応するため、現場で支援活動に携わる関係機関の連携を促す新たな官民組織を立ち上げた。人と人とのつながりが希薄化し、今後も高齢者を含めた単身世帯の増加が見込まれるとして、多様な支援ニーズに対処するためのネットワークを構築する。 行政やNPO、社会福祉協議会などでつくる「ふじのくに孤独・孤立対策プラットフォーム」を9月末に設立した。コロナ禍で自殺や経済的困窮、虐待、ドメスティックバイオレンス(DV)といった問題が顕在化したことを踏まえ、分野ごとに活動する団体の連携を強化し、孤独・孤立対策を横断的、広域的に進める狙いがある。 「誰もが助
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介護分野支援へ 静岡県が本腰 モンゴルで面接+ICT活用 人材獲得、定着に向け業務改善
介護分野の人手不足が深刻さを増す中、県が外国人材の獲得や介護事業所の業務改善に本腰を入れている。モンゴルで県内への就労を促す合同面接会を初開催したほか、情報通信技術(ICT)を活用した伴走支援を本格化させる。高齢化の進展で介護需要は高まり続けている。現場を支える人材の確保と定着を両輪で進め、将来にわたり介護サービスを維持、向上させることを目指す。 合同面接会は9月下旬、県と友好協定を結ぶモンゴル・ドルノゴビ県と首都ウランバートルの2カ所で開催した。外国人材の確保を目指す県内介護事業所4施設が現地を訪れ、モンゴルで介護を学ぶ学生や医療従事者、日本への留学予定者ら200人余りとマッチングを図
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医療機関検索 全国と統合 静岡県のサイト23年度末廃止 情報幅広く、利便性向上
静岡県は8日までに、県内の医療機関や薬局の機能、当番医の情報をインターネット上で検索できる「医療ネットしずおか」を2023年度末で廃止し、24年4月から厚生労働省が運用する全国統一システムに移行すると明らかにした。各都道府県がばらばらに運用している医療機能情報提供システムを集約することで、患者らの利便性向上につなげる狙いがある。 このほど開いた県救急・災害医療対策協議会で報告した。新たなシステムでは全国の病院や診療所、薬局などの診療科目や診療時間、病床数といった情報を検索でき、都道府県にとってもシステムの運用や改修といった業務を効率化できる利点があるという。 医療ネットしずおかは06年
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中国人宿泊者3割超に 静岡県内8月、団体旅行解禁追い風 コロナ前水準には遠く
8月に県内のホテルや旅館に泊まった中国人は延べ2万5170人で、新型コロナウイルス感染拡大後、初めて外国人全体の3割を超えたことが2日までに分かった。日本への団体旅行解禁が追い風になったとみられ、宿泊者数は解禁前の7月から35・6%増えた。ただ、コロナ禍前の2019年8月(15万3490人)比では16・4%にとどまる。今後も持ち直しの動きは続くとみられるが、東京電力福島第1原発の処理水放出や中国の経済減速の影響で本格回復には時間がかかる可能性もある。 観光庁がまとめた8月の宿泊旅行統計調査(速報値)によると、県内の外国人宿泊者数は9万3870人だった。前年同月から6倍に増え、中国の伸びが
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危険ドラッグまん延、警戒 静岡県内9年ぶり販売店確認
大麻の有害物質の構造を一部変えた成分などを含む「危険ドラッグ」の販売店が静岡県内で約9年ぶりに確認されたことが29日までの県への取材で分かった。県や県警は2014年に全ての店舗を廃業に追い込み、摘発者数も急減したが、流通ルートが潜在化するなど根絶には至っていない。全国では使用者が救急搬送される事例も相次ぎ、「再び危険ドラッグがまん延する可能性がある」として関係機関が警戒を強めている。 危険ドラッグは覚醒剤や大麻と似た作用を持つ化学物質を含んだ薬物。県薬事課によると、今年7月時点で販売店が1店舗確認された。実際に店を構えて商品を取り扱っていた。所在地などの詳細は明らかにしていない。 厚生
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介護給付費 初の3000億円超 21年度 静岡県内 制度開始から3.7倍に
静岡県が25日までにまとめた2021年度の介護保険事業年報によると、介護サービスの利用者負担を除いた介護給付費は前年度比1・5%増の3030億6300万円だった。高齢化の進展に伴って利用が拡大し、初めて3千億円を上回った。 給付費は01年度に1千億円、09年度に2千億円を突破。介護保険制度が始まった00年度と比べると3・7倍に膨らんだ。25年には団塊の世代が全て75歳以上の後期高齢者となり、さらなる増加が見込まれる。 介護費用は前年度から1・5%増えて3368億4千万円となり、こちらも過去最多を更新した。 65歳以上の1人当たり給付費は26万1963円で前年度から1・8%増えた。全国平
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静岡県、ビッグモーターに街路樹の復旧費用328万円請求
中古車販売大手ビッグモーター富士店(富士市)の店舗前で県管理の街路樹が枯れるなどした問題で、静岡県は24日、原状回復にかかる費用として328万9千円を同社に請求したと発表した。11月6日を納付期限とし、納付後速やかに工事に着手するとしている。 県の土壌調査では除草剤に含まれる成分が検出された。県によると、ビッグモーター本社は「富士店が関与している可能性が高い」として全額を支払う意向を示しているという。 費用の内訳は土壌調査費が202万4千円、街路樹の復旧費(低木の復旧と土壌の入れ替え)が126万5千円。富士署に提出している被害届について、県道路保全課は「再発防止と原因究明の観点から取り下
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記者コラム「清流」 保育現場の萎縮
「過剰な報道で園児の散歩に行くのが怖い。周りからどう思われているか…」「1分間の休憩も取れない」―。子ども・子育て施策を話し合う県の審議会で、出席者が紹介した保育現場の声に胸が痛んだ。 静岡県内では昨年、子どもたちの安全を脅かす事件が相次いだ。虐待や不適切保育は許されないが、結果的に保育現場が萎縮し、子どもと向き合う保育士の心に余裕がなくなっていないか気がかりだ。人手が足りず、ぎりぎりの状態で運営している施設も少なくないと聞く。 政府は「異次元の少子化対策」や「こどもまんなか社会」を掲げ、保育の質向上に取り組むという。現場は保育士の使命感によって何とか支えられているといって
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侍ジャパン井端監督ら 守備のこつ伝授 静岡で指導者向け野球教室
元プロ野球選手による「三井ゴールデン・グラブ野球教室静岡教室」(三井広報委員会主催)が21日、静岡市駿河区の草薙球場で開かれた。野球日本代表の新監督で元中日の内野手井端弘和さんらが、県内の少年野球指導者ら約130人に守備のこつや効果的な練習方法を伝授した。 県内開催は初めて。井端さんのほか、元中日の投手今中慎二さん、元ロッテの捕手里崎智也さん、元ヤクルトの外野手飯田哲也さんが講師を務めた。いずれもゴールデングラブ賞を獲得した守備の名手。 井端さんは捕球時の構えやスローイングなどの基本動作を解説。自ら守備練習を実演し、里崎さんのノックを受けた。今中さんはキャッチボールのポイントを教え、「山
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“弥生人”小屋づくりに挑戦 常葉大生ら貫頭衣で仮装 登呂遺跡「トロウィン」
静岡市駿河区の登呂遺跡で21日、ハロウィーンにちなんだイベント「ハッピートロウィン」が開かれた。「弥生人」に仮装した大学生らが、わら小屋づくりに挑戦した。 常葉大造形学部と教育学部の学生ら20人余りが参加し、古代の衣装「貫頭衣」を身に着けた。2メートルほどの竹で骨組みを作り、わらで覆って小屋を完成させた。22日にはミニコンサートを開き、収穫を祝うという。 学生は登呂遺跡の水田で赤米づくりも体験した。造形学部4年の府川天音さん(21)は「昔の人の暮らしや苦労を感じることができ、良い経験になった」と話した。 会場では飲食や物販のブース出店もあり、家族連れなどでにぎわった。 (政治部・森田
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高速の駐車場不足 大型車運転手休憩で「取り合い」 静岡県内SA【迫る24年問題】
静岡県内高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)で、大型車用の駐車場不足が深刻化している。平日の夜間を中心に慢性的に混雑し、長距離を走るトラック運転手が休憩時間を確保できず、枠外に駐車するケースも目立つ。残業規制が強化される「2024年問題」への対応が急務となる中、高速道路会社は駐車スペースの確保を急ぐ。 11日夜、御殿場市の東名高速道上り足柄SAは多くのトラックで混雑していた。あふれた車両が通路や乗用車・バス用のスペースに止まり、駐車場を見つけられずにそのまま本線に向かうトラックも見られた。 「平日は午後6時を過ぎると新東名駿河湾沼津SAより東側はどこも同じような感
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静岡県内の病院耐震化率92.4% 横ばいも全国2位 厚労省2022年調査
厚生労働省が2022年に実施した病院の耐震改修状況調査で、施設内の全ての建物が耐震基準を満たしている静岡県内病院の割合は92・4%だったことが17日までに分かった。前年調査から横ばいだったが、全国平均の79・5%を上回り、都道府県別で島根に次ぐ2位だった。 災害時の救急医療体制の充実強化が求められる中、16年の熊本地震では建物が損壊して診療できなくなった医療機関もあり、耐震性を満たさない病院の早期改修が全国的な課題となっている。 調査は9月1日時点で、全国8160病院を対象に実施した。回答率は99・1%。 県内は調査対象の全170病院が回答した。「全ての建物に耐震性がある」と答えたのは
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障害者向け奨学金創設 篤志家が多額寄付「夢後押し」 静岡市協会
静岡市障害者協会などは12日、静岡県内の障害者を対象にした奨学金制度を創設し、15日から募集を始めると発表した。返済不要で年間60万円を給付する。多額の寄付を寄せた篤志家の意向を受け、「障害のある人たちの夢を後押ししたい」と応募を呼びかけている。 協会によると、障害者に対する給付型の奨学金は全国でも珍しいという。名称は「しずおかTIP―OFF(ティップ・オフ)奨学金」。車いすバスケットボールで活躍した浜松市出身の男性(故人)の親族から遺産が寄付されたことを踏まえ、バスケの試合開始時に行うジャンプボールにちなんで命名した。 障害者手帳を持つ県内在住者で、2024年4月に国内の大学や短大、
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建設発生土活用へ仮置き場 長泉、静岡、浜松に整備 県方針 年内に運用開始
静岡県は12日までに、ストックヤードと呼ばれる土砂の仮置き場を長泉町と静岡市、浜松市にそれぞれ整備する方針を固めた。工事現場などで生じる建設発生土の利活用を促す狙いで、年内の運用開始に向けて調整している。運営効果を検証し、2024年度以降はさらに複数の地域に整備することを目指す。 ストックヤードは建設工事やトンネル工事で発生した土砂を一時的に仮置きし、別の工事現場へ搬出して再利用するための施設。22年7月の県盛り土規制条例施行に伴い最終処分場の受け入れ費用が高騰する中、処分される発生土の全体量を減らし、環境負荷低減につなげようと、地域バランスを考慮しながら候補地の選定を進めていた。 県技術調
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静岡県、ビッグモーターと費用請求視野に来週協議へ 富士店の街路樹問題
中古車販売大手ビッグモーター富士店(富士市)前で静岡県管理の街路樹が枯れるなどした問題を受け、県は4日の県議会建設委員会で、原状回復にかかる費用などの請求を視野に来週、同社と協議する方針を明らかにした。 県の土壌調査では除草剤に使用されるグリホサートとブロマシルの成分が検出され、県は9月7日に器物損壊容疑で富士署に被害届を提出した。土壌の入れ替えや低木の植樹、土壌調査などに要する費用を原因者に請求する意向を示している。 同社店舗前では同様の被害が各地で確認されていて、自治体が原状回復費用を請求する動きが広がっている。西原宏昌道路保全課長は「ビッグモーター本社と来週に協議を予定しており、費
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飼料用米の生産拡大支援 収量確保へ品種選定 静岡県議会答弁
静岡県議会9月定例会は29日、自民改革会議の赤堀慎吾氏(菊川市)と鈴木啓嗣氏(浜松市西区)、宮沢正美氏(三島市)、ふじのくに県民クラブの伴卓氏(富士市)が一般質問を行った。桜井正陽農林水産担当部長は水田農業の経営安定化に向けて、収量が多い品種の選定など飼料用米の生産拡大を後押しする方針を示した。赤堀氏への答弁。 人口減少や食生活の変化で主食用米の需要が減り続ける中、政府は需給の安定を目的に、主食用米から飼料用米や米粉用米、麦、大豆などへの転作を奨励している。 飼料用米については、国が収量が多い専用品種への切り替えを促すため、2024年産から一般品種の交付金を減額することを受け、本県の気候
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医療的ケア児の支援拠点強化 静岡県議会で知事答弁 職員増員を検討
静岡県議会9月定例会は28日、自民改革会議の市川秀之氏(浜松市浜北区)と和田篤夫氏(御殿場市・小山町)、ふじのくに県民クラブの川崎和子氏(磐田市)が一般質問を行った。川勝平太知事は日常的に医療のケアが必要な子どもや家族らを支える地域拠点「県医療的ケア児等支援センター」について、職員の増員やサテライト施設の設置を検討していると明らかにした。川崎氏への答弁。 同センターは2022年7月、静岡市駿河区の静岡総合庁舎内に開設され、日常的にたんの吸引や人工呼吸器などが必要な医療的ケア児、重症心身障害児らを支援している。今年4月には保育、福祉、教育の各分野に精通したアドバイザーを新たに配置し、関係機
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静岡県内の銭湯値上げ 10月から大人490円 4年ぶり改定
静岡県は26日、県内公衆浴場(銭湯)の入浴料金の上限額を10月1日に改定し、12歳以上の大人を450円から490円に引き上げると発表した。物価高騰に対応するための措置で、改定は2019年10月以来、4年ぶり。 6歳以上12歳未満は180円から200円に、6歳未満は90円から100円にそれぞれ改定する。対象となるのはスーパー銭湯を除く県内10施設。県衛生課によると、燃油価格の高騰などで銭湯の経営が圧迫されていることに加え、全国的に料金改定の動きが進んでいることを踏まえた。県公衆浴場業生活衛生同業組合からも要望があったという。 銭湯の入浴料金は物価統制令に基づき、都道府県知事が上限額を指定す
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訪日教育旅行回復基調に 静岡県内、2023年度800人超に 現地向け誘客強化
新型コロナウイルス禍で途絶えていた静岡県内への訪日教育旅行が回復してきた。2023年度は9月末までに800人余りを受け入れる見込みで、ピーク時の水準には届かないものの、児童生徒らの国際交流が従来の姿に戻りつつある。県は「本県の魅力を発信し、インバウンド(訪日客)拡大に結び付けたい」として、現地の学校への働きかけなど誘致活動を本格化させる。 15日、静岡市清水区の清水南高・中等部にマレーシアから訪れた13~16歳の生徒21人が到着した。清水南の生徒は音楽演奏やダンスで歓迎。昼食を一緒に食べたり授業を受けたりして、英語でコミュニケーションを図った。日本のアニメなど共通の話題で打ち解ける様子も見
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静岡県、こども計画策定へ 少子化、貧困、虐待など対策
静岡県は21日までに、本県の子ども政策の指針となる「県こども計画」を策定する方針を固めた。複数の現行計画を一本化し、少子化対策や子どもの貧困、虐待防止といった重要施策を総合的に推進する。当事者の考えを反映させるため、計画づくりの過程で子どもや若者に対して意見聴取を実施する。 今年4月施行のこども基本法は、都道府県にこども計画を定めるよう努力義務を課している。県は政府が年内にも取りまとめる「こども大綱」の内容を踏まえ、2024年度から本格的な策定作業に着手する。計画期間は25~29年度の5年間とする方向で調整している。 現行の「県子ども・若者計画」や「ふじさんっこ応援プラン」を一本化し、妊
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公明・山口代表 「賃上げ持続を」 静岡県本部会合で訴え
公明党の山口那津男代表は19日、静岡市内で開かれた党県本部の会合であいさつし、「物価上昇率を上回るレベルの賃上げが来年以降も持続することが大切だ」と述べた。政府が10月中に取りまとめる経済対策について、与党として具体的な提案をしていく考えも示した。 物価上昇に関し、「最初はエネルギー由来のものだったが、影響が広く及んでいる。電気・ガス(への補助)は年末まで継続されることになったが、もっと力強く幅広い経済対策が必要だ」と強調した。人手不足への対応やデジタル化の推進、脱炭素の取り組みなどを列挙し、経済対策に盛り込む必要性を指摘した。 次期衆院選に向けては、衆院議員の任期が10月に折り返しを迎える
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梅毒 静岡県内でも感染急増 2023年最多ペース、300人超える勢い
性行為などで感染する「梅毒」の患者が全国で急増する中、今年の静岡県内の感染者数が統計上最多ペースで推移していることが、県への取材で分かった。交流サイト(SNS)の普及が一因との指摘もあり、県は若年層への啓発に力を入れる。医療関係者は「早期の発見と治療が重要」と呼びかけている。 SNSの普及一因? 静岡県、若年層啓発に注力 「数年前は年に1人いるかどうかだったが、最近は多い時で月に3~4人になる」 かげやま医院(静岡市葵区)の影山慎二院長(62)=泌尿器科医=は梅毒感染者の急増に驚きを隠さない。新型コロナウイルスの感染拡大前ごろから増え始めたといい、「検査を受けずに感染を広げている人がい
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「お達者度」自立健康生活期間、静岡県全体伸び 男性/菊川初のトップ 女性/御殿場6年連続
静岡県は15日までに、65歳から自立して健康に生活できる期間を示した2020年の「お達者度」をまとめた。男性は18・59年、女性は21・57年で、いずれも前年から延伸した。市町別にみると、男性は菊川市が19・45年で初めて1位になり、女性は御殿場市が22・57年で6年連続トップだった。 要介護度2未満の状態を「お達者」と定義し、人口や死亡数、介護認定状況のデータに基づいて県が毎年独自に算出している。県全体は前年に比べ男性が0・29年、女性が0・19年それぞれ伸び、いずれもデータの公表を始めた09年以降で最長となった。 2位以下は男性が裾野市、袋井市、湖西市、三島市の順。女性は湖西市、森町
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静岡県内100歳以上は2808人 最高齢は112歳
静岡県は15日、県内の100歳以上の高齢者が2808人になったと発表した。前年調査から129人増え、過去最多を更新した。男性は1人減の323人、女性は130人増の2485人だった。最高齢は112歳の臼井ますさん(小山町)。 本年度に100歳を迎える人は1465人(男性210人、女性1255人)で、前年度より139人多い。 県は100歳を迎える人に駿河竹千筋細工の花器などの記念品を贈る。
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上川外相の手腕に期待 外交課題山積、地元関係者「閣僚経験生かして」
衆院静岡1区選出の上川陽子氏が外相に起用された13日、地元関係者からは外交手腕に期待する声が上がった。緊迫するウクライナ情勢や中国との関係悪化、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への対応など課題が山積する中、「4度の閣僚経験を生かして」「日本の地位向上を」などと求めた。 静岡市葵区の上川氏の事務所には支援者が集まり、閣僚名簿発表を中継するニュースを見守った。午後1時過ぎ、松野博一官房長官が上川氏の名前を読み上げると、拍手が起きた。祝福の電話が相次いで寄せられ、コチョウランの鉢植えも次々に届いた。 事務所に駆けつけた青山吉和後援会長(69)は「外相と聞いてびっくりしたが、これまでの閣僚経験を生
