あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 三島市

脱炭素コンクリ、公道で初施工 余剰分を活用 CO2吸収・固定 加和太建設と県東部販売協組

 三島市の加和太建設は静岡県東部生コンクリート販売協同組合と連携し、二酸化炭素(CO2)を吸収・固定したコンクリートを三島市道の路面に使用した。公道での施工は全国初という。生コン業者が費用をかけて処分していた余剰生コンを活用した材料を採用。脱炭素の取り組みが求められる中、環境に配慮した施工方法として広まりが期待される。

二酸化炭素を吸収・固定したコンクリートを施工する現場=22日、三島市
二酸化炭素を吸収・固定したコンクリートを施工する現場=22日、三島市

 同組合によると、現場で使用しなかった「戻りコン」と呼ばれる余剰の生コンは全国の年間コンクリート使用量の約2~5%に当たる300万~500万立方メートル発生。再資源化が難しく、業者は多額の費用をかけて埋め立て処理している。
 通常は、セメントと砂や砂利を混ぜて製造するが、今回はCO2を吸収する水酸化カルシウムが含まれる未利用の生コンを粒状化し、砂利や砂の代わりに使用。1立方メートルでCO2約16キロを固定し、処分費負担の課題解消にもつなげた。セメントも製造過程のCO2排出量が少ない高炉セメントB種を採用した。仕上がりは通常より白くなるという。
 現場は、同市文教町で建設中の同社本社屋に隣接する市道。承認工事として同社が費用負担し、施工した。コンクリートのカーボンクレジット制度は未整備だが、脱炭素を考慮したニーズは増えていくと予測され、同社は「先行して実装し、環境に配慮した施工を考える自治体や企業に応えていきたい」としている。
 生コン業者にとってはコスト削減だけでなく社会貢献にもつながる取り組みで、同組合の野村勝也副理事長は「捨てるはずのものが再利用できる。試行錯誤し、取り組みを進めたい」と話す。
 (三島支局・岡田拓也)

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

三島市の記事一覧

他の追っかけを読む