この人の記事一覧
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静岡人インタビュー「この人」 シードライブラリーに取り組んでいる 川田忍さん(浜松市西区)
種の大切さを伝える活動に取り組む生産者の任意団体「はままつ種ねっとわーく」の代表。「固定種」や「在来種」と呼ばれる地域に根付いた野菜の種を守ることを目的にした「シードライブラリー(種の図書館)」の活動を浜松市内で進めている。沼津市出身。57歳。 ―シードライブラリーとはどのような活動か。 「種を市民に貸し出し、その種で作物を栽培してもらう。作物が収穫できたら、その種の一部を返却してもらう仕組み。全国的にも広がっている活動で、図書館の本の貸し出しを想像してもらうと分かりやすい」 ―始めたきっかけは。 「ゲノム編集食品の種が自然界に無秩序に広がることに危機感がある。食の安全や、固定種、在
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静岡人インタビュー「この人」 全国高校生パンコンテストで最優秀賞を受賞した 杉山小雪さん(静岡市清水区)
伊豆の国市で1月下旬に開かれた第17回パン祖のパン祭内のコンテストで、全国各地の30校から応募のあった331作品の中で最優秀賞のパン祖のパン祭大賞・農林水産大臣賞に選ばれた。静岡農高の2年生で、食品科学部の部長。17歳。 -出品作品の特徴は。 「作品名は『ライ麦ブロート~穀物の香り』。サワー種などの酵母を使い、外はカリカリ、中はもちもちとした食感になるように香ばしく焼き上げた。クリームチーズやジャムと一緒に食べるのがおすすめ。材料は食物繊維が多いので、腸の働きも良くなる」 -こだわったところは。 「生地がべたついて丸め込むのが難しかったので、スピード感を持って手際よく作業できるように
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静岡人インタビュー「この人」 高天神城跡で20年間観光ボランティアを続ける 大石鐘邇さん(掛川市)
掛川市の高天神城跡を拠点に活動する「高天神城観光ボランティアの会」を20年前に立ち上げた。戦国時代に武田氏と徳川氏が激しい争奪戦を繰り広げ、「高天神を制するものは遠州を制する」と言われた難攻不落の山城を観光客に案内している。83歳。 -案内するコースは。 「北側の搦手(からめて)門から石段を登ると籠城には欠かせない井戸曲輪(くるわ)があり、東に行くと徳川方の大河内正局が幽閉されたという石窟、西には見晴らしのいい馬場平などがある。標高約130メートルの山を生かした複雑な地形をしているため、1時間半~2時間かけてじっくり紹介している」 -見どころは。 「さまざまな場所に土塁や堀切が残され
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静岡人インタビュー「この人」 地域の中学生らに演劇を指導する大学サークルの代表を務める 河原崎茜さん(浜松市中区)
静岡文化芸術大のサークル「ぷちまり」の代表として演劇のワークショップに励んでいる。昨秋にはサークルの仲間と一緒に浜松市浜北区の中学生たちを指導する「お芝居プロジェクト」を約1カ月にわたって展開。生徒たちとオリジナル脚本による芝居を同区の北浜南部協働センターで共演し、住民らの注目を集めた。御前崎市出身。同大文化政策学部2年。20歳。 ―お芝居プロジェクトを振り返って感じたことは。 「サークルの仲間の中には中学生相手に演技指導をした経験のない人もいて、教え方を戸惑うことはあった。ただ、生徒たちとどんな芝居を作りたいかや、どこで笑いを入れようかなどを話し合うことで演劇の可能性や自由さをあらため
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静岡人インタビュー「この人」 シニアの太鼓日本一に輝いた 山内剛さん(御殿場市)
60歳以上の奏者が腕前を競う日本太鼓シニアコンクール(昨年11月、石川県)で優勝した。28歳で演奏を始め、太鼓団体「富岳太鼓」の代表を務める。保育園や障害者支援施設などを運営する社会福祉法人「富岳会」の理事長。奏者としては「強嗣」名義で活動する。64歳。 ―コンクールを振り返って。 「新型コロナ禍で対外活動が制限される中、優勝という明確な目標を持って自らを奮い立たせた。仕事で日中は練習ができず、毎朝5時に起きて1時間体を鍛え、昼休みの45分間に太鼓を打った。3位だった前年の悔しさをばねに、前年の3倍練習したので自信はあった。指導する子どもたちが賞を取ることは多いが、私個人が評価されるのは
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静岡人インタビュー「この人」 台風15号で県内支援をした日本カーシェアリング協会代表理事 吉沢武彦さん
宮城県石巻市を拠点に全国の災害被災地で、車の無料貸し出し活動を行う。昨年9月の台風15号直後から静岡市を拠点に、浸水で自家用車を失った人や災害ごみの搬出でトラックを必要とする人たちなどを支援した。44歳。 ―活動実績は。 「10月から乗用車と軽トラックを延べ286件貸し出した。申し込みが殺到したが、ピーク時170人だった待機者は今はゼロ。貸し出し期間は2月28日までとしている。車の寄付を募ったところ、有志や中古車業界団体の協力で24台を譲り受けた。中古車需要が高い中で手放した思いに感謝が尽きない」 ―静岡市の調査時の印象は。 「清水区を最初に訪ね、住民の話を聞き、思っていたよりもひど
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静岡人インタビュー「この人」 ろう者と聴者の理解促進を目指す「KIZUNA Deaf&Hearing」代表 和田典子さん
耳が聞こえず手話を第1言語にする「ろう者」と聴者(健常者)をつなぐ「キズナ デフアンドヒアリング」を昨年9月に浜松市に設立した。2019年から市内在住。東京都出身。57歳。 -手話との出会いは。 「都内在住時に友人が手話を学び始めたのを機に、自分も講習会に通い始めた。手話は一つの言語という印象を持ち、率直に『面白い』と感じた。2003年に手話通訳士の資格を取得。その後、全国のろう者と金融機関や店舗などをテレビ電話の画面越しに結んで遠隔で手話通訳する企業に勤め、コミュニケーションをサポートした」 -団体立ち上げの経緯は。 「かつてろう者だけのキャンプの予約をした時に、相手先から大丈夫か
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静岡人インタビュー「この人」 富士ばやしの普及に努める富士市民踊会会長 伊藤芳子さん
富士市の市民グループ「富士市民踊会」に1989年に入会し、2021年から現職。会員約80人と共に、地域の民踊や音頭の指導と普及、啓発に努める。74歳。 -富士ばやしの特徴は。 「1976年に市制10周年を記念して作られ、郷土の情景や特産品を物語のように歌っている。誰でもやさしく踊ることができて、富士まつりでは市民総おどりの定番になっている。当初は都はるみさんの歌唱で有名になったが、踊りと合わせていつまでも残ってほしい」 -地域外への普及はどのように。 「各地の民踊の保存は、それぞれの地域が知恵を絞っている。富士ばやしは昨年11月、全国の民踊指導者500人が集まる研修会で課題曲に選ばれ
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静岡人インタビュー「この人」 賀茂地域で住民の健康長寿研究に取り組む 田原康玄さん(静岡市駿河区)
賀茂地域1市5町の住民を対象に健康調査を行い、健康状態の変化などを追跡する「静岡多目的コホート事業」を進める。効果的な予防方法の開発や疾病の早期発見、健康づくりの意識を高めることを目指す。静岡社会健康医学大学院大(静岡市)研究科長。川崎市出身。53歳。 ―コホートとは。 「集団を長期間追跡し、疾患の発症や関連する特徴を明らかにする研究手法で電気や水道と同じ社会インフラ。疾病予防は分かっていないことが多く、社会環境の変化で認知症やフレイル(虚弱)などの課題も出てきた。リスク因子を明らかにし県民の健康づくりに貢献したい」 ―研究成果は。 「自分が取り組むもう一つのコホート(滋賀県長浜市)
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静岡人インタビュー「この人」 焼津・実証実験のアプリを開発した会社CEO 讃井寛海(さぬいひろみ)さん(三島市)
1月から焼津市内で始まった実証実験で使うビジネスマッチングのアプリを開発した。実証実験ではモビリティサービスと組み合わせ、人材交流促進を図る。2021年、大学在学中にソフトウエア開発会社「LANDMARK(ランドマーク)」を創業。さいたま市出身。三島市在住。26歳。 ―アプリ開発の動機は。 「大学在学中に米国シリコンバレーでコワーキングスペースを拠点にビジネスを含めてさまざまな出会いが繰り広げられている光景を見て、対面でやりとりすることの重要性を感じた。日本に帰って、こうした光景を都会ではない都市の中心部で実現したいと思ったことがきっかけ」 ―立ち上げた会社の目指すところは。 「米国
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静岡人インタビュー「この人」 干物の“可能性”を発信する飲食店を開業した 二見一輝瑠さん(熱海市)
創業150年余りの老舗干物店「釜鶴」の5代目。熱海市銀座町の国道135号沿いにあった支店を全面改装し、「干物の可能性を拓(ひら)く」をテーマにした飲食店「ヒモノダイニング かまなり」として今月オープンした。斬新なメニューで幅広い世代に干物の活用方法を提案する。44歳。 -飲食店を開業したきっかけは。 「干物の主な購買層は中高年で、『グリルを使いたくない』『骨が苦手』と敬遠する若者が多いのが実情。一方で、熱海には若者の観光客が増えている。その世代に干物の新しい食べ方を提案したいとの思いで開店した。新鮮な魚を使った自家製干物の味を通じて、熱海へのリピーターを増やしたい」 -メニューの特徴は
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静岡人インタビュー「この人」 「静岡どぼくらぶ」で建設業の魅力を発信する県職員 富田ひかるさん(静岡市駿河区)
社会インフラを守るため、土木工事の担い手づくりを目指す産学官連携組織の担当者。業界のイメージアップを図る取り組みの中心的な役割を担う。2018年に土木技術職として県に入庁し、島田土木事務所に勤務後、21年4月から交通基盤部建設政策課に所属する。静岡市出身。29歳。 ―なぜ、土木技術職なのか。 「小さい頃から工作好きで、ものづくりに興味があった。高校時代に新東名高速道の工事を見学し、大規模な構造物を作る技術者の誇りを感じ、大学で土木学科に進学するきっかけになった。学生時代には東日本大震災の被災地を訪れ、災害を防ぐインフラの大切さを実感した」 ―どぼくらぶの意義は。 「毎年のように大規模
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静岡人インタビュー「この人」 徳川家康と遠州のゆかりを紹介する書籍をまとめた 冨田泰弘さん(磐田市)
磐田、袋井両市の郷土史研究団体「磐南文化協会」会員。鎌倉~江戸期に栄えた武家社会の歴史を中心に調査・研究に取り組む。昨年10月に初の著書「徳川家康公と磐田~遠州に見える天下人の足跡~」を自費出版した。磐田市職員。43歳。 -歴史に興味を持ったきっかけは。 「中学生の時に、祖父が浜松城公園に連れて行ってくれて興味を持つようになった。中学2年の夏休みには、友人と袋井市の久野城跡を訪れ、人の手で山を削り、土造りの城が築かれたことに感動を覚えた」 ―なぜ家康の研究を書籍化したのか。 「大河ドラマで家康が取り上げられることが決まり、過去の研究成果に加え、1年ほどかけて文献を読み直したり、史跡を
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静岡人インタビュー「この人」 ランチュウの全国品評会で2位に輝いた 小沢忠幸さん(沼津市)
昨年、大阪府で開かれた“金魚の王様”と呼ばれるランチュウの愛好家による品評会「第65回日本らんちう協会 全国品評大会」の当歳魚の部で2位に当たる西大関に輝いた。全国での入賞は15大会連続。県勢としては最高成績だった。ランチュウの販売も手がける。46歳。 -どのような大会か。 「全国からよりすぐりのランチュウが集まり、頭や尾の形の美しさや左右対称であること、八の字を描くよう泳ぐかなどを基準に競う。審査はシビアで、ヒレが少し欠けているだけでも厳しく評価される。当歳魚の部はその年に生まれたランチュウで競う部門で、作り手の力量が問われる難関。約500人が出品した」 -ど
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静岡人インタビュー「この人」 静岡県介護福祉士会会長に就任 水野公智さん(静岡市清水区)
昨年5月の理事会で副会長から昇格した。介護福祉士の上位資格である認定介護福祉士の資格を取得。静岡市駿河区の介護福祉施設に勤めながら、在宅介護についても学ぶため、聖隷クリストファー大大学院(浜松市北区)に通う。介護福祉士の資質向上や働きやすい環境づくりのために先頭に立つ。46歳。 ―福祉の世界に入ったきっかけは。 「専門学生時代、末期の大腸がんになった祖父の介護をした。当時の自分には排せつの補助などが苦痛だった。早く介護から解放されたいと思った直後に祖父が他界。『もっとできることがあったのではないか』という後悔の気持ちから、福祉の世界に入った」 ―会長として取り組むべきことは。 「会は
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静岡人インタビュー「この人」 浜松でベトナムサッカー年代別代表合宿を誘致した グェン・ボ・フェン・ユーンさん
ベトナムから22年前に留学生として来日し、静大在学中に浜松市で起業。日本企業向けベトナム事業コンサルの傍ら、NPO法人理事、在日ベトナムサッカー協会全権代理などとして交流に励む。浜松での同国サッカー年代別代表の合宿誘致を企画し、昨年9月にU―17男子代表合宿を実現した。42歳。 ―合宿誘致の経緯は。 「全権代理として日本の大都市などでの代表合宿に関わってきた。ベトナムのサッカー人気は代表戦のテレビ視聴率が8割に上るほど高い。合宿も注目され、日本で誘致した都市は知名度が上がり、観光や就労での効果にもつながっているので、浜松で実現したいと考えた」 ―浜松での合宿の成果は。 「選手とスタッ
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静岡人インタビュー「この人」 ジオを生かした防災ワークショップを企画した 佐久間千佳さん(三島市)
ながいずみ観光交流協会の職員で、認定ジオガイドの資格を持つ。協会として新たに始めた防災をテーマにした取り組みで、ワークショップを開催した。地形や地質など「ジオ」の知見を生かし、スタッフとともに観光案内をはじめ、防災や文化、教育など幅広い分野の情報発信に努める。33歳。 -防災ワークショップを実施した感想は。 「長泉町内の危険箇所を把握し、災害に備える手段を考えてもらう内容。身近に起こり得る自然災害に目を向け、自分ごとで捉えてもらおうと企画した。これまでにやったことのない企画をアピールでき、地域からも反響があった」 -協会の主な活動は。 「町内の文化財を巡るまち歩きを月1回程度開いてい
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静岡人インタビュー「この人」 労働紛争の解決に尽力する弁護士 森本耕太郎さん(沼津市)
静岡県労働委員会の会長を昨年6月から務め、労働者側と会社などの使用者側との紛争解決に尽力する。解雇に限らず、最近はパワハラなども違法行為として認識されるようになり、労働トラブルが多様化した。弁護士としての知識を生かし、労使双方が納得できる解決案の提示を目指す。裾野市出身。48歳。 -県労委の役割とは。 「労働組合法に基づいて各都道府県に設置され、労働組合や労働者個人と使用者との間の紛争を解決する機関。取り扱う事例は労働者個人と使用者側のトラブルが中心。会社側からの相談も少なくない。近年は県内の組合加入率が17%程度まで低下しており、労働紛争解決の受け皿として重責を感じている」 -裁判と
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静岡人インタビュー「この人」 マラソン選手としても活躍する浜松市財務部長 石切山真孝さん
2006年総務省入省。同省自治財政局や内閣府などで地方の自治や防災に長く携わり、総務省地域政策課理事官を経て22年4月から現職。地方自治体は福岡、千葉、愛知に続き4カ所目。愛知県で財務部長兼財政課長を務めた。5年ほど前にマラソンの練習を本格的に始めて力をつけ、各地の大会に参加。昨年は富士登山駅伝出場、県市町対抗駅伝で浜松市南部代表に入った。富士宮市出身。40歳。 ―市の来年度予算編成に向けた意気込みは。 「鈴木康友市長のリーダーシップで築いてきた健全・強固な財政基盤により、コロナ禍や豪雨災害にも機動的に対応することができた。鈴木市長の下で最後の予算編成になるが、浜松の未来につながる予算と
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静岡人インタビュー「この人」 釣り場環境改善を目指す釣り具メーカー社長 加藤慶太さん(静岡市)
3月に海洋環境改善のための「1%のソーシャルグッド」を掲げ、実践する年商約12億円の釣り具メーカートップ。公認会計士の資格を持ち監査法人勤務後、父が創業した会社を2018年に継いだ。「良い釣り道具を作るだけでなく、釣り場環境の保護も重要」と話す。42歳。 -「1%のソーシャルグッド」とは。 「ルアーの年間販売数の1%に相当する稚魚を放流し、社長と全社員の総労働時間の1%を環境保護活動に充てる。毎年、3月から2月末までの1年間で計算し、稚魚は1万5千匹以上を放流、342時間を清掃などに充てる目標を立て実践中だ」 -なぜ活動を。 「原点に立ち返り『もっと魚が釣れるようになるにはどうすれば
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静岡人インタビュー「この人」 民間から協賛募り学校花壇の整備に取り組む 山村克孝さん(浜松市東区)
企業の協力を得て浜松市立小2校の花壇を整備する事業を始めた。生花販売業グリーンハート・ヤマムラ社長。75歳。 ―事業のきっかけは。 「数年前、学校の花壇を管理するフラワー委員会に入った小学生の孫から、『雨の日にも花への水やりは必要なの?』と衝撃の相談を受けた。雨でも定期的に水やりするルールだった。花壇も手入れが必要な状況で、許可を得て整えていると、通りかかった子どもたちから『きれいだ!』と次々と声を掛けられた。教員は忙しくなかなか花壇に手を掛けられない。誰かがやらなければいけないと感じた」 ―協賛を募る理由は。 「地域でチームを組まないと活動は根付かない。事業は協賛金を活動費に充て、
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静岡人インタビュー「この人」 乳がん経験者にドレスアップの場を提供する 松永直子さん(焼津市)
闘病してきた女性にウエディングドレスを着てもらうイベントを昨年から年1回、静岡市で開いている。本業はフリーランスのウエディングプランナー。新郎新婦の要望に応じて、国内外の多彩な結婚式を企画している。36歳。 -どのようなイベントを開いているのか。 「ドレスショップや写真家、ヘアメークなどの協力を得て、乳がん経験者の方にドレスを着て写真撮影を楽しんでもらう。どの参加者も最初は緊張しているが、ドレスアップ後は一気に表情が華やぐ」 -イベントを企画したきっかけは。 「知人の紹介で乳がん経験者の女性に出会ったのがきっかけ。乳がんを経験した人の中には外見の変化から、おしゃれや美容に前向きになれ
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静岡人インタビュー「この人」 日本とモルディブをつなぐ団体の代表 サウドラ アハメッドさん(清水町)
日本と、インド洋に浮かぶ島国モルディブ共和国をつなぐ非営利団体「モルディブ ジャパン ネットワーク」で、モルディブ側の代表を担う。清水町出身の妻と運営する。町の生徒とモルディブの中学生らを結ぶオンライン交流会を町に働きかけ実現させ、現在も取り組んでいる。同国第二の都市アッドゥ出身。41歳。 -団体の活動内容は。 「日本にモルディブと結ぶ団体はほとんどなく、2008年の立ち上げ以降、フェイスブックに寄せられる多種多様な相談に対応している。15年には、きれいな水の大切さを伝えようと現地108の学校などに浄水器を贈った。活動は大使館に報告し、情報共有している」 -オンライン交流会の手応えは。
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静岡人インタビュー「この人」 日展「書」部門の審査員 平形精逸さん(静岡市駿河区)