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デジタルスタンプラリーで観光周遊促進 静岡県が9月14日から データ分析、有効活用へ
静岡県は14日から、県公式観光アプリ「TIPS(ティップス)」を活用したデジタルスタンプラリーを始める。県内108カ所の観光スポットを巡って集めたスタンプ数に応じ、飲食や買い物に使える最大2500円相当のポイントを付与する。国内外の観光客に県内の周遊を促すとともに、収集した旅行者データを事業者に提供して今後の観光戦略に活用してもらう。 「しず旅スタンプラリー」と銘打ち、来年2月末までの約5カ月半にわたり展開する。スマートフォンにアプリをダウンロードして指定の観光スポットを訪れると、スタンプを取得できる。1カ所で100ポイント、3カ所で計500ポイント、10カ所で計2000ポイントといった
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宿泊者20%増937万人 静岡県内上半期、コロナ前に届かず
2023年上半期(1~6月)に県内のホテル・旅館に宿泊した日本人と外国人の総数は延べ937万1950人で、前年同期に比べて20・4%増えたことが観光庁の宿泊旅行統計調査で分かった。新型コロナウイルスの行動制限緩和やインバウンド(訪日客)の回復が寄与した。ただ、コロナの影響がなかった19年上半期と比べると、85%の水準にとどまる。東京電力福島第1原発処理水を巡る中国の対日感情悪化も懸念材料として浮上してきた。 1~6月の宿泊旅行統計調査(速報値)を集計した。このうち日本人の宿泊者数は896万5610人で、前年同期より15・7%増えた。19年比は9・2%減。外国人は前年同期比12・1倍の40
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企業版ふるさと納税 裾野市に静岡県内8割15億円 自治体間で大きな格差
企業版ふるさと納税制度を活用した2022年度の静岡県内自治体への寄付額は前年度比0・6%増の19億8300万円、寄付件数は76%増の245件で、いずれも制度が始まった16年度以降で最多だったことが7日までの内閣府のまとめで分かった。企業側の関心が高まり、自治体にとって新たな自主財源の確保につながる一方、自治体間で寄付額の差が広がりつつある。 同制度は、民間企業が国に認定を受けた地方創生の計画を持つ自治体を選んで寄付ができる。県と県内市町を合わせた22年度の寄付額は北海道、群馬県に次いで全国3位だった。寄付を受け入れた県内の自治体は21年度の28から30に増えた。 自治体別にみると、裾野
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5月宿泊者15%増 静岡県内172万人 コロナ前比9%減
観光庁がまとめた5月の宿泊旅行統計調査(速報値)によると、静岡県内のホテル・旅館に泊まった日本人と外国人の総数は延べ172万4360人で、前年同月に比べ15・4%増えた。新型コロナウイルスの影響がなかった2019年比では9・9%減だった。 このうち日本人の宿泊者数は165万250人で、前年同月より11・0%増えた。19年比は2・4%減。外国人は前年同月比9・7倍の7万4110人に膨らんだ。19年比は66・5%減だった。8月10日にはコロナ禍で制限されていた中国からの団体旅行が解禁され、訪日客の動向が注目される。 5月の客室稼働率は48・0%。前年同月より3・9ポイント上昇し、19年比では
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牧之原置き去り事件1年 バス安全装置設置53% 障害児施設に遅れ 静岡県まとめ
静岡県は5日、牧之原市の認定こども園で発生した通園バス置き去り死事件をきっかけに義務化された安全装置について、8月末時点の設置率が53・0%にとどまるとの調査結果を発表した。教育・保育施設が86・5%に上ったのに対して、障害児通所支援事業所は35・6%となり、特に障害児通所支援事業所で設置が遅れている実態が浮き彫りになった。 県が独自に集計し、事件から丸1年となった5日に合わせて公表した。県は「子どもの安全を確保するため、できるだけ早期に100%を達成するよう働きかけていく」としている。 県内の保育所や認定こども園、幼稚園など248施設の計591台と、児童発達支援センター、放課後等デイ
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こども救急電話相談「#8000」認知度43% 子育て世代中心に浸透 静岡県民アンケート
静岡県は3~9日の救急医療週間に合わせ、県政インターネットモニターを対象に実施した救急電話相談県民アンケートの結果を公表した。子どもの急な病気やけがの相談に対応する静岡こども救急電話相談「#8000」の認知度は43・4%で、2022年度の調査から11・4ポイント上昇した。15歳未満と同居している人に限ると85・1%に上り、子育て世代を中心に緊急時の相談先として浸透している傾向がうかがえた。 認知度は全ての年代で前回調査を上回った。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて24時間態勢に拡充し、周知に取り組んだことが要因とみられる。一方、「電話がつながりにくい」との指摘もあり、県は必要に応じて回線
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長沼立体計画 国と静岡市が住民意見聴取 渋滞解消へ範囲や構造検討 年度内に複数案提示方針
静岡市葵区の国道1号長沼交差点周辺の渋滞解消を図る「静岡南北道路長沼立体」計画について、国と市が住民への意見聴取を本格化させている。交通課題や求められる道路機能を整理し、立体化する範囲や構造といった整備方針を検討する。2023年度中にも開く有識者会議で複数案を示す方針だ。 長沼交差点は国道1号と主要地方道山脇大谷線が交わり、近接する静岡鉄道踏切を含めて渋滞が頻発している。東海道新幹線やJR東海道線をまたぐ長沼大橋も老朽化が進み、南海トラフ巨大地震などで落橋の恐れもある。国や市などは21年、南北軸である山脇大谷線の立体化と長沼大橋の架け替えを一体的に進める方針を打ち出した。 焦点となるの
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静岡空港上海線24日再開 静岡県、旅行会社への営業強化
静岡県は31日、新型コロナウイルスの影響で運休が続いている静岡空港の中国・上海線が9月24日に運航を再開すると発表した。中国からの団体旅行解禁が追い風となり、3年7カ月ぶりに定期便が運航する。インバウンド(訪日客)の拡大が見込まれ、県は現地旅行会社への営業活動などを強化する。 中国東方航空が10月28日まで日、金曜に週2回往復する。コロナ前は1日1便運航していた。156人乗りの機材を使用する。10月29日以降の冬ダイヤの運航については同社が改めて公表する見通し。 静岡空港の国際線定期便の再開は今年3月のソウル線に次いで2路線目。県によると、コロナ前に就航していた寧波、杭州、南昌の中国路線
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ケアマネ資質向上へ評価表 5段階で判定 静岡県独自 サービス底上げ
静岡県は介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上を図るため、業務上必要な能力を評価する新たな仕組みを構築した。自己評価と他者評価をすり合わせて5段階で判定し、自分の強みや弱みを把握しやすくしたのが特徴。本県独自の取り組みとして定着させ、介護サービスの底上げにつなげる。 「県介護支援専門員キャリアラダー」と呼ばれる評価表を作成した。ラダーははしごの意味で、課題や目標を明確化してケアマネの段階的なキャリアアップを促す狙いがある。 社会保障制度の知識、対人援助技術、地域アプローチなどケアマネに必要とされる八つの能力を5段階で評価する。自分自身と指導的立場にある人がそれぞれ評価し、対話を重ね
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静岡人インタビュー「この人」 静岡県医療的ケア児等支援センターのアドバイザー 小林不二也さん(富士宮市)
日常的に人工呼吸器やたんの吸引などが必要な医療的ケア児等を支援するため、看護師資格を持つ2人のスタッフとともに相談対応や関係機関への橋渡しを担う。養護学校(当時)や国立病院で勤務経験があり、富士市や富士宮市で在宅の重症心身障害児を支援する施設を開設した。浜松市浜北区出身。66歳。 ―現状は。 「医療技術の進歩に伴い、これまで命を落としていた子どもたちを救えるようになった。県内には在宅で約600人いるとされ、今後も増えていくと予想される。ケア児と家族が地域で安心して暮らせる環境をつくるため昨年7月、県医療的ケア児等支援センターが設置された」 ―アドバイザーの役割は。 「医療的ケア児等の
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野菜マシマシ 広がる輪 「脳血管疾患」予防に期待 静岡県のプロジェクト
静岡県民の野菜摂取量増加を目指して県が取り組む「野菜マシマシプロジェクト」が、県内市町や企業にも広がりを見せている。野菜に多く含まれるカリウムが余分な食塩を体の外に排出するとされ、本県の健康課題である脳血管疾患の予防対策として期待が高まる。今月31日は「野菜の日」。県は「野菜をおいしく楽しく食べるきっかけにしてほしい」と呼びかける。 伊豆市は野菜マシマシを含むキャッチフレーズを募集している。健康づくりのイベントなどで活用する方針で、健康長寿課の担当者は「県と足並みをそろえ、市民を巻き込みながら高血圧対策に取り組みたい」と話す。31日には野菜摂取量の増加を促す食育キャンペーンを開き、野菜摂
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夢テラスに7カ月間カート 静岡県再実験 24年度運行目指す
静岡県は8月から、静岡市清水区の展望施設「日本平夢テラス」で、施設と駐車場を結ぶ電動カートの運行実験を始めた。急な坂道で高齢者や車いす利用者の負担軽減を図り、観光地としての魅力を高める狙い。来年3月まで約7カ月間にわたって需要や課題を見極め、2024年度からの正式運行を目指す。 5人乗りのゴルフ用カート1台を使い、駐車場から夢テラス正面入り口までの約200メートルを運行する。人が歩くのとほぼ同じ速度で、1時間に6回程度往復する。1台に4人まで乗車でき、1人当たり100円(往復)の寄付を求める。運行は施設の指定管理者に委託する。 夢テラスは集客が好調で、18年11月のオープンから今年6月
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医療8圏域を維持方針 静岡県、感染症やDX対応 次期計画骨子案
静岡県は18日までに、2024年度から6年間の次期保健医療計画の骨子案をまとめ、一般的な入院治療を完結できる県内八つの「2次医療圏」を維持する方針を明らかにした。今月30日に開く県医療審議会で了承されれば正式決定する。骨子案には新興感染症への対応や医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進などを新たに盛り込んだ。 2次医療圏は人口や入院患者の流出入の状況に基づき、複数の市区町村で構成するケースが多い。県内は賀茂、熱海伊東、駿東田方、富士、静岡、志太榛原、中東遠、西部の8圏域。国が示した「人口規模が20万人未満」「流入患者割合が20%未満」「流出患者割合が20%以上」の全ての基準に該
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静岡県、介護人材確保へ覚書 モンゴル国立医科大と 9月、現地で合同面接会
静岡県はこのほど、モンゴル国立医科大ドルノゴビ県キャンパスと介護分野の相互協力に関する覚書を締結した。9月に県内介護事業所が参加する合同面接会を同国で初めて開き、人手不足が続く介護業界で外国人材の確保を目指す。 覚書は、同キャンパスが介護分野で働く意欲のある人材を県に推薦すると明記。県は推薦を受けた人材が介護の技術を学び、県内で介護分野の仕事に従事できるよう支援するとした。 7月下旬に同国の首都ウランバートルで調印式を行い、県健康福祉部の八木敏裕部長とマンガル・オトゴチメグ学長が覚書に署名した。八木部長は「介護人材の確保は喫緊の課題。モンゴルの優秀な人材に活躍してもらえることは大変意義深
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業務改善へ職員提案制度 意思決定迅速、エレベーター運用見直しも 静岡市
静岡市の難波喬司市長は10日の定例記者会見で、職員による業務改善の提案制度を導入したと明らかにした。寄せられたアイデアを組織全体で共有し、改善策を検討・実行する。意思決定の迅速化や庁舎エレベーターの待ち時間短縮に向けた運用見直しなど、すでに着手した事業も複数あるという。 職員が日々の仕事の中で感じている業務上の無駄や職場の課題を洗い出し、業務変革につなげる狙い。6月5日に「職員アイデア提案箱」を設置したところ、同月末までに若手職員研修で提出された意見と合わせて約1600件が寄せられた。 提案内容は難易度や効果度に応じて「現行の仕組みで実現可」「本年度内に実施」「実現に向けた検討開始」など
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静岡県の授産製品企業認定制度 購入・発注 年30万円超「SDGSの理念実現」
静岡県は10日までに、障害福祉事業所で働く障害者の工賃アップを図るため、授産製品の購入や下請け作業の発注に積極的に取り組む企業・団体を認定する制度を創設した。年間の購入額と発注額が30万円以上の企業・団体名を公表し、入札で優遇する。県は「『誰一人取り残さない』という持続可能な開発目標(SDGs)の理念にも合致した取り組み」と協力を呼びかけている。 授産製品の愛称「福産品」にちなみ、「ふじのくに福産品等SDGsパートナー認定制度」と命名した。制度に関する説明会を9月1日と12月1日に開き、趣旨に賛同する企業・団体を募る。 対象は県内に本社や支店、営業所などを置く企業・団体。食品や雑貨などの
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記者コラム「清流」 危うい中国頼み
隣県の道の駅に立ち寄った時のこと。大勢の外国人観光客が土産物を買い込んでいる場面に出くわした。社会経済活動の正常化を改めて実感する一方、「県内ではあまり見かけない光景かも」と考えた。 訪日客が復調している。コロナ前の水準に近づき、許容量を超える人が押し寄せるオーバーツーリズムが懸念されるほどだ。ところが県内は回復のペースが遅れている。コロナ前に外国人宿泊客の約7割を占めていた中国人の落ち込みが大きいようだ。 サプライチェーン(供給網)の混乱を持ち出すまでもなく、観光客を特定の国や地域だけに頼ることは危うさもある。静岡空港では一足早く就航が再開したソウル線が好調という。中国客はいずれ回復す
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自動運転高度化図る 静岡県、10月から公道走行実施へ
静岡県は2023年度に計画している自動運転の実証実験について、10月に松崎町、11月に沼津市、12月に掛川市でそれぞれ公道走行を実施する方針を固めた。特定の条件下での無人走行を視野に入れた「レベル4」の実験は見送るものの、自動運転の実用化に向けて技術の高度化を図る。 自動運転は技術レベルによって5段階に分かれ、レベル4は完全自動運転の一歩手前となる。改正道交法の施行に伴って4月から解禁されたが、23年度の実験は22年度と同様に乗務員が運転席に座り、状況に応じて手動運転に切り替える「レベル2」を継続する。 国土交通省との協議などを踏まえ、「レベル4の実験は一般車両が混在する空間での手続きや
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医師の時間外労働、上限延長へ 静岡県立総合病院が特例申請【迫る24年問題】
2024年4月から始まる「医師の働き方改革」を巡り、静岡県立総合病院(静岡市葵区)が地域医療の救急対応や医師派遣を担うため特例として時間外労働の上限を延長できる「特定労務管理対象機関」の指定を県に申請していることが、31日までに分かった。実現すれば県内初のケースとなる。 働き方改革により24年度から勤務医の時間外労働の上限は年960時間に規制されるが、国は一定の要件を満たすと年1860時間まで拡大する特例を認めることにしている。 県立総合病院は高度な診療機能を持つ「高度救命救急センター」としての役割を担うほか、別の医療機関にも医師を派遣して地域医療を支える。国の医療機関勤務環境評価センタ
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県営住宅の保証人廃止へ 静岡県調整、単身高齢者らの住居確保
静岡県は単身高齢者らの県営住宅への入居を円滑化するため、連帯保証人規定を廃止する方向で調整に入った。専門家らでつくる懇話会の議論が28日にまとまったことを受け、入居希望者の負担を軽減して住まいのセーフティーネット(安全網)としての機能強化を図る。県議会12月定例会に条例改正案を提出し、2024年4月からの実施を目指す。 保証人は主に家賃滞納が発生した場合の備えとして多くの自治体が導入している。身寄りのない高齢者らが保証人を見つけられずに入居を拒まれたり、諦めたりするケースが全国的にあり、国が規定を削除するよう自治体に要請している。 28日に静岡市内で開かれた「世帯の変化に対応した県営住宅
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リニア巡る経産副大臣の批判受け 川勝知事「直接意見聞きたい」
川勝平太知事は26日、中谷真一経済産業副大臣(自民党、衆院山梨1区)がリニア中央新幹線の工事着手を認めていない本県を批判したことを受け、「ぜひ直接ご意見をたまわりたい。私の方もご説明差し上げたい」と述べ、面会に前向きな意向を示した。山梨県北杜市で開かれた全国知事会議出席後、記者団の取材に答えた。 中谷氏は25日、甲府市内で開催された会合で「自分のところに駅ができないからといって反対するのはとんでもない話だ。(全国知事会議に行き)文句を言おうと思った」と発言した。 川勝知事は「そんなことは言っていない。記事だけでは分からないので、何を怒っているのか、正確にご自身の口から直接伺った方がいい」
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クルーズ船寄港71回、23年最多見通し 外国船 清水急増、田子の浦と御前崎は初
2023年に静岡県内で予定されているクルーズ船の寄港数は71回で、過去最多だった19年の45回を大幅に上回る見通しとなったことが20日までに、県への取材で分かった。新型コロナウイルス禍で途絶えていた清水港への外国クルーズ船入港が急増し、受け入れ先が田子の浦港や御前崎港にも拡大した。県は外国の船会社への働きかけなど誘致を強化する。 県のまとめによると、今月14日時点の23年のクルーズ船寄港数(予定含む)は国外が60回、国内が11回。前年の計16回から4倍超に増える見通しで、コロナ前の水準も大きく上回る。寄港先の内訳は清水港が61回と全体の8割を占め、田子の浦港が4回、御前崎港が2回で続く。
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保護犬・猫の譲渡推進 静岡県が動物愛護センター基本計画策定
ドッグラン新設 静岡県は2025年度中の開所を目指し、富士市大淵に整備する県動物愛護センター(仮称)の基本計画を策定した。「動物の命をつなぐための拠点」をコンセプトに掲げ、保護した犬や猫の収容機能を拡充して新たな飼い主への譲渡を推進する。ドッグランの新設も明記し、県民が利用しやすい施設につなげる。 老朽化が進む県動物管理指導センター(浜松市西区)を、富士市大淵の障害者支援施設「県立富士見学園」跡地に移転する。富士見学園は民営化に伴い24年度に沼津市に移る予定で、学園の移転によって空いた施設を改修する。 感染症のまん延防止や動物福祉に配慮した飼育室を整備し、飼い主のいない猫の不妊去勢手術
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道路区画線、引き直し加速 運転支援機能普及で「生命線」 静岡県緊急対策
静岡県は、道路上で薄くなって消えかかっている区画線を引き直す作業を本格化させている。区画線が不明瞭だと交通事故のリスクが高まり、自動車の安全運転支援システムの機能が十分発揮されない可能性があるためだ。2022~23年度を緊急対策期間と位置付け、例年の2倍以上のペースで取り組みを加速させる。 県が管理する国道と県道計2780キロのうち、中央線や路側帯を示す白線が消えかかっている箇所を中心に取り組む。例年100キロほどを引き直しているが、22年度は245キロで作業を完了し、23年度も200キロ前後で実施する計画。緊急交通安全対策事業費として2年間で10億円を確保した。 県が引き直しを加速さ
