あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 三島市

三島市予算案 一般会計過去、最高450億円 再開発関連に注力

 三島市は2日、2024年度当初予算案を発表した。一般会計は3年連続で過去最高を更新し、450億7千万円(前年度当初比6・1%増)となった。三島駅南口東街区再開発事業に加え、既存施設の改修・補修など投資的経費が増加。子育てや健康づくりにも手厚く配慮し、積極型の予算となった。
三島市2024年度 予算案、当初予算案の主な事業
 本年度中に着工する再開発事業は、補助金を含め17億4100万円を計上し、にぎわい創出に向けた検討に取り組む。関連事業として無電柱化に3億3700万円、駅前広場等管理に5700万円を充て、伊豆の玄関口の整備に注力する。大場地区の土地区画整理といった事業も進め、市民体育館の整備や錦田中の長寿命化改修、同報無線のデジタル化再整備も図る。
 子育て支援の充実に向け、昨年10月に設置したこども家庭センター事業として2900万円を計上。新たにオンラインで相談できる体制を整備するほか、妊活期から妊婦期に必要な葉酸を補うサプリメントの無料配布を県内で初めて実施する。妊婦健診の公費助成対象回数も拡充し、子育てしやすい環境を整備する。
 一般会計の歳入は、定額減税の実施に伴う個人市民税の大幅な減収の影響を受け、市税が2・7%減の176億6600万円。地方特例交付金による減収分の振り替えを考慮すると微増を見込む。市債発行額は市民体育館整備などに伴い9億800万円増加。年度末の残高は392億6500万円で8億5400万円増える見通し。市民1人当たりの借金は36万9千円となる。
 五つの特別会計、二つの企業会計を合わせた予算総額は748億500万円(3・1%増)。

 記者の目=まちづくり加速 理想向け成果を
 三島市の豊岡武士市長は新年度当初予算案を「日本一幸せに暮らせる都市を目指す積極型予算」と名付けた。肝いりの三島駅南口東街区再開発事業の工事が始まり、まちづくりが加速する中、理想の実現に向けた着実な成果が求められる。
 再開発事業関連では、周辺道路の無電柱化工事を進め、南口駅前広場整備も詳細設計に入る。再開発事業の着工は決まったが、新しい建物ができただけでは意味がない。市民はもちろん、周辺住民や観光客に親しまれるような開発を実現するには、ここからが本番と捉えるべきだ。
 新規事業は、子育てや健康づくりに向けた施策、既存施設の補修や改修などが並んだ。目新しさこそ乏しいが、市民生活の向上に資する内容と言えるだろう。一方、絵本を通した地域への誇りや愛着の醸成を目指す「絵本のまち三島推進事業」、観光人口の増加や産業の振興を目的に本年度中にもサービスが始まる「伊豆ファン倶楽部」は具体像が見えにくく、市民の理解と浸透が成功の鍵を握ると心得るべきだ。
 予算案に込めた理想は、市民が「幸せ」を実感してこそ。時代の変化や市民ニーズを的確に捉えた柔軟な対応を期待したい。
 (三島支局・岡田拓也)

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

三島市の記事一覧

他の追っかけを読む