京都、名古屋など全国4カ所の巡回展が24日から始まる、国内最高峰の美術公募展「第9回日展」で「書」の審査員を務めた。本県在住者が同部門の審査員に選ばれるのは53年ぶり。静岡大名誉教授、76歳。 ―選出の感想を。 「審査員の資格を有する2度目の特選受賞から6年経過し、そろそろ依頼される頃だと覚悟はしていた。審査は19人で行った。重責を感じながら、身が引き締まる思いで審査に臨んだ」 ―入選作の傾向は。 「伝統を踏まえつつ時代の息吹を感じさせる、いわば二律背反した要素が調和している。書は日本画、洋画、彫刻、工芸美術といった他部門より出品点数が多い。本年度は8576点の出品で、入選は1089
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静岡人インタビュー「この人」 自転車まちづくりに取り組む マルコ・ファヴァロさん(伊豆市)
東京五輪・パラリンピックの自転車競技会場になった伊豆市で11月から、地域おこし協力隊として活動する。サイクリングイベントのプロデュースなどの経験を生かし、五輪パラのレガシー(遺産)として自転車を活用したまちづくりや観光活性化を推進する。拠点は伊豆箱根鉄道修善寺駅前の自転車観光施設「クランクベース」。イタリア北部のパドヴァ出身。53歳。 -就任の抱負を。 「サイクリストは走りやすい道、美しい景色、文化を感じる場所を求めて走りにくる。サイクリストやインバウンド、サイクリングイベントの誘致に取り組みたい。学校などのセミナーで自転車文化を広めるほか、なぜヨーロッパが観光地として成功したのかも紹介
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静岡人インタビュー「この人」 フランス社会功労奨励章で王冠付金章を受章した 道川省三さん(島田市)
島田市川根町笹間上在住で世界を舞台に活動する陶芸家。フランス政府が社会公共、専門職業、芸術などの分野で功績のあった個人や団体に贈る「フランス社会功労奨励章」で3等の王冠付金章を受章した。笹間で開催される「ささま国際陶芸祭」でアートディレクターとしても活動する。北海道出身。69歳。 ―受章を振り返って。 「王冠付金章はかつて俳優の三船敏郎さんや画家の岡本太郎さんら数々の著名人が受章した名誉ある勲章。フランスをはじめ30カ国以上で個展やワークショップを開いてきたこれまでの活動が認められて率直にうれしい気持ち」 ―笹間移住のきっかけは。 「友人から過疎化が進む笹間の現状を耳にしていた。実際
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静岡人インタビュー「この人」 天竜川ダム再編に取り組む浜松河川国道事務所長 名久井孝史さん(浜松市中区)
国土交通省に2003年入省。17年から3年間、国際協力機構(JICA)に出向し、フィリピン国公共事業道路省で技術指導に当たった。福井県河川課長を経て22年4月から現職。道路や河川の整備に加え、長年の懸案だった天竜川ダム再編事業が本格着工間近で、節目の重責を担う。北海道出身、44歳。 ―浜松に勤務しての印象は。 「徳川家康、豊臣秀吉ら歴史を動かした方々の跡を身近に感じられることに感動する。日本を代表する大企業が育ち、高速道路や国道1号、新幹線が走る日本の要となる地域で、インフラ整備を担う責任を感じる」 ―現在の取り組みの重点は。 「天竜川ダム再編は関係機関との調整が進み、間もなく本格工
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静岡人インタビュー「この人」 伊東按針会の新会長 武智幹夫さん(伊東市)
徳川家康の外交顧問として活躍し、伊東市で日本初の洋式帆船を建造した英国人ウィリアム・アダムス(三浦按針)。按針の功績を顕彰する市民団体の3代目会長を6月から担う。写真スタジオ「タケチカメラ」(同市猪戸)の代表。79歳。 ―按針の日本、伊東との関わりは。 「5隻の船団でオランダを出発し、1年10カ月後の1600年4月に現在の大分県臼杵市に到着した。たどり着いたのは按針が乗った『リーフデ号』のみ。命がけの航海だった。伊東では2隻の船を建造した。1隻は『サン・ブエナ・ヴェンツーラ号』で、市内の按針メモリアルパークには地元彫刻家の重岡建治さんが手がけたモニュメントや、按針の胸像がある」 ―按針
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静岡人インタビュー「この人」 南アルプスみらい財団専務理事兼事務局長 田島章次さん(静岡市葵区)
財団は静岡県の出資を受けて8月に設立された。県くらし・環境部理事(南アルプス地域連携担当)からの転身。企画総務課長を兼ねて自ら山岳現場を巡っている。静岡市出身。62歳。 ―設立の狙いは。 「ユネスコエコパークに登録された南アルプスは、氷河期からの遺存種など希少な動植物が息づく場所で、ライチョウなど世界の南限となる生き物もいる。エコパーク憲章は、この地域資源を共有財産として未来に受け継ぐため、持続可能な利活用に取り組み、自然の営みを生かした魅力ある地域づくりをうたう。その精神を踏まえ、保全と活用を図る協力の輪を広げていきたい」 ―なぜ今、南アルプス。 「南アルプスの高山植物は、高山帯に
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静岡人インタビュー「この人」 グローバルユース国連大使として活動する 田中新恋さん(静岡市葵区)
日本青年会議所の「JAPANグローバルユース国連大使」に選ばれ、インドネシアで現地の高校生とSDGs(持続可能な開発目標)をテーマに議論した。静岡城北高グローバル科2年。16歳。 -どんな活動をしてきたか。 「SDGsをより多くの人に身近に感じてもらうのが目的。全国各地から22人、そのうち県内から5人が選ばれた。インドネシアでは6グループに分かれ、SDGsの一つの項目に絞って日本の課題や解決策を発表した。『貧困をなくそう』について発表した際に、現地の高校生から貧富の格差が激しいインドネシアの現状を教えてもらい驚いた」 -活動で学んだことは。 「日本の英語学習はアウトプットが極端に少な
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静岡人インタビュー「この人」 富士宮版コロマガプロジェクトを立ち上げた 望月悟さん(富士宮市)
子どもたちが好奇心を伸ばしながら地域情報紙をつくるコロマガプロジェクトが今夏、富士宮市でスタートした。地元小中学生約20人が記者や編集者として、ボランティアメンバーと富士宮版創刊号の制作を進めている。運営を担うデザイン事務所アイムデザインの代表。46歳。 -立ち上げの経緯は。 「伊豆のコロマガプロジェクトに関わったことがきっかけ。子どもたちの良い経験になると実感した。もともと、『デザイン』の考え方が子どもたちの将来に役に立つという思いを持っていて、それがコロマガにつながった。昨年冬、デザイン事務所内に女性目線のブランディングチームを立ち上げたことで始める土壌ができた」 -大切にしている
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静岡人インタビュー「この人」 第28回酒田市土門拳文化賞奨励賞を受賞した 若林茂さん(三島市)
写真家土門拳の出身地・山形県酒田市が主催する同賞。東京・新宿のニコンプラザ東京で受賞作品展が28日まで開かれている。初めての応募で、カラー30枚組みの作品「母 卒寿」が高い評価を受けた。元私立高教員で現在は非常勤講師。高校の写真部顧問の経験もある。伊豆の国市出身、65歳。 ―どのような作品か。 「この賞はただのコンテストではなく、写真家の資質を問う賞と言われる。しっかりした準備が必要と考え、10年間ほど撮りためた写真を拾い集めた。部屋の中に始まり、5月ごろから冬までの農作業を経て、再び部屋での静穏な写真になるように構成した。1枚目と30枚目にいずれも父の遺影が写り、ループさせることも意識
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静岡人インタビュー「この人」 藤枝MYFC応援グループ団長 増田正明さん(焼津市)
サッカーJリーグ3部(J3)藤枝MYFCを応援するグループ「F・E・S」の団長を務める。2020年発足のグループは「フジエダ・エンジョイ・サポーター」の頭文字を取った。自前で大漁旗を作り、ゴール裏のスタンドでは大きな太鼓をたたくのが役割だ。ニックネームはツルさん。グループで男性メンバー最年長の70歳。 -応援を始めたきっかけは。 「8年ぐらい前、招待券をもらって観戦したのがきっかけ。以前からスポーツ観戦は好きだったが、サッカーを見る機会がなかった。ホーム最終戦を見にいってレベルの高さに驚いたのを覚えている。翌年には年間シートを買った。練習場が近所にあるのも親近感が湧いた」 -応援のモッ
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静岡人インタビュー「この人」 沼津グッズを開発するよたさんこと石井亮太さん(沼津市)
沼津市内の名店を題材にした「ヌマヅ看板シール」や名物をキーホルダーにした「沼津ガチャタマ」といった沼津の魅力を形にした商品の製作に取り組む。昔からあるものにもう一度スポットを当てる“リポップ”をテーマに活動する。三島市出身。27歳。 -どのような商品か。 「看板シールは甘味店やクリーニング店など約20店舗の看板をシール化したもの。寿太郎みかんや、菓子パンの『のっぽ』などをキーホルダー化した沼津ガチャタマは“ご当地ガチャ”を各地で企画する埼玉県の企業と協力して手がけた。その他には、沼津名産の干物を怪獣のようにデザインしたキャラクター『ヒモノラ
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静岡人インタビュー「この人」 静岡県感染症対策担当部長 鈴木宏幸さん(静岡市清水区)
4月に就任し、新型コロナウイルス対応の指揮を執る。1985年度入庁。大半を健康福祉部で過ごし、医療分野に精通する。目下の懸案は季節性インフルエンザとの同時流行対策。趣味はクラシック鑑賞。60歳。 -県内の感染状況に対する認識は。 「10月にいったん落ち着いたが、今月に入り急激に感染者数が伸び始めた。再拡大の様相は全国も同様。水際対策が緩和され、行動制限もなく、ウイルスが広がりやすい環境だ」 -県は、同時流行の患者発生は1日最大2万5千人に上ると試算した。 「想定通りになれば現状の医療提供体制ではとても対応できない。事前の備えが大切で、呼びかけたいのはワクチン接種。特に3歳未満の子ども
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静岡人インタビュー「この人」 ベストボディ・ジャパン経営者部門でグランプリに輝いた 清水ひとみさん(磐田市)
不動産会社を経営する傍ら、ボディーメークに励む。10月に東京都内で開かれた健康的な肉体美を競う「ベストボディ・ジャパン ジャンル別&職業別大会」の経営者部門で、予選を通過した10人からグランプリに輝いた。昨年より各地方大会に出場していたが、今回初めて頂点に立った。11月23日には東京・両国国技館での日本大会出場を控える。磐田市出身。48歳。 ―鍛え始めた理由は。 「太り気味な自分を変えたいと思ったから。40歳を過ぎてから、運動不足と代謝の低下で体重のコントロールが難しくなった。そんな中、新型コロナの影響で外食する機会も減り、改めて食事管理や体質改善する良い機会だと思った。一昨年の4月から
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静岡人インタビュー「この人」 造形作家として地元で初の個展を開いた看板店社長 野口大さん(沼津市)
沼津市の看板製作会社の2代目社長として、現場作業や経営に携わる傍ら、作業場で出た鉄板などの廃材を利用し、昆虫や動物を緻密に表現した造形作品を制作している。遅咲きの造形作家として、10月に地元のららぽーと沼津内の店舗で初めての個展を開催した。44歳。 ―造形作品の制作を始めたきっかけは。 「2018年に父から社長を引き継ぎ、弟と会社を経営していく中で、自分の会社の『強み』は何かと考えた。新しいアイデアを思いついても、すぐに他の会社に模倣されてしまう。ならば、まねされないようなことをやって、技術をアピールしようと始めた」 ―どのように作品をつくっていくのか。 「看板の骨組みになる鉄板の端
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静岡人インタビュー「この人」 県高校定通制生徒生活体験発表で最優秀賞に輝いた 漆畑美広さん(藤枝市)
第1種電気工事士の資格取得に向けて親身になって指導してくれた亡き恩師との思い出や感謝の気持ちをスピーチし、最優秀賞をつかんだ。科学技術高定時制4年。20日に東京都で開かれる全国大会に挑む。19歳。 -恩師はどのような人だったか。 「高校で入部した電気工事受験部の顧問だった。先生は中学時代、問題児と言われていた自分に『漆畑ならできるよ』と声をかけ、対等に接してくれた。理解するまで何度も指導してくれ、資格を取得することができたが、報告する前に病気で亡くなってしまった。何事にも不真面目で不良だった自分が、目標に向かって努力することの大切さを知ることができたのは先生のおかげ」 -スピーチの文章
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静岡人インタビュー「この人」 不登校児の保護者らを支える活動を始めた 鈴木友加里さん(浜松市西区)
不登校の児童生徒が各地で増えている中で、その保護者らを支えようと「トーキョーコーヒー浜松」の活動を今秋から始めた。料理や染め物といった創作を通じた学びが主な内容で、活動には子どもが参加してもしなくてもいいという方針。中学生の娘が不登校で、10月には浜松市浜北区の自家焙煎(ばいせん)カフェ「タイニーシード」(旧すいーとまむ)で不登校の経験がある子の母親数人とスパイスカレーなどを作りながら交流した。同区出身。41歳。 ―10月の活動の手応えは。 「初の本格的な活動だった。料理はおいしくでき、会話も弾んだ。眉間にしわを寄せ、深刻になっているばかりではだめだと改めて感じた」 ―活動を始めたきっ
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静岡人インタビュー「この人」 オリジナルソングで地域活性化を目指す 金刺貴彦さん(西伊豆町)
オリジナルソングを通じて出身地の西伊豆町を盛り上げようと、町内の認定こども園や小学校でギターの弾き語りを披露する。2021年には、町が台湾産パイナップルの購入支援を始めた際に応援歌をつくり町内で購入を呼びかけた。持ち歌は100曲を超える。人権擁護委員を務める。元教員。62歳。 -音楽を始めた経緯は。 「20代の頃、音楽好きの同僚から刺激を受けてギターを練習するようになり、作詞作曲にも挑戦するようになった。教科書の内容や行事を題材にした歌をつくって子どもたちと一緒に歌うことで、打ち解けられるようになった。音楽には人と人をつなぐ力があると思う」 -活動を始めた理由は。 「音楽で地域を明る
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静岡人インタビュー「この人」 原泉アートプロジェクト代表・ディレクター 羽鳥祐子(はとりゆうこ)さん(掛川市)
掛川市北部、原泉地区でアーティスト・イン・レジデンス(AIR)を企画し、作家が旧茶工場や寺社などで作品を発表するアートイベント「原泉アートデイズ!」(27日まで)を率いる。2018年の初回から5年間の足跡を振り返る書籍も刊行する。群馬県出身。38歳。 ―山間地で1カ月以上、AIRを実施する理由は。 「都市部で制作していると、作品も世界観も小さくなる。ここには自然に囲まれた空間の広さと、ゆったりと流れる時間がある。その中で、作家自身が自分の新たな可能性に気付き、挑戦する姿が見られる」 ―AIRを始めた経緯は。 「学生時代、農学部で生物多様性について学び、人と自然との共生を考えるようにな
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静岡人インタビュー「この人」 自転車「塩の道」ルート実走調査を主導した 佐藤雄一さん(掛川市)
静岡県サイクルツーリズム協議会事務局長。自転車人口の増加とニーズの多様化を受けて、ガイド付き自転車旅の普及に注力する。各地の道や景観、食に精通したローカルサイクリストに着眼し、社会参画を促す構想も練っている。コンサルティング業「コンセプト」社長。60歳。 ―県内の特徴をどうみるか。 「日本有数のバラエティーに富んだゲレンデだ。サイクリストが求めるのは、面白い道と美しい景観、おいしい食の3要素。県内は東部と中部、西部でそれぞれ地形や風土が異なり、食材も豊富。初心者からベテランまで楽しめる道がある」 ―サイクルツーリズムの現状をどう捉えているか。 「ロードバイクの台頭とともに、長距離を走
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静岡人インタビュー「この人」 「伊豆の踊子」の伝承に努める 小野英樹さん(河津町)
今春、没後50年を迎えた川端康成の「伊豆の踊子」の舞台にもなった河津町の職員。映画版「踊子」のフィルムを修復させ、ゆかりの地を広く知ってもらおうと奮闘中。裾野市出身。55歳。 -フィルム修復の経緯は。 「『踊子』の映画は全6作あり、そのうち4作分の16ミリフィルムを、主人公一行が滞在した湯ケ野地区の観光協議会と町が1989年に購入した。協議会が管理し『伊豆の踊子文学祭』でも上映していたが、解散したため映写機とともに町が引き継ぎ、修復会社に頼んできれいな映像で見られるようにした」 -修復の意義は。 「持っているだけでは宝の持ち腐れ。今後は上映会開催などを通じ、川端康成の功績を語り継ぐ一
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静岡人インタビュー「この人」 全国アマチュアオーケストラフェスティバル 静岡大会の実行委員長を務めた 佐々木智子さん(静岡市駿河区)
9月に静岡市駿河区のグランシップで開かれたフェスで、300人のアマチュア奏者による演奏を成功させた運営サイドの“立役者”。県内で10年ぶりの開催となった今回、大会は50回の節目を迎えた。静岡フィルハーモニー管弦楽団副理事長、サブコンサートマスター。49歳。 -静岡フィルの役割は。 「ホスト楽団として参加者をもてなすことに徹した。広上淳一先生の指揮で大曲を演奏したいと全国から集まった方々が集中できるよう、休憩コーナーでいつでも冷たい静岡茶を飲めるようにしたり、参加者の要望や困り事を聞く担当を配置したりして、最大限環境を整えた」 -苦労もあったのでは。 「一昨年の
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静岡人インタビュー「この人」 男性の性生活で守るべき規範を著書にまとめた医師 今井伸さん(浜松市中区)
生殖医療に長年携わってきた立場から、男性の性に関する“教科書”がないと感じて執筆した新書「射精道」(光文社)が好評を得ている。性生活を送る上で守るべき考え方を武士道に照らして記した。2011年から県西部で男子中高生向けの性の授業も行っている。聖隷浜松病院のリプロダクションセンター長兼総合性治療科部長。島根県出身。51歳。 ―執筆で意識したことは。 「年配男性の心に刺さるように書いた。年代別で陰茎を扱う際の正しい知識や道徳観、倫理観を記した。例えば、中高年編では、独りよがりな性行為をしたり、若い時の栄光にすがったりする人にパートナーとの対話を訴えている。年齢ごとに性
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静岡人インタビュー「この人」 富士山フォトコンテストで最優秀賞に選ばれた 稲朋和さん(小山町)
静岡中央銀行(沼津市)が主催したコンテストで、応募者207人、総数608点の中から最高賞に輝いた。雪化粧した富士山と、手前に雪をかぶった樹木が「白いじゅうたん」のように広がる静寂とした風景を写した受賞作「春雪の朝」は、同銀行の2023年カレンダーに採用される。会社員。45歳。 ―撮影時の様子は。 「よく晴れた3月下旬の早朝、裾野市の水ケ塚公園で撮影した。ライブカメラで富士山がくっきりと見えるのを確認してから出掛けたが、雪道だったのでたどり着くのが大変だった。最初は公園の駐車場で撮影していたが、高台に展望台があることが分かり、雪の中を移動した」 ―応募した理由は。 「勤務先の会社に飾っ
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静岡人インタビュー「この人」 電話応対コンクール県大会で優勝 海野奈緒美さん(富士市)
日本電信電話ユーザ協会静岡支部が主催する県大会で頂点に立ち、11月18日に山口市で開かれる全国大会に県代表として出場を決めた。建設システム(富士市)勤務。36歳。 ―優勝の心境は。 「想定外というのが正直な感想。これまで大会に7回出場したが、うち5回は地区予選を突破できず、県大会にすら進めていなかった。他の出場者も素晴らしい電話応対ばかりだったので、優勝した実感がなく、夢のような気分が続いている。職場の上司や先輩が支援してくれたおかげと感謝している」 ―どんな準備をして大会に臨んだか。 「特別な練習を積み重ねてきたわけではない。建設業者向け施工管理ソフトウエアの開発や販売を手掛ける企
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静岡人インタビュー「この人」 「水窪100山」完登 田中大輔さん(浜松市浜北区)