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食中毒に注意 静岡県が今年初の警報発令
静岡県は11日、今年初の食中毒警報を発令した。気温30度以上が10時間以上続くことが予想されるためで、期間は12日まで。生食の調理や取り扱いへの注意、調理前の手洗い励行、調理食品の低温保存などを呼びかけている。 県衛生課によると、今年の食中毒の発生は10日時点で4件54人。
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がん検診率60%以上目標 静岡県、次期推進計画に明記へ
静岡県は11日までに、2024年度から6年間の「第4次がん対策推進計画」に、がん検診の受診率を60%以上とする目標を明記する方針を固めた。現行の第3次計画の50%以上(肺がんは60%以上)から引き上げる。がんによる死亡率を減らすには検診による早期発見、早期治療が不可欠で、普及啓発を強化して受診率の向上につなげる。 10日に県庁で開いた県がん対策推進協議会(会長・森貴志副知事)に素案を示し、大筋で了承された。パブリックコメント(意見公募)を経て、24年3月の策定を目指す。 国民生活基礎調査によると、19年の本県の受診率は肺がん検診が52・1%で最も高く、乳がん46・6%、大腸がん44・7
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安倍元首相銃撃1年 街頭演説や集会、静岡県内も警備強化 政治への関心低下懸念
安倍晋三元首相が奈良市で銃撃され死亡した事件は8日で発生から1年となる。民主主義の根幹をなす選挙中の凶行は静岡県内政界にも衝撃を与えた。街頭演説や集会で警備態勢が強化される一方、政治家と有権者の距離が遠のき、政治への関心の低下を懸念する声も上がる。年内の衆院解散も取り沙汰される中、選挙運動と安全確保をどう両立するか模索が続く。 今月1日、富士市で行われた自民党の政治資金パーティー。党重鎮の二階俊博元幹事長が訪れ、会場は厳しい警備態勢が敷かれた。受け付けではスタッフが参加者一人一人に金属探知機をかざして手荷物をチェックし、二階氏の講演中は10人前後の警護官(SP)らが鋭い視線を送った。聴衆の
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静岡県、事業所の健康経営支援 「生活習慣改善プログラム」開発
静岡県は県内事業所の健康経営を支援する「働く人の生活習慣改善プログラム」を開発した。食生活の見直しや運動機会の増加につながる目標設定をサポートし、職場内のグループ単位で実践を促す。近年、問題となっているメンタルヘルス(心の健康)対策も盛り込んだ。関係機関とともに事業所への普及を進め、従業員の健康管理に役立ててもらう。 チェックシートを使って運動や食事の習慣を振り返り、「エレベーターより階段を使う」「野菜を毎日食べる」など具体的な行動目標を設定する。目標は仲間と共有し、職場の課単位など原則3~5人で実践する。グループごとに取り組み状況を確認しながら、生活習慣がどう変化したかを評価する仕組み
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伊豆中央道と修善寺道路 料金徴収期限2057年3月 県議会建設委
静岡県は5日の県議会建設委員会で、伊豆地域の有料道路、伊豆中央道と修善寺道路の新たな料金徴収期限を2057年3月8日とする方針を明らかにした。現行の23年10月2日から約33年5カ月延長する。 利用者の利便性向上のため設ける自動料金収受システム(ETC)の導入時期は26年度を予定しているとした。山梨義之道路企画課長は「速やかに高速道路会社と県道路公社との間で基本計画の策定を進め、詳細な設計や工事を行う。一日も早い導入を目指す」と述べた。徴収期限延長の理由として、トンネル・橋りょうの大規模修繕が見込まれることや、無料化した場合に交通量が大幅に増加することを挙げた。 地元住民向けの新たな料金
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難聴児の音声言語獲得へ オーストラリアの療育手法調査 静岡県議会
静岡県議会6月定例会は3日、自民改革会議の佐地茂人氏(静岡市駿河区)と天野一氏(同市葵区)、ふじのくに県民クラブの小長井由雄氏(同市葵区)が一般質問を行った。川勝平太知事は先天性難聴児の音声言語獲得に向け、県立総合病院と連携して新たな療育体制の調査に着手したと明らかにした。佐地氏への答弁。 オーストラリアの療育機関「シェパードセンター」が実践している療育手法の導入可能性を探る。県こども家庭課によると、先天性の難聴は聴覚スクリーニングによる早期発見と適切な治療、療育が重要とされる。オーストラリアでは乳幼児期から人工内耳や補聴器を装着し、療育体制が整備されていることで健聴児と同等の音声言語を獲
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東部有料2道、割引拡充 伊豆中央道と修善寺道路 徴収延長で検討 静岡県議会
静岡県議会6月定例会は30日、自民改革会議の望月香世子氏(静岡市清水区)と加畑毅氏(下田市・賀茂郡)、ふじのくに県民クラブの沢田智文氏(磐田市)と曳田卓氏(沼津市)が一般質問を行った。森貴志副知事は料金徴収期限の延長方針を示している伊豆中央道と修善寺道路について、地元の要望を踏まえて料金割引制度の拡充やETCの早期導入に取り組む方針を示した。加畑氏への答弁。 両道路の料金徴収期限は10月2日。翌3日からの無料化が決まっていたが、県は交通量の増加で渋滞が懸念されるとして6月定例会に徴収期限を延長する議案を提出している。川勝平太知事は同定例会初日の23日に延長期間が「33年程度」になると表明し
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G3に改めて意欲 知事「幅広く意見交換」 静岡県議会
川勝静岡県知事は静岡、浜松両政令市長との県・政令指定都市サミット(G3)開催に改めて意欲を示し、想定される議題に人口減少や災害時の連携、産業振興、デジタルトランスフォーメーション(DX)を列挙した。9月中旬の開催に向け両市と調整を進めているとし、「多くのテーマが想定される。両市長の意向も踏まえ、できる限り幅広く意見交換したい」と述べた。田口氏への答弁。 G3は川勝知事と田辺信宏前静岡市長が批判を繰り広げた2016年以来、開催されていない。知事は難波喬司静岡市長と中野祐介浜松市長の就任に触れ、「両市長ともに県との連携に積極的な意向を示している。さまざまな機会を通じ、共通の課題解決に向けた建設
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「無医」静岡県内11地区、解消見通せず 前回調査から減少も… 22年10月時点
周辺に医療機関がない「無医地区」が、2022年10月末時点で静岡県内に11地区あり、地区内の人口が計1570人に上ることが厚生労働省の調査で分かった。5年前の前回調査から4地区、1433人減少したものの、無医地区解消の見通しは立っていない。 県が26日のへき地医療支援計画推進会議で報告した。無医地区はおおむね半径4キロの区域内に50人以上が居住し、容易に医療機関を利用できない地区を指す。厚生労働省はへき地保健医療体制確立の基礎資料とするため、5年ごとに全国調査を実施している。 無医地区があったのは南伊豆町、松崎町、西伊豆町、島田市、川根本町、浜松市の計6市町。松崎町池代地区が新たに加わる
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モンゴルで介護人材確保へ 9月現地面接控え 静岡県が概要など説明
静岡県は26日、介護分野の人手不足に伴い9月にモンゴルで初めて実施する外国人介護人材マッチング支援事業の事前説明会を県庁で開いた。高齢化の進展で国家間、都市間の人材獲得競争が激しさを増す中、県内の介護事業所担当者らに対し、支援事業の概要や採用までの手続き、外国人材の活躍事例を紹介した。 9月20~25日に同国の首都ウランバートル、本県と友好協定を結ぶドルノゴビ県の2会場で合同面接会を開催する。県内から介護事業所など約20施設、現地からは介護を学ぶ学生や若手医療従事者、日本への留学予定者ら約150人の参加を見込む。介護職のやりがいや待遇などを対面形式で伝え、介護人材の受け入れにつなげる。
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パラスポーツ推進へ 全国初の官民連携組織発足を記念 静岡でシンポジウム
障害者スポーツの振興に取り組む官民連携組織「ふじのくにパラスポーツ推進コンソーシアム」の発足に向けた記念シンポジウムが静岡市葵区で開かれた。東京パラリンピックのレガシー(遺産)継承やパラスポーツを通じた共生社会の実現に向けた方策を議論した。 パラスポーツに関する官民連携コンソーシアムの発足は全国初。8月下旬をめどに設立総会を開く。民間企業や医療・福祉・教育機関、自治体、個人に幅広く参画を促し、静岡からパラスポーツの裾野拡大やアスリートの発掘・育成、障害者が優先的に使用できる施設整備に取り組む。 シンポジウムはコンソーシアム設立準備会が主催し、300人余りが出席した。県障害者スポーツ協会の
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静岡県児童虐待相談3708件 2022年度 9件減も高水準続く
静岡県は21日、2022年度に県内の児童相談所が対応した児童虐待相談件数が3708件に上ったと発表した。21年度から9件減少したものの、過去3番目に多かった。県は社会的な関心の高まりや関係機関との連携が進んだことを背景に高水準を維持しているとして、相談体制の整備や職員増員など対応を強化している。 静岡、浜松両政令市を含む7カ所の児童相談所に寄せられた相談件数をまとめた。児童虐待防止法が施行された00年度と比べると8・4倍に膨らんだ。 種類別では、言葉による脅しや無視、子どもの前で配偶者らに暴力を振るう面前DVを含む心理的虐待が2191件と全体の約6割を占めた。殴る蹴るなどの身体的虐待が8
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医療的ケア児の支援強化 出張相談会でニーズ把握 静岡県、拠点開設から1年
静岡県は日常的に医療的ケアが必要な子どもらへの支援体制を強化する。きめ細かいニーズに対応するため新たに出張相談会を実施するほか、医療従事者向けに障害福祉サービスをテーマにした研修会を開く。2022年7月の支援拠点開設から間もなく1年。関係機関との連携や人材育成に力を入れ、医療的ケア児と家族が地域で安心して暮らせる環境づくりを進める。 出張相談会は9~11月に東、中、西部の医療機関や特別支援学校計6カ所で開催する。看護師やリハビリ、福祉などの関係職員が現地に出向き、医療的ケア児や重症心身障害児の家族らの相談に対応する。 県は22年7月4日、静岡市駿河区の静岡総合庁舎に県医療的ケア児等支援セ
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伊豆中央道と修善寺道路 料金徴収延長、33年に短縮 静岡県
伊豆中央道と修善寺道路の今秋の料金徴収期限を巡り、静岡県は「40年程度」としていた延長期間を33年に短縮する方針を固めた。23日開会予定の県議会6月定例会に関連議案を提出する。15日までの関係者への取材で分かった。 両道路の料金徴収期限は2023年10月2日で、翌3日からの無料化が決まっていた。県は県議会2月定例会で、無料化した場合に交通量が約2倍になり、渋滞の悪化が懸念されるとして徴収期限を延長する方針を明らかにした。 県は3月以降、伊豆市や伊豆の国市などで住民説明会を開き、「引き続き高速性や定時性などの機能を最大限発揮させていくことが重要」などと延長方針に理解を求めてきた。参加者から
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病院薬剤師不足が深刻化 静岡県全国40位 確保向け具体策明記へ
静岡県内の病院で薬剤師不足が深刻化していることが、厚生労働省がまとめた偏在指標で明らかになった。静岡県の指標は都道府県別で40位となり、県内八つの2次医療圏全てが「薬剤師少数区域」に分類された。県は2023年度末に策定する次期保健医療計画に、初めて薬剤師確保に向けた具体策を盛り込む方針を固めた。 県が12日に静岡市内で開いた県薬事審議会で報告した。病院薬剤師の偏在指標は、地域の人口から推計した病院利用者数や薬剤師の業務量、労働時間を基に算出した。静岡県は0・66で全国平均の0・80を下回った。2次医療圏別にみると、西部が0・76で最も高く、静岡と駿東田方が0・68、富士が0・61で続いた
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静岡県内外国人宿泊客 回復に遅れ コロナ前の4割弱… 中国人戻り鈍く
新型コロナウイルスの水際対策が大幅に緩和され、インバウンド(訪日客)が急増する中、静岡県内の外国人宿泊客の回復が遅れている。観光庁の調査では全国がコロナ前の水準に迫る一方、県内は4割弱にとどまる。受け入れの中心だった中国人旅行客の戻りが鈍いことが要因で、県は静岡空港の中国便再開もにらみながらインバウンド獲得に向けた対応を急ぐ。 観光庁が公表した3月の宿泊旅行統計調査によると、県内に宿泊した外国人は延べ7万3540人で、前年同月の約12倍と急増した。昨年10月に水際対策が大幅に緩和されてからは回復基調が続くものの、2019年3月比では62・3%減だった。20・7%減まで回復した全国平均を下回
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静岡県内高齢化率30.4% 最高更新 西伊豆、川根本町は50%超
静岡県が8日発表した4月1日時点の県内の65歳以上人口は110万2096人で、総人口に占める65歳以上の割合を示す「高齢化率」は30・4%だった。前年より0・2ポイント上昇し、過去最高を更新した。高齢化率は今後も上昇が続き、国立社会保障・人口問題研究所の推計では2040年に37・5%に達する見通し。 ※画像タップで拡大してご覧になれます 市町別高齢化率と後期高齢化率(4月1日時点) 市町別では西伊豆町が52・6%となり、9年連続で高齢化率が最も高かった。川根本町が51・3%、松崎町が49・9%で続いた。県内35市町のうち10市町が40%を上回った。 高齢化率が最も低かったのは
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行政運営の出会いサポート1年 成婚カップル16組誕生 ビッグデータも一役 静岡県内
静岡県と静岡県内35市町が運営する結婚支援拠点「ふじのくに出会いサポートセンター」がマッチング支援を始めて1年余りが経過した。4月末までに約180件の交際が成立し、16組のカップルが成婚に至った。新型コロナウイルスの影響もあって減少していた出会いの場を提供し、ビッグデータも活用しながら婚活を後押しする。 「行政が運営しているという安心感が大きかった」。同センターを利用して3月に結婚した藤枝市のカップルは声をそろえる。 40代前半の夫と30代後半の妻はともに昨年2月ごろに会員登録した。互いに笑顔のプロフィル写真に引かれ、お見合いにこぎつけた。夫が遅刻するハプニングもあったが、初対面から話
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福産品購入企業を認定 障害者の工賃向上後押し 静岡県が制度、入札優遇へ
静岡県は5日までに、静岡県内の障害福祉事業所がつくった授産製品「福産品」の購入に積極的な企業・団体を認定する新たな制度を設ける方針を固めた。一定の基準を満たすと県の事業の入札で優遇する仕組みを導入する。障害者施設の安定的な売り上げ確保を後押しし、障害者の経済的な自立や工賃アップにつなげる狙い。 授産製品の愛称にちなみ、「ふじのくに福産品等SDGs(持続可能な開発目標)パートナー認定制度」を導入する。食品や雑貨などの福産品の年間購入額と、清掃や草刈り、クリーニングといった業務の年間発注額の合計が30万円以上の企業・団体を対象とする方向で調整している。 対象企業・団体には認定証を交付し、県の
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「終末期対話」認知度低く ACP「知らない」63% 22年度地域医療県民調査
静岡県が実施した2022年度の地域医療に関する県民意向調査で、終末期医療について患者と家族、医師らが事前に話し合うアドバンス・ケア・プランニング(ACP)を「知らない」と回答した人が63・9%に上ったことが分かった。「意味も含めて知っている」は7・7%にとどまり、認知度の低さが浮き彫りになった。 24日に静岡市内で開いた県保健医療計画策定作業部会で報告した。ACPは将来の意思決定能力の低下に備え、人生の最終段階の治療やケアの方針をあらかじめ話し合っておくことを指す。「自宅で最期を迎えたい」「延命治療は希望しない」など患者本人の生き方が尊重される医療を実現するため、厚生労働省が「人生会議」の
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細野豪志氏5区支部長就任へ了承 自民静岡県連、近く党本部上申
自民党県連は29日の総務会で、衆院静岡5区支部長に細野豪志衆院議員(静岡5区)を選任する案を了承した。近く党本部に上申し、正式決定する見通し。細野氏は次期衆院選に党公認候補として臨む。早期の衆院解散・総選挙が取り沙汰される中、県内全8小選挙区で候補者の顔ぶれが固まった。 静岡5区の支部長ポストは吉川赳衆院議員(比例東海)の離党に伴い1年近く空席状態が続いていた。支部長を代行してきた城内実県連会長(衆院静岡7区)は総務会後の記者会見で、「地元の市町支部と一体となり、次の衆院選に向けて団結して取り組んでほしい」と挙党態勢の構築に期待した。細野氏は「非自民で戦った期間が長く、普通であれば『開かな
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衆院選勝利へ党勢拡大確認 静岡で自民県連大会
自民党県連は29日、第102回県連大会を静岡市葵区で開き、次期衆院選を見据えて党勢拡大を図る方針を確認した。城内実会長(衆院静岡7区)を再任するなどの新役員人事案も承認した。 党所属国会議員や県議、党員ら約350人が出席した。城内会長は昨年の参院選静岡選挙区での勝利を報告。2年後の知事選に関し「早い段階からの準備が必要。本年度から早急に関係者と協議を行う場を設けたい」と候補者擁立に意欲を示した。 新役員として幹事長に増田享大県議(56)=掛川市、4期=、総務会長に土屋源由県議(66)=伊豆の国市、4期=、政調会長に河原崎聖県議(59)=島田市・川根本町、3期=をそれぞれ選任した。 20
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子どもの居場所 静岡県内201カ所 1年で6割増 物価高に苦慮、県は支援強化
子どもへの食事の提供や学習支援を手がける静岡県内の「子どもの居場所」が昨年9月時点で201カ所に上り、1年前より6割増加したことが県などの実態調査で分かった。3割の施設が物価高騰の影響があると回答し、一部で食材変更などを余儀なくされた。調査後も食料品などの値上げが進み、県は「さらに多くの施設が影響を受けている可能性がある」とみて支援を強化する。 調査は昨年8月30日~9月16日に県と県社会福祉協議会が実施した。無償か安価で食事を提供する子ども食堂、勉強をサポートする学習支援施設、遊び場を提供する施設などを調べ、9月1日時点で201カ所が活動していた。 市町別にみると静岡市が54カ所で最
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女性管理職20%で足踏み 民間企業、政府目標遠く 静岡県22年度調査
静岡県がまとめた2022年度の雇用管理状況調査によると、県内事業所の管理職に占める女性の割合は全体で20・4%だった。前年度から0・4ポイント上昇したものの、ここ数年は20%前後で足踏みが続き、政府が目標とする「女性管理職30%」の達成には至っていない。 調査は昨年11月9日~12月7日、常用雇用者10人以上の事業所から無作為に抽出した3200社を対象に実施した。回収率は49・8%。 女性管理職の割合は役員が26・3%、部長相当職が11・9%、課長相当職が14・9%、係長相当職が25・7%。部長相当職を除いて前回調査を上回った。県は事業所の管理職に占める女性の割合を25年度に係長30%
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静岡県民の歯科受診半数以下 糖尿病患者、低い傾向 静岡県と社会健康医学大学院大が分析、施策に反映
静岡県と静岡社会健康医学大学院大(静岡市葵区)は国民健康保険の特定健診や医療、介護の情報を保管する「国保データベース」を活用し、歯科口腔(こうくう)の健康課題に関する分析結果をまとめた。1年間に歯科を受診した県民は半数以下にとどまり、糖尿病患者の受診割合はそうでない人に比べて低いことが判明。年代別や地域別のデータを県や市町の施策に生かし、受診率の向上を促す。 匿名化された静岡県内の被保険者約200万人のビッグデータから重複事例などを整理し、2015~19年度の5年分を解析した。 19年度に1回以上歯科を受診した人の割合は46・0%で、15年度の42・3%から年々増加した。19年度の受診