浜松市天竜区水窪町のNPO法人「山に生きる会」が同町の山や峠をまとめた「水窪100山」。そのすべてを約4年で登り切った。今春、最後の不動岳(標高約2171メートル)を登って同会公認の初の完登者になり、7日に賞状が贈られた。山登りを楽しむ傍ら、同町の自然や地域に関する情報の発信もする。浜北区在住の会社員。50歳。 -水窪100山に挑戦したきっかけは。 「地元の山を登りたいと考えていた。『山に生きる会』のホームページを見たり、山登りの記録を共有できるスマートフォンアプリ『YAMAP(やまっぷ)』と『ヤマレコ』の二つで情報収集したりした。2019年に挑戦を始め、今年5月に100山目を登り切った
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静岡人インタビュー「この人」 御殿場線を育てる会の会長を務める 菅沼弘さん(御殿場市)
沼津駅と国府津(神奈川県小田原市)を結ぶJR御殿場線の沿線活性化と利便性向上に取り組む。発足した2003年から活動に携わり、15年に会長に就任した。玉穂木材工業(御殿場市)の顧問。77歳。 ―御殿場線の意義は。 「1889年に東海道線として開通し、現在の東海道線が開通するまで日本の基幹鉄道だった。東京との往来を活発にし、多くの富士登山者を御殿場に運んだ。駅前に旅館が建つなど地域経済に大きく貢献した」 ―これまでの会の活動は。 「かつて御殿場線で活躍し、日本に7両しか現存しない蒸気機関車(SL)D52を郊外から御殿場駅前に移した。御殿場出身の冨原薫さんが作詞した汽車ポッポの歌碑と、御殿
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静岡人インタビュー「この人」 吉田町と防災協定を結ぶ「YSD防災協力会」会長 橋口智規さん
吉田町内の異業種11社でつくる「YSD防災協力会」の会長で、大規模災害に備えて同町と防災、減災のための協力と支援業務に関する協定を結んだ。本業は同町神戸の運送業「丸総」の社長。神奈川県出身。44歳。 -協力会結成の経緯は。 「丸総が2019年に創業50周年を迎えた際、この町に根付く企業としてできる恩返しの方法が防災だった。防災対策を推進する吉田町まちづくり公社に協力を求めたり、地元企業に声をかけたりして、前身となる防災協力会を結成した。約3年が経過し、効果的かつ継続的に防災に関わっていこうという考えが強まり、YSD防災協力会として再構築を図った」 -主な活動と強みは。 「平時には防災
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静岡人インタビュー「この人」 浜松の音楽イベントデザインコンペで最優秀賞に輝いた 中江ほのかさん(浜松市中区)
浜松市の中心市街地を会場として、3年ぶりに開催された「やらまいかミュージックフェスティバル」(実行委主催)のポスターやオリジナルTシャツのデザインを手掛けた。静岡文化芸術大デザイン学部3年生。岡山県津山市出身。20歳。 ―コンペに応募したきっかけは。 「大学生活の目標として、いろいろなことに挑戦したいと思っている。授業で先生からコンペの紹介があり、応募を思い立った。コロナ禍で中止になっていたのでフェスティバルを実際に見たことはなかったが、ホームページなどを参考にイメージを膨らませた」 ―デザインで意識した点は。 「Tシャツは楽器が踊るようなポップなイラストにすることで、フェスティバル
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静岡人インタビュー「この人」 沼津市5ライオンズクラブの代表に就任した 大嶽正泰さん(沼津市)
1986年沼津香陵ライオンズクラブに入会。2013、17年に会長を務める。今年7月から、沼津市内5クラブの代表の334―C地区3R・1ZC(ゾーンチェアパーソン)に就任し、県内各地のクラブとの交流も図る。同市大岡の三明寺住職。趣味は落語とお酒、寺の目の前に広がる「門池」を眺めること。沼津に住み始めて40年。富士市出身。76歳。 ―任期中にやりたいことは。 「沼津市の民話を広めることに協力したい。8月に『ぬまづ昔ばなし』が再編され書籍化されたのを機に、読み聞かせなどに進んで参加する。郷土の記憶を未来につないでいくためには不可欠。NPO法人『フードバンクふじのくに』への食料品寄贈、『こども食
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静岡人インタビュー「この人」 「グランドスケープ浜名湖@舘山寺」で振り付けを監修する 中沢里彩さん(浜松市中区)
29日から11月3日まで浜松市西区舘山寺町の浜名湖で繰り広げられる湖上舞台。振り付けを監修し、出演するダンサーたちを取りまとめる。経験と人脈を生かし、キャスティングも担った。ダンス教室で教える傍ら、小中学校の授業を通じて地元の子どもたちに踊る楽しさを伝える。同市中区出身、41歳。 ―ダンス歴を。 「最初は路上でヒップホップを練習する友達のラジカセを運ぶ係だった。先輩の代役で初めてステージに立ち、楽しくて教室に通い始めた。この道を進んだのは、高校3年でTRFのライブに出たのがきっかけ。東京でダンサーとして活動し、今は浜松を拠点にしている」 ―湖上舞台での役割は。 「場面によって振り付け
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静岡人インタビュー「この人」 豊漁祈願や太鼓祭りで知られる舞阪・岐佐神社の神職に就いた 高柳敦(たかやなぎあつし)さん(浜松市西区)
貝の神様をまつることから漁業の守り神として信仰を集める浜松市西区の岐佐神社で、第19代宮司の父壮さんを継いだ。3月、全国に二つしかない神職を育てる大学の一つ国学院大の神道文化学部を卒業し、禰宜(ねぎ)を拝命した。趣味は散歩と料理。愛読書は、穏やかな気持ちになれるウォン・ジェフン作の「世の中に悪い人はいない」。23歳。 -若くして神職に就く決心は。 「幼い頃から、地域とのつながりを大事に仕事をする父の姿を見て育った。神職の家に生まれ、地域とともに歩んできた神社を守っていかなければいけないと高校生のときに決心した。大学を出て奉職することは自然だった」 -半年で気付いたことは。 「地域の方
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静岡人インタビュー「この人」 熱海市の「起雲閣」を題材にした小説を出版した 中尾千恵子さん(熱海市)
海外向けの企業資料の編集や翻訳、貿易業務代行などのビジネスを手がけながら、小説の執筆活動を続けている。仕事で関係の深いロシアや伊豆を舞台にした作品を発表し、2017年に「熱海残照」で第20回伊豆文学賞最優秀賞を受賞した。浜松市天竜区出身。76歳。 -執筆活動のきっかけは。 「市場調査や翻訳など仕事で培った知識や経験を生かし、クリエーティブなことをやってみたくて60歳あたりから始めた。膨大な資料を読み込んだり、人に会って話を聞いたりして取材することに楽しさを感じる。今後、故郷の北遠地域を舞台にした作品を書いてみたい」 -起雲閣を題材にした小説を執筆する上で苦労したことは。 「史実に基づ
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静岡人インタビュー「この人」 マルシェで司法書士バーを出店した 杉本直人さん(藤枝市)
藤枝市で司法書士法人よつばを構える。2012年に開業し、22年9月に法人化した。藤枝、掛川の両市を拠点に活動する。7月にJR藤枝駅北側で開催されたマルシェ「ひのでのひ」で、司法書士と大学生が運営するバーを構えた。38歳。 -バー出店の経緯は。 「司法書士事務所は敷居が高く、足を踏み入れにくいと思われがち。地域に開かれた場所にしたいと考えていた。大学生と一緒に地域企業の課題解決を考える企画の一環で実現した。若者ならではの発想を取り入れることができたし、過去に飲食店で勤務した経験も生きた」 -出店した効果は。 「オリジナルカクテルなど68杯を売り上げた。『面白い』『珍しい』などと声を掛け
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静岡人インタビュー「この人」 一般社団法人「森林健康経営協会」代表理事 浅沼宏和さん(浜松市中区)
カーボンニュートラル社会の実現に向けて、企業と森を結びつけ、健康で持続可能な森づくりを目指す。地元の林業家などと7月に団体を設立し、活動を始めた。自身は税理士で経営コンサルタント。59歳。 ―協会の活動の目的は。 「日本の国土の約3分の2は森林。水源涵養(かんよう)や木材供給源など多面的な役割があるが、適切に管理が行われていない森林が増加し危機にある。協会の目的はより小規模な森林と、そのエリアに拠点を置く中小企業などがつながるプラットフォームを構築し、企業が身近に森の健康づくり活動に関わる。街と森をつなぎ、地域コミュニティーの土台をつくる」 ―具体的な取り組みは。 「温室効果ガス排出
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静岡人インタビュー「この人」 沼津で第1回アフリカンフェスタを企画した 中村俊哉さん
沼津市中心市街地の3カ所で今夏、アフリカ文化を紹介するイベントを初開催した。音楽演奏や映画上映、トークショーなどを繰り広げ、開催期間中3日間で計約千人が来場した。7月から家業の金属加工会社「シングウ技研」(同市)の社長に就任した。清水町出身。46歳。 -イベントに携わるようになったきっかけは。 「大学時代に役者をしていた経験から、卒業後は都内のIT企業で働きながら劇団を立ち上げた。社会に役立つことをしようと教育施設を巡る公演も実施。東日本大震災を機に被災地の復興応援にも取り組み、宮城県南三陸町で音楽イベント『ミナサンフェス』をコロナ禍までの6年間で主宰していた」 -フェスタ開催の理由は
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静岡人インタビュー「この人」 静岡市清水区小島で台風被害を受けた住民の支援活動に従事 清水久美子さん
台風15号による大雨の影響で断水被害が続いた静岡市清水区小島で、地域住民に対する給水支援や物資配布にボランティアで参加した。同地区主任児童委員。47歳。石川県出身。 ―支援活動参加の経緯は。 「25日に小島生涯学習交流館で給水活動が始まったので見に行ったら、水道業者が1人で大勢の住民の列に対応していた。せっかく来てくれたのに大変だろうと思い、市や自治会から要請はなかったが自主的に手伝い始めた。同じ地域住民が対応した方が並んでいる人にとっても融通が利くし、少しでも円滑に支援が進めば良いと考えた」 ―活動の内容は。 「9月の終わりぐらいから支援物資がたくさん集まるようになり、仕分けや降ろ
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静岡人インタビュー「この人」 サーフィンの国際大会の開催に尽力した 宇田大地さん(牧之原市)
サーフショップ経営。サーフィンの競技審判員としての国際資格を持つ。昨年の東京五輪で審判員を務めた。地元サーファーらと実行委員会を結成し、9月1~3日にワールドサーフリーグ(WSL)公認の国際大会「ホワイトバッファロー御前崎プロ」を御前崎市の海岸で開催した。埼玉県出身。54歳。 ―開催のきっかけは。 「前々から若い選手のために大会をやりたいという思いがあった。この思いを加速させたのは新型コロナウイルス禍。東京五輪で日本人選手が銀メダルと銅メダルを取ったが、その後はコロナ禍で大会がなかなか行われず、一度盛り上がった機運がしぼんでしまいそうに思えた」 ―準備で大変だったことは。 「資金集め
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静岡人インタビュー「この人」 伊東商高で新商品の開発に取り組んだ 伊藤優希さん
2017年に創部し、商品開発とボランティア活動を行う伊東商高フロンティア部の部長。同部では今年、地元事業者の協力で二つの菓子を開発した。来春、伊東商を含む伊東市内3校が統合されて新高校に。後輩たちに「自分たちと同じような活動を続けていってほしい」と思いを託す。同校3年。18歳。 ―開発した商品は。 「一つは製菓業者と作った『伊匠魂(いしょうだましい)』。新高校に向け『つなぐ』をテーマにし、4種類のあんを付けた和風クッキーを開発した。もう一つは地域名産のダイダイを使ったジェラート『G―dai(じだい)』。ジェラート工房と開発した。甘さも果実本来の苦みも感じる、夏においしく食べてもらえる商品
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静岡人インタビュー「この人」 静岡茶の魅力を発信する 辻せりかさん(静岡市葵区)
茶の需要開拓に取り組む会社「AOBEAT(アオビート)」を2021年に立ち上げた。茶を観光資源と捉え、幅広い世代への魅力発信や、地域活性化に力を注ぐ。31歳。 -事業を立ち上げるまでの経緯は。 「県中部5市2町の観光まちづくり組織(DMO)で働く中で、茶づくりに情熱を注ぐ農家と出会う機会がたくさんあった。一方、リーフ茶の需要低迷や担い手不足などを痛感し、適正な価値で販売できていない現状を残念に感じることも多かった。仲間と一緒に静岡茶の価値を発信していきたいとの思いを強くした」 -主な活動内容は。 「茶畑に作ったテラス席から眺める景色と、おいしいお茶を楽しむ『茶の間』を県内各地で運営し
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静岡人インタビュー「この人」 全国初優勝したENSチアリーディングクラブSmileys代表 内木裕紀子さん(浜松市中区)
8月に開催された「JAPAN CUP2022チアリーディング日本選手権」(東京)自由演技競技の小学校低学年部門で頂点に立ったチームを指導する。神奈川県出身。42歳。 ―全国優勝の勝因は。 「子どもたちが目標を見失わずに食らいついていた。中部大会後、何度も細かくすり合わせ、ミーティングを重ねた。他チームの練習を10としたら12、13の練習をしようと話した。テーマを決めて常に復唱した」 ―クラブを設立した理由は。 「駐在員の夫の関係で住んでいたジャカルタから浜松に戻り、2019年に立ち上げた。ジャカルタでもチームを作っていたが、うちの娘と、帰国していた子どもたちの4人がまたやりたいと言っ
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静岡人インタビュー「この人」 県社会人リーグ1部 サッカークラブ「SS伊豆」代表理事 片岡大輔さん(函南町)
2016年、「伊豆半島から世界へ」を合言葉にクラブを設立。東駿河湾3部リーグ(J12相当)から5年連続で昇格し、10月に鹿児島県で開かれる全国社会人サッカー選手権全国大会に初出場を決めた。37歳。 -チーム設立の経緯は。 「プロ選手を目指して中学卒業後にイングランド、スペインに留学した際、週末は各町のスタジアムで試合観戦するサッカー文化に衝撃を受けた。帰国後、プロを諦めたものの草サッカーでは物足りず、国内のアマチュアチーム層の薄さを痛感。あえてプロを目指さないチームを創設した。2年前にセカンドチームも設け、トップから漏れても頑張れる環境を整えた」 -活動形態は。 「メンバー26人中1
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静岡人インタビュー「この人」 栃木国体の総合開会式で県選手団の旗手を務める 鈴木音生さん(焼津市)
初の国体で大役を務める。小学2年冬に家族で登った八ケ岳連峰の赤岳(長野ほか)でアイスクライミングに触れ、その後、地元にオープンしたジムで本格的にスポーツクライミングを始めた。中学から大会に出場し、昨年12月の全国高校選抜男子リードで優勝した。東海大翔洋高3年。18歳。 -団旗の重みを。 「まさか自分が旗手に選ばれるとは。緊張感と責任を感じている。開会式では県選手団を先導し、堂々と行進したい。国体のスポーツクライミングはペア競技。相方とのチームワークを深め、リードとボルダリングの2種目で決勝に進みたい」 -クライミングの魅力とは。 「登れない壁のほうがはるかに多い。ルートを考え、何度も
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静岡人インタビュー「この人」 日本ギャップイヤー協会を立ち上げた ナヤー友里佳(なやーゆりか)さん(御前崎市)
学生が進学や就職の道にすぐに進まず、ボランティアや旅行など学校以外の場で経験を積む「ギャップイヤー」の考えを広めようと、2020年に「日本ギャップイヤー協会」を立ち上げた。菊川市市民協働センター職員。御前崎市出身。20歳。 -ギャップイヤーの長所は。 「ギャップイヤーの考えは主に欧米で広まっている。『gap』は英語で隙間の意味。協会ではギャップイヤーを『肩書のない時間』と定義した。さまざまな経験ができるほか、自分で道を開くことで、決断力が付き、日々の自分の選択に責任を持てる。自己肯定感も上がる」 -自身のギャップイヤーは。 「高校卒業後の留学がコロナ禍でかなわなかったため、毎日のよう
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静岡人インタビュー「この人」 まちづくりを行う一般社団法人「いちご」理事 藤井さやかさん(清水町)
自身が産後鬱(うつ)のようになってしまった経験から、2007年に「子育て応援サークルいちご」を立ち上げた。17年に10周年を迎え、公益的な事業の展開に際し、子育て支援やまちづくり活動を行う「一般社団法人いちご」設立。法人として17年に県知事褒章、22年にふじさんっこ応援大賞優秀賞を受賞。県内の地域に根付く人や体験を紹介するローカルサイト「ひととき百貨店」を運営。「ぬまづパンまるしぇ」等の沼津の商店街を会場にしたイベントも主催。沼津市出身。44歳。 ―「子育て応援サークルいちご」を通じてのやりがいは。 「心が躍動する人との出会い。現在300組を超える親子が関わってくれている。自分のために始
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静岡人インタビュー「この人」 盛り土の崩壊メカニズムを研究する名城大4年 夏目将嗣さん(愛知県刈谷市)
熱海市伊豆山の土石流で、発生原因を究明する県の検証委員会委員を務めた名城大の小高猛司教授(地盤工学)の研究室に所属している。土が水を吸収し、軟化して崩れる過程を調べる実験をサポートした。23歳。 ―どのような思いで実験に臨んだか。 「実験データが盛り土崩壊を考察する重要な資料になると思うとかなり緊張した。いつも以上に慎重に取り組んだ。熱海の土石流は、雨だけが要因ではなく、人の手が加わった盛り土が崩れて発生した。自分が将来就こうと考えている土木技術者の責任の重さを感じるきっかけになった」 ―土木の研究に関心を持ったきっかけは。 「元々はまちづくりの分野に興味があった。3年になって研究室
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静岡人インタビュー「この人」 第17回浜名湖フォークジャンボリーの実行委員長 新海稔和さん(浜松市北区)
浜松市西区の浜名湖ガーデンパークで8月に開かれた音楽ライブの運営で中心的な役割を果たした。毎年50組前後のアマチュアバンドなどが県内外から集まる一大イベントだったが、今回を最後に終えた。65歳。 -最終回の感想は。 「出演者、お客さんから『終わってしまうのは寂しい』『これからも続けてほしい』と声を掛けられて。たくさんの人に愛され、支えられてきたイベントだったと改めて感じた。会場の都合で今年は残暑の厳しい時期での開催になったが、ほぼ満席で多くの人が最後まで残ってくれていた」 -惜しまれつつ終了する理由は。 「仕事の片手間にやるには運営の負担が大きく、実行委員の確保が難しくなった。協賛企
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静岡人インタビュー「この人」 裾野市出身で初のプロサーファーになった 松本浬空さん(宮崎県日南市)
中学卒業まで海のない裾野市で過ごし、2021年4月、サーフィン部のある宮崎県の日南学園高に進学した。同年10月のトライアルでプロ公認資格を取得した。16歳。 ―サーフィンを始めたきっかけは。 「小学2年生の時、父親の勧めで始めた。小中学生のころは毎週末、片道1時間半ぐらいかけて、父と一緒に下田市の多々戸浜に通っていた。平日は走り込みやスケートボードなどの陸上トレーニングに励んでいて、海に出ることができる週末が待ち遠しかった」 ―進学先に宮崎県の高校を選んだ理由は。 「海に出る時間、練習量を増やしたかった。いま通っている高校はサーフィンを部活動として認め、とても理解がある。部員は自分を
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静岡人インタビュー「この人」 「寄付付き商品」で市民団体を応援するNPO法人理事長 磯谷千代美さん(静岡市清水区)
企業が自社商品に数十円程度の寄付額を上乗せして販売し、商品が売れた個数に応じて、自社が支援したい市民団体に寄付金を贈る「しみず元気プロジェクト」を2016年に始動した。静岡市清水区の清水市民活動センター指定管理者のNPO法人「NPOサポート・しみず」理事長。同区出身。70歳。 ―プロジェクトには何社が参加しているか。 「レストランや食品加工会社など、個人店舗を含む8社。うち2社は、毎年協賛金を提供するなど、商品販売とは違う形で参加している。運営資金の少ない団体にとっては、年1万円の寄付でも大きな支えになる」 ―市民団体は寄付金をどう活用しているか。 「里親支援団体は毎年1回、寄付金を
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静岡人インタビュー「この人」 9年ぶりに開催される浜松市民オペラの実行委員長 玉川昌幸さん(浜松市中区)
市制80周年を記念して1991年に始まった市民オペラは今回で8回目。初回から運営に携わり、開催に向けて尽力を続ける。2024年9月28、29日に浜松市中区のアクトシティ浜松大ホールで上演する。浜松シティオペラ協会長、浜松学芸高非常勤講師。70歳。 ―今回の演目は。 「浜松ゆかりの作家荒井間佐登さん作の『音詩劇(おんしげき)かぐや』。作曲は市在住の鳥山妙子さんが手掛ける。元々は母体となる作品があり、過去にアクトシティ浜松の中ホールでも上演した。好評だった作品を、大ホールのグランドオペラの形にバージョンアップして届ける。年月をかけて育てた作品なので感慨深い」 ―オペラの魅力とは。 「歌、
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静岡人インタビュー「この人」 沼津市茶道連盟の会長に就いた 東海庵龍子さん(沼津市)
茶道7流派でつくる沼津市茶道連盟の会長に4月末に就いた。毎年、三嶋大社で献茶式を行う東海流の家元を夫に持つ。本名は長島幸子さん。76歳。 -茶道を始めたきっかけは。 「先代東海流家元の父を持つ夫と結婚したこと。何も分からない中、義母の背中を見て茶道を学んだ。沼津での茶会に通い、周囲の勧めで茶道研究家の杉浦澄子先生にも学んだ。月に1回程度東京に通い、杉浦先生から茶わんや掛け軸、表具の見方などを丁寧に教えてもらった。自分の茶道の輪郭をつくってもらったと感謝している」 -茶道の精神とは。 「豊かな心で人に接し、明るく過ごせるように努めること。多くの恩恵に感謝することも大切。例えば茶を頂くと
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静岡人インタビュー「この人」 第28回酒田市土門拳文化賞を受賞した 大角勝さん(静岡市清水区)
世界的な写真家土門拳の出身地、山形県酒田市が主催する公募展。モノクロ30枚組みの「立ち止まる情景」で、全国106人による応募作の中から最高賞に輝いた。写真用品メーカーに就職した20代で写真を始め、撮影を続ける。他のコンテストでも数々の受賞歴がある。70歳。 ―受賞作はどんな作品か。 「昭和レトロと雨がテーマで、自分の感性に合う写真を集めた。撮影場所の大半は熱海。昭和レトロを感じる路地裏が多く残る。10年ほど前から撮影を重ね、後で調べると36回も訪れていた。街を歩く中で、何か感情に訴えかけるものがあり、立ち止まった場面だ」 ―受賞が決まった感想は。 「連絡を受けた時はまさかと思った。9
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静岡人インタビュー「この人」 アジアU18男子バレーボール選手権大会で日本代表の優勝に貢献した 小野駿太さん(浜松市北区)
イランで8月15~22日に開かれた国際大会でエースとして全6試合にフル出場し、ベストアウトサイドヒッターに選出された。聖隷クリストファー高(浜松市北区)2年。同校の全国高校総体ベスト8にも貢献した。静岡市清水区出身。身長185センチ。16歳。 -大会を振り返って。 「初めての国際大会で気候や時差、食事など環境面の違いに苦労し、体調管理やメンタルのコントロールが難しかった。日本では味わえない高さと技を持ち合わせた海外選手と戦い、強いスパイクを打つだけではなくワンタッチアウトを狙うなど、日本人が海外で戦っていくための技術を学ぶことができた」 -競技を始めたきっかけは。 「小学4年まではサ
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静岡人インタビュー「この人」 ミセスジャパン2022静岡大会 クラシックミセス部門グランプリ 安本梨花さん(静岡市清水区)
女性が人生経験の中で培った魅力や人生のストーリーを表現し、内外面の美しさを競う「ミセスジャパン2022静岡大会」のクラシックミセス部門(46歳以上)で最高賞に輝いた。同大会で選出された他の3人とともに、10月18日に都内で開かれる日本大会に出場する。ネイルやエステティックサロンを経営する。55歳。 ―受賞の喜びを。 「まさかという思い。本当にうれしい。大会に出場し、共にレッスンを受けた仲間や、指導してくださった先輩ファイナリスト、そして家族にも感謝したい。多くの仲間に会えたこと、励まし合ったことは本当に自分の財産になった。賞をいただいたこと以上に仲間ができたことが大きかった」 ―出場の
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静岡人インタビュー「この人」 静岡市歴史博物館初代館長に就任 中村羊一郎さん(静岡市葵区)
室町から戦国時代まで約230年にわたり駿河に君臨した今川氏と静岡市の礎を築いたとされる徳川家康を中心に、静岡の歴史と文化を発信する。元静岡産業大教授。79歳。 ―プレオープンの手応えは。 「開館から約1カ月半で来館者数は1万5千人を超え、市民の関心の高さと期待の大きさを感じている。無料公開中の1階部分のほか、バックヤード見学ツアー、工作体験ワークショップ、学芸員6人が各専門分野でマニアックな話をする歴史講座なども開催する。何度も足を運んで“推し学芸員”を見つけてもらえたらうれしい」 ―展示の目玉は。 「建設中に発掘された戦国末期の道と石垣の遺構は、むき出しのま
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静岡人インタビュー「この人」 湖西市の新たなイメージキャラクターをデザインした漫画家 稲空穂さん(湖西市)
湖西市が市制施行50周年を機に今年制作したイメージキャラクターに、デザインが採用された。会社員を経て、2017年に漫画家としてデビュー。昨年から出版され、老夫婦らの何げない日常を描いた「特別じゃない日」(実業之日本社)が話題に。浜松市北区出身。36歳。 -「浜名湖があるまち」をPRするキャラに込めた思いは。 「モチーフは浜名湖特産のウナギ。突然変異で体が白黒になる希少な「パンダウナギ」や縁起の良い黄金色のウナギから着想を得た。みんなと仲良くなりたくて、着ぐるみをまといパンダのふりをしている。子どもにも親しんでもらえるよう、愛らしいキャラにしたかった」 -湖西市はどんなまちか。 「コン
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静岡人インタビュー「この人」 御殿場馬車鉄道の車両復元に尽力した 勝又祐介さん(御殿場市)
明治から昭和初期まで御殿場市や小山町を走った御殿場馬車鉄道の客車を復元した御殿場馬車鉄道研究会の事務局長。昨年12月にお披露目会を開き、人を乗せて人力で動かした。43歳。 -御殿場馬車鉄道とは。 「1898年から1928年まで運行し、最盛期には現在の御殿場駅前と籠坂峠間の約18キロメートルを結んだ。多くの富士登山者が乗車した。当時の東海道線で御殿場に運ばれた物資を山梨県側に運んだ。運転手が鳴らすラッパの音『テトウテトウ』にちなみ『テト馬車』と呼ばれた」 -復元した理由は。 「御殿場馬車鉄道を知る人は減っている。地域の人が出資し苦労して作った歴史の継承を目指した。運営会社は経営難から『
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静岡人インタビュー「この人」 3年ぶりに開催される大道芸W杯のプロデューサー 奥野晃士さん
静岡市の秋を彩る一大イベント、大道芸ワールドカップ(W杯)。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う中止を経て、今秋は11月4~6日に3年ぶりに開催される。県舞台芸術センター(SPAC)の舞台俳優として活動する傍ら、大道芸W杯の企画進行を取りまとめる大役を担う。兵庫県淡路市出身。53歳。 ―就任の抱負は。 「今秋で29回目を数える歴史のある行事。大道芸人が目標とする大舞台の一つとして全国的な知名度がある。長年、大道芸W杯を支えている地元企業の社長や大会関係者と関わる中で、プロデューサー就任への話が持ち上がった。最大限の力で場を盛り上げたい」 ―準備状況は。 「感染対策を講じつつ、規模縮小で
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静岡人インタビュー「この人」 外国人児童に贈るランドセルを集める 座光寺明さん(磐田市)
磐田市前野の幼保連携型認定こども園「龍の子幼稚園」の理事長。卒園児や市民らから使わなくなったランドセルを集め、愛知県のNPO法人を通じて、日本に住む外国人児童に贈る活動を展開している。65歳。 ―なぜ活動を始めたのか。 「2011~19年に、職員と共に『伊達直人となかま達』の名で磐田市長宛てに図書カードを寄贈していた。10回の寄贈を終え、もっと多くの人が参加できる運動に移行しようと思った。そんな時にランドセル寄贈に取り組むNPOを知った」 ―どのようにランドセルを集めているのか。 「毎年、卒園式で『小学校に入ったらランドセルを大切に使い、卒業したら持ってきて』と呼び掛けている。浜松い
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静岡人インタビュー「この人」 アマモ場の保全に取り組む 杉山善一さん(沼津市)
沼津市西浦地区で水生生物のすみかや産卵場所になり、「海のゆりかご」と呼ばれる海草アマモの保全活動を行うNPO法人「海プラスSOU」の理事長。同市の大瀬崎でダイビングショップを経営する。52歳。 -どのような取り組みか。 「平沢港沖など比較的規模の大きなアマモ場で種子を採取し、磯焼けや海水浴場としての整備の影響でアマモが少なくなってしまった海域に植える。2015年に地元のダイバーや漁業関係者で活動をはじめ、場所を変えながら生育に適した環境条件を模索している」 -きっかけは。 「20代の頃から15年ほど東京で働き、8年前に地元の同市西浦江梨に帰った。漁師の手伝いで作業潜水をしたり漁業者の
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静岡人インタビュー「この人」 放置竹林を使った竹灯籠を制作する 大村大輔さん(静岡市葵区)
静岡市葵区の麻機地区を拠点に活動する自然環境保全団体「アカリノワ」の代表として、放置竹林問題の解決に取り組む。竹林から切り出した竹で制作した竹灯籠の展示イベントを開いたり、使用済みの竹灯籠を竹炭など土壌改良材に活用したりしていて、2020年に国土交通省の「地域づくり表彰」で、全国地域づくり推進協議会会長賞を受賞した。46歳。 -活動のきっかけは。 「09年ごろに、地元の子ども向けに実施する自然体験教室で竹灯籠を作り始めた。当初は町内の小規模な祭りで展示していたが、評判が口コミで広がり、活動範囲が拡大した。現在は久能山東照宮(同市駿河区)や都内のホテルなど県内外で実施している」 -制作時
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静岡人インタビュー「この人」 ジュビロ磐田と連携した事業で地域活性化を目指す 清水聖也さん
サッカーJリーグ1部(J1)ジュビロ磐田とコラボしたレンタカー事業や地元農産物・飲食物を販売するマルシェ、カフェ、コインランドリーの複合店舗を開き、地域の活性化に取り組む。ガス・石油販売の第一商事社長。磐田市出身。49歳。 -各事業の狙いは。 「レンタカーは、売上金の一部をチームの強化支援に充てる仕組み。ジュビロを応援しつつ、試合日に車でスタジアムを訪れてもらい、市内の観光にもつなげる狙いで始めた。複合店舗はもともと取り組んでいるコインランドリー事業の集客のため、洗濯の待ち時間にマルシェやカフェに寄ってもらうことを想定した。コロナ禍で苦しむ地元の農家や飲食店に新たな販路を提供したい」
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静岡人インタビュー「この人」 伊豆市CIO補佐官に就任 中村祥子さん
伊豆市のCIO(最高情報責任者)を務める副市長をサポートし、市役所のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する。就任は7月21日付。日本マイクロソフトで業務システムの導入コンサルタントなどに従事するカスタマーサクセスマネジャーで、非常勤特別職として兼務する。同市の賃貸住宅とオフィスが一体になった街区「ドットツリー修善寺」と都内で2拠点生活中。山口県出身。 -就任の抱負を。 「一般企業のDXには関わってきたが、自治体は初めて。まずはDXとは何かを理解してもらい、成功事例をつくりたい。事例ができると他の業務にも広めやすくなる。市役所は数年で職員が異動するので、変化に対応する素養はある
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静岡人インタビュー「この人」 「レバンテフジ静岡」を支える元実業団選手 夜野正紀さん(静岡市葵区)
富士市拠点のプロサイクリングチーム「レバンテフジ静岡」の裏方として、昨年2月から選手を支える。静岡市に生活拠点を置きながら、長年、長野県内の実業団チームに所属し、2010年まで国内最高峰のロードレース「Jプロツアー」で活躍した。全日本選手権4回出場。京都府出身。52歳。 -自転車との出合いは。 「中学のころ、米国人として初めてツール・ド・フランスを制したグレッグ・レモンのレースをテレビで見てあこがれた。社会人になり、仕事で知り合ったトライアスロンの選手に誘われて本格的に練習を始めた」 ―そこからプロに。 「人より速く走る楽しさに目覚めてロードレースに出るようになり、強い選手の刺激を受
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静岡人インタビュー「この人」 天竜材水平連携協議会会長として地域製材のネットワーク化に尽力する 石野秀一さん(浜松市浜北区)
協議会は天竜材の安定供給のための事業連携を目的に、浜松市内の製材所を中心に設立された。大、中規模の木造建築に対応可能な体制づくりを進めている。59歳。 -立ち上げの経緯は。 「2015年に完成した草薙このはなアリーナの建材として、天竜材を納材する話が持ち上がった。ただ、個々の製材所で対応できる規模ではない。そこで地域の同業者のネットワークを作り、総力を挙げて納材する方法を考えた。集まった20社中16社が製材工場。県内初の試みだったが、短い納期で厳しい規格と品質基準をクリアすることができた」 -設立の効果は。 「これまでライバルだった業者同士で一つの事業を行うには、まず信頼関係を作るこ
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静岡人インタビュー「この人」 西伊豆町地域協力隊として介護予防の体操普及に取り組む 国島学さん(西伊豆町)
4月に西伊豆町地域おこし協力隊に就任した。理学療法士の資格を生かし、健康事業を担当する。町が推進する介護予防を目的とした「シルバーリハビリ体操」の普及や住民指導士の育成に尽力する。東京都出身。これまで都内で訪問リハビリなどに従事した。31歳。 -指導士が高齢者に体操を教え、自立を支援する実証実験が町で始まる。指導士に伝えたいことは。 「高齢者が想定外の動きをした際の対応など、実際に指導する中で学ぶことが多い。初対面で相手の身体状況が分からない不安もあると思うが、自信を持って指導し、動作の改善や回復が見られた際の喜びを味わってもらいたい」 -町の介護や生活実態をどう見るか。 「専門職が
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静岡人インタビュー「この人」 梅干し作りを通じ「伊太の梅」のPRに取り組む 大石富佐子さん(島田市)
梅の産地として知られる島田市伊太地区で、夫の昭さんと「島田八房」を中心とした梅の栽培、加工品製造を行う。2017年に「梅工房おおいし」を立ち上げ、梅干しに加えてジャム、シロップなど加工品の種類を増やしながら「伊太の梅」のPRに力を入れる。岐阜県出身。71歳。 -梅を栽培するきっかけは。 「もともと梅干しが大好きで、結婚を機に移り住んだ島田でも買い求めた梅を自宅で漬けたり、和歌山県の農家に出向いて漬け方を学んだりしていた。知人にいただいた島田八房のおいしさに驚き、伝統的な品種であることを知った。夫の定年退職に合わせ、約10年前から本格的に栽培を開始した」 -島田八房の特徴は。 「柔らか
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静岡人インタビュー「この人」 ロボットプログラミング技術を競う全国大会の実行委員会会長 塩見彰睦さん(浜松市東区)
28日に浜松アリーナ(浜松市東区)で開かれる「WRO(ワールド・ロボット・オリンピアード)ジャパン決勝大会in浜松」の実行委会長を務める。大会は地区予選を勝ち抜いた小中高生がロボットプログラミング技術などを競う。静岡大情報学部教授。57歳。山口県出身。 ―大会の見どころは。 「大会では2競技を行う。競技場で行う『ロボミッション』は、各チームが自律型ロボットでブロックを指定した場所に運び、正確性を競う。ロボットは参加者がプログラムを組んで制御する。当日に発表される課題もあり創意工夫が欠かせない。また、ロボットの企画や開発をプレゼンする部門もある。各チームの熱い戦いを見てほしい」 ―浜松が
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静岡人インタビュー「この人」 「あいぞめ珈琲店」の店長を務める 中野裕基さん(熱海市)
大規模土石流に見舞われた熱海市伊豆山の住民をはじめ、伊豆山を思う人々をつなげようと、4月に開店した「あいぞめ珈琲店」を切り盛りする。店を運営するボランティア団体「テンカラセン」の副代表も務める。大阪府守口市出身。33歳。 -熱海市とのつながりは。 「もともとは何のゆかりもなかった。2年前に旅行で訪れた際に、熱海のまちづくり会社『マチモリ』がスタッフを募集していることを知ったのがきっかけ。地域に貢献できる仕事に興味があったので、すぐに移住して働こうと思い立った」 -土石流発生後、どんな活動を続けてきたか。 「当初は伊豆山の土地勘や人脈が全くなかったが、ひたすら高齢者宅などを回って、食料
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静岡人インタビュー「この人」 県内が舞台の怪談作品集を著した作家 神薫さん(焼津市)
静岡県中部を中心にした29の怪談を収録した「静岡怪談」(竹書房)を出版した。2011年に怪談作品を初執筆し、13年には単著で初の作品集を出版している。今回の作品は単著で5冊目になる。眼科医師の傍らで、怪談ネタの収集にいそしむ。藤枝市出身。50歳。 ―怪談に興味を持ったきっかけは。 「1999年に眼科で働いている頃に手に取った怪談本を読んで面白いと感じ、本を書いている平山夢明氏のファンになった。関連本を買い集めて夢中で読んだ。10年後、平山氏にイベントで出会い『怪談を書いてみないか』と誘われて、平山氏編の怪談作品集に参加した」 ―怪談の取材はどのようにしているのか。 「コロナ禍で今はや
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静岡人インタビュー「この人」 一般社団法人「ボウサイ・エデュラボ」の代表理事に就任する 上田啓瑚さん(静岡市駿河区)
防災教育や災害ボランティアに積極的に取り組み、大学在学中は防災サークル「静岡大学学生防災ネットワーク」を仲間と創設。県内の高校生などを対象にした地域防災の担い手「防災ユースアンバサダー」プログラムにも力を入れる。現在は慶応大の大学院に通い、県内や首都圏で地域防災や学校防災の研究をする。三重県出身。23歳。 ―防災に興味を持ったきっかけは。 「防災活動に熱心な祖父母の影響。小学校の頃に地域の集いの場へ参加を勧められ、地域のつながりの大切さも学んだ」 ―防災で課題だと思う点は。 「地域の防災訓練などで同じ人しか参加していない現状と、防災教育の地域格差。日本に住む人は災害といつも隣り合わせ
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静岡人インタビュー「この人」 伊丹弥生さん 行政相談委員の活動で内閣総理大臣感謝状を受賞
住民の行政などへの意見や相談を聞き取ったり、市町に届けたりして解決促進を図る行政相談員。清水町の相談員として長年活動を続け、内閣総理大臣感謝状を受けた。1997年に委嘱され、2021年3月まで24年間務めた。83歳。 -受賞の感想を。 「思いがけなかった。人に頼られることは幸せ。活動は生活の一部になっていて、好きなことをしていたら賞をもらえた。人生の集大成の賞のように感じている」 -活動を始めるきっかけは。 「平井弥一郎町長(当時)に声をかけられたこと。幼い頃からはきはきした性格で、新しいことに挑むのが好きだった。当時は女性の相談員はおらず、どんな相談があるか分からず不安だったが、挑
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静岡人インタビュー「この人」 柳野和也さん 中日本高速道路から出向、国土交通省静岡国道事務所長に就任