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静岡県内平均寿命「西高東低」 最長男性は浜松市浜北区82.7歳 女性は浜松市西区88.1歳 20年厚労省調査
静岡県内の市区町で2020年の平均寿命が最も長かったのは、男性が浜松市浜北区の82・7歳、女性が同市西区の88・1歳だったことが17日までの厚生労働省のまとめで分かった。男女ともに上位は西部、下位は伊豆や東部の自治体が目立つ「西高東低」の傾向が浮かんだ。大半の市区町で5年前の前回調査から平均寿命が延びた。 ※画像タップで拡大してご覧になれます 全国平均は男性81・5歳、女性87・6歳。県内の平均は男性81・6歳、女性87・5歳で、いずれも前回調査(男性81・0歳、女性87・1歳)を上回った。 厚労省が公表した市区町村別生命表によると、2位以下は男性が浜松市東区と南区の82・6
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「流域治水」で被害軽減 静岡県、台風15号踏まえ強化
静岡県は激甚化する豪雨災害に対応するため、流域全体で被害軽減を図る「流域治水」の考え方を取り入れた水害対策を強化する。昨年9月の台風15号による浸水被害を踏まえ、新たに県中部と西部の5流域を重点対策流域に追加した。従来型のハード整備だけにとどまらないさまざまな対策を組み合わせたプランをつくり、効果的な減災につなげる。 5流域は興津川、庵原川、巴川、安倍川、都田川。地元自治体などと流域治水協議会を設置し、河川の氾濫を減らしたり、早期復旧を図ったりする「水災害対策プラン」を策定する。近年の豪雨被害を分析し、気候変動による氾濫リスクも加味して短期、長期の視点で対策をまとめる。 全国各地で想定を
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山間地で駆除した鳥獣、ドローンで運搬 処分負担軽減へ静岡県が実証実験
静岡県は2023年度、山間地で駆除した鳥獣をドローン(小型無人機)や無人ヘリコプターで運搬する実証実験に乗り出す。埋設処分の負担軽減を図る狙いで、地形や構造物を立体的に把握できる3次元点群データを使って飛行ルートの計画を立てる。将来的にはドローン宅配などへの応用も視野に入れる。 山間地ではニホンジカやイノシシによる農作物への被害が深刻化している。県によると被害額は年間2億~3億円に達し、収益低下や営農意欲の減退にもつながることから捕獲をはじめとする鳥獣害対策が欠かせない。一方で高齢化に伴う狩猟者の減少や駆除した後の処理が課題になっている。 ドローンや無人ヘリは山間地で駆除した鳥獣をふもと
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県有建築物、ZEB化推進 脱炭素社会へ静岡県が設計指針 市町、民間事業者にも活用促す
静岡県は脱炭素社会の実現に向け、県有建築物のエネルギー消費量を実質ゼロにすることを目指す「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」化を推進する。新たに建築する学校や庁舎を対象に、照明、空調などの効果的な省エネ手法や数値目標を盛り込んだ設計指針を策定した。市町や民間事業者にも活用を促し、温室効果ガス排出量の削減を加速させる。 ZEBは太陽光などによる自家発電と省エネを組み合わせ、エネルギー消費量を実質ゼロにすることを目指す建物。指針では原則として新築する県有建築物について、エネルギー消費量を基準値に対し50%以上削減する「『ZEBレディ』以上を達成する」との目標を掲げた。 エネルギー消
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静岡県営住宅、保証人廃止を検討 単身高齢者の入居円滑化 懇話会で議論 条例改正も
静岡県は県営住宅の保証人規定について、廃止も視野に在り方の検討に入った。保証人の確保が難しい身寄りのない高齢者が増える中、国は入居の円滑化を図るため、全国の自治体に規定の削除を要請している。専門家らでつくる懇話会で議論がまとまれば、年内にも条例改正案を県議会に提出する。 県営住宅を含む公営住宅は住まいのセーフティーネット(安全網)としての役割を担う一方、家賃滞納への懸念や緊急連絡先の把握を理由に保証人規定の見直しが進まず、単身高齢者らにとって入居の障壁になっている。県によると、昨年4月1日時点で、県内で規定がないのは熱海市と森町。今年3月には川根本町が廃止に踏み切った。 県は2021年4
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次世代エネ貯蔵や電動化 港湾の脱炭素化加速 清水、御前崎 競争力強化へ
静岡県内の港湾で脱炭素化に向けた取り組みが加速する。清水港は水素エネルギーの活用などを通じ温室効果ガス排出量ゼロを目指す「カーボンニュートラルポート」(CNP)形成に向けた目標を掲げ、御前崎港も今夏から官民が計画づくりに着手する。世界的に脱炭素化の流れが進む中、臨海部に集積する産業とも連携しながら競争力を強化する。 CNPは国際物流の拠点となる港湾で、次世代エネルギーの輸入や貯蔵を可能とする受け入れ環境の整備、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化などを図る取り組み。国は各地で脱炭素化を目指す計画策定を支援している。 県が3月に公表した清水港のCNP形成計画は、2030年度の二酸化炭素(CO
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記者コラム「清流」 気になる議員連盟
お茶、かつお・まぐろ、イクメン、演歌―。いずれも国会議員有志でつくる議員連盟の名称だ。外国との交流促進から特定業界との連携、趣味や愛好家の集まりまで設立目的はさまざま。ある議員はホームページに250以上の所属議連を列挙していて驚いた。 普段はあまり気にかけなくても、先日発足した超党派の「花粉症対策議連」に関心を持った人は多いのでは。30年以上アレルギー症状に悩まされる自分もその一人。今年はスギ花粉の飛散量が多く4歳の娘がしきりに目をこすっていて心配になった。岸田文雄首相の言葉通り「わが国の社会問題」であることは明白だ。 あまたある議連の中には活動実態がなく、休眠状態のものも多い。花粉症の
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22年の静岡県内自殺者 前年比85人増 中高年や困窮者顕著
静岡県内の2022年の自殺者数が668人となり、前年から85人(14・6%)増えたことが14日までに分かった。増加は2年ぶりで、17年(677人)以来の高水準。中高年男性や年金生活者、失業者らの増加が顕著で、新型コロナウイルス禍の長期化や物価高騰などが影響した可能性がある。 警察庁の自殺統計に基づき厚生労働省が取りまとめた。前年比の増減数は都道府県別で5番目に多かった。増減率も全国平均の4・2%増を大幅に上回った。本県の人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)は18・5人。 男女別は男性が90人増の486人と増加する一方、女性は5人減の182人と前年を下回った。年代別にみると、19歳以
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静岡県議選 現職78%、強さ際立つ 平均年齢57・8歳
9日投開票の県議選で当選した68人のうち、現職は前回2019年の49人から4人増えて53人になる一方、新人は16人から3人減って13人となった。元職は1人減の2人だった。現職が全当選者に占める割合は72%から78%へと上昇し、現職の強さが際立つ結果となった。 当選者の平均年齢は57・8歳で、前回の57・4歳から0・4歳上昇した。現職が増えたものの、20~30代の新人が複数当選したことなどから大きく変わらなかった。 最年長は静岡市葵区(定数5)の自民現職天野一氏で80歳。最も若いのは静岡市清水区(定数4)の国民新人中山真珠氏の27歳で、最年少記録を塗り替えた。年代別にみると、最多は60代
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会派勢力図変わらず 自民上積み、ふじも維持 静岡県議選
静岡県議会各会派は10日、県議選の開票結果を受けて勢力固めに着手した。単独過半数を維持した最大会派自民改革会議は議席数を上積みして40議席を確実にする一方、第2会派ふじのくに県民クラブも改選前の17議席を確保するめどが立った。県議会の勢力図は大きく変わらないもようだ。 無所属で当選した新人と元職は推薦を除いて計8人で、各会派が取り込みを本格化させている。 自民改革会議は現職33人のほか、公認と推薦の新人計5人が当選した。県議選前に公認を受け、近く会派入りする大石健司氏(牧之原市・吉田町)を含めると改選前の39議席と並び、さらに自民支部の推薦を受けた新人の入会を見込むと40議席は固い。
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食品不適正表示 2022年度282点確認 静岡県など合同監視公表
静岡県はこのほど、2022年度に実施した食品表示に関する合同監視指導の結果を公表した。スーパーや菓子店、仕上げ茶工場など102カ所で計9055点を調べ、全体の3・1%に当たる282点で不適正表示を確認した。 主な内容は、加工食品の原料原産地表示に対応していない▽原材料と添加物を明確に区分していない▽税抜き表示を税込み表示より目立たせている―など。いずれも口頭指導を行い、改善されたという。 調査は昨年5月から今年2月に県と静岡市が実施した。県衛生課は事業者向けの講習会などを通じて食品の適正表示を促す。
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あいのうた短歌コンテスト 川名さん(科学技術高)ら最優秀賞
「春風のごとく駆けてく一輪車 目的地など子らにはいらぬ」 「初デート君の片手に林檎飴 浴衣姿が花火の様だ」 静岡県は27日、出会いや結婚、子育てにまつわる短歌コンテスト「あいのうた」の表彰式を静岡市葵区で開いた。一般の部は茨城県結城市の神光輝紀さん、ジュニアの部は科学技術高3年の川名和輝さんが最優秀賞に輝いた。 神光さんの作品は「春風のごとく駆けてく一輪車 目的地など子らにはいらぬ」、川名さんは「初デート 君の片手に 林檎飴(りんごあめ) 浴衣姿が 花火の様だ」。森貴志副知事がそれぞれ表彰状を手渡した。 9回目の今回は全国から2931首の応募があり、最優秀賞を含む38首が入賞した。
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保育相談窓口スタート 静岡県が開設、通報にも対応
静岡県は29日、保育に関する相談を電話などで受け付ける総合相談窓口を開設した。保育現場などで実務経験がある相談員を配置し、不適切保育の通報にも対応する。 牧之原市の送迎バス置き去り死や裾野市の園児虐待など、県内保育施設で子どもの安全が脅かされる事件が相次いだことを受けた対応。こども未来課に相談員1人が常駐し、保育士や保護者などから電話相談を受ける。 通報内容は関係自治体と共有し、迅速な対応を図る。保育制度や補助制度に関する質問も受け付けるほか、家庭内虐待などの情報については必要に応じて関係機関につなぐ。 初日は、執務室の入り口に表札を掲げた。窓口の愛称は「チャイム」。こども未来課の鈴木
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介護施設BCP策定支援へ研修 静岡県内430人受講
静岡県はこのほど、県内介護事業所の事業継続計画(BCP)策定を支援する研修会をオンラインで開いた。自然災害や感染症といったリスクへの備えを強化しようと、県内330施設の約430人が受講した。 国は感染症の拡大や災害発生時にも介護サービスの提供が続けられるように、2023年度末までに全事業者にBCP策定を義務づけているが、ノウハウや人材の不足などで取り組みは進んでいない。 研修会では、県と包括連携協定を結ぶ東京海上日動火災保険静岡支店(静岡市)の協力を得て、BCPを策定する手順や活用方法を紹介した。担当者は「災害や感染症は予測が難しい。介護サービスを提供し続けるためにも実効性のある計画を策
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10市区町重点区域 医師確保へ了承 静岡県医療審議会
静岡県は27日の県医療審議会で、医師確保を重点的に図る区域「医師少数スポット」に県内10市区町を追加設定する方針を示し、了承された。4月1日に県医師確保計画(2020~23年度)を改定する。 対象は伊東、三島、御殿場、裾野、伊豆、牧之原、湖西の7市と、函南町、静岡市駿河、清水両区。いずれも人口10万人当たりの病院勤務医数が少なく、追加設定により県の奨学金制度を利用する若手医師を派遣する。 県の医療政策の基礎となる次期県保健医療計画(24~29年度)の策定に向けた検討課題についても審議した。県は2次医療圏の在り方や医療DX(デジタルトランスフォーメーション)、医療従事者の働き方改革などをポ
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2月輸送人員2・8倍 駿河湾フェリー イベント効果で乗客増
ふじさん駿河湾フェリー(静岡市清水区)が発表した2月の利用状況によると、輸送人員は前年同月比2・8倍の1万188人と5カ月ぶりに前年実績を上回った。河津桜まつりなど伊豆半島のイベント効果で乗客が大幅に増えた。 車両台数は2・2倍増の2675台。乗用車は2・1倍の2568台、バスは団体旅行が増え、6・2倍の99台と伸びた。乗用車は新型コロナウイルス感染拡大前の2018年2月(2516台)とほぼ同水準だった。 二輪は53・9%増の337台、徒歩乗船者は2・6倍の1468人だった。運航率は83・9%で、前年から15・1ポイント伸びた。 ふじさん駿河湾フェリーの担当者は「マスク着用が個人判断と
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マリンスポーツ拠点形成 三保内浜、管理を民間委託 静岡県が5年間の占用許可
静岡県は4月から、静岡市清水区の清水港海岸三保地区(三保内浜)で民間事業者に管理運営を委託するエリアマネジメントを導入する。民間のノウハウを生かしてマリンスポーツ拠点を形成し、海岸のにぎわい創出につなげる。全国的にも珍しい取り組みだという。 一般社団法人清水マリン・アンド・ビーチスポーツ振興協会と地元企業ゴーシーズ、ナックの2社でつくる「三保内浜コンソーシアム」が公募に応じた。マリンスポーツやビーチスポーツの大会を誘致するほか、子ども向けの体験型学習イベントを開いて集客を図る。日常のパトロールや清掃活動も担う。 対象は三保半島先端の海岸と防潮堤背後地の一部で、面積は約4万3千平方メート
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大井川鉄道の在り方検討着手 全線復旧や路線維持 年内に具体策
大井川鉄道(島田市)の公共交通としての在り方を協議する検討会の初会合が22日、静岡県庁で開かれた。昨年9月の台風15号被害による部分運休が長引き、新型コロナウイルス禍で利用者が落ち込む中、全線復旧や今後の路線維持に関する具体策を年内に取りまとめる。 検討会は県、沿線自治体、国などの関係機関で構成する。大鉄が今年1月に鉄道事業の運営支援に関する要望書を県に提出し、森貴志副知事が検討会を設置する方針を示していた。 会議は非公開。県地域交通課によると、全線復旧に向けた課題を共有したほか、4月をめどに被災現場を視察する方針を決めた。国からは地域公共交通活性化再生法に基づく支援メニューについて説明
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自動運転 無人走行視野の「レベル4」目指す 静岡県が方針 23年度、県内3市町で実証実験
静岡県は19日までに、県内の公道で2023年度に実施する自動運転の実証実験について、22年度の「レベル2」から、特定の条件下での無人走行を視野に入れた「レベル4」を目指す方針を固めた。自動運転は公共交通が手薄な地域の移動手段として期待され、実現すれば県が掲げる24年度の実用化へ大きく前進する。 自動運転は技術レベルによって5段階に分かれ、レベル4は完全自動運転の5の一歩手前。移動サービスのルールを定めた改正道交法の施行に伴い、4月1日から解禁される。実施には都道府県の公安委員会の許可が必要となる。 23年度の実証実験は10月以降に掛川市、沼津市、松崎町で実施する計画。いずれも22年度に実
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医師少数スポット 10市区町追加 若手派遣へ静岡県が重点化 伊東や湖西など
静岡県は14日の医療対策協議会で、医師確保を重点的に図る区域「医師少数スポット」に県内10市区町を追加設定する方針を示した。27日の医療審議会で了承されれば、現行の県医師確保計画(2020~23年度)を改正する。 追加設定の対象は伊東、三島、御殿場、裾野、伊豆、牧之原、湖西の7市と函南町、静岡市駿河、清水両区。人口10万人当たりの病院勤務医数が21・6~92・7人で、県内の医師少数区域のうち最も高い賀茂圏域(93・8人)と同等以下となっている。 医師少数スポットに設定されると、医師少数区域に指定されている賀茂、富士、中東遠の3圏域と同様に医師確保に向けた取り組みが可能となる。具体的には、
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介護人材 モンゴルで発掘へ 23年度に合同面接会 静岡県、人手不足の解消狙い
静岡県は介護分野の人手不足解消に向け、外国人材の発掘に本腰を入れる。2023年度にモンゴルで現地の介護人材と県内の介護事業所とのマッチングを図る合同面接会を初開催する。県内の介護事業所で働く外国人は増加傾向にあるが、喫緊の課題となっている介護人材確保に向けて、さらに新規就業を促進する。 23年度当初予算案に「外国人介護人材マッチング支援」として関連事業費1200万円を計上した。 合同面接会は今年夏ごろにモンゴルで開催する。県内から介護事業所や介護福祉士養成校など約20施設、現地の特定技能(介護)人材や日本への留学予定者ら100人程度の参加を見込む。介護職のやりがいや待遇などを対面で伝え、
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野菜不足に「マシマシ餃子」 目標達成への「プラス一皿」 静岡県など開発、販売
静岡県などは県民に野菜摂取を促すオリジナル餃子(ギョーザ)を開発し、テスト販売を始めた。外食企業や料理研究家、県内大学などと取り組む「野菜マシマシプロジェクト」の一環。31日まで、県内の自動販売機と無人販売店計7カ所で取り扱う。 レンコンの歯ごたえを感じられ、かつお節と昆布で和風味に仕上げた「旨味たっぷり餃子」と、ホウレンソウや長ネギを入れニンニクを効かせた「スタミナ旨塩餃子」の2種類。いずれも36個入り千円。 県健康政策課によると、県民の野菜摂取量は目標とされる1日350グラムに男性は76グラム、女性は107グラム足りない。オリジナル餃子は6個で約80グラムの野菜を摂取できるといい、「
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浜松新野球場試算 ドーム利用料も高額 3時間18万円
静岡県は2日の県議会建設委員会で、浜松市西区の遠州灘海浜公園篠原地区に整備する新野球場でドーム型を採用した場合、3時間の利用料が18万7千円になるとの試算を明らかにした。屋外球場に比べ空調料金がかさむ。高額な建設コストに加え、利用者の料金負担をどう抑えるかも新たな課題に浮上してきた。 県外のドーム球場に聞き取りを行い、球場利用料と照明料金、空調料金を合算した。空調料金が最も高く、1時間当たり最大で5万円程度かかるとした。屋外球場は照明と空調の料金が不要で、県が以前に示した試算では日中に8時間半使用した場合でも1万6千~1万7千円だった。 伊東信幸公園緑地課長は「ドーム型は非常に高額になる
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浜松新球場計画また延期 公園全体で最大510億円 静岡県議会
静岡県議会建設委員会は1日、県が浜松市西区の遠州灘海浜公園篠原地区に整備する新野球場について集中審査を行った。県は球場案の絞り込みに向けて需要調査が必要とし、2024年6月に基本計画を公表すると明らかにした。直近の12月定例会で示したスケジュールからさらに1年遅れる。緑地広場を多く配置する公園整備案を選定したことも報告し、野球場を含む全体の概算事業費が最大510億円に膨らむとした。 県は当初、野球場の規模と構造を絞り込んだ上で基本計画を策定する方針だったが、県議会側は「判断の前提となる資料が不十分」などと反発。詳細な需要予測と民間資金活用の可能性を探る調査を先行し、調査結果を踏まえて球場案