中日本高速道路では東名、新東名高速道の保全や次世代技術を活用した高速道路のマネジメント事業などに携わった。6月から現職。裾野市出身。46歳。 -これまでの経歴は。 「2012年に開通した新東名の整備効果の検証や20年12月に完了した御殿場―浜松いなさ間の6車線化を担当した。スマートインターチェンジ(SIC)事業にも多く携わり、東名の日本平久能山SIC建設に向けた地区協議会の立ち上げに関わった」 -管内の道路の課題は。 「東名、新東名、国道1号、国道1号バイパスの4本があり東西の道路が発達しているが、渋滞のボトルネックはある。地域の経済、観光促進のために改善が必要。南北のネットワークも
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静岡人インタビュー「この人」 花井和徳さん 浜松市文化振興財団の代表理事に就任
浜松市役所に1979年に入り、市立双葉小校長や学校教育部長などを歴任した。2016年に県内で初めて行政職から市教育長となり、21年に退任。長年教育に携わった立場から、文化振興活動に取り組む。6月27日から現職。67歳。 -就任から1カ月余りが経過した。今の感想は。 「就任のあいさつでは、人に感動を与えるためには自分も感動できなければいけないと職員に話した。文化芸術は人が人らしく生きるために必要だ。10の施設を所管し、職員がとても熱心。新型コロナの感染対策もあって、イベント運営が大変な中よくやっている。特に若手の可能性に期待したい」 -浜松の文化的な魅力や課題をどう考えるか。 「市内三
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静岡人インタビュー「この人」 山口智史さん 下田ライフセービングクラブ理事長
日本ライフセービング協会の認定海水浴場に下田市の6カ所が認定された。牧之原市の2カ所と合わせ本県は全国最多の8カ所。自身も認定に尽力し、海の安全や環境保全にも引き続き励んでいる。元東京消防庁の消防士で、現在は下田市の地域おこし協力隊員としても活動。東京都世田谷区出身。39歳。 -認定の受け止めを。 「日本国内の認定基準は国際規格よりも厳しく、市も協力してくれたが、まさか6カ所も認定されるとは思わなかった。今までのさまざまな機関の活動が第三者から評価され、ビーチの付加価値が大きく高まった」 -下田の海の魅力とは。 「首都圏からこれだけ近く、水質が良いところは少ない。また、海水浴シーズン
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静岡人インタビュー「この人」 二俣雅人さん 警察庁から通信指令部門の広域技能指導官に指定された
専門的な技能や知識を持ち、全国の警察職員に助言、指導する広域技能指導官。1994年の制度開始以来、県警の警察官が指定されるのは3人目で、通信指令部門では初めて。2012年から通信指令室に勤務し、県警本部長が指定する技能指導官などを歴任してきた。卓越した初動指揮能力に加え、熱心な勤務姿勢も評価され、19年には全国優良警察官の警察庁長官賞を得ている。通信指令課の警部補。北海道出身。57歳。 ―指定された感想を。 「驚きやうれしさとともに責任を感じる。通信指令業務は110番など事案認知後、交番員やパトカーに迅速かつ簡潔明瞭に通報内容を伝え、一秒でも早く臨場してもらうことが重要。指定は先輩や上司
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静岡人インタビュー「この人」 菅谷昌司さん 外来種問題に関する絵本を出版した
昆虫研究家。県ホタル連絡協議会長として、ホタルが生息できる環境づくりに奔走する。文芸社から出版した2冊の絵本では、外来種のアカミミガメを主人公に、生物の存在意義を提起した。69歳。 ―本に込めた思いは。 「外来種が悪者扱いされていることに違和感を抱いていた。生態系に問題があることは十分に承知しているが、もともとは人の手によって持ち込まれた生き物。外来種を排斥して人の行為を正当化しようとする風潮に一石を投じたかった」 ―反響はあったか。 「読み聞かせグループや環境保全活動に熱心な企業から問い合わせがあった。メッセージ性の強さが響いたようだ。出版をきっかけに、化学薬品メーカーとの協業が実
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静岡人インタビュー「この人」 高橋康晴さん 10年間、桐陽高生と被災地との交流支える
沼津市の桐陽高副教頭。2011年の東日本大震災の翌年から被災地支援を始め、震災や福島第1原発事故で被災した福島県広野町と同校生徒との交流活動に取り組んできた。保健体育教諭。高校時代に全国高校ラグビー大会で準優勝した経験を持つ。東京都出身。58歳。 -被災地支援を始めたきっかけは。 「在校生の祖母が宮城県女川町で被災し、生徒会やラグビー部の有志が被災地でボランティア活動に参加したことがきっかけ。14年からは普通コースの1年生が毎年被災地を訪れ活動に取り組むようになった」 -広野町とのつながりは。 「当時ボランティア先として訪問していたいわき市の仮設住宅に暮らす人が広野町の住民だった。住民
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静岡人インタビュー「この人」 望月哲也さん 静岡県内初の東京五輪・パラ「ホストタウンリーダー」としてレガシー継承に尽力
2020年に政府から東京五輪・パラリンピックのホストタウンリーダーに選ばれ、オリパラ閉幕後も静岡市内の小中学校で多文化共生をテーマに出前授業に取り組む。市観光交流文化局長。同市清水区出身。58歳。 ―活動の内容や目的は。 「これまで『五輪は見るもの』という印象があったと思う。実際は選手が市内で合宿するなど、市民とつながりがある。身近なものと捉えてほしい。市は台湾、モーリシャス、フランス、スペインのホストタウン。コロナ禍で直接の交流はできなかったが、オンライン交流や相手国の魅力を学ぶ機会を設けてきた」 ―他のホストタウンリーダーにない強みは。 「幼少期からサッカーを続けていて、清水東高
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静岡人インタビュー「この人」 三上英さん 浜名高「大同窓会」で実行委員長を務める
静岡県内外にいる浜名高(浜松市浜北区)の卒業生が3年に1度、集まって旧交を温める催しの責任者。本来は昨年に開く予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期した。現在は県内の特別支援学校に勤務する傍ら、卒業生約30人でつくる実行委員会で定期的に話し合い、9月25日の開催に向けた準備を進める。1983年度卒の57歳。 ―実行委員長を務めるようになった経緯は。 「前回の実行委員長が、野球部の先輩ということで任された。コロナ禍で思うように準備が進まない中でも、2021年春からは実行委のメンバーで集まれるようになってきた。今回は出席者同士の間隔、食事の方法など新型コロナウイルスの感染防止策を十分に
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静岡人インタビュー「この人」 芹沢創さん 東京バレエ団アーティスト
3歳の時、姉の影響から沼津市の江川バレエアートスタジオでバレエを始める。15歳で東京バレエ学校に入学し、毎週日曜は同市から東京に通い、練習に励んだ。大学在学中の2018年4月に東京バレエ団に研究生として入団。その後正団員となり、階級「アーティスト」として活躍中。21年2月より同学校の「大人クラス」の指導も行う。同市出身。24歳。 ―バレエの楽しさは。 「舞台から客席を見る瞬間が何物にも代え難い。多くの会場は5階席まであり、公演が終わって会場を見回した時に、『バレエをやってきて良かった』と何度も思う。公演のために努力をしてきたのが報われた瞬間だと感じる」 ―普段の練習で意識する点は。
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静岡人インタビュー「この人」 竹内哲雄さん 県中体連理事長に就任した
清水四中や静岡服織中でバスケットボール、軟式野球を指導した。県中体連では事務局長を経て4月から現職。休日の部活動指導を地域や民間団体に委ねる「地域移行」への過渡期にあって、実務役として本県の実情に合わせた中学スポーツの環境構築に注力する。静岡市清水区出身。45歳。 -就任の所信を。 「部活に育てられたという思いが強く、事務方として恩返ししたい。部活を通じて生徒の成長する姿を見るのが教員の喜びで、学校指導にも生きる。地域移行は働き方改革の側面があるが、教員側がやりがいを保てるようにもしていきたい」 -県内部活動の現状は。 「少子化により各競技で部員は減少している。特に野球、サッカーは著
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静岡人インタビュー「この人」 山下孝道さん 浜松市動物園で昆虫館管理者を長年務める
浜松市役所を定年退職した15年前から、市動物園の昆虫館の管理者(館長)を務める。少年時代から独学で積み重ねてきた昆虫知識を生かし、昆虫学習会を開催し、子どもたちに自然と触れ合う喜びや正しい知識を伝えている。昆虫以外にも、野鳥や哺乳類の生態に関心を深め、遠州地方を中心に全国各地を飛び回る。4月には同園に飛来したコウノトリの撮影にも成功した。浜松市中区出身。75歳。 -昆虫の魅力は。 「底知れない奥深さがあり、フィールドに行くたびに新しい生命との出合いがある。身近な昆虫でも解明されていないことが多く、一生勉強しても追いつかないと感じることが一番の魅力」 -中でもチョウへの興味が強い理由は。
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静岡人インタビュー「この人」 栗原薫さん 静岡県交通指導員会連合会の会長に就任
三島市交通指導員会に1975年に入り、登下校時の交通安全活動や啓発イベントに参加してきた。連合会は県内33市町の交通指導員会で構成し、会長の任期は2年間。73歳。 ―県内の交通事故の状況をどう思うか。 「自転車事故が多発している。特に電動自転車は扱いを間違えると事故になる危険が高まる。実は、自転車のルールは難しい。降りれば歩行者になることも周知し、安全運転を徹底したい。高齢者関連事故も多い。お年寄りが横断歩道を渡らずに近道をするのが危険だ。自分の身を守ることを第一に考えてもらいたい」 ―県の連合会はどのような状況か。 「自分が入会したころは2千人の指導員がいたが、現在は1400人。年
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静岡人インタビュー「この人」 塩沢諭さん 音楽文化向上に尽力
本年度の県文化奨励賞を受けた県演奏家協会の会長。プロのクラリネット奏者として長年活躍するとともに、中学校などの吹奏楽部や市民吹奏楽団の指導者としても尽力し、多くの後進を育成している。72歳。 -県内のさまざまなジャンルの演奏家約150人が所属する大所帯。受賞の感想は。 「励みになる。協会を育ててくれた先輩、そして現在関わってくださっている全ての方々による受賞だ。私は代表して賞状を受け取ったにすぎない」 -自身にとって協会はどんな存在か。 「1966年に発足した時、私は高校2年だった。設立に向けて中心になって動いたのが、母校の高校で音楽を教えていた高橋松寿郎先生だった。招待券をいただき
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静岡人インタビュー「この人」 金田鈴音さん 浜松山里いきいき応援隊に就任
6月に浜松市中区から地元である天竜区佐久間町に“Uターン”した。既に活動している2人の先輩隊員とともに、地域の応援、発展のため動きだした。静岡文化芸術大文化政策学科4年。21歳。 -応募のきっかけは。 「高校卒業後、進学のため一度地元を離れたが、大学でも佐久間を含む中山間地域の維持や存続の在り方などについて学んでいた。研究を通じて改めて地域の魅力に気付き、就職活動を機に佐久間に戻って学びを生かした仕事をしたいと思うようになった」 -地域ならではの魅力とは。 「自然と文化の融合に価値があると感じている。周囲を山に囲まれた環境で、脈々と受け継がれてきた独特の文化や
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静岡人インタビュー「この人」 杉浦学さん 伊東市の地域おこし協力隊員
6月から協力隊員として、伊東市が力を入れ始めた移住定住の促進業務に関わる。元職は税関職員で、名古屋税関清水税関支署の静岡空港出張所で統括監視官などを務めた。サーフィンを愛好するほか、海岸に打ち上がるシーグラス(ビーチグラス)を使った作品を手掛ける作家としても活動している。愛知県豊田市出身。58歳。 ―経歴は。 「静岡空港に転勤となり、牧之原市に住んでいた。税関では薬物や金塊などの密輸取り締まりに従事した。2020年夏に早期退職した後、同市の海沿いにあるカフェでオーナーから経営を引き継いだが、人繰りの都合で1度店を閉めた。海の近くに住みながら社会貢献の仕事ができればと思い、伊東市の隊員に応
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静岡人インタビュー「この人」 風間昌美さん 骨髄ドナー登録の普及に尽力
2018年から静岡骨髄バンクを推進する会の会長を務める。骨髄バンク事業の普及、啓発活動を20年以上続けている。71歳。 -活動を始めたきっかけは。 「40年以上前においが血液の病気になり、骨髄移植に関心を持った。ドナー登録をして10年目に依頼があり提供したが、当時は周囲から『なぜそんな怖いことをしたのか』と言われた。ドナー登録や提供が普通のことにならなければいけないと、周知する必要性を感じた」 -県内のドナー登録状況は。 「5月末現在の登録者数は9176人。競泳の池江璃花子選手が白血病を公表した後は全国的に登録者数が増え、本県も9300人以上になったが、その後は再び減少した。人口千人
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静岡人インタビュー「この人」 石川大輔さん 浜松産グレープフルーツのジュースを開発した団体の代表
浜松市の会社員ら有志でつくる団体「どいーにはままつ」を立ち上げ、同市北区にある障害者就労施設「KuRuMiX(クルミックス)」などと連携して希少な同市産グレープフルーツを使ったジュースの販売をスタートした。静岡市葵区出身。40歳。 ―ジュースを開発したきっかけは。 「プライベートで関係があった縁で、クルミックスが製造する果物ジュースの販売をボランティアで手伝っていた。利用者が働いている姿を見て少しでも工賃アップに貢献できればと思い、開発を思い立った。浜松はグレープフルーツ生産量が日本一。ミカンと収穫期がずれるため、活用できると直感した」 ―開発で苦労した点は。 「団体メンバーに商品開
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静岡人インタビュー「この人」 及川涼介さん 27歳で裾野市副市長に就任
東京大を卒業し、総務省に入省。マイナンバー制度に関する法令整備などを担当した。その後、自治体向けのクラウド型サービスを提供するベンチャー企業に転職。会社員生活を経て、今年4月1日に就任した。横浜市出身。 ―就任のいきさつは。 「勉強会などを通して知り合った村田悠市長から声を掛けていただき、市長の掲げる『市民は顧客』との姿勢に強く共感した。在籍企業で新しい分野の仕事に挑戦したいという気持ちもあったが、より良い課題解決のため、自治体の現場に飛び込もうと決意した」 ―就任前の裾野市の印象と、実際に生活してみた感想は。 「子供のころから静岡県東部や山梨県をたびたび訪れ、裾野市にも観光やレジャ
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静岡人インタビュー「この人」 久保田翠さん 静岡県文化奨励賞を受賞したアートプロデューサー
浜松市中心部で運営する福祉施設を拠点に2016年から、障害の有無にかかわらず自己表現を文化創造の軸とした「表現未満、」プロジェクトを推進する。17年度芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。認定NPO法人クリエイティブサポートレッツ理事長。静岡市出身。59歳。 ―受賞の感想は。 「福祉施設の受賞で、アートが介在する福祉の一つのモデルとして認められた。美術館や展示スペースの設置、芸術家支援だけがアートではない。福祉施設から、社会の規範を揺らし、新しい価値観を導き出す文化の力が波及していったらいい」 ―活動の原点は。 「重度知的障害のある長男を育てる中、どこにも預かってもらえない苦しみから『自
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静岡人インタビュー「この人」 御園崇さん 県立三ケ日青年の家の所長として野外活動の指揮を執る
2010年にボート転覆事故が発生した県立三ケ日青年の家(浜松市北区)の所長に4月、就任した。県立森林公園森の家(同市浜北区)から14年に青年の家に移り、副所長を8年務めた。静岡市駿河区出身。46歳。 -野外活動を安全に行うために重要なことは。 「視野を広く持ち、いざという時には声を上げ、行動することが大切。マスクでの熱中症対策など、安全対策は変化している。所員はもちろん、学校の安全意識のレベルを高めていくことが鍵になる。過去に事故が起きた施設だからこそ、安全の見本にならなくてはいけない」 -学校側の意識を向上させる方策は。 「海洋活動の事前研修を実施している。先生が体験していない活動
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静岡人インタビュー「この人」 山田武司さん 出演者が70歳以上の高齢者演劇を開催
静岡県東部の70歳以上の高齢者でつくる演劇集団「まだ2(まだまだ)チャレンジャー」の座長を務める。2018年に解散した「チャレンジャー」で一緒に活動した元団員たちに声を掛けて再結集した。6月中旬に富士市の富士川ふれあいホールで初公演を成功させた。78歳。 -演劇を始めたきっかけは。 「64歳まで演劇とは無縁だった。08年にチャレンジャーの結成を知人から聞き、新しいことに挑戦してみようと参加した。昔から人とお話することが好きで、舞台の上から観客を楽しませたいと思った」 -なぜ再結集したのか。 「10周年の節目にチャレンジャーを解散することを座長から告げられ、突然のことで心残りがあった。
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静岡人インタビュー「この人」 佐藤希さん 第25代高校生平和大使に選ばれた
国内外で核兵器廃絶や世界平和の実現を訴える活動の旗振り役を担う。27人の高校生が参加した県内選考会を突破し、高校生平和大使に任命された。県内では11代目。韮山高(伊豆の国市)の理数科1年生。15歳。 -応募のきっかけは。 「曽祖父母が1945年に広島市に近い島から原爆の黒雲を見た、という話を聞いたり、実際に広島を訪れたりして核の恐ろしさを学んだ。ロシアのウクライナ侵攻などを背景に世界中で平和や核の議論が活発化している今、未来を担う一人として声を上げなくてはと思った」 -同世代に活動の輪を広げる取り組みは。 「平和について自分の意見をしっかりと確立している同世代は少ないと思う。交流サイ
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静岡人インタビュー「この人」 松下真実子さん 子どもの睡眠改善に取り組む養護教諭
御前崎市立第一小勤務。市内7小中学校の養護教諭でつくる市養護教諭研修会のメンバーで、2019年度から児童や生徒の睡眠の改善に取り組む。保護者や地域住民が参加する協議会での発表など中心的な役割を担う。42歳。 ―きっかけは。 「最近はスマホやゲームなど夜更かしの誘惑がとても多く、子どもの昼夜逆転が気になっている養護教諭もいた。このままではどんどん悪化するのではないかという危機感があった」 ―まず何をしたか。 「20年2月に小中学生計約850人を対象にアンケートを行った。その結果、小学生に必要とされる睡眠の9~10時間、中学生に必要とされる8~9時間にどの学年も達していなかった。『こんな
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静岡人インタビュー「この人」 坪内ゆみさん 絵本を通じた交流促進に取り組む
伊豆市内でギャラリーや交流スペース、古民家を改修した施設を運営する一般社団法人修善寺Cotori(ことり)の代表。元小中学校の教員で、早期退職して活動を始めた。教員時代は東京都御蔵島での勤務経験もある。絵本を通じて人々に癒やしを与え、交流を促すことを目的に活動する。東京都出身。60歳。 -施設開設の経緯は。 「大好きな絵本に囲まれたリフレッシュできる場が欲しいと思い、3年前にギャラリーと交流スペースを開設した。伊豆は豊かな自然は多いが、ギャラリーや交流施設は少ないので、自分でやろうと考えた」 -施設の活用方法は。 「ギャラリーでは絵本原画展や地元の高校生による写真展などを定期的に開催
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静岡人インタビュー「この人」 合志明倫さん 三保半島に新コンセプトの商業施設をオープンする
8月上旬に静岡市清水区三保の内浜海岸に新コンセプトの商業施設をオープンさせる。「三保の水族館」として親しまれた東海大海洋科学博物館などが来春の有料入館終了を発表する中、観光資源としての三保半島の魅力を信じ、発信し続ける。サーフショップも運営。48歳。 ―工事の進み具合は。 「建物は8割出来上がった。外構が整えばもっと雰囲気が出てくる。ハワイで夕日に照らされた雨が赤や黄色に輝く様子を『ウラレナ』と呼ぶことにちなみ、施設の名前にした。内浜から見る夕日はとても美しく、施設を通じて素晴らしさを発信していきたい。工事はわが子を見る思いだ」 ―なぜオープンを。 「約30年間ここに住み、魅力を分か
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静岡人インタビュー「この人」 山下真輝さん 静岡県高校囲碁選手権大会個人の部で連覇
8月に日本棋院東京本院(東京都)で行われる全国高校選手権大会、全国高校総合文化祭囲碁部門に出場する。父は平成四天王と呼ばれる囲碁棋士の山下敬吾九段。母の聖子さんは囲碁インストラクター。浜松湖南高3年の囲碁・将棋部所属。18歳。 ―連覇を果たした時の心境は。 「安心した。決勝の相手は初めて対局する1年生だった。棋風が分からない怖さがあり、序盤に意表を突かれてリードされた。苦しい展開が続いたが、焦らずに冷静に対応することができ、中終盤で逆転することができた。二つの全国大会では、厚さに重点を置いた自分の棋風に合わせた打ち方でベスト4を目指したい」 ―囲碁を始めたのは。 「両親の影響で、3歳
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静岡人インタビュー「この人」 矢岸洋二さん ヘリの遊覧飛行事業を開始
西伊豆町で地域創生に取り組む「西伊豆プロジェクト」の社長。遊覧飛行は町やヘリコプターのチャーターサービスを行う都内の企業と連携し、4月に開始した。町内発着で伊豆半島西海岸を巡る複数のコースを設け、地域住民や観光客に空の旅を提供する。同町出身。55歳。 -遊覧飛行事業の狙いは。 「誘客促進に加え、地元の人々に体験してもらい、空から生活圏を見る非日常や感動を味わってほしい。2025年の大阪・関西万博では人を乗せて移動する『空飛ぶクルマ』の実用化が検討されている。こうした技術革新に備え、体験者がエアモビリティについて知り、考えるきっかけにもなればと思う」 -今後の展開は。 「伊豆半島西海岸
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静岡人インタビュー「この人」 大沢篤さん 県教委に新設された教育DX推進課の課長
1993年採用。行政経営課や経済産業部先端農業推進室長を経て、4月から現職。県教委事務局や学校現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を担う。52歳。 ―課の役割は。 「県立学校の通信環境や端末整備を担う校務基盤班と、学びや校務へのICT(情報通信技術)活用を検討するDX企画班からなる11人体制の課。本年度は9月ごろをめどに県立学校向けの相談窓口となるヘルプデスクの開設を予定している」 ―本年度から構築を目指す学習管理システムとは。 「子どもたちの学習履歴を集約し、学びの向上に活用するシステム。各校では個別に成績処理システムや学習支援ソフトを用い、紙のものを含むデータが散在して
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静岡人インタビュー「この人」 児童文学作家 小川雅子さん
ポプラ社の「ポプラズッコケ文学新人賞」で2019年に大賞を獲得。20年に受賞作「ライラックのワンピース」が出版された。現在も大日本報徳社の職員として月刊誌の編集をしながら、休日や早朝に執筆。地元文芸グループ「ほんわかブッククラブ」に所属し、読書会にも参加する。掛川市出身。56歳。 -デビューを振り返って。 「裁縫好きな少年がハーブ園で出会った少女にワンピースの直しを頼まれ、成長する物語。掛川市原里の田園風景を想像しながら書いた。出版まで何度も書き直したのは大変だったがそれ以上の喜びがあった。出版には編集、校閲など大勢の人が関わっていることを知った」 -出版後の反響は。 「静岡県優良推
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静岡人インタビュー「この人」 豊田想さん 日本スポールブール連盟の会長を務める
フランス発祥で世界最古の球技「スポールブール」の普及や大会運営に当たる。日本代表選手兼監督でもあり、世界選手権に9回出場。2019年には世界6位になった。妻の実家のある御殿場市に移住後、同市で体験会やクラブチーム対抗戦を行う。さいたま市出身の43歳。 -どんな競技か。 「ソフトボールくらいの金属のボールをピンポン球ほどの目標球に目掛けて投げたり転がしたりする。目標球との近さを競う種目など6種目がある。世界の競技人口は100万人とされ、世界選手権には30カ国の選手が集う。南米や欧州で盛ん。日本国内の競技人口は50人程度で、毎月個人戦を行っている」 -競技との出会いは。 「高校まで陸上と
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静岡人インタビュー「この人」 鈴木康広さん(東京都) 県文化奨励賞に選ばれた現代美術家
ありふれた日常に新しい切り口を与え、世界の捉え方を問い直す作品をつくり続ける。2021年に静岡市美術館の入り口ホールで開いた個展では、10年の同館開館時の展示作品「まばたきの葉」を同じ場所に“再生”。時空を超えた参加型アートとして話題を呼んだ。武蔵野美大教授。浜松南高出。43歳。 -受賞の感想を。 「たいへん光栄。活動機会をいただいたこと、それを文化・芸術として認めてもらえたことがうれしい。僕は生活の中で『大切だ』と思ったことを、研究機関や展覧会を企画する方々と具現化してきた。街の空間に新しい場所を見つけるのが自分の活動だと再認識できた」 -「楽しさ」を深く、広
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静岡人インタビュー「この人」 坂口武利さん フタバアオイの保護活動が10年目を迎えた
京都市の伝統行事「葵祭」で使用するフタバアオイの激減を受けて、同市北区の上賀茂神社が始めた保護活動「葵プロジェクト」に共感し、2013年に浜松市周辺でフタバアオイを栽培する「葵の会浜松」を立ち上げた。20年に「葵の会遠州プロジェクト」と改称し、事務局長を務める。73歳。 -活動内容は。 「上賀茂神社から購入したフタバアオイの苗を浜松市周辺で栽培し、神社周辺の『葵の森』と呼ばれる自生地に戻す。ここ数年は数百株を毎年神社に送っている。葵祭では行列の御所車や参加者の衣装の飾りに約1万株が必要だが、自生地は開発による自然環境の変化や動物の食害で減少している」 -活動の広がりは。 「この約10
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静岡人インタビュー「この人」 俳優・遠藤健慎さん(清水町出身) 映画「恋い焦れ歌え」出演
清水町のシネプラザサントムーンで23日まで公開中の映画で、準主演のKAI役を熱演し、上演初日に同館での舞台あいさつに臨んだ。デビューは2009年。21年の大河ドラマ「青天を衝け」では渋沢栄一の息子の秀雄役を演じた。21歳。 -今作の役柄は。 「性暴力被害に遭いトラウマ(心的外傷)を抱える主演の稲葉友さん演じる小学校臨時教員・仁の前に現れ、加害者を名乗って追い詰めるラッパーを演じた。ヒップホップが元々好きで、ラップの経験があったことは大きい。モデルがない役柄に自分の色をどう入れるかを探り、稲葉君とカメラの前で芝居をすることで固められた」 -撮影の様子は。 「固定カメラで必要な画を撮るの
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静岡人インタビュー「この人」 秋元伸哉さん 川根本町の副町長に就任
元静岡県職員で、経営管理部行政経営課やデジタル戦略課に所属した。1月から現職。前職の経験を生かし、現在は日々の業務や住民サービスのデジタル化に力を注ぐ。小学生2人の父親。町内に母の実家がある。藤枝市出身。44歳。 ―前職の業務は。 「行政経営課で庁内の働き方改革を推進した。デジタル戦略課では、主に県民サービスや内部事務のデジタル化へ、庁内各課との調整や実証実験の実施、職員の意識改革などに取り組んできた」 ―前職の経験を町づくりにどう生かすか。 「住民サービス向上のために行政のデジタル化に積極的に取り組みたい。役場の仕事は住民との距離が近く、住民の顔が見える業務だと感じる。これまでの事
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静岡人インタビュー「この人」 沢木勝さん(掛川市)県温室メロン品評会で最高賞を獲得
17日に開催された「第70回県温室メロン品評会」(県温室農協主催)で、クラウンメロン、磐田、静南の3支所に所属する組合員約360人の中から最高賞優等の農林水産大臣賞に選ばれた。最高賞の受賞は22年ぶり2度目という。自宅にガラス温室12棟を構え、家族4人でメロン農家を営む。クラウンメロン支所副支所長。63歳。 -受賞の感想は。 「甲乙付けがたいメロンがそろっていて、まさか優等を取れると思っていなかったので驚いた。市場の人たちに評価されたのは光栄なこと。5月の春作品評会でも優等だったので、続けて受賞できたこともうれしい。現在は息子が中心になって栽培を行っているので、彼にとっても励みになったと
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静岡人インタビュー「この人」 中藤清さん 県の研究大会を控える沼津市PTA連絡協議会会長
会長として2期目を迎えた。最大の事業は11月に地元で開かれる県PTA研究大会沼津大会。成功に向け、準備を加速させる。これまで香貫小や第三中といった沼津市内の小中学校のPTA役員を歴任。子ども会育成連絡協議会副会長も務め、子供たちの健全育成に励む。30歳での結婚を機に同市に移住。趣味はスポーツ観戦。岡山県倉敷市出身。55歳。 ―PTAのやりがいは。 「子どもたちの成長に貢献できること。個々ではできないことでも、保護者同士でつながって、何かできることに魅力を感じる。多くの保護者と一緒に見守ってきて、自分の子ども以外にも手助けできることにやりがいを感じている」 ―児童や生徒への思いは。 「
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静岡人インタビュー「この人」 川村良元さん 地域の飲食店を支援するイベントを開催した
今春、新型コロナウイルス感染拡大の影響で苦境に立つ飲食店や発表の場を失った音楽グループを支援する「大鋸町さくら祭り」を静岡市葵区で開いた。クラウドファンディング(CF)で資金を募り、目標金額の2倍超となる約220万円を集めた。2019年11月から同町の西福寺住職。43歳。 ―開催に至った経緯は。 「住職就任を披露する『晋山(しんざん)式』がコロナ禍で白紙になり落ち込んだが、周囲にはもっとつらい思いをしている人たちがいた。飲食店は特に厳しい状況で、地域の皆さんに何かをしてもらうのではなく、自分から何かできないかと考え、CFで広く協力を呼び掛けることにした。多くの人たちから応援をいただき、本
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静岡人インタビュー「この人」 長坂善人さん(浜松市北区)浜松市中心街のビル屋上で養蜂に取り組む
浜松市北区の蜂蜜専門店「長坂養蜂場」の3代目社長。ビル屋上での養蜂は3年目を迎えた。2021年にはビル近くに2号店「はちみつスイーツアトリエ」を出店。周辺店と連携を進め、中心街活性化に向けた取り組みにも力を入れる。44歳。 ―なぜ中心街で養蜂を始めたのか。 「企業を対象にした市主催の『リノベーションスクール@浜松』に参加したのが縁。当初は約5万匹のセイヨウミツバチが入った巣箱を2箱設置し、現在は5箱に増やしている。採れた蜂蜜は『はままつ街みつ』として2号店で販売し、売り上げは全て中心街活性化イベントの経費に充てている」 ―これまでの成果は。 「本店近くでは1箱で1シーズン約50キロの
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静岡人インタビュー「この人」 木村仁さん 松崎町副町長に就任し職員PTの発足に尽力した
小規模自治体ならではの取り組みとして、管理職や係長以外の全職員が所属するプロジェクトチーム(PT)の立ち上げを提案した。部署横断で普及が遅れるDXの推進など過疎地域特有の課題解決に取り組む環境を整え、人材育成を後押しする。1994年に県職員となり、市町村の行財政運営なども見てきた。4月から現職。菊川町(現菊川市)出身。51歳。 -PTについて。 「SDGsやDXなど新しい時代への変化が進む。職員が少ない町の現状を踏まえると、対応するにはタイムマネジメントを意識した職員の主体的な取り組みが必要だ。有志のPTも検討したが、一人一人に地域への関心を高めてもらうため、全職員を対象とした。自ら課題
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静岡人インタビュー「この人」 杉山忍さん(焼津市)県高校文化連盟会長に就任
4月の理事会で選出された。分校を含めた172校の文化部員約3万7千人の活動を支える。社会科教員で、飛鳥、奈良時代が専門。2021年から静岡中央高校長。58歳。 ―就任の感想を。 「日本史が専門のため、美術品や工芸品などを直接見ることを心がけている。そのたびに、歴史の中で生まれた文化の尊さを実感する。次代を担う高校生と文化振興に取り組めることをありがたく思う」 ―高校文化部の現状は。 「県教委にいた7年前から、全国高校総合文化祭などで本県の生徒の活躍を見てきた。美術や書道、写真などどの分野も見応えがあるが、新聞は社会情勢に対する高校生ならではの視点が反映されていて、レベルが高い。自然科
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静岡人インタビュー「この人」 山田優衣さん(磐田市)サッカー女子なでしこリーグ通算100試合出場を達成した
サッカー女子なでしこリーグ2部静岡SSUボニータの不動のDF。今春に職業紹介会社「週休3日」(浜松市中区)に入社し、営業社員とサッカー選手の両立とともに、新しい労働環境の提供を模索する。鹿児島市出身。25歳。 ―転職のきっかけは。 「昨年まで他の会社で事務職をこなしながらチームで活動していたが、もう少し余裕を持った生活をして、静岡産大時代から負担をかけてきた親に恩返ししたいと思い、昨季限りで現役を引退しようと思っていた。前職は退職したが、サッカーは親や昨年までの監督(元日本女子代表の本田美登里さん)が引き留めてくれ、考えが変わった」 ―仕事の内容は。 「企業の週休3日制導入へのお手伝
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静岡人インタビュー「この人」 佐野翔平さん パリ出展が決まった「伝統屋暁」代表
日本の伝統文化や技術の継承を目指し、伝統技術を用いたアクセサリーや日用雑貨の企画・販売を手掛ける「伝統屋暁」。7月にパリで開かれる日本文化の総合博覧会「ジャパンエキスポ」への出展が決まった。渡航費などを募ったクラウドファンディング(CF)は目標金額を初日に達成。火縄銃射撃競技の国内大会で優勝経験も。31歳。 -活動に懸ける思いは。 「伝統技術を日本のアイデンティティーとして継承したい。時代とともに技術が本来の用途では使われなくなったとしても『歴史』や『文化』の大きなくくりで見ると存在意義はある。技術からこそ育まれる日本人としての感性や価値観がある。技術を新しい形で消費し職人さんたちにお金
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静岡人インタビュー「この人」 福井誠二さん(牧之原市)木のあそびもの作家として活動する
小刀と彫刻刀を使って木を削り、オリジナルのおもちゃを手掛ける。11年前に牧之原市に移住して以降、市内に工房「フクムク」を構え、木遊びや木削りのワークショップを開催するほか「木のあそびもの作家」として県内外の保育園などに出向き、自作のおもちゃを活用したイベントや教室を開催する。浜松市南区出身。53歳。 ―活動の原点は。 「大工だった祖父や鉄工所を営んでいた父の影響で、幼少期から木を削ったり何かを作ったりして遊ぶことが好き。当時感じていたわくわくした気持ちを片時も忘れることはなかった。大人になり、たくさんの経験をしてきたが、あの時以上におもしろいと感じた瞬間はないと思い、現在の活動を始めた」
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静岡人インタビュー「この人」 戸塚昌宏さん 「御鎮座950年祭」を実施した浜松・高塚熊野神社宮司
代々社家の出身で2002年から現職。神社の創建は平安時代後期の11世紀と伝わる。約4年前に歴史の一端を伝える史料が“発見”されたことを機に、初の御鎮座祭として5月末に奉祝大祭などを行った。58歳。 ―御鎮座祭に至った経緯は。 「延久年間(1069~1074)に紀州の熊野本宮の神主が全国行脚中に足を留め、祭祀(さいし)したのが始まりとされる。ただこれは口頭伝承で、明確に掲げることができなかった。2018年に浜松市立中央図書館に昭和16年の旧可美村役場保存の神社関係文書が保管されていると分かった。鎌倉期以前からこの地にあり、源頼朝が参詣した―旨の記述があり、こうしたこ
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⚽J1清水 新監督にリカルド氏 Jリーグでの指揮は初
サッカーJリーグ1部(J1)清水エスパルスの新監督に、ブラジル2部のバスコ・ダ・ガマを率いていたブラジル人のリカルド氏(51)が就任することが6日までに関係者への取材で分かった。清水は成績不振により、5月30日に平岡宏章前監督との契約を解除し、ヘッドコーチだった篠田善之氏が暫定的に指揮を執っている。 リカルド氏はこれまで主にブラジルリーグで指揮を執り、1部のフラメンゴやボタフォゴなどの名門でも監督経験がある。Jリーグでの指揮は初めてとなる。 関係者によると、外国人を中心に後任監督の人選を進める中で、日本への関心を持つリカルド氏に白羽の矢を立てた。近く来日し、チームに合流する見込み。 清
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静岡人インタビュー「この人」 白砂幸子さん 親子療育塾「風」を開所
知的障害のある息子を育ててきた34年間の経験を生かし、県内の障害児と親を支援する療育塾を開業した。日常生活に必要な動作や知識を子どもに教えるほか、親に対しても効果的なしつけ方などを助言する。63歳。 -きっかけは。 「入園させる幼稚園が決まらなかったり社会から孤立する不安を感じたりと苦労は多かった。特別支援学級の支援員などとしても働いたので、自身の経験を生かし、後輩ママ、パパを助けたいと思った。学校だけではフォローできない家庭内でのしつけ方や悩みごとの解決にも力になりたいと考えた」 -どのような塾か。 「療育手帳を所有する子どもを対象に、手洗いや着替え、時計の読み取りなど生活に必要な
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静岡人インタビュー「この人」 山田裕嗣さん(静岡市清水区)県立大同窓会連合会長に就任した
昨年11月に発足した県立大同窓会連合会の会長に就任した。愛知県出身。大学卒業後、静岡市内の企業に勤め、同市内で起業した。55歳。 ―連合会組織とは。 「もともと各学部や、静岡女子短期大などの前身組織ごとに七つの同窓会があった。2017年の開学30周年を契機にこうした会のハブ組織をつくろうと立ち上げた。全体で3万人規模になり、相互交流や、大学の地域連携をサポートする」 ―自身もOB。 「1987年4月に開学した国際関係学部の1期生だ。入学式は20日と遅かったのも懐かしい。当時の学長から『国際化、情報化、健康長寿の各テーマに合った学部を展開している』『いずれ地方と海外とのやりとりが当たり
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静岡人インタビュー「この人」 よこただいすけさん(磐田市) 芸術の魅力を伝える絵本作家
新型コロナウイルス禍に伴うリモートワーク普及の流れを生かし、2020年に都内から磐田市に移住した。これまでに絵本2作品を発売。ベネッセコーポレーションのキャラクター「しまじろう」のイラストも手掛ける。5月下旬、市内で開かれた段ボールアートのワークショップで講師を務めた。本名は横田大助。東京都出身。49歳。 -なぜ絵本作家になったか。 「母親の影響を受けて美大を卒業し、アメリカ留学を経てグラフィックデザイナーになった。しかし、依頼者の要望に沿って制作する仕事より、自分の思いを自由に表現できる絵本作家を志した。今はイラストレーターの仕事が多いが、作家活動をさらに積極的に行いたい」 -移住し
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静岡人インタビュー「この人」 高上賢治さん(下田市)法テラス下田の新任弁護士