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駿河湾フェリー 6秒動画でPR 清水南高生制作「地域おこしに」
一般社団法人ふじさん駿河湾フェリー(静岡市清水区)と清水南高は21日、清水―土肥港間を結ぶ駿河湾フェリーのPR動画を制作したと発表した。生徒がデザインやBGMを担当し、船上からの景色などフェリーの魅力を6秒の短編動画にまとめた。 「ナナネイロプロジェクト」と題し、駿河湾フェリーの頭文字を取って「すごい気持ちいい風」「るり色の海を一望」「がらりと変わる朝と夕」など7種類を作った。カモメをモチーフにしたオリジナルキャラクターを登場させ、ピアノやバイオリンを演奏した。 生徒が実際に乗客にインタビューを行うなど構想を練った。芸術科美術専攻の生徒が動画デザインを、同音楽専攻の生徒がナレーションやB
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岳南地域の工業用水道 民間委託へ 静岡県議会、企業局長答弁 3.5億円削減
静岡県議会2月定例会は21日、自民改革会議の市川秀之氏(浜松市浜北区)、飯田末夫氏(浜松市南区)、鳥沢由克氏(裾野市)、ふじのくに県民クラブの杉山淳氏(静岡市駿河区)が一般質問を行った。小野田裕之企業局長は岳南地域を中心に工業用水を供給する「ふじさん工業用水道」について、包括的民間委託の手法を導入すると明らかにした。2024年度から7年間で少なくとも3億5千万円のコスト削減を見込む。飯田氏への答弁。 新ポンプ場の整備や浄水場の運転・維持管理業務などをまとめて民間事業者に委託する。検針や工業用水を給水するための配水管の維持管理・修繕といった業務は県が引き続き担う。民間技術やノウハウの活用、
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女性支援へ実態調査 23年度、基本計画策定 静岡県議会、健康福祉部長答弁
静岡県議会2月定例会は20日、公明党県議団の高田好浩氏(静岡市葵区)が代表質問を、無所属の大石健司氏(牧之原市・吉田町)と自民改革会議の落合慎悟氏(藤枝市)が一般質問を行った。八木敏裕健康福祉部長は、ドメスティックバイオレンス(DV)や性被害、生活困窮などに直面する女性の支援に関する基本計画を2023年度に策定する方針を明らかにした。近く課題把握に向けた実態調査に乗り出す。高田氏への答弁。 女性の福祉増進や人権擁護を基本理念に掲げる「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が24年4月に施行されることに伴う対応。 実態調査は県内の成人女性千人程度を対象に実施し、家庭状況や収入、就業形
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浜松新球場 基本計画「来年の今ごろ」 需要、資金調査優先 知事会見
川勝平太知事は16日の定例記者会見で、浜松市西区の遠州灘海浜公園篠原地区に整備する新野球場について、6月ごろの基本計画策定を目指す現行のスケジュールにこだわらない考えを示した。詳細な需要予測調査や民間資金活用の可能性を探る調査を優先的に実施すべきだとし、「来年の今ごろには基本計画を出せる」と述べた。 県は新野球場の整備プランを「1万5千~2万2千人規模のドーム」とする方針を県議会の一部会派に伝えたものの、最大会派の自民改革会議から「需要調査が不十分」などと異論が出ていた。規模や構造の絞り込みは今夏に実施する民間資金活用調査後になる見通しで、基本計画の策定時期は大幅にずれ込むことが確定的とな
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浜松新球場案「1.5万~2.2万人ドーム」 静岡県が県議会会派に提示
静岡県が14日、浜松市西区の遠州灘海浜公園篠原地区に整備する新野球場の収容人数と構造を「1万5千~2万2千人規模のドーム」に絞り込み、県議会の一部会派に方針を伝えたことが分かった。最大会派の自民改革会議からは財政負担への懸念などから異論が相次いだ。 県は規模や構造が異なる複数の球場案について、概算事業費や維持管理費、経済波及効果などの観点から評価した。2万2千人規模(草薙球場相当)のドームと1万3千人規模(愛鷹球場相当)のドームが最も高い評価で、地元の建設促進期成同盟会やアマチュア野球団体の要望などを踏まえて評価案を取りまとめた。 ドームは天候に左右されず、プロ野球球団から「優先的に地方
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子どもの安全 配置基準、処遇見直しを【点検 2023年度静岡県予算案㊤】
今月上旬、三島市の白道こども園。園庭を駆け回り、楽しそうに昼食を食べる園児の姿が見られた。0~5歳児約190人を預かり、国の基準を上回る26人の保育士を配置する。「子どもたちを健やかに育てたいという思いで皆が一生懸命やっている」と土山雅之園長(61)。新型コロナウイルス禍に伴う業務増加や子どもの安全管理に関するマニュアルの見直し、研修と現場の負担感は増しているといい「今こそ保育の質向上に目を向けるべきだ」と訴える。 静岡県内の保育施設では昨年、送迎バス置き去り死や虐待事件が次々に明るみに出た。子どもの安全が何よりも優先されるはずの現場で保育環境の不備が発覚し、行政の対応の遅れも問題視された
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建設業の若手社員 出前講座成果発表 静岡県が交流会
静岡県はこのほど、県内建設業の若手社員が集う「静岡どぼくらぶ若手交流会」を静岡市葵区で開き、県内小学校で実施した出前講座の成果を発表した。 出前講座は昨年10月、30歳以下を中心とした若手社員21人が5グループに分かれて行った。建設機械に関するクイズやコンクリートづくりなどの体験を交えながら、仕事のやりがいや身近な公共インフラを紹介した。 最優秀賞に輝いたグループの望月慎吾さん(30)=中林建設=は「交流会で生まれたつながりを今後も大切にしていきたい」と話した。 審査委員長を務めた県建設業協会の市川浩透労務委員長は「地図に残るダイナミックな仕事が土木の魅力。今回の経験を仕事に生かしてほ
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官民連携で野菜マシマシ 静岡県など、28日までキャンペーン
静岡県はこのほど、食品スーパー「フードマーケットマム」を運営するタカラ・エムシー(静岡市駿河区)や調味料の製造販売を手がけるエスエスケイフーズ(同市葵区)と連携し、県民に野菜摂取を促す「野菜マシマシキャンペーン」を始めた。28日まで。 フードマーケットマムなどの店舗でエスエスケイフーズ商品を含む500円以上を購入した人の中から、抽選で20人に有機野菜セットを贈る。県民の1日当たりの野菜摂取量は男性が274グラム、女性が243グラムで、いずれも目標の350グラムに届いていない。キャンペーンを通じて野菜を食べる機会を増やしてもらい、高血圧対策にもつなげる。 1日には静岡市駿河区のフードマーケ
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記者コラム「清流」 議員の呼び方
昨年春に静岡市政から県政担当に異動して以来、議員の呼び方の違いが気になっている。静岡市議はさん付けや○○議員が一般的なのに対し、県議は先生呼称が多い。長年の慣習のようだが、住民や職員との距離感を表しているのではと感じる。 先生は便利な言葉だ。瞬時に名前が思い出せない時にはうってつけで、「相手も嫌な思いはしないはず」(県職員)。ただ、一部の地方議会で呼称を見直す動きもある。今のところ静岡県議会に波及する気配はないが、気づかぬうちに上下関係が生まれ、勘違いを助長するようなら改めるのも一案かもしれない。 統一地方選が迫ってきた。先生と呼ばれる人はどんな仕事をしているのか。身近な議員について考え
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若者よ、もっと歩こう♪ 静岡県が実証事業 アプリで目標宣言→仲間に報告→運動習慣化
静岡県は若者の日常的な歩数を増やすため、「ナッジ」と呼ばれる行動経済学の知見を取り入れた実証事業を1月中旬から始めた。習慣化を目指すアプリを活用し、目標歩数に向けて自発的な運動を促すのが特徴。県民の歩数の平均値は県の目標に届かず、新型コロナウイルス禍で運動不足も指摘されている。生活習慣病のリスクが低いうちから運動を意識づけ、健康増進を図る。 公募に応じた県内5事業所の20~30代を中心に約140人が参加する。匿名で5人一組のチームをつくり、アプリ内であらかじめ目標の歩数を宣言。日々のウオーキングの写真を投稿したり、チャット機能で励まし合ったりしながら運動習慣をつくる仕組みだ。期間は1カ月間
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女性の社会参画訴え 外務省の与那嶺さん講演 静岡市葵区
静岡市としずおか女性の会は28日、新春講演会を葵区のアイセル21で開き、外務省女性参画推進室課長補佐の与那嶺涼子さんが「女性が作るこれからの世界」と題して講演した。ジェンダー専門家の立場から、女性の社会参画や紛争地域の実情などを語った。 与那嶺さんは沖縄県出身で、内閣府国際平和協力本部事務局でジェンダー研修を担当した経験を持つ。ジェンダーの不平等が女性に対する暴力に結びつくとし、「ジェンダー平等は女性だけの問題ではなく、公平な社会の基盤づくりにつながる」と指摘した。日本の女性の政治参加が世界各国に比べて大幅に少ないデータを示し、「政策が変わらない原因の一つでは」と問題提起した。 ロシアに
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脳卒中予防テーマ 2月11日に講演会 静岡・グランシップ
静岡県は2月11日午後1時半から、脳卒中予防をテーマにした「健康寿命をのばそう!講演会」を静岡市駿河区のグランシップで開く。参加無料。 滋賀医科大の上島弘嗣名誉教授が減塩を中心とした血圧コントロール、信州大大学院の増木静江教授が「インターバル速歩」と呼ばれるウオーキングについて講演する。企業や大学がブース出展し、健康度チェックも行う。定員200人で先着順。ウェブサイトかファクスで申し込む。2月2日締め切り。 問い合わせは県健康政策課<電054(221)2404>へ。
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12月搭乗者3万人超 静岡空港、14カ月連続増
静岡県と富士山静岡空港株式会社(牧之原市)がこのほど発表した2022年12月の空港利用状況によると、搭乗者数は前年同月比1・7%増の3万234人だった。14カ月連続で前年同月を上回り、12月としては3年ぶりに3万人を超えた。 搭乗率は2・3ポイント上昇の65・4%だった。国内旅行を促す「全国旅行支援」の効果で、個人旅行や団体旅行の底上げにつながった。 搭乗率を路線別にみると、鹿児島線が74・5%(3755人)、出雲線が73・6%(3426人)、新千歳線が68・6%(5850人)などとなった。 新型コロナウイルス禍で全便欠航が続く国際線は2月下旬に韓国ソウルへのチャーター便運航、3月26
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静岡人インタビュー「この人」 賀茂地域で住民の健康長寿研究に取り組む 田原康玄さん(静岡市駿河区)
賀茂地域1市5町の住民を対象に健康調査を行い、健康状態の変化などを追跡する「静岡多目的コホート事業」を進める。効果的な予防方法の開発や疾病の早期発見、健康づくりの意識を高めることを目指す。静岡社会健康医学大学院大(静岡市)研究科長。川崎市出身。53歳。 ―コホートとは。 「集団を長期間追跡し、疾患の発症や関連する特徴を明らかにする研究手法で電気や水道と同じ社会インフラ。疾病予防は分かっていないことが多く、社会環境の変化で認知症やフレイル(虚弱)などの課題も出てきた。リスク因子を明らかにし県民の健康づくりに貢献したい」 ―研究成果は。 「自分が取り組むもう一つのコホート(滋賀県長浜市)
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浜松の野球場建設 静岡県、PFI導入調査 2023年度予算
静岡県は浜松市西区の遠州灘海浜公園篠原地区に整備する新野球場について、PFI(民間資金活用による社会資本整備)の導入可能性調査を今夏に実施する。2023年度当初予算案に調査費3千万円を計上する方針。 県議会22年12月定例会建設委員会での県の説明によると、調査は1~2年かけて実施する。民間事業者との対話を通じ、官民連携で事業が進められるかどうかを検証する。野球場の概算事業費は最大で370億円との試算があり、事業費削減につなげる狙いがある。 県は県議会2月定例会で経済波及効果や費用対効果の分析結果を踏まえた球場規模や構造ごとの評価案を提示する方針。6月ごろの基本計画策定を目指している。
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新東名 ようやく全線開通へ 20→23→27年度に 静岡県内経済効果に期待
首都圏と中京圏をつなぐ新東名高速道の全線開通が2027年度に決まった。トンネル工事が難航するなど2度にわたる延期の末、並行する東名高速道とのダブルネットワークがようやく実現するめどが立った。静岡県内の自治体や物流業界からはアクセス向上による経済効果に期待が高まる一方、「開通時期の遅れは痛手」と困惑の声も上がる。 新東名は現在、全体の9割が開通している。残る区間は新秦野インターチェンジ(IC、神奈川県)―新御殿場IC(御殿場市)間の約25キロ。山間地を貫く高松トンネルで脆弱(ぜいじゃく)な地盤が出現し、掘削工事が難航している。中日本高速道路は当初、20年度の開通を目指したが、23年度に延期。
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大井川鉄道 静岡県に支援要望書 公共交通存続へ、協議会設置求める
2022年9月の台風15号で被災し、一部区間で運休が続く大井川鉄道(島田市)は18日、鉄道事業の運営支援に関する要望書を県に提出した。新型コロナウイルス禍の経営環境悪化や災害復旧が課題となる中、持続可能な地域公共交通の在り方を検討するための協議会設置を求めた。 鈴木肇社長が県庁に森貴志副知事を訪ね、「全国から全線開通を望む声があるが、自力では厳しい。持続的な運営と併せて支援をお願いしたい」と求めた。森副知事は「本年度中にできるだけ早く話し合いの場を設ける。全体の交通体系についても検討したい」と応じた。 大鉄によると、協議会は県、沿線自治体、国などの関係機関で構成され、地域公共交通の在り方
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無党派層に支持広げる 公明党・静岡県本部幹事長/早川育子氏【各党に聞く 2023年選挙戦略④】
―統一地方選の位置付けは。 「前半戦は県議選と浜松市議選に計10人、後半戦の市町議選には計19人の立候補を予定している。県内公明党議員60人のうち半数が選挙戦に挑む。2024年11月に結党60年の節目を迎えることもあり、全員の勝利を目指す。公明党はネットワーク政党。市町、県、国の連携によって政策を作り上げてきているため、統一地方選は非常に重視している」 ―県議選は現状の5議席維持が目標となる。 「今回から定数が減る沼津市、新人が出馬を予定する静岡市葵区をはじめ重点選挙区ばかり。(今回擁立しなかった)浜松市については区割りの動向や定数を見ながら、今後検討していく必要があると思っている」
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静岡県健康センター(三島)改修へ 2024年4月再開予定 感染症対策の拠点設置
静岡県は2月から、三島市の県総合健康センターの県民利用を一時休止する。感染症対策の拠点「ふじのくに感染症管理センター(仮称)」の設置に向けた改修工事を実施するため。2024年4月の再開を見込んでいる。 名称も「県健康福祉交流プラザ(仮称)」に改める。3階建てのうち、2、3階部分は感染症管理センターの執務室やウイルス検査フロアとして活用。1階部分の体育館やトレーニングルームは従来通り県民が利用できる。健康づくりに加え、地域福祉や障害者福祉の増進を図る施設として位置付ける。有事の際はワクチン接種会場や物資集積スペースとしての活用も想定している。 県は当初、22年3月で総合健康センターを閉館す
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11月輸送微減の1・2万人 駿河湾フェリー コロナや台風影響
一般社団法人ふじさん駿河湾フェリー(静岡市清水区)がこのほど発表した昨年11月の利用状況によると、輸送人員は前年同月比0・3%減の1万2020人で、11月としては1隻体制となった2009年以降で最少だった。新型コロナウイルスの感染再拡大に加え、台風15号で静岡市清水区が被災したことに伴う旅行マインドの低下が続いたとみている。 前年割れは2カ月連続。乗用車が10・1%減の2718台と2桁の落ち込みとなった。バスは19・2%増の124台と前年を上回り、徒歩乗船者は11月19日に実施した無料キャンペーン効果で64・0%増の2073人と大幅に増えた。2千人を超えるのは3年ぶり。運航率は14・2ポイ
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医師確保へ「地域枠」拡充 静岡県、日大と協定 県外9大学、全国最多53人分
静岡県は26日、医師不足解消を目的とした医学部の地域枠について、新たに日本大(東京都)と協定を結んだ。本県の地域枠は3人分が新たに増え、2023年度は10大学計68人分に拡充される。県外大学に限ると9大学計53人分で全国最多。 本県の地域医療を担う人材を発掘、養成するのが狙いで、一般の入学枠とは別枠で選抜する。県は医学生向け奨学金「医学修学研修資金」を貸与する。 県は2014年度に近畿大(大阪府)、川崎医科大(岡山県)と初めて地域枠設置に関する協定を締結。浜松医科大(浜松市)や順天堂大(東京都)、関西医科大(大阪府)などにも設置が広がり、学生数も増加している。 県地域医療課によると、医
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血圧の測定、朝晩家庭で 静岡県、5事業所で検証着手 脳血管疾患死亡率が全国平均超
静岡県は脳血管疾患による死亡率が全国平均を上回っていることを踏まえ、家庭での血圧測定を習慣化させる実証事業に乗り出した。県内5事業所の従業員約130人に協力を得て、2カ月間にわたり毎日2回の計測を促す。健康リスクを把握しやすくなる利点があり、生活習慣の改善効果を検証する。 モニターの従業員に血圧計を貸し出し、朝と晩の2回、各家庭で測定してもらう。結果はアプリに記録され、保健師が2週間に1回ほどのペースで生活指導を行う。モチベーションの維持につなげるため応援メッセージを送ったり、体調が大きく変化した場合に受診を勧めたりする。 乾物の製造販売を手がける藤和乾物(藤枝市)は8日から開始し、全従
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高齢者の虐待 静岡県内428件 介護施設は過去最多 2021年度
静岡県は23日、2021年度の県内高齢者虐待件数が428件で、前年度から22件減ったと発表した。このうち介護施設職員らによる虐待は19件で前年度と並び過去最多となった。家族や親族による虐待は22件減の409件。亡くなったのは1人だった。 高齢者虐待防止法に基づく調査で、各市町が相談や通報を受けて虐待と判断した件数をまとめた。全体の相談・通報件数は90件減の876件と前年度を下回る一方、職員による虐待に限ると1件増の47件となり、元職員や介護支援専門員からの相談・通報が増えた。 虐待の種類は職員、家族・親族ともに暴力や拘束といった身体的虐待が最も多く、6割を超えた。暴言などの心理的虐待、放
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虐待行為、速やかに報告を 静岡県、県内精神科病院に周知へ
沼津市の精神科病院「ふれあい沼津ホスピタル」で勤務していた看護師が入院患者に暴行したとされる問題で、静岡県は22日、県内の精神科病院に対して虐待行為を把握した場合、速やかに行政機関に報告するよう改めて周知する方針を示した。 県庁で開いた精神保健福祉審議会で明らかにした。県の聞き取りによると、同病院は9月末に暴力行為を把握していたものの、「法令上、報告義務がなかったため行政には報告しなかった」と説明しているという。県への報告は12月19日で、2カ月以上を要した。 県は関係者に対する追加聴取や提出資料の精査などを踏まえ、精神保健福祉法に基づく指導を実施する方針も示した。 委員からは「日常的
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熱海土石流 逢初川、拡幅や勾配緩和 静岡県が河川整備計画策定