理系の大学院を卒業後に民間企業に就職し、その後一念発起して2017年に司法試験に合格。香川県丸亀市の法律事務所と法テラス佐賀を経て4月に着任した。下田では可児望所長との2人体制で、公的法律相談窓口として賀茂地域の住民を支援する。岡山県総社市生まれ。45歳。 -伊豆を訪れたのは初めてとか。 「旅行が趣味だが、伊豆は訪れたことがなかった。着任早々、下田市の尾ケ崎ウイングから望んだ一面の真っ青な海と水平線に息をのんだ」 -弁護士を志したきっかけは。 「大学院では理系分野を学んだが、卒業後は研究分野ではなく人と関われる仕事がしたいと医療法人に就職した。高齢者施設で勤務時、高齢者の詐欺被害や遺
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静岡人インタビュー「この人」 石光(せき・ひかり)さん シングルマザーを支える事業を展開
ひとり親家庭の生活向上を目指すヴァリオス合同会社(静岡市駿河区)を3年前に起業した。スタッフはシングルマザーを中心に雇用。母親が在宅で副業をできる仕組みづくりや、社員が子連れでも安心して働ける環境整備に取り組む。3児を子育て中。38歳。 ―どのような事業に取り組んでいるか。 「シングルマザーによる仕事代行『mamayoro(ままよろ)』が事業の柱。事務や秘書業務、SNSの投稿などを企業や個人事業主に代わって女性が行う。仕事を請け負う女性は独自の教育カリキュラムで学び、弊社の仕事を受けてもらった後、クライアントの業務を代行する」 ―事業の狙いは。 「人手不足に悩む企業と、コロナ禍で困窮
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静岡人インタビュー「この人」 斎藤哲男さん 湖西高野球部監督
静岡県内外から複数の野球強豪校を招待し、地元の湖西、新居高と対戦する「湖西ベースボールフェスタ」を2016年から開催している。故郷の群馬県の高校ではコーチとして甲子園に出場、監督として県4強。湖西高ではドラフト候補に挙がった投手を軸に18年に県16強。家庭では2男2女を育てる。社会科担当の教諭。50歳。 -10年前に湖西高に赴任して以降の野球部の状況は。 「当初は部員が足りず、他の部活から選手を借りることもあった。強豪校、私立校ではなく難しかったが、選手を集め、監督就任4年目で9年ぶりに夏の初戦を突破した。その後部員は最大60人に。野球部が活躍すると、地域も盛り上がる」 -指導で大事に
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静岡人インタビュー「この人」 吉沢勇一郎さん 沼津市副市長に就任
国土交通省出身で、市の重要課題であるJR沼津駅周辺高架化に伴う中心市街地活性化などを担当する。2001年、同省入省。近畿地方整備局都市整備課長、国土政策局地方振興課企画専門官など、主にまちづくり分野に携わった。4月1日から現職。静岡市葵区出身。43歳。 ―鉄道高架化の前提となる貨物ターミナルが着工した。事業や中心市街地活性化への考えは。 「沼津市の中心市街地は、首都圏からのアクセスも良く、潜在力は高い。一方、鉄道で南北が分断され、駅周辺道路は通過交通が多いのが現状。高架化によって、歩行者を中心に回遊性を高めることで、活性化につなげたい。大規模な事業だが、関係者との調整を進めて一歩一歩前に
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静岡人インタビュー「この人」 関根仁さん(藤枝市)焼津でツナのおいしさを追求する
焼津市に2020年4月、ツナ製造兼販売所「TUNALABO(ツナラボ)」をオープンした。素材を厳選し、高価格帯にブランディングした商品「おつな」が贈答用などで人気を集める。都内の小料理屋元店主。かつお節を使っただし専門店の構想など、漁業のまちの特色を生かした地域振興策を思い描く。福島県玉川村出身。45歳。 ―「おつな」の特徴は。 「県内で水揚げされたビンチョウマグロのうち身質が良いものを使用している。駿河湾の海洋深層水のスープで煮ることで全体的に優しい味付けにしている。味の種類は『ポルチーニ』『えごまみそ』『島とうがらし』など13種。香料や化学調味料を使わず、素材の味を引き出すことを心掛
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静岡人インタビュー「この人」 臼井一絵さん(浜松市中区)50年目を迎えるパッチワーク教室「コットンギャラリー・一絵」の代表
1973年にパッチワーク教室「コットンギャラリー・一絵」を開き、今年6月から50年目に入る。200人近くの生徒が在籍し、習熟度別にパッチワークとキルトの裁縫技術を教えている。ろう者の生徒も受け入れ、手話を駆使してパッチワークの魅力を伝える。77歳。 -パッチワークとの出合いは。 「18歳のとき。まだ日本でパッチワークが広まっていなかった頃、旅行で訪れたオーストラリアで初めて目にした。元々、洋服などを作っていて『裁ちくず』をどうにかできないかと思っていた。布をつなぎ合わせる発想とデザイン性に一目ぼれした。日本に帰ってから、大学の仲間たちと英語の本を必死に読んで独学で学んだ」 -パッチワー
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静岡人インタビュー「この人」 前田嘉男さん(沼津市)設立20年を迎えたぬまづ観光ボランティアガイド会長
ぬまづ観光ボランティアガイドに所属し8年目、トップに就任し3年目を迎える。約50年前に転勤をきっかけに沼津市に移住。香貫山の展望台から素晴らしい景観を見続けて、さらに沼津の街が好きになった。「一度来たら心のふるさとになる街」と話す。子どもたちに沼津の歴史や文化を伝えることもやりがいの一つ。趣味は早寝早起きと般若心経の写経。愛知県江南市出身。沼津市杉崎町在住。75歳。 ―沼津市の良いところは。 「風光明媚(めいび)で、気候温暖、海産物も豊富なところ。海や山が近く、県外から沼津市内の山の登山に来る人もいて、初めての人でも住みやすい」 ―沼津市のお薦めスポットは。 「香貫山の展望台からの景
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静岡人インタビュー「この人」 松井茉未さん(浜松市浜北区)劇団「限界集落」を主宰する
過疎化する古里に活力を与えたいと、浜松市天竜区春野町の住民有志でつくる劇団「限界集落」を立ち上げた。3月の初公演は、町内外から約200人が詰めかけ盛況を博した。オリジナルのミュージカル制作を目指し活動を続ける。33歳。 -立ち上げの経緯は。 「人口が減り続け疲弊する春野を、舞台の力で元気にしたいという思いで立ち上げた。一見ネガティブに聞こえる劇団名だが、この窮境をバネに飛躍しようというメッセージを込めた。団員は小学生から70代まで、年代も職業も異なる熱意ある町民が集っている」 -古里への思いについて。 「自然と人の温かさが素晴らしいまち。春野出身の宝塚歌劇団の演出家・白井鉄造先生の縁
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静岡人インタビュー「この人」 酒井勝武さん(沼津市) 沼津で健康麻将協会を設立し、初の交流大会を開いた
沼津市内の7団体を統合して2020年に発足した沼津健康麻将(マージャン)協会の会長を務める。コロナ禍で見合わせていた協会主催の交流大会を今年初めて開催した。「(お金を)賭けない、(お酒を)飲まない、(たばこを)吸わない」を合言葉に、ルールの普及と競技人口の裾野拡大に努める。80歳。 -健康マージャンの普及を始めたきっかけは。 「定年退職後、しずおか健康長寿財団の特派員に応募して高齢者の地域活動を取材・発信したり、『ぬまづ観光ボランティアガイド』のメンバーとして地元の魅力を伝えたりする中で、地域と関わる大切さを実感するようになった。民生委員の活動では高齢者の居場所や仲間づくりの必要性を一層
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静岡人インタビュー「この人」 大石修さん(静岡市葵区) 20周年を迎える静岡市PTA連絡協議会会長
2013年度から静岡市立西奈南小PTAに参加。21年度から静岡市PTA連絡協議会会長を務め、2期目を迎えた。趣味はサッカー観戦。おいしいお酒とさかなでリラックスする時間が楽しみ。同市葵区出身。48歳。 ―PTA活動を始めたきっかけとやりがいは。 「PTAの役員就任を依頼され、妻に相談したところ、『母校でしょ、恩返ししたら』と言われたことがきっかけ。年齢、性別、学歴関係なく、“子どものため”に集まって何かを成し遂げることに尽きる。同じ地域に住む大人の異業種交流で、難しくもあり、楽しくもある時間にやりがいを感じる」 ―コロナ禍での児童や生徒への思いは。 「子どもた
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静岡人インタビュー「この人」 太田喜久子さん「富用品市ピタゴラス浜北」をオープン
英語講師などの仕事をしながら、住民が不要になった品を持ち寄ったり持ち帰ったりできる施設の運営を、自宅の敷地で4月に始めた。浜松市中区にある同様の施設や、長年暮らした英国で普及している「チャリティーショップ」にヒントを得た。利用料は100円から。持続可能な開発目標(SDGs)の「つくる責任、つかう責任」への理解を地域に根付かせようと励んでいる。58歳。 ―ピタゴラス浜北の評判は。 「好意的な反応が多く、うれしく思っている。環境にいいことをしているねと褒められたり、励ましの手紙をもらったりする。利用するのは年配者が多く、乳幼児の衣類などを持ち込むかと想像していた子育て層は、いまのところ多くな
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静岡人インタビュー「この人」 オクサーナ・ステパニュックさん(東京都)三島市などを回るウクライナ出身のオペラ歌手
ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナのキーウ州スィニャワ村出身。チャイコフスキー記念国立音楽アカデミーを首席で卒業後、2003年に初来日し、06年からは三島市で毎年コンサートを開いている。コロラトゥーラという高い音域を歌う。藤原歌劇団正団員。44歳。 ―三島を訪れるようになった理由は。 「今も家族のように応援してくれる柴原俊介さんと出会ったことがきっかけ。三島は歌が好きな人が多く、拍手も温かい。富士山も大好きで、自然がすごく美しい。自分にとって縁起の良い場所」 ―ロシアの侵攻開始後はどんな活動をしているか。 「チャリティーコンサートなどで全国を回っている。県内は三島と富士宮を訪れた。6
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静岡人インタビュー「この人」 窪野茂さん(袋井市)静岡県SDGsビジネスアワード最高賞を受賞した
専務を務める袋井市の商社「TSK」で開発した高効率の磁石加熱装置「マグヒート」が脱炭素化技術として評価され、初めて開催された「県SDGs(持続可能な開発目標)ビジネスアワード」の最高賞に選ばれた。私立大学の事務職から転職し、2007年に父・忠さんの経営する商社に入った。49歳。 ―マグヒートの開発経緯は。 「マグヒートは磁石を高速回転させ、発生する熱を使う仕組み。磁石に詳しかった技術部長から、扇風機に磁石を付けて10円玉を近づけると温まると言われたのがきっかけ。実際にやってみたら、本当に温まった。配列を工夫するうちに、より早く温まるようになった」 ―アワードで評価されたが。 「これま
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静岡人インタビュー「この人」 佐野碧さん(静岡市駿河区)全国工業高校長協会優秀生徒賞を受けた
優秀生徒賞は工業技術分野の学習で優れた成績の生徒に贈られる。昨年、「ものづくりの甲子園」と呼ばれる「高校生ものづくりコンテスト全国大会(旋盤作業部門)」で準優勝した実績などが評価された。科学技術高(静岡市葵区)の機械工作研究部で部長を務め、3月に卒業した。現在は清水区の空調機器メーカーに勤める。18歳。 ―旋盤作業とは。 「円柱状の金属を回転させ、刃の付いた工具で押し当てながら削って加工する。大会では旋盤で2時間半以内に課題に出された図面通りに加工する。用意された機械や材料などの特性を把握したり、加工時の小さな音の変化に気付いたりしなければならないため、とっさの判断力と技術力が必要となる
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静岡人インタビュー「この人」 岩崎伊豆江さん ミセスジャパン静岡大会で最高位
伊東市出身。昨年10月に三島市で開かれた「ミセスジャパン2021静岡大会」のクラシックミセス部門(46歳以上)に出場し、グランプリに輝いた。女性が人生経験の中で培ったスキルや魅力、人生のストーリーなど内外面の美しさを表現する大会。自身ゆかりの土地での大賞獲得を喜ぶ。56歳。 ―受賞決定時の気持ちは。 「初めは自分が選ばれたことが分からず、びっくりした。会場に応援に来てくれていた娘が泣いていて、『もしかして』と思った。家族の応援が背中を押してくれ、すばらしい賞をいただくことができた。感謝している。こうした機会はなかなかなく、貴重な経験をさせてもらった」 ―出場の経緯は。 「自分が双子で
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静岡人インタビュー「この人」 深谷たか江さん(菊川市)粟ケ岳登頂3000回を達成
近所の友人の誘いで2010年、中学生の校外活動以来の粟ケ岳(標高532メートル)登山を再開した。掛川市北部の山に残る豊かな自然と景観に魅了され、毎朝の日課になっている。元化粧品販売員。78歳。 ―3千回達成をどう受け止めているか。 「節目を迎えたという感慨は全然ない。ただの通過点と思っている。ただ、麓の地場産品直売所のスタッフや近所の人は自分のことのように喜んでくれた。お祝いとして高価なコチョウランを届けてくれた人もいる。本当にありがたい」 ―粟ケ岳にはまった理由は。 「中学のころの遠足では、もう駄目かと思うほどしんどかった。そんな記憶がずっと残っていたが、久々に登った時は爽快感と充
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静岡人インタビュー「この人」 松浦弘季さん(吉田町)県高校野球連盟理事長に就任した
初任地の熱海高を皮切りに榛原高、池新田高などで野球部監督や部長などを務めた。県高校野球連盟では理事、常務理事を経て現職。掛川西高の数学教諭で、野球部では副部長を担う。55歳。 -就任の抱負を。 「野球人口が減少し、高校野球の部員数も減っている。小中学生に野球の魅力を伝え、部員数確保に努めたい。加えて、現3年生は入学時からコロナ禍の影響で大会中止や部活動停止などが重なった。葛藤を抱えてきた3年生のためにも、高校野球をやってきてよかったと思ってもらえるような素晴らしい大会になるよう運営したい」 -取り組みたい課題は。 「秋や春の地区予選のやり方についてはさらに検討すべき課題だと思っている
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静岡人インタビュー「この人」 今田孝司さん(沼津市)地域活性化活動を推進する明治安田生命沼津支社長
「地元の元気プロジェクト」として、自治体やスポーツ団体などと連携。支社を挙げて地域活性化と住民の健康づくりにつながる活動を展開する。2020年から始め、連携協定を結ぶ自治体は県東部の10市町と山梨県南部町に広がった。53歳。 ―活動を始めたきっかけは。 「コミュニケーション手段が多様化する一方、地域社会では人と人のつながりの希薄化が心配されている。つながり、触れ合い、支え合いを創出して地域の課題解決に貢献しようと、全社的な取り組みとして始まった。2月末までに全国724の自治体と協定を結び、地域ごと活動を展開している」 ―沼津支社の活動内容は。 「地元のアスルクラロ沼津と協力したサッカ
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静岡人インタビュー「この人」 中道柾伍さん ボランティア活動で浜松市長賞を受けたチャリティーサンタ浜松支部代表
浜松市の学生ボランティア団体の活動発表会「浜松学生ボランティアネットワークフォーラム」で、8団体の中から最高賞に輝いた。学生と社会人計14人の仲間と困窮家庭などをクリスマスの日に訪ね、プレゼントを贈る活動を続けている。聖隷クリストファー大社会福祉学部の3年生。20歳。 ―団体が活動する理由は。 「困窮している家庭やひとり親世帯の中には、クリスマスの良い思い出がない子どもがいる。経済的に恵まれている家庭だけでなく、いろいろな人に良い思い出を届けたいという気持ちで取り組んできた。活動の資金は、市民や企業から寄付をいただいて確保している」 ―自身が参加した経緯を。 「元々、ボランティアに興
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静岡人インタビュー「この人」 荒波宏則さん 第94回選抜高校野球大会で塁審を務めた
静岡県高校野球連盟の推薦で3月に阪神甲子園球場で行われた第94回選抜高校野球大会に派遣審判委員として参加し、3試合で塁審を担当した。審判キャリアは20年を超える。島田市福祉課職員。1男3女の父。44歳。 ―甲子園の舞台を経験して思うことは。 「大会初の担当試合は広陵(広島)対敦賀気比(福井)の好カード。二塁審判を務めたが自身の誤った判断が原因で、審判団が謝罪する異例の事態に発展した。ジャッジの未熟さに気付き、課題として持ち帰れたことは大会を通しての収穫」 ―誤審の場面を振り返って。 「四回無死一塁、広陵の送りバントで打球は一塁線付近をたどり、フェアゾーンに入った。自分はファウルと思い
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静岡人インタビュー「この人」 嶋田浩之さん ツイッターで山岳遭難や水難事故防止を呼び掛けている静岡県警の警部
地域課の企画第2課長補佐。昨年10月に専用ツイッターを開設以来、担当者として週に2~3回の更新を続ける。危険な山登りに対する注意喚起をはじめ、遭難と救助の具体的な事例紹介など内容は多岐にわたる。分かりやすくユニークなツイートが好評で、多い時は120万人以上が閲覧している。登山やマラソンが趣味で、筋トレも欠かさない。札幌市出身。45歳。 ―心掛けるツイート内容は。 「春山など季節ごとテーマを決め、山や海など自然の特徴を捉えた写真と動画を多めに掲載して閲覧者の興味を引きつけたい。山岳遭難救助隊の隊員が撮った迫力ある写真はメッセージ性が強い。自らも可能な限り現場に赴いて撮影に挑んでいる」 ―
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静岡人インタビュー「この人」 山崎淳さん 御前崎市「観光プロデューサー」に就任
御前崎市と地方創生に向けた連携協定を結んでいるJTBから出向した。建設経済部専門監として観光戦略の策定などを担う。JTBでは旅行商品の開発などに携わり、2019年から3年間は愛知県豊田市の外郭団体で同市の観光振興に取り組んだ。袋井市出身。59歳。 ―御前崎市の印象は。 「太陽の光にあふれていてすがすがしい。海の景色は雄大で心が洗われる思い。カツオやサワラ、遠州夢咲牛にイチゴなど海の恵みも大地の恵みも豊か。静岡県内の勤務はJTB時代から数えて27年ぶり。ご縁に感謝したい」 ―豊田市ではどのような仕事をしてきたか。 「宿泊業や飲食業など観光に携わる人たちの要望をまとめ、にぎわい創出やPR
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静岡人インタビュー「この人」 山田教文さん(富士市)富士市副市長に就任した
建設機械メーカー勤務を経て1987年に富士市役所入庁。企画や財政部門を経験した。市長公室長兼市長戦略課長、産業経済部長、財政部長を歴任し、4月から現職。2人制の副市長の一翼として都市整備や産業振興、教育、消防を担う。60歳。 ―就任の抱負は。 「安全安心はまちづくりの大前提。昨年発生した水害対策や富士山麓の盛り土問題に当たる。富士駅北口再整備も関係者と連携して着実に進める。女性や若い人が快適と感じるまちへと魅力を高めたい。そのためにはアイデアを持つ市職員の力を引き出す。小さな成功体験を重ね、職員の成長を促したい」 ―産業振興への取り組みは。 「燃料や原材料高、円安の影響が現れ始めるは
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静岡人インタビュー「この人」 川崎怜さん(静岡市葵区) 玉露の里のカフェ開店へ企画、立案に携わった
藤枝市岡部町新舟の観光施設「玉露の里」のレストラン2階に3月下旬、カフェ「うさぎの隠れ家」が開店した。カフェの内装デザインやメニューなどを企画、立案した。同施設を運営する静鉄リテイリング経営企画課の主任。27歳。 -カフェのコンセプトは。 「全12席と小さな空間で、くつろいでもらえるような隠れ家的な雰囲気を目指した。もとは観光バスの運転手の休憩場所として活用していた和室をフローリングに改装した。和と洋の要素をうまく取り入れることで、目新しい印象を与えたかった」 -工夫した点は。 「気兼ねなくおしゃべりできるようにテーブルの方向を変えたり、高さの異なるソファと椅子を取り入れたりして、別