静岡県は21日までに、熱海市伊豆山で大規模土石流が発生した逢初(あいぞめ)川について、おおむね20年間の整備方針を盛り込んだ河川整備計画を策定した。30年に一度の豪雨が発生した際に被害を防げるよう、河川を拡幅したり勾配を緩やかにしたりして安全性確保につなげる。 2級河川の逢初川は急勾配で普段から流れが速い。計画は、市道伊豆山神社線付近から国道135号までの中流部で流下能力が低いとし、河川断面を確保して流下能力を増やす必要性を指摘した。川底を深くするほか、段差を設けて勾配を緩やかにする。用地取得終了後に工事を実施する。 一方、気候変動の影響で甚大な浸水被害が相次いでいる状況を踏まえ、防災情
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伊豆縦貫道 「天城越え」区間案了承 1月にも都市計画決定
静岡県都市計画審議会は19日、県庁で会合を開き、伊豆縦貫自動車道月ケ瀬インターチェンジ(IC、伊豆市)から河津IC(仮称、河津町)までの「天城越え」区間の都市計画案を了承した。県は国土交通相の同意を得て、2023年1月末ごろに都市計画を決定する。 伊豆半島南部へのアクセス向上や幹線道路の渋滞緩和、災害時の緊急輸送路としての活用、救急搬送の迅速化といった効果が期待される。県や沿線自治体は国に対し、早期事業化へ働きかけを強める方針。 同区間は沼津市から下田市に至る伊豆縦貫道約60キロのうち、伊豆市から河津町までの約20キロ。片側1車線で、設計速度は時速80キロとしている。トンネル部分が半数超
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送迎バス安全管理指針を動画で解説 静岡県、マニュアル策定促す
牧之原市の認定こども園で送迎バス内に取り残された園児が死亡した事件を受け、県は19日までに、バスを運行する保育施設などを対象に10月に策定した安全管理指針の解説動画を公開した。送迎マニュアルの作成や改定時の参考にしてもらうため、指針の概要やポイントを紹介し、各施設に視聴を促している。 動画は約25分で、ユーチューブで配信している。バス運行に携わる職員の管理と役割、送迎車両の安全対策、事故につながりかねない「ヒヤリ・ハット事例」の収集など6項目について、具体例を示しながら解説。バス降車時などの人数確認でダブルチェック体制を整えることや、時間を定めて各クラスで最終的な出欠確認を行う必要性を指摘
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静岡県予算編成 経済対策や災害対応要望 自民とふじ
静岡県議会最大会派の自民改革会議と第2会派ふじのくに県民クラブは19日、県の2023年度当初予算編成に向けた要望書を川勝平太知事に提出した。経済対策や台風15号を踏まえた災害対応などを求めた。 自民は物価高騰の影響を受ける生活者や農林水産業、中小企業への支援、激甚化する風水害対策の強化、盛り土対策の充実などを列挙。国のデジタル田園都市国家構想に呼応した取り組みの推進や、こども家庭庁の創設を契機とした少子化対策・子ども政策の充実も要望した。 良知淳行代表は「物価高騰で県民が疲弊し、産業振興でも各種団体から要望がある。地域の声をしっかりとまとめ、政策として届けていく」と強調した。 ふじのく
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新東名 27年度全線開通 新秦野―新御殿場、工事遅れでずれ込み
中日本高速道路は16日、新東名高速道が2027年度に全線開通する見通しになったと発表した。未開通区間の新秦野インターチェンジ(IC、神奈川県)―新御殿場IC(御殿場市)間の約25キロで工事が遅れ、従来示していた23年度からずれ込む。 同日に横浜市で開いた沿線自治体などとの会合で報告した。同区間は高松トンネル(神奈川県)の掘削工事が難航している。当初は20年度の開通を予定していたが、2度にわたり延期した。 新東名は海老名南ジャンクション(JCT、神奈川県)と豊田東JCT(愛知県)を結ぶ全長約253キロ。現在は約9割が供用されている。同社は「引き続き工程短縮に努め、一日も早い開通を目指す」と
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浜松新野球場 ドーム型利用料5倍 基本計画、23年6月策定
静岡県は14日の県議会建設委員会で、浜松市西区の遠州灘海浜公園篠原地区に整備する新野球場について、基本計画の策定時期が2023年6月ごろになるとの見通しを明らかにした。従来のスケジュールから3カ月程度ずれ込む。ドーム型の利用料金が、屋根のない球場に比べて少なくとも5倍超に膨らむとの試算も示した。 同7~8月ごろにはPFI(民間資金活用による社会資本整備)手法の導入可能性調査を実施する予定と説明。球場の概算事業費が最大370億円に上る中、事業者との対話などを通じ、官民連携について具体的な検討を進める。 利用料金はアマチュア野球が日中に8時間半使用したケースを想定し、草薙球場や愛鷹球場を参考
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観光再興へ静岡県独自割引 年明け開始、食テーマ宿泊旅行や体験
川勝平太知事は9日、新型コロナウイルス禍で打撃を受けた観光産業を支援するため、静岡県独自の観光促進事業を実施する方針を明らかにした。食をテーマにした静岡県内宿泊旅行や日帰り体験に対する料金割引を2023年1月にも開始する。県議会12月定例会一般質問で、自民改革会議の土屋源由氏(伊豆の国市)に答えた。 観光振興課によると、県内各地の旬の食材や料理、食文化に触れる宿泊旅行、コロナ禍で需要が高まるパラグライダーやアスレチックなど体験型アクティビティーの料金を割り引く。閑散期とされる1月中旬から2月末ごろの実施を想定。県内外の旅行客を対象とし、全国旅行支援との併用を可能にする方向だ。 水際対策の
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函南メガソーラー 許可取り消しを請願 住民が県議長へ提出
函南町軽井沢の大規模太陽光発電所(メガソーラー)建設計画に反対する住民グループ「丹那の自然と生命を守る会」は7日、県が行った林地開発許可の取り消しを求める請願を薮田宏行県議会議長に提出した。 県議会産業委員会の審査で許可済みの申請書の一部に誤りがあり、河川協議が不十分だったことが判明したと指摘。「計画の安全性が正しく判断されていない状態で事業者に許可が与えられ続けている現状に、住民は大きな苦痛を感じている」とした。 同会は6月にも開発許可の検証を求める請願を提出済み。塩崎敬子理事は「県の対応は事業者寄り。丹那の自然を守るには許可の取り消ししかない」と述べた。今回の請願は開会中の12月定例
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浜松・新野球場整備 基本計画、22年度内困難に 静岡県議会代表質問
静岡県議会12月定例会の代表質問が6日始まり、太田博文交通基盤部長は浜松市西区の遠州灘海浜公園篠原地区に整備する新野球場について、12月定例会で予定していた評価案の公表を先送りすると表明した。2022年度中の基本計画策定は事実上困難な情勢となった。自民改革会議の伊丹雅治氏(三島市)への答弁。 評価案の提示は23年2月定例会を目指すと説明。球場の規模や構造が1案に絞り込まれても、パブリックコメント(意見公募)の手続きなどが必要で、基本計画の策定は23年春の統一地方選後にずれ込む見通しだ。 野球場を巡っては9月定例会と11月の建設委員会閉会中審査で、夜間照明がアカウミガメの生態に影響を及ぼす
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掛川のバス自動運転実験 AIカメラで顔認証 静岡県、試験導入
静岡県は5日、掛川市で始めた自動運転バスの実証実験で、人工知能(AI)を活用した顔認証システムを試験導入した。バス停に取り付けたカメラで事前予約した利用者の本人確認を行い、乗降時の利便性向上につなげる。将来的にキャッシュレス決済と連携させることも視野に入れ、顔認証の精度を検証する。11日まで。 バスが運行するJR掛川駅北口と掛川城三の丸広場にAIカメラを搭載した「見守るバス停」を設置した。実験には掛川工業高の生徒約10人がモニターとして協力する。 生徒はあらかじめ正面や横、斜め上などから撮影した十数枚の写真を登録。バス停のカメラに顔を近づけると、写真のデータと照合され、スムーズに認証さ
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田辺氏の出馬見送り 山田氏/自民推薦に期待感 難波氏/全会派に政策説明 静岡市長選
2023年春の静岡市長選への出馬を表明している自民党県議の山田誠氏(60)と元副知事の難波喬司氏(66)は2日、現職田辺信宏氏(61)の出馬見送りを、驚きを持って受け止めつつ、決断を評価した。現職の不出馬で選挙戦の構図が大きく変わる中、両氏はそれぞれ市議会各会派の支持獲得に向け、動きを加速させる構えだ。 山田氏は「不出馬と聞いて正直びっくりした」と述べた。田辺氏の市政運営について「コロナ禍で大変だったと思うが、まいた種が少しずつ芽が出てきた」とする一方、台風15号を巡る初動対応や危機管理の問題を指摘した。いわゆるハコモノ事業については「市民にとって有益か一度点検しないといけない」とした。
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子ども食堂は「交流の場」 静岡県が居場所づくりセミナー
静岡県はこのほど、「子どもの居場所づくり」をテーマにしたセミナーを静岡市駿河区の県男女共同参画センターあざれあで開いた。貧困問題に取り組むNPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ(東京)の湯浅誠理事長が講演した。 湯浅理事長は全国の子ども食堂が2021年時点で約6千カ所に増えたことを紹介し、「地域で集う場所がなくなり、交流の場として広がっている」と指摘した。年齢や属性など参加条件がない施設が約8割に上るとし、「公園のような場所」と表現した。 子ども食堂の強みに「行政の相談窓口を利用しないような課題のある子どもや家庭と新たな接点が持てること」を挙げ、セーフティーネットとしての役割や子
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若者、女性の自殺対策強化 静岡県が計画案 減少も女性高止まり
静岡県は自殺対策の新たな指針となる第3次自殺総合対策行動計画(2023~27年度)の素案をまとめた。新型コロナウイルス禍で人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺死亡率が高水準で推移している若年層や女性への対策強化を打ち出した。21年に539人だった県内自殺者を27年度までに450人未満に減らす目標も掲げた。 9日に静岡市内で開いた県自殺対策連絡協議会に示した。 厳しい雇用情勢やドメスティックバイオレンス(DV)の深刻化などコロナ禍で浮き彫りになった課題を踏まえ、困難を抱える女性支援の必要性を指摘した。若者が交流サイト(SNS)で自殺をほのめかすケースがあることから、インターネット上の書き
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車椅子ソフトボール 静岡で体験会 静岡REX
浜松市を拠点に活動する静岡県内唯一の車椅子ソフトボールチーム「静岡REX」はこのほど、競技の普及に向けた体験イベントを静岡市葵区の県総合社会福祉会館で開いた。障害者と健常者がプレーを通じて交流した。 参加の呼びかけに応じた県車椅子バスケットボールクラブの選手を含む10人余りがキャッチボールや打撃練習を行った。参加者は車椅子を両手で動かして、通常のソフトボールより一回りほど大きいボールを追いかけた。 車椅子ソフトボールは2028年ロサンゼルスパラリンピックで正式種目採用を目指している。静岡REX代表の佐藤光春さん(59)は「障害者も健常者も一緒になって楽しめる競技。ソフトボールをやりたいと
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感染対策リーダー育成 静岡県、第8波やインフル備え
静岡県と静岡県病院協会は9日、社会福祉施設で感染症対策を主導するリーダーの育成研修を始めた。新型コロナウイルスの感染第8波とインフルエンザの同時流行が懸念される中、感染対策の高度な知識を備えた感染管理認定看護師が感染予防のポイントを助言する。重症化リスクが高い高齢者らが多い施設の特性を踏まえ、感染対策の向上につなげる。 初日は焼津市の特別養護老人ホーム「大富陽光園」で開催し、県中部の施設から計16人が参加した。いずれも藤枝市立総合病院の感染管理認定看護師、戸塚美愛子さんと小林亜紀子さんが講師を務め、手指衛生や職員の健康チェックなど基本的な対策を助言した。「感染対策の原則は『もらわない』と『
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建設現場に先進技術を 静岡でマッチングイベント 83団体集結
静岡県は8日、建設現場と企業のマッチングを図る「新技術交流イベントin静岡」を静岡市駿河区のグランシップで開いた。高齢化や人手不足といった課題を先進技術で解決し、生産性向上につなげる狙い。過去最多となる83の企業・団体が110の技術を提案した。 「ICT(情報通信技術)を活用した省力化・省人化」「設計・施工・維持管理の効率化」「建設現場のカーボンニュートラル」など五つのテーマに沿ってブースを設けた。重い荷物を持ち上げる人をサポートして作業負担の軽減を図る「パワースーツ」、撮影画像からコンクリート構造物のひび割れを自動検出するシステムなど独自技術やサービスを売り込んだ。 地形や構造物の形状
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動画広告で「大麻乱用防止」 静岡県、若者向けに活用 危険性、有害性訴え
静岡県は動画投稿サイト「ユーチューブ」などを活用し、若者向けに大麻の乱用防止を呼びかける動画広告を流す取り組みを始めた。若者を中心に摘発者が増え、インターネット上に大麻に関する誤った情報が氾濫していることを踏まえ、若者が日常的に視聴するサイトから危険性や有害性を訴えかける。 ユーチューブやテレビ番組配信サイト「TVer(ティーバー)」を視聴する10~20代の若者を中心に15秒の啓発動画を流す。スマートフォンなど個々の端末に直接配信することで、若者の目に届きやすくする。 動画は6種類。いずれも静岡デザイン専門学校(静岡市葵区)グラフィックデザイン科の学生が制作した。記憶障害などの悪影響を
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国内線140円、国際線550円 静岡空港の施設利用料 1月20日導入
静岡空港を運営する富士山静岡空港株式会社(牧之原市)は4日、国内線と国際線の利用者が支払う「旅客取り扱い施設利用料」を2023年1月20日から導入すると発表した。金額は国内線が大人1人当たり140円(3~11歳は70円)、国際線は同550円(2~11歳は270円)。 施設利用料は成田、羽田、中部、関西など国内の主要空港を中心に導入されていて、静岡空港は全国13番目となる。同社によると、地方管理空港では下地島(沖縄県宮古島市)に次いで2例目。10月21日に県から承認を受けた。 国内線は静岡空港を出発または到着する際、国際線は出発する際に適用される。航空会社が運賃に上乗せして旅客から徴収し、
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浜松新野球場、ドームか「照明なし」 静岡県議会建設委が絞り込み
静岡県議会建設委員会は1日、県が浜松市西区の遠州灘海浜公園篠原地区に整備する新野球場に関する閉会中審査を行った。夜間照明がアカウミガメの生態に及ぼす影響を踏まえ、球場の構造は事実上、全体を屋根で覆ったドームにする案と照明設備がない案に絞り込まれた。規模については委員から注文が相次ぎ、県が目指す県議会12月定例会での意見集約は難航しそうだ。 県は9月定例会建設委員会で、整備予定地近くで産卵するアカウミガメの環境影響調査の結果を公表し、「照明による影響は顕著には確認できなかった」と説明。一方、参考人招致した専門家からは「データが不足している」などと指摘が相次ぎ、過去に浜松市が実施した調査や有識
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安全管理マニュアルの策定促す 園送迎バス運行で静岡県方針
静岡県は27日、牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で園児が送迎バス内に置き去りにされ死亡した事件を受けて、送迎バスを運行する県内250の保育施設に対して安全管理マニュアルの策定や改定を求める方針を同日の有識者会議で示した。来年1月をめどに策定状況を調査し、2023年度以降は定期監査で確認する見通し。 保育施設がマニュアルを作る際に参考となる安全管理指針案をとりまとめ、有識者会議で了承された。指針は28日に公表し、県内全ての保育施設に通知する。 指針の活用に向けてポイントを説明する動画を配信するほか、保育施設からのマニュアル策定に関する相談にも対応する。県健康福祉部の瀬崎浩二理事(少子化
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浜松新球場で閉会中審査 「照明なし」案提示へ 静岡県議会建設委
静岡県が浜松市西区の遠州灘海浜公園篠原地区に整備する新野球場を巡り、県議会建設委員会は11月初旬に閉会中審査を実施する方向で最終調整に入った。県は照明設備がないスタジアムの整備案を新たに提示する見通しで、年内の1案絞り込みに向けて議論が進展するかどうかが焦点。27日までの関係者への取材で分かった。 県は県議会9月定例会建設委員会で、整備予定地近くで産卵するアカウミガメに関する環境影響調査の結果を公表し、「模擬照明による影響は顕著には確認できなかった」と説明した。一方、参考人招致した専門家からは「データが不足している」「照明が影響を及ぼすのは間違いない」などの指摘が相次ぎ、野球場の構造や規
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複数職員で登園確認 静岡県が安全指針案 送迎バス置き去り死受け
静岡県は27日、牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で園児が送迎バス内に置き去りにされ死亡した事件を受けて、独自に策定したバス送迎に関する安全管理指針案を有識者会議に示した。再発防止に向け、園長や運転手など車両運行に携わる関係者の役割を明確化したほか、乗降確認や登園管理の手順、車体のラッピングに対する考え方を盛り込んだ。 置き去りを防ぐ安全装置については、国による義務化の動きを踏まえ「人の注意力を補完するための装備は有効」と明記した。バスのラッピングに関しては窓全体を覆わないことや透過性を持たせることなどを挙げ、外から車内が確認できるよう配慮を求めた。 登園時や園外活動の前後で子どもの人
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薬事功労14人表彰 静岡県と県薬事振興会
静岡県と県薬事振興会はこのほど、本年度の薬事功労者表彰式を静岡市葵区で行い、薬事衛生の普及や人材育成に貢献した14人を表彰した=写真=。 4人が県知事表彰、10人が県薬事振興会会長表彰を受けた。県病院薬剤師会の川上純一さんと県薬剤師会の植兆満さんが厚生労働大臣表彰を受賞したことも報告した。 同振興会の石川幸伸会長は「皆さんの豊富な見識と経験を生かし、業界の発展に尽力してほしい」と呼びかけた。 受賞者は次の通り。 ▽県知事表彰 北村修(県病院薬剤師会)品川彰彦(県薬剤師会)村松達大(県医薬品登録販売者協会)村山香(県製薬協会) ▽県薬事振興会会長表彰 板井和広(県薬剤師会)井上正久(
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記者コラム「清流」 自動運転の現在地
運転操作をしなくても走るクルマ―。先日、県が掛川市で開催した自動運転実証実験の試乗会に参加した。幼い頃の自分が聞いたらさぞ驚いただろう。 最高速度は時速19キロ。ゆったりしたスピードとはいえ、ヒヤリとする場面はなく、実用化への道のりはそれほど遠くないという印象を持った。高齢者の移動手段確保や運転手不足への対応といった課題解決にもつながると期待は大きい。 ただ、民間企業の調査では、自動運転車に乗ってみたいと考える人が6割超に上る一方、8割超が誤作動を不安に感じているとのデータもある。日進月歩と言われる自動車の技術開発。試乗会は11~12月にも予定されている。まずは体験を、と多くの人に勧めた
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野菜マシマシで摂取を 静岡県プロジェクト始動、県民の健康寿命延伸
静岡県は本年度、静岡県民に野菜摂取を促す「野菜マシマシプロジェクト」を本格始動した。高血圧が要因となる病気を予防するため、産学官連携でメニュー開発や販売モデルの確立を進め、健康寿命の延伸につなげる。 本県は脳卒中などの脳血管疾患による死者数が全国に比べて高く、健康課題の一つになっている。要因の高血圧予防にはナトリウム(食塩)の排出を促す野菜の摂取量を増やすことが有効とされ、健康に無関心な層も手に取りやすい販売手法を検討する。 プロジェクトには県内飲食店や料理研究家、学識経験者が参加。野菜使用量が1食分の目安(120グラム程度)を上回るメニューを開発し、年明けに飲食店でテスト販売を行う。主
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静岡県議会2会派 台風対応巡り所感 9月定例会閉会で会見
静岡県議会最大会派の自民改革会議と第2会派のふじのくに県民クラブは14日、9月定例会の閉会に合わせてそれぞれ記者会見し、県内に甚大な被害をもたらした台風15号を巡る県の対応などについて所感を述べた。 自民の良知淳行代表は県の自衛隊派遣要請に関し「スピード感を持って取り組むことが県民の命や財産を守ることにつながる」と指摘し、より迅速な対応が必要だったとの認識を示した。 中田次城政調会長は県盛り土規制条例の見直しに向けて関係団体への聞き取りを進めていると説明し、「年内をめどに論点を整理していく」と語った。年度内に条例改正が必要か運用の見直しで対応できるかを判断する。 ふじのくにの佐野愛子会
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静岡空港 9月搭乗者4・2倍 11カ月連続増
静岡県と富士山静岡空港株式会社(牧之原市)が13日発表した9月の空港利用状況によると、搭乗者数は前年同月比4・2倍の3万2040人だった。前年同月を上回るのは11カ月連続。 国内線はビジネス需要が鈍いものの、新型コロナウイルス感染拡大前に比べ回復基調にある。10月11日には政府の観光振興事業「全国旅行支援」が始まり、県は「空港利用にはプラスに働く。利用者増、旅行マインドの上昇に期待したい」(空港振興課)としている。 路線別にみると、新千歳線と丘珠線を合わせた札幌地区が1万3116人と全体を押し上げた。期間運航したANAの新千歳線は5820人、沖縄線は2633人だった。 国際線は2020
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食文化楽しむ旅推進 ガストロノミーツーリズム 静岡県、観光振興へ戦略づくり
静岡県は食と観光を組み合わせた新しい旅行スタイル「ガストロノミーツーリズム」を本格的に推進する。食事を楽しむだけでなく、地域の食材や食にまつわる風土、歴史を含めた食文化に触れてもらう狙い。アフターコロナの観光振興や交流人口拡大に向け、ブランド戦略づくりに着手する。 ガストロノミーツーリズムは欧米で普及し、国連世界観光機関(UNWTO)が「持続可能な観光」として推進している。農林水産業をはじめとする地域経済の活性化や文化の発信にもつながるとして、国内でも取り組みを強化する自治体がある。 本県は全国トップクラスの439品目の農林水産物が生産され、富士山や伊豆半島、南アルプス、浜名湖など多彩な
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浜松新球場 川勝知事「スケジュールありきではない」 ウミガメ影響考慮の「照明なし案」も選択肢
静岡県が浜松市西区の遠州灘海浜公園篠原地区に整備する新野球場について、川勝知事は11日の定例記者会見で「スケジュールありきではない」と述べ、年内に1案に絞り込む現行の日程にこだわらない考えを示した。夜間照明によるアカウミガメへの影響を踏まえ、「一切照明をつけない案も選択肢に入る」とも話した。 新野球場を巡っては5日の県議会建設委員会集中審査で、参考人招致された専門家が「照明が影響を及ぼすことは間違いない」と指摘。県は現在公表している六つの整備プランに、照明設備がないスタジアムを追加する方向で調整している。 川勝知事は「専門家の意見が出ていながら、スケジュールありきでやるのはおかしい」と語
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交通実態調査 別人の名前で調査票誤送付 静岡県・浜松市
静岡県は7日、浜松市と合同で実施している交通実態調査で、別人の名前が書かれた調査票5573件を誤って送付したと発表した。 誤送付したのは県西部7市町の住民を対象にした「西遠都市圏パーソントリップ調査」。調査委託先が依頼した印刷業者が、発送先のデータを並び替える作業をした際、住所と名前がずれていることに気づかずに送付した。 調査票に記載されたIDでログインすると他人の個人情報を閲覧できる状態になっていた。誤送付判明後、ログインできないように対策を講じ、個人情報の漏えいは確認されていないという。7日午後2時までに「名前が違っている」などの連絡が7件寄せられた。 県都市計画課は「作業手順のマ
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新球場「照明なし」選択肢に 静岡県、整備案に追加へ ウミガメへの影響配慮
静岡県は6日、浜松市西区の遠州灘海浜公園篠原地区に整備する新野球場を巡り、現在、公表している規模や構造が異なる六つの整備案に、照明設備がない案を追加する方向で調整に入った。照明がアカウミガメに及ぼす影響に配慮するよう求める専門家の意見などを踏まえ、選択肢を増やす。 県は①外野スタンドがコンクリート構造②外野スタンドが盛り土構造③ドーム構造―の3パターンを想定し、それぞれ2万2千人規模(草薙球場相当)と1万3千人規模(愛鷹球場相当)にした六つの案を公表。年内に一つの案に絞り込む方針を示している。 新たに追加を検討する案は夜間に使用できない一方、照明によるアカウミガメへの影響がなく、ドーム型
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公共土木施設への被害249億円 台風15号豪雨
静岡県は6日の県議会建設委員会で、台風15号による県内公共土木施設の被害額(政令市を除く)が4日時点で249億7200万円に上ったと明らかにした。被害の全容が分かっていないため、さらに膨らむ可能性が高い。 被害は県中部や中東遠を中心に461カ所。内訳は河川343カ所、道路88カ所、橋りょう9カ所、砂防設備8カ所などとなった。 河川は磐田市の敷地川が決壊したほか、28河川30カ所で越水や溢水(いっすい)が発生した。土砂災害は107件確認され、内訳は土石流などが30件、崖崩れが77件だった。 太田博文交通基盤部長は「被害額は今後も増えることが想定される。早期復旧に向けて取り組むとともに、市
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松崎・雲見の土砂流出 国の砂防事業に採択
静岡県は6日までに、台風8号に伴う大雨で発生した松崎町の雲見川の土砂流出について、国の災害関連緊急砂防事業に採択されたと発表した。4日付。事業費は未定で、国が3分の2を補助し、残りを県が負担する。 県砂防課によると、高さ10メートル、長さ38・5メートルの砂防えん堤1基を新設するほか、別の砂防えん堤1基をかさ上げする。測量設計や用地補償を進め、速やかに工事に着手するとしている。
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浜松新野球場集中審査 ウミガメ調査に異論「データ不足」 計画日程影響も
静岡県議会建設委員会は5日、県が浜松市西区の遠州灘海浜公園篠原地区に整備する新野球場について集中審査を行った。野球場の照明がアカウミガメに及ぼす影響に関する県の調査を巡って参考人の専門家から「データ不足」などと異論が上がり、県は再調査を検討する方針を示した。年内に規模や構造を1案に絞り込み、本年度中に基本計画を策定するスケジュールに影響を及ぼす可能性が出てきた。 整備予定地の遠州灘沿岸はアカウミガメの産卵地。夜間照明による影響を懸念し、球場全体を覆うドームタイプを求める声が出ている。 調査は8~9月の新月と満月の日を含む計6日間実施した。予定地近くの砂浜に子亀を放流し、野球場の照明に見立
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児童福祉施設の監査見直し 抜き打ちも 静岡県議会・知事答弁
静岡県議会9月定例会は28日再開し、公明党県議団の盛月寿美氏(静岡市清水区)が代表質問を、無所属の諸田洋之氏(焼津市)と自民改革会議の河原崎聖氏(島田市・川根本町)が一般質問を行った。川勝平太知事は牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で園児が送迎バス内に置き去りにされ死亡した事件を受け、児童福祉施設に対する指導監査の手法を見直す考えを明らかにした。盛月氏への答弁。 川勝知事は認定こども園や保育所、児童養護施設などの安全管理体制に関する指導監査について、実効性を高めるため取り組みを強化する必要があると指摘。「年1回の定期的な指導監査に加え、安全管理体制に的を絞った随時調査や事前通告なしの抜き
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日本平夢テラス30日まで休館 静岡県が県有施設の被害公表 台風15号
静岡県は26日、台風15号に伴う県有施設の被害状況を公表し、日本平夢テラス(静岡市清水区)が断水のため30日まで臨時休館する見込みだと明らかにした。 県立水泳場(静岡市葵区)はろ過装置に不具合が生じ、10月2日まで営業を休止する。設備の状況によっては延長の可能性があるという。静岡空港は運航に支障がないものの、調節池ののり面が3カ所崩壊した。 県内5カ所の港湾では流木が漂着するなどしているという。
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危険度高い盛り土4カ所、代執行も視野 静岡県議会代表質問
静岡県議会9月定例会は26日、自民改革会議の鈴木啓嗣氏(浜松市西区)とふじのくに県民クラブの田内浩之氏(湖西市)が代表質問を行った。川勝平太知事は県内の不適切な盛り土を巡り、早急に安全性の確保が必要な盛り土4カ所について安定性の調査と応急対策工事を行う方針を示した。盛り土の撤去が見込めない場合には行政代執行も視野に入れる。鈴木氏への答弁。 熱海市伊豆山の大規模土石流発生後に実施した盛り土総点検や「盛り土110番」による情報提供などを通じ、県が確認した県内の不適切な盛り土は196カ所に上る。 県盛土対策課によると、安全性の確保が必要な盛り土4カ所の内訳は沼津市1カ所と函南町3カ所。伊豆山の
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静岡県すこやか長寿祭 スポーツ・文化交流大会、静岡で開幕
第33回静岡県すこやか長寿祭スポーツ・文化交流大会(県、しずおか健康長寿財団など主催)の総合開会式がこのほど、静岡市駿河区のグランシップで行われた。約400人が参加し、グラウンドゴルフに出場する石本澄さん(83)=静岡市葵区=と冨永弘子さん(83)=島田市=が選手宣誓した。 大会には60歳以上の県民約4千人が出場する。来年3月まで卓球やテニス、水泳など38競技を繰り広げ、健康づくりや世代間交流を図る。来年10月に愛媛県で開かれる「ねんりんピック愛顔のえひめ2023」の代表選考会も兼ねる。
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静岡県動物愛護センター(仮称) 富士見学園跡地への移転整備了承
静岡県動物愛護管理推進委員会は12日、県庁で会合を開き、老朽化が進む県動物管理指導センター(浜松市西区)を富士市大淵の障害者支援施設「県立富士見学園」跡地に移転整備する方針を了承した。殺処分設備は設けず、保護した犬や猫の適正譲渡、動物愛護教育を推進する。早ければ2025年度にも開所する見通し。県東部に動物愛護に特化した行政施設はなく、実現すれば初となる。 新施設の名称は「県動物愛護センター(仮称)」。保護した犬や猫の収容機能を拡充し、新しい飼い主への譲渡を推進する。動物との触れ合いなどを通じ、県民が訪れやすい施設を目指す。災害時に飼い主とはぐれた動物の救護なども想定している。 県衛生課は
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浜松の新野球場 1.5万人規模を要望 アマ団体、知事に
静岡県内11のアマチュア野球団体でつくるNPO法人県野球協議会(川島勝司会長)は9日、県が浜松市西区の遠州灘海浜公園篠原地区に整備する新野球場について、収容人数を1万5千人規模とするよう求める要望書を川勝平太知事に提出した。補助球場2面と雨天練習場の併設も提案し、幅広い世代が野球を楽しめる「ベースボールパーク」の実現を求めた。 新野球場の規模を巡っては、県が草薙球場相当(2万2千人)と愛鷹球場相当(1万3千人)の2案を検討し、浜松市の経済界や鈴木康友市長はプロ野球が開催できる2万2千人以上の規模と全天候型ドームタイプを要望している。 川島会長は「大きな球場はありがたいが、使用料が高く、ア
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西遠圏の移動実態調査、交通計画を策定へ 静岡県、浜松市
公共交通や道路網の将来計画を作るため、静岡県や浜松市が県西部7市町の住民を対象にした大規模な移動実態調査に乗り出す。無作為に選んだ約2万世帯に特定の日の外出先や目的、交通手段などを尋ね、分析する。新型コロナウイルス感染拡大やインターネットの普及など社会情勢の変化が人の移動に及ぼす影響についても調べる。 居住者の1日の動きを調べる「パーソントリップ調査」を9~11月に実施する。対象は西遠都市圏(浜松、磐田、掛川、袋井、湖西、菊川の各市と森町)。約2万世帯を抽出し、あらかじめ指定した平日と休日の各1日の移動状況についてウェブか調査票への記入で回答してもらう。2023年度末に分析結果を示し、24
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バス保有園に立ち入り 静岡県、安全態勢調査へ 牧之原園児死亡
静岡県は8日、牧之原市静波の認定こども園「川崎幼稚園」で園児が送迎バス内に置き去りになり死亡した事件を受け、送迎バスを保有する県内の保育所や認定こども園などに9月下旬から立ち入り指導を実施すると明らかにした。バスの運用状況や安全管理態勢を調べる。 対象は240~250施設になる見通し。調査票を配布し、子どものバス乗降時の座席や人数の確認▽出欠状況の保護者への速やかな確認と職員間の情報共有▽危機管理マニュアルの適宜見直し―などの項目について回答を求める。調査票の結果を踏まえて順次施設を訪問し、職員への聞き取りなどを実施する。静岡、浜松両政令市とも連携する。 川勝平太知事は8日の定例記者会見
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成人年齢引き下げ、消費相談72件 静岡県が対策強化、高額な契約トラブルも
成人年齢が18歳に引き下げられた4月以降、静岡県内の消費生活相談窓口に寄せられた18、19歳の相談件数が72件に上ったことが30日、静岡県への取材で分かった。前年同期の81件を下回ってはいるものの、高額な契約を結びトラブルになったケースがあった。静岡県は「今後も悪質業者のターゲットになる恐れがあり、予断を許さない」として若者向けの消費者被害防止対策に力を入れる。 4~7月に県と市町の窓口に寄せられた相談件数をまとめた。主な内容は「脱毛エステで約50万円の契約を結んでしまい、解除したい」「SNS(交流サイト)やマッチングアプリで知り合った人と金銭トラブルになった」「アダルトサイトの登録料とし
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「芝刈りロボ」静岡県が試験導入 高校や幼稚園で効果検証
静岡県は校庭や公園の芝生化を推進するため、ロボット芝刈り機の導入試験に取り組んでいる。維持管理の負担を軽減できる利点があり、県内の高校や幼稚園など3カ所に無償で貸し出し、使い勝手や効果を検証する。 ロボット掃除機のように自律走行して芝を刈り取り、自動で充電ステーションに戻る。あらかじめワイヤを張り巡らせて動く範囲を決め、刈る長さも設定できる。県はモニターの高校や芝刈り機の取扱店と協定を結び、4月から9月末まで貸与している。 このほど富士宮市の富士宮北幼稚園で見学会を開催。県東部の自治体や公園管理者ら定員を上回る約20人が参加し、機器の特徴などについて説明を受けた。 同園は約700平方メ
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福祉施設の感染対策強化 静岡県、人材育成へ研修会
新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、静岡県は社会福祉施設向けの対策を強化する。感染対策に中心となって取り組む人材育成を本格化させるほか、感染予防のノウハウを伝える動画の公開を始めた。施設でクラスター(感染者集団)の発生が相次ぐ中、重症化リスクの高い高齢者の感染を防ぐとともに、業務継続を後押しする。 各施設で感染対策に当たるリーダーを育成するための研修会を、秋ごろから県内4カ所で開く。感染制御の専門知識や技術を備える「感染管理認定看護師」が講師を務め、効果的な予防対策や感染発生時の対応を助言する。 県は2020年度から感染管理認定看護師を社会福祉施設に派遣し、個別に訪問指導を実施してきた
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台風被害の松崎 復旧対策を要望 公明党県議団、県に
静岡県議会会派の公明党県議団は24日、台風8号の影響で土砂崩れや浸水被害を受けた松崎町の復旧対策などを県に緊急要望した。土砂の早急な撤去とともに、簡易水道施設の復旧に向けた災害復旧費補助金の申請支援を求めた。蓮池章平団長が太田博文交通基盤部長に要望書を手渡し、「観光客がようやく戻り始めた直後の被害。対策を早急に進めてほしい」と述べた。
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富士川かりがね橋 川勝知事に早期完成要望 期成同盟会
富士、富士宮両市と山梨県身延、南部両町でつくる新々富士川橋(富士川かりがね橋)建設促進期成同盟会は17日、県庁に川勝平太知事を訪ね、かりがね橋と周辺接続道路の早期完成を求める要望書を提出した。 かりがね橋は2023年度中に供用開始予定で、事業区間は1400メートル(橋りょう部741メートル)。下流部の富士川橋の慢性的な交通渋滞解消や緊急輸送路の確保など、新たな交通インフラとして期待されている。 会長を務める小長井義正富士市長は「いつ完成するか地域住民は大いに期待している。引き続き事業推進をお願いしたい」と求めた。 川勝知事は「早期完成は当然で、アクセス道路も早く整備し、かりがね橋が本来
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掛川で自動運転実験スタート 記者試乗、スムーズ走行に驚き
静岡県などは1日、掛川市中心部の公道で自動運転の実証実験を始めた。公共交通の運転手不足や高齢者の移動支援など地域課題を解決するための有効な手段と位置付け、実用化に向けた可能性を探る。2~7日は一般客の体験乗車も予定する。 実験区間はJR掛川駅北口から掛川城までの約1キロで、定員8人の車両を走らせる。市役所に遠隔コントロールセンターを設置し、車両に搭載したカメラ映像を通じて運行状況をリアルタイムで監視する。東急や名古屋大、掛川タクシーなどの協力を得た。 運転手が乗車するが、路上駐車の車両を追い抜く場合などを除いてハンドルは操作しない。県の3次元点群データを活用したデジタル地図と、車両に設置
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AIが導く最適解の旅 静岡県実験、伊豆高原駅に端末
静岡県は東急などと連携し、人工知能(AI)を活用して観光や公共交通情報を案内する実証実験を進めている。伊豆急行伊豆高原駅(伊東市)に音声対話機能を備えた端末を設置し、利用者にお薦めの観光プランや乗り換え情報を提案する。デジタル技術を生かして業務効率化を図りつつ、観光客の利便性を高めることを目指す。 伊豆高原駅の改札付近にデジタルサイネージ(電子看板)1台を設置した。来年2月まで稼働し、タッチパネル操作やAIを用いた音声のやりとりにより、近隣の飲食店や観光施設、乗り換え情報などを紹介する。 複数の質問に回答するとお薦めの観光プランを提案する「たび診断」機能も設けた。人数や滞在時間、利用する
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赤い羽根 広報デザイン披露 清水南高生
静岡県共同募金会が取り組む「赤い羽根若者向けプロジェクト」の広報用デザインを制作した清水南高の生徒4人が25日、県庁に川勝平太知事を訪ね、作品を披露した。 訪問したのはいずれも芸術科美術専攻3年の渥美まりんさん、小野彩花さん、藤井美和さん、山本遥心さん。子育てサロン、フードバンク、障害者支援といった赤い羽根共同募金の使い道を募金箱などのイラストとともに描いた。 4人は「集まったお金がどのように使われているか、正確に伝わるよう工夫した」「共同募金が地域のさまざまな支援活動につながっていることがよく分かった」などと話した。作品は中学、高校に配布する壁新聞や一般家庭、法人向けのチラシなどに活用
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静岡県公開「3次元点群データ」 ビジネス拡張、民間活用事例増
静岡県がインターネット上で公開している3次元点群データが、新しいサービスやビジネスを生み出す場面で存在感を高めている。県内全域の地形や構造物のデータを誰でも入手できる利点から、当初想定した災害対応やインフラ工事にとどまらず、仮想空間や観光、ゲームなど幅広い分野で貢献。個人や企業の活用事例も増えつつあり、技術革新にも期待がかかる。 都内の企業で空間情報技術などを手掛ける藤原龍さん(41)は3月、点群データを基に実在と同じ1分の1スケールの富士山VR(仮想現実)を作成した。ゴーグル越しにごつごつとした山肌が現れ、登山やお鉢巡りを疑似体験できる。実際には立ち入れない火口に足を踏み入れることも可能
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静岡市歴史博物館「駿府城再建きっかけに」 川勝知事期待
川勝知事は静岡市葵区の旧青葉小跡地に23日プレオープンした市歴史博物館について、戦国時代末期の道と石垣の遺構を取り込んだ展示手法を評価し「天守閣を含めて駿府城を再建するきっかけになれば」と期待した。 道と石垣の遺構は博物館の目玉の一つで、発掘された遺構をそのまま屋内で展示している。知事は「歴史を目の当たりにできる。レプリカではない」と語り、駿府城公園で発掘された天守台や今川期の遺構を保存、公開する必要性を強調。「今あるデータに基づいて駿府城を再建しようという動きになればいい。歴史博物館の意味も出てくる」と述べた。 川勝知事は駿府城公園に近接する旧青葉小跡地への歴史博物館整備について、再三
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ヤングケアラー悩み話して 電話、LINEで相談窓口 静岡県設置
大人に代わって日常的に家事や家族の世話をするヤングケアラーについて、静岡県は21日、当事者向けの相談窓口を開設すると明らかにした。電話とLINE(ライン)で受け付け、潜在化が課題となっているヤングケアラーの早期発見や必要な支援につなげることを目指す。 同日に静岡市内で開いた県市町ヤングケアラー支援担当者会議で報告した。電話相談は「こども家庭110番」で受け付け、児童相談所の相談員が対応する。ラインは社会福祉士らが相談に応じる。 県が実施したヤングケアラー実態調査では、「気軽に相談できる場所がほしい」との要望が複数あり、深刻な状況に置かれている子どもたちをいち早くサポートする体制を整える。
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中小河川の水害リスク周知 洪水浸水想定区域図の対象拡大 静岡県、HPで公開
静岡県は洪水ハザードマップの基礎資料となる洪水浸水想定区域図の対象を中小河川に拡大している。このほど、118河川で新たに区域図を作成し、ホームページで公開を始めた。水害が激甚化する中、中小河川の氾濫リスク情報を住民に周知し、災害への備えを強化する。 県はこれまで、氾濫時に重大な被害が予想される主要58河川で区域図を公表していたが、昨年7月の水防法改正などを踏まえて周辺に人家がある中小河川に対象を広げることにした。 新たに公表したのは狩野川水系の御殿川(三島市)、栃山川水系の黒石川(焼津市)、太田川水系の垂木川(掛川市)など。「千年に一度の大雨」で想定される浸水の範囲や深さを示している。
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維新倍増2位 首位は自民、立民・国民後退 参院選比例得票率
10日に投開票された参院選で、比例代表の県内政党別得票は自民党が約61万9千票を獲得し、堅くトップを維持した。得票率は40・05%と前回の2019年参院選と比べ1・27ポイント上昇した。日本維新の会は前回から2倍超の得票を得て6位から2位に躍進。新興の少数政党、諸派勢力も得票を伸ばした。一方、立憲民主党は前回の2位から4位に、国民民主党は3位から5位へ後退した。 自民は全43市区町で政党別で最多得票となり、前回から3万7千票余り増やした。続く維新は約17万7千票を確保し、約10万票を上乗せした。得票率は6・30ポイント増の11・47%。43市区町のうち27市区町で立民を上回り、都市部で強
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自民リニア公約絶賛 知事「さすが責任与党」【大井川とリニア】
川勝知事は29日の定例記者会見で、7月10日投開票の参院選を巡り、自民党が公約でリニア中央新幹線整備について「品川―名古屋間の早期開業と、その建設工事に伴う水資源と自然環境への影響の回避・軽減の両立を図っていく」と明記したことを絶賛した。「本県の主張と全く一緒。さすが責任与党だと高く評価している」と述べた。 知事はこれまでの自民党の公約を「基本的に全線開通促進を繰り返しうたっていた」と指摘し「劇的な変化だと大変ありがたく思っている」と持ち上げた。リニア問題が参院選の争点になるとの認識も重ねて示し「それぞれ候補者が自分の言葉でどのように語るかは極めて関心がある」と述べた。
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選挙公報154万部発送 静岡新聞社で印刷【参院選しずおか】
静岡県選管は25日、7月10日投開票の参院選の選挙公報を静岡市駿河区の静岡新聞社制作センターで印刷し、県内の市区町選管に配送した。今月28日ごろから新聞折り込みや町内会などを通じて各世帯に順次届けられる。 静岡選挙区に立候補した8人の候補者の顔写真や政策、比例代表候補者の名前などを掲載し、154万5600部を印刷した。県選管の担当者が立ち会い、印刷の状況や刷り上がった紙面を確認した。 県選管の坂本勝総括書記長補佐は「選挙公報で候補者の政策を確認し、貴重な1票を投じてもらいたい」と呼び掛けた。 選挙公報は県選管のホームページにも掲載している。
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医療ケア児支援 静岡に拠点開設 7月4日
静岡県は7月4日、日常的にたんの吸引や人工呼吸器などが必要な子どもの相談窓口となる「県医療的ケア児等支援センター」を静岡市駿河区の静岡総合庁舎別館に開設する。医療や福祉、教育など支援ニーズが多岐にわたる中、関係機関と連携して当事者家族らへの助言や支援に当たる。 センターの運営は県看護協会に委託し、看護師資格を持つスタッフ2人を配置する。日常的なケアや進学・教育の相談に対応するほか、医療機関や福祉サービス、学校現場などへの橋渡し役を担う。相談の受け付けは平日の午前10時から午後4時まで。 県によると、自宅で暮らす医療的ケア児は全国で推計約2万人、県内にも約600人いるとされる。医療技術の進
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ヤングケアラー早期発見、支援へ体制構築 副知事答弁【静岡県議会】
静岡県議会6月定例会は17日、公明党県議団の牧野正史氏(静岡市駿河区)が代表質問を、無所属の山本隆久氏(浜松市南区)と自民改革会議の野田治久氏(伊豆市)が一般質問を行った。出野勉副知事は大人に代わって日常的に家事や家族の世話をするヤングケアラーを巡り、早期発見と支援につなげるための体制づくりを進める考えを示した。牧野氏への答弁。 県が県内の小学5年から高校3年まで25万人超を対象に初めて実施した調査では、「家族のケアをしている」と回答した児童生徒が全体の4・6%(22人に1人)に上った。出野副知事は調査結果から浮かんだヤングケアラーの特徴について、ケアの相手や内容が多岐にわたり、負担を十
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中小の脱炭素化支援、県が推進組織設立 静岡県議会・代表質問
静岡県議会6月定例会は16日、自民改革会議の市川秀之氏(浜松市浜北区)とふじのくに県民クラブの佐野愛子氏(藤枝市)が代表質問を行った。川勝平太知事は中小企業の脱炭素化を支援するため、産学官金が参画する推進組織「県企業脱炭素化推進フォーラム」を立ち上げたと明らかにした。市川氏への答弁。 フォーラムはセミナー開催などを通じ、先進事例の情報提供や脱炭素化を担う人材育成を図る。同日から会員の募集を始め、7月29日にはフォーラム設置を記念したセミナーを開く。 川勝知事は「事業者数の9割を占め、本県産業の屋台骨を形成する中小企業の脱炭素化はサプライチェーン(供給網)全体の脱炭素化を図る上でも極めて重
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静岡人インタビュー「この人」 川村良元さん 地域の飲食店を支援するイベントを開催した
今春、新型コロナウイルス感染拡大の影響で苦境に立つ飲食店や発表の場を失った音楽グループを支援する「大鋸町さくら祭り」を静岡市葵区で開いた。クラウドファンディング(CF)で資金を募り、目標金額の2倍超となる約220万円を集めた。2019年11月から同町の西福寺住職。43歳。 ―開催に至った経緯は。 「住職就任を披露する『晋山(しんざん)式』がコロナ禍で白紙になり落ち込んだが、周囲にはもっとつらい思いをしている人たちがいた。飲食店は特に厳しい状況で、地域の皆さんに何かをしてもらうのではなく、自分から何かできないかと考え、CFで広く協力を呼び掛けることにした。多くの人たちから応援をいただき、本
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静岡県、自動運転実験再開 8月1日から掛川で実施 夜間走行も
静岡県は13日、昨年11月の接触事故に伴い中断していた自動運転の実証実験を8月から県内3カ所の公道で再開すると正式発表した。第1弾は同1~7日に掛川市の市街地で実施し、周囲の状況把握が難しいとされる夜間の走行も行う。 掛川市の実験区間はJR掛川駅から掛川城までの約1キロ。定員8人の車両に一般客を乗せ、時速19キロ以下で走行する。市役所にコントロールセンターを設置し、車両に搭載したカメラ映像などを通じて運行状況をリアルタイムで監視する。県によると、夜間時間帯に公道で実証実験を実施するのは全国初という。 10月には松崎町、11月には掛川市と沼津市でも実証実験を行う。1カ所のコントロールセンタ
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静岡県、自動運転実験再開へ 8月から一般客乗せ公道走行
静岡県は9日までに、昨年11月の接触事故を受けて中断していた自動運転の実証実験を8月から再開する方針を決めた。部品交換やシステム改修により安全性が確保できたと判断し、県内3カ所で一般客を乗せて公道を走行する。 実証実験は定員8人の車両を使い、掛川市、松崎町、沼津市の3カ所で実施する。民間企業などと連携し、遠隔地に設けたコントロールセンターからカメラ映像などを通じて運行状況をリアルタイムで監視する。 事故は昨年11月15日に伊東市の公道で発生し、自動運転車両のサイドミラーが歩行者と接触した。県は事故を受けて実証実験を見合わせ、原因究明を進めていた。 県建設政策課未来まちづくり室によると
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記者コラム「清流」 対立は絵本だけに
公園使用を巡るいざこざから団地と住宅地の住民が戦争に突き進む―。小学生の子どもが図書館で借りた絵本「三丁目が戦争です」。子どもは残酷な描写を怖がっていたが、自分は再開発問題に揺れる城北公園(静岡市)を思い出さずにはいられなかった。 以前取材した市の説明会では出席者から「近隣住民があまり反対するようなら公園を縮小すればいい」と対立をあおるような発言があり、声を荒らげる人もいた。カフェの出店辞退表明後はさらに過熱し、ネットの書き込みには一方的な主張が散見される。 絵本は大人の身勝手な言動や戦争に憧れる子どもを描き、警鐘を鳴らす。ウクライナ侵攻が世界に分断をもたらす中、公園が世代や地域間の対立
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川勝知事「行政対応改善に全力」 熱海土石流巡り 静岡県議会臨時会
川勝平太知事は20日の県議会5月臨時会の所信表明で、熱海市伊豆山の大規模土石流に関し「甚大な災害の発生、多くの方々の生命・財産を守ることができなかったことを深く反省する」と述べ、行政対応の改善に全力を挙げる考えを示した。 被害を拡大させた盛り土を巡り、県の行政対応検証委員会が「県と市の対応は失敗」と結論づけた最終報告を踏まえた発言。今後に向けて「現場で生じるさまざまな課題について、現場に赴き、現場に即して積極的に課題解決を図るよう、県庁内の組織文化や職員の意識改革を進める」と強調した。 盛り土規制の新条例を制定し、くらし・環境部に盛土対策課を設置したことも説明した。逢初(あいぞめ)川の災
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水道広域化高まる機運 老朽化で更新費課題 静岡県と市町が協議会
水道施設の老朽化や更新のコスト負担が課題となる中、県内で水道事業の広域化に向けた機運が高まってきた。県と市町は広域連携を検討する新たな協議会を立ち上げ、湖西市は隣接する愛知県豊橋市と料金収納業務の共同化に乗り出した。生活に密着した水道インフラの維持に向け、経営基盤の強化を図る。 静岡県はこのほど、県内市町と共に県水道広域連携全体会議を設置した。国の要請に基づき、広域化の方向性を盛り込んだ推進プランを2022年度末までに策定する方針で、市町との議論を本格化させる。 広域化は市町の区域を越えた連携や一体的な水道事業の推進を指し、経営統合から施設・事務処理の共同化まで幅広い。県は地理的特性や生
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難波喬司・静岡県副知事退任 理事としてリニア、土石流担当継続
難波喬司副知事(65)が17日、2期目の任期満了を迎え、退任した。18日付で一般職任期付職員の県理事として県に採用され、引き続きリニア中央新幹線と熱海市土石流災害の二つの県政課題を担当する。 任期最終日の17日は副知事として最後の会見に臨み、約2時間にわたって土石流災害を巡る県の対応などを説明した。2期8年の所感を問われ、「最後の日なので笑顔で退任したいところだが、この問題を考えると会見の場で振り返ることはしたくない」と胸の内を明かした。 一方で「副知事と県理事の立場は全然違う」と述べ、「県理事になってからでは踏み込んだ発言ができない可能性があり、任期中に記者会見をしたいと思っていた」と
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逢初川の整備方針策定 30年に一度の大雨対応【熱海土石流】
静岡県は9日までに、熱海市伊豆山で大規模土石流が発生した逢初(あいぞめ)川の河川整備基本方針を策定した。30年に一度の大雨による洪水を安全に流すことができる治水施設の整備を目指すと明記。県は具体的な改修内容を盛り込んだ河川整備計画を年内をめどに取りまとめ、復旧の加速化を図る。 基本方針は長期的な河川整備の考え方を示し、水系ごとに定めている。昨年7月の土石流被害の教訓を踏まえ、基本理念には「流域の土地利用状況を注視しつつ、洪水や土石流などの災害による被害の防止または軽減を図る」と掲げた。 水位データのモニタリングや水害リスク情報の住民への周知といったソフト対策も関係機関と連携して進める。気
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デジタル社会で取り残さない 高齢者向けサポート 静岡県内拡大
静岡県内の自治体がスマートフォンなどデジタル機器に不慣れな高齢者の支援に力を入れている。新型コロナウイルスの影響でオンラインサービスが拡大する中、スマホ体験会などを通じ情報格差の解消を図る。県も日常的に相談対応に当たる支援員の育成に乗り出す。生活の利便性を高めるだけでなく、地域社会からの孤立を防ぐ効果も期待される。 静岡市は2021年度、携帯電話会社の協力を得て61回のスマホ体験会を開催した。カメラや地図アプリの基本操作、LINE(ライン)やキャッシュレス決済の使い方を伝えた。参加しやすいよう生涯学習施設など身近な場所を会場にした。 受講した清水区の女性(79)は「便利で驚いた。難しそ
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国1バイパス 清水立体上り、26年春開通へ 渋滞緩和に期待
国土交通省静岡国道事務所は27日、国道1号静清バイパス「清水立体」の上りが2026年春ごろに開通する見通しになったと発表した。東名高速道清水インターチェンジ(IC)周辺の渋滞緩和や物流の円滑化が期待される。 清水立体は静清バイパス(延長24・2キロ)のうち唯一の平面部となっている静岡市清水区横砂東町―八坂西町の区間(同2・4キロ)を高架化する事業。09年度から用地取得、16年度に工事に着手した。渋滞がより激しい東京方面向きの上り工事を優先的に進めていて、下りの開通時期は未定。同事務所は「できるだけ早期の開通を目指す」としている。 清水IC周辺は朝夕の通勤時間帯を中心に激しい渋滞が発生して
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インドに投資環境アピール 静岡県、高度人材獲得図る
静岡県はこのほど、駐日インド大使館職員を県内に招き、高度人材の獲得や企業誘致に向けて産業集積や投資環境などの魅力をアピールした。 インドはIT分野などで高い技術や専門性を持つ人材が豊富で、県内企業の採用ニーズも高いとされる。大使館とのネットワークを構築し、ビジネスを中心とした交流拡大につなげる。 山本東地域外交担当部長が、県庁を訪れた同大使館のマノジ・シン・ネギ1等書記官と懇談した。「優秀なインドの人材や企業に本県に来ていただき、ウィンウィンの関係を構築できれば」と呼び掛け、マノジ氏は「今年はインドと日本の国交樹立70周年の記念すべき年。企業の橋渡しや交流をサポートしていきたい」と応じた
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新幹線停車増で定住促進を提言 静岡市、リニア開業後のまちづくり検討
静岡市は31日、リニア中央新幹線開業後のまちづくりを検討するため実施した調査研究結果を報告した。東海道新幹線の静岡駅への停車本数増加で交流人口拡大が見込まれるとし、長期的な視点に立って新たな産業の創出や定住促進に取り組むことなどを提言した。 葵区で開いた社会経済への影響予測に関する調査研究委員会で示した。開業後は新幹線の停車本数が1・3~2・7倍程度に増える可能性があるとして、リニア沿線都市との差別化や駅周辺の魅力度向上を図る必要性を指摘した。 企業や大学などへの聞き取りでは、東京や名古屋へのアクセスの良さ、産業集積を評価する声が上がった。一方で、雇用面の人材不足、市内の道路事情や公共交
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静岡市の人口減少「70万人維持」撤回 子育て支援策が不可欠【解説・主張しずおか】
静岡市の人口減少に歯止めがかからない。2020年国勢調査では政令市の目安とされる70万人の大台を割り込み、市は総合計画で掲げる「25年に人口70万人維持」の目標を23年度からの次期計画に盛り込まない方針だ。人口減対策に特効薬はなく、目標撤回はやむを得ないが、中長期を見据えて若者や子育て世代への支援策を強く打ち出していく必要がある。 20年国勢調査(確定値)によると、静岡市の人口は69万3389人で、5年前の前回調査から1万1600人(1・6%)減った。減少数は県内35市町でワーストで、全国の市町村でも13番目に大きかった。 とりわけ懸念されるのは若年層の流出だ。進学や就職を機に首都圏など
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記者コラム「清流」 山積みのおやつ
「黙食を守れなかったんだって」。放課後児童クラブで食べるはずのおやつを持ち帰ってきた小学1年の長女が残念そうに言った。新型コロナウイルスの感染第5波が猛威を振るい、静岡市内の児童クラブでクラスターが発生した夏のことだ。 あれから2カ月余り。感染状況は劇的に好転した。繁華街や観光地は少しずつ客足が戻り始めている。学校現場はと言えば、行事は縮小され、給食中は会話を控えたまま。わが家のキッチンには長女が毎日持ち帰ってくるおやつが山積みになっている。 学校で感染者を出せないという気持ちはよく分かる。ただ、経済活動が正常化に向かう中、子どもたちだけがいつまでも窮屈な思いをしているとしたらやるせない
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静岡市のふるさと納税戦略 共感呼ぶ取り組み期待【黒潮】
静岡市がふるさと納税の寄付額増加に向け、返礼品の拡充に本腰を入れている。過熱する自治体間競争とは一線を画してきたが、財政が硬直化する中で自主財源の確保を目指す。地域資源をアピールする好機と捉え、市のファンを増やすために知恵を絞ってほしい。 今年7月、民間事業者から初めて返礼品を公募した。条件をクリアした359品目を採用し、738品目へとほぼ倍増させた。缶詰やマグロ、お茶など市を代表する地場産品の種類を増やし、「安倍川もち」「とろろ汁」といった名産品も新たに加えた。現在は第2弾の公募を受け付けている。 市が返礼品の導入を始めたのは2015年度。当初、過度な返礼品競争とは一定の距離を置いてい