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静岡人インタビュー「この人」 袴田雄三さん 天竜区長に就任
浜松市の行政区再編区割り案で、唯一現行の区割りを維持する天竜区。旧天竜市役所出身の区長として、かじ取り役を担う。浜松市に合併後は、主に本庁で企画課や広聴広報課などに所属。林業振興課長、保健総務課長を経て4月から現職。58歳。 -天竜区の現状は。 「人口減と少子化、災害のリスクなど、いずれも中山間地に顕著な課題を抱える地域。住民が減り、地域力が落ちれば悲観的な感情の連鎖が生まれてしまう。これを改善するためには、行政と住民が共に手を携えて『何とかしていこう』と思えるような環境作りが大事だ。最近では、二俣町の商店街に新店が相次いで開店するなど明るい話題もある。そうした機運も積極的に後押ししてい
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静岡人インタビュー「この人」 榎昭裕さん JR沼津駅前に新聞販売店を出店
沼津市の情報を発信するネットニュースサイト「沼津経済新聞」を運営する企画・広告会社「ツナゲル」代表。新聞とともに、スープやパンなど取材した店舗の商品を販売する。42歳。 -新聞店を始めた理由は。 「大手町にある空きビルの活用事業『for now』に誘われ、1月から3カ月限定で出店した。記事では伝えきれない地域の店や商品の魅力を、ネットを使わない人にも伝えようと、地方紙を販売しながら商品の販売・PRを担った。今は27日まで展開している駅南口前の道路空間活用事業『オープンヌマヅ』に月水金で出店している」 -新聞店のターゲットは。 「当初は『大手町の金融機関で働くサラリーマンのおじさん』。
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静岡人インタビュー「この人」 望月由紀江さん 県電気工事工業組合の初代女性部会長
組合内に女性部会が発足するのは全国7番目。従事者が性別や年齢にかかわらず活躍できる環境を整備し、業界の活性化を図る。結婚と入社を機に一級電気工事施工管理技士や第1種電気工事士など複数の資格を取得した。専務を務める光電気工事では営業や経理を担う。51歳。 -就任の感想を。 「2021年夏に就いた。新型コロナウイルス変異株の感染拡大の影響で長期間目立った活動ができず、実感がわかなかった。年末に実施した女性部会の発足記念式典で多くの出席者と言葉を交わし、少しずつ自覚が出てきた」 -業界の現状は。 「建設関連に共通しているが、人手不足と高齢化が課題。『きつい、汚い、危険』の3Kと不規則な勤務
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静岡人インタビュー「この人」 庄田祐一さん(掛川市)「本と、珈琲と、ときどきバイク。」店主
掛川市富部の書店「本と、珈琲と、ときどきバイク。」の店主。大手バイクメーカーでプロダクトデザイナーを11年間務めた後、2021年11月に書店をオープンした。金沢市出身。35歳。 -なぜデザイナーから書店主になったのか。 「バイクが好きで美大を卒業後、デザイナーになった。しかし、次第にバイクに対するイメージが固定化していることが気になった。かっこいい男性的な印象が強いが、女性にも乗ってほしい。バイクのワイルドなイメージを少しでも優しくしたい。バイクと出合う裾野を広げたいと思い書店を開いた」 -店のコンセプトは。 「バイクと出合うための本屋。売れ筋の本よりも旅や食、写真など好奇心につなが
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静岡人インタビュー「この人」 赤池あづみさん(函南町)乳幼児の給食レシピコンテスト「給食の鉄人」で優勝した
「給食の鉄人」には乳幼児に給食を提供する職員ら全国191個人・団体が応募。成長や発達段階に合わせた食事の重要性や食育への貢献などを狙いに、アイデアや味などが審査された。受賞後は栄養士を務める沼津市内の認定こども園で、考案した「たらのカラフルみかんソース」を園児に振る舞った。46歳。 -どんな料理か。 「油で揚げたタラに沼津特産の西浦ミカンのソースをかけた。決勝の1月末という時期を踏まえ、旬を迎えるタラとミカンを選んだ。ソースは、ミカンの搾り汁を最後に加え、香りを残して甘酸っぱく仕上げた。野菜を加えて彩りにも気を配り、子どもたちに興味を引く見た目になるよう工夫した」 -西浦ミカンに着目し
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静岡人インタビュー「この人」 石川英寛さん 総務省から11年ぶりに静岡県の部長級に起用
1日付で政策推進と財政運営を担う政策推進担当部長に就任した。2001年、省庁再編で誕生した総務省の1期生として入庁し、京都府、香川県、埼玉県でも勤務した。静岡県には09年度から5年間在籍した。小5の長女と小1の長男の父。北海道出身。東大法卒。46歳。 -まず何から取り組むか。 「どういう仕事をしているか職員に聞くことが先決。その上で、普段から心掛けていることだが、仕事を効率化したい。効果が薄い取り組みは改善し、本来職員がやる仕事に集中できるように生産性を上げたい」 -県が抱える課題は。 「安心安全が大事。地震等の災害に平時からいかに備えるか。長期的には人口減少。先を見て今から手を打た
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静岡人インタビュー「この人」 村上隆康さん(浜松市中区)浜松市カーボンニュートラル推進事業本部の初代本部長
市東京事務所長、指定都市市長会事務局参与を経て4月1日から現職。市内総消費電力に相当する電気を再生可能エネルギーで生み出す「浜松市域RE100」を2050年までに実現するため、職員11人体制の新本部を率い、省エネや創エネ、エネルギー産業の振興など脱炭素化関連施策を統括する。56歳。 ―所管する業務は。 「新本部は旧エネルギー政策課と環境政策課の温暖化対策の業務を集約する形で発足した。一言で言えばカーボンニュートラルの実現に向け、省エネと再エネ導入を進める。市の施設で導入し、民間の導入も支援して市全体で行動につなげていく」 ―これまで市が取り組んできた脱炭素化の成果、課題は。 「全国ト
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静岡人インタビュー「この人」 野寺楓さん(伊豆市)日本競輪選手養成所を卒業した
日本競輪選手養成所(伊豆市大野)での約10カ月間の厳しい訓練生活を終え、競輪選手としての活動を始める。5日に養成所で開かれた卒業記念レースでも力走した。路上練習で訪れる沼津市の大瀬崎からの富士山と駿河湾の風景が好き。伊豆総合高、順天堂大出身。23歳。 -養成所生活の感想は。 「時間を守ることに厳しく、仲間と協力して充実した生活を送れた。長距離を走る訓練が多かったので、体力はかなり向上した。人の後ろに付いていく練習ではレース技術を磨けた。バイクが先導して走る練習が一番つらかった」 -自転車競技を始めたきっかけは。 「自転車ロードレースの選手だったおじの影響で小学4年から始めた。地元の高
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静岡人インタビュー「この人」 山本千鶴さん(静岡市駿河区)日本平ロープウェイ日本平駅の「たいらぎ」で店長を務める
2021年3月に「たいらぎ」がオープンし、店長として着任。「たいらぎ」の前身である「日本平パークセンター」が営業していた2020年11月から日本平駅で働く。趣味は旅行とお菓子作り。最近は県内を巡っている。遊びに行った先々でおいしい料理のお店を探すこととお酒を飲むことが楽しみ。静岡市清水区出身。53歳。 ―「たいらぎ」で働く魅力は何ですか。 「自分の感性でお店作りをして、お客さんに受け入れられた時が楽しい。お客さんと接し、スタッフと意見を出し合いながらお店を作っていくことにやりがいを感じる。観光で来られる方や常連さんなど、いろいろな背景を持った人との出会いがたくさんある。仕事が趣味と言って
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静岡人インタビュー「この人」 岡部英一さん 歴史推理書「一言坂の戦い」を著した郷土史研究家
「一言坂の戦い」は1572(元亀3)年10月13日、現在の磐田市で徳川家康と武田信玄が初めて直接対決した戦とされる。地元でも知られていないこの戦の歴史を紹介するために自費出版に踏み切った。歴史に関する執筆活動を始めたのは、およそ20年前。一貫して市内の歴史について書き続けている。浜松市天竜区出身。70歳。 -磐田の歴史に興味を持ったきっかけは。 「25歳の時、磐田に住み始め、歴史の奥深さを知った。特に見付は国府が置かれるなど、政治や経済の中心地として栄えた。しかし、歴史がまとめられていないことが分かり、調査や発信を始めた。これまでも2冊、磐田市の埋もれた歴史シリーズと題して著書を出版した
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静岡人インタビュー「この人」 吉村未夢さん 富士宮高校会議所の7代目会頭に就任
富士宮市の高校生が集い地域振興を目的に活動する富士宮高校会議所。ニジマス残さと朝霧高原で過剰発生する乳牛ふん尿に着目したリサイクル堆肥「マスマス元肥」に絡んだ継続的な取り組みなどが評価され、数々のコンテストで受賞を重ねる。ことし2月に就任し、かじ取り役を担う。星陵高3年。17歳。 -高校会議所の魅力は。 「自分がやりたいと思ったことに協力してもらいやすい環境が魅力。もともと地域活性化に関わる仕事を目指す上で、高校生のうちに何かボランティア活動がしたいと思って入会した。メンバーにアイデアを伝えた時に一緒にやろうと言ってくれる空気がうれしかった」 -検討中のアイデアとは。 「ベビーカーを
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静岡人インタビュー「この人」 滝道雄さん 自然公園関係功労者環境大臣表彰を受けた
富士山の富士宮口や御殿場口、三島市の源兵衛川などで野鳥の生息状況を調査研究し、自然保護と自然公園の適正利用に関する普及啓発に取り組んできた。活動歴56年。専門的な見地から、後進の育成にも力を入れる。71歳。 ―受賞の喜びは。 「長年にわたる地道な活動が評価されたと思っている。これまで指導、助力をしてもらった方々にお礼を申し上げたい。今回の受賞を励みに、活動を継続したい」 ―活動のきっかけは。 「裾野高1年だった1966年、恩師である理科の担当教諭から野鳥観察の指導を受け、興味を持った。70年に日本野鳥の会と県野鳥愛護協会の会員に。協会の推薦で環境省自然公園指導員になり、富士山で活動を
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静岡人インタビュー「この人」 森茂均志さん ソフトボール審判員の普及・育成に尽力する
楽器メーカーのヤマハ(浜松市中区)に勤務しながら、日本ソフトボール協会の公認審判員として活動する。選手として25年間活躍した後、審判の資格を取得した。ソフトボールに対する思いは熱く、競技との関わりは45年を超す。長年にわたって指導的な役割を果たし、今年2月には同市ソフトボール協会の審判委員長に就任した。64歳。 ―ソフトボールを始めたきっかけは。 「1976年に入社し、勤務先の工場にあったソフトボールクラブを見学したのがきっかけ。ソフトボールの経験は小学生の頃の子供会活動だけ。素人だったが、体を動かして健康になろうと入部した。内野手として43歳まで現役を続け、全国大会にも出場した」 ―
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静岡人インタビュー「この人」 山口識行さん 寺での寄席を約40年にわたり企画する
湖西市の落語愛好家らでつくる「新居・寄席あつめの会」の代表。役場職員として働きながら1981年に立ち上げ、地元の寺で長年「本果寺寄席」を続けている。地域住民に落語の面白さを知ってもらおうと開催し、3月で通算92回を数えた。68歳。 -本果寺寄席の特徴は。 「地域に根ざす本果寺は、住民から親しまれている場所。収容できるのは70人ぐらいで、聴衆と出演者の距離が近い。本堂は声がよく通る造りで、演目の時代にも雰囲気がマッチする。浜松市出身の瀧川鯉昇ら落語家を毎回招き、演目を披露してもらっている」 -自身も「喜六家清八」の芸名で前座を務める。 「学生時代は静岡大の落語愛好者の会に所属した。学生
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静岡人インタビュー「この人」 金井涼哉さん 部活動でカワラハンミョウの保護に取り組み表彰を受けた
浜松市南区の浜松南高3年で、生物を調査、飼育する自然科学部に所属する。部員全員で取り組む絶滅危惧種の昆虫「カワラハンミョウ」の保護活動が評価され、2021年11月に開かれた第55回全国野生生物保護活動発表大会(環境省など主催)で最高賞を受賞した。17歳。 -カワラハンミョウとは。 「海岸の砂地などに巣をつくる希少な昆虫。体長15ミリほどで、中田島砂丘に生息している。カワラハンミョウの活動が活発化する夏には砂丘に出掛け、どんな場所に何匹いるかを調べている。校内の実験室では部員が毎日交代で餌を与えて、繁殖に挑戦している」 -受賞の感想は。 「正直取れるとは思っていなかったので驚いた。活動
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静岡人インタビュー「この人」 エドワード・カーさん(伊豆の国市)自然のエネルギーを表現するオーストラリアの画家
2016年に来日し、伊豆の国市にアトリエを構えた。清水町のサントムーン柿田川内の喫茶店を会場に個展を開催。ライフワークであるアフリカゾウの姿や、柿田川や富士山など県内の風景画を展示する。オーストラリア出身。68歳。 -どんな描き方か。 「目には見えない自然のエネルギーを描きたい。水彩画紙を何度も水にさらしてから描く技法を開発した。紙と水に、水彩絵の具が静電気のように反応して思いもよらないにじみができる。自分がコントロールできない状況を作り出して自然の力を表現している。透明感を追求するため、基本的に赤、青、黄の3色のみを使う」 -画家を志した理由は。 「約40年前に急に思い立った。母国
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静岡人インタビュー「この人」 金子裕人さん 日本学生野球協会の優秀選手に選ばれた
静岡高野球部の前主将として2021年夏の全国高校野球選手権静岡大会で優勝。俊足巧打の2番、右翼で甲子園出場を果たした。高校2年秋、3年春と思うような結果が出ず、最終学年では監督の交代という試練に対しチームを一丸にして乗り越えた。卒業後は国学院大に進み準硬式で野球を続ける。18歳。 -表彰を受けた感想は。 「(表彰盾を手にして)実感が湧いてきた。光栄なこと。高校野球で培ったことをこれからの人生に生かしていきたい」 -夏の甲子園出場を果たす上で転機となった試合は。 「2年秋の三島南戦(県準々決勝)と3年春の掛川西戦(県準決勝)。負けてつらい思いもしたが、敗戦から自分たちの未熟さを見つめ直
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静岡人インタビュー「この人」 古田皓晟さん 富士山噴火の防災啓発イベントを開いた
沼津高専の学生有志6人で取り組む防災教育活動のリーダーを務めた。ものづくり、シミュレーションなど授業で学んだ知識を生かし、学際的なアプローチで教材を製作。地域住民に活用してもらい、防災意識の向上を図った。浜松市中区出身。同校機械工学科を3月に卒業した。20歳。 -地域の防災課題は。 「地震や津波、風水害と比べ、噴火に対する危機意識が低いと感じる。富士山を災害の対象と認識せず、観光資源としてしか見ていない人が多いのではないか。住民へのヒアリングで、昨年3月に改定された富士山ハザードマップの周知がまだ進んでいないことも分かった」 -防災活動に取り組んだきっかけは。 「小さい頃から消防車に
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静岡人インタビュー「この人」 竹内常雄さん(浜松市浜北区)「いちご空中農園いわた」の責任者
磐田市駒場に昨年11月末に開園した観光イチゴ狩り農園。石川建設(同市)が農業への異業種参入で設立した「磐南ファーム」の技術部長を務める。元県職員でイチゴの養液栽培の研究に15年ほど携わった。67歳。 ―農園の概要は。 「約1・8ヘクタールの大規模ハウス内には上下に動くつり下げ式の栽培棚を配置し、温湿度は最新のシステムで制御管理している。床は全面コンクリート張りでベビーカーや車椅子利用者、背の低い子供まで最適な高さでイチゴ狩りができる。子供や家族が笑顔でイチゴを味わう姿は、従業員にとって日々の栽培管理の大きな活力になる」 ―開園後の運営状況は。 「紅ほっぺ、きらぴ香、よつぼし、章姫の4
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静岡人インタビュー「この人」 藤原晶子さん 世界の名画を模写する親子3人ユニット「アーブル美術館」の“館長”
高校3年の長男天馬さん(18)、高校1年の長女心海さん(16)と10年前にユニットを結成し、2人がゴッホやピカソなど名画の模写を続けている。静岡をはじめ、全国各地で展覧会を開いてきた。美術鑑賞が趣味。愛媛県出身、46歳。 -晶子さんの役目は。 「2人が疲れたかなと思ったらおやつや飲み物を持っていき、モチベーションを維持する係。制作について口出しは一切せず、どんなやり方でも任せている」 -模写のきっかけは。 「元々私が好きだった萬鉄五郎さんの『裸体美人』を見に子どもと美術館へ行った時、食い入るように作品を見る私に天馬が『そんなに欲しいなら描く』と言ったこと。できた絵は似てはないけれど、
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静岡人インタビュー「この人」 加茂敏彦さん 皇室に「白柳ネーブル」を献上した
天皇陛下が幼少期の1967年に旧細江町を訪れ、ミカン狩りや選果場見学をされたことなどがきっかけで始まった同町産温州ミカン、白柳ネーブルの皇室献上事業で、最優秀賞に輝いた。30歳の時にハウスミカンを始め、約20年前からネーブル作りに励んでいる。63歳。 -今回の出来は。 「秋口に晴天が続いて糖度が上がったことで内容が向上した。酸度と糖度のバランスが良く仕上がり、良好な出来だと思う。ミカンにはない皮の香りも楽しめる」 -最優秀賞の受賞を聞いて。 「受賞は初めて。出荷した時の評価も良かったので、今回が駄目なら取れるタイミングはないと感じていた。一生に一度は最優秀になりたいと思っていたのでう
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静岡人インタビュー「この人」 松田吉行さん 三島青年会議所(JC)理事長に就任した
スローガンは「つなぐ 『奇跡』へ続く『軌跡』を」。新型コロナウイルスの感染拡大で活動が制限される中、JCの若い力で地域を盛り上げる。松田商事(三島市)取締役。38歳。 ―スローガンに込めた思いは。 「コロナ禍で希薄になる人のつながりを大切にし、三島JCを未来へつなげる活動を続けていく。礼儀やルールを押しつけすぎず、JCの伝統も受け継ぎながら時代に合った組織を考えたい」 ―コロナの影響は。 「JCは従来、膝をつき合わせた“オフライン”の活動に重きを置いてきた。その点でコロナのダメージは大きいが、オンラインも活用した会議やイベントも開いている。人と人が会えなくても
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静岡人インタビュー「この人」 牧田佳樹さん 小学生向けのオンライン授業で講師を務め、介護職の魅力を伝えた
介護福祉士として特別養護老人ホーム「楽寿の園」(静岡市葵区)に勤務し、利用者に寄り添う。県の介護技術コンテストで県知事賞を受賞した経験を持つ。36歳。 -介護職を選んだきっかけは。 「幼い頃に両親を亡くして祖母に育てられ、祖母への感謝から他のお年寄りにも優しくしてあげたいと思っていた。中学生の頃からの夢の仕事」 -介護技術コンテストに参加した理由は。 「介護は暗いイメージを持たれてしまいがちだが、実際は明るく楽しい仕事。介護の仕事の魅力を多くの人に知ってもらいたかった」 -仕事のやりがいは。 「人の気持ちに寄り添うことができる。利用者の自立を支援し、洗濯や食事などが再びできるよう
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静岡人インタビュー「この人」 鈴木利幸さん 皇室に温州ミカンを献上した
天皇陛下が幼少期の1967年に旧細江町を訪れ、ミカン狩りや選果場見学をされたことがきっかけで始まった同町産温州ミカン、白柳ネーブルの皇室献上事業で、自身初めて最優秀賞に選ばれた。68歳。 -受賞時の心境は。 「想定外というと変だが、非常に驚いた。約50年間ミカンをつくってきて、その成果をここで評価していただけた」 -本年度産の出来は。 「今回は長雨や春先の異常気象などがあり厳しい年だったが、評価されるものができたと思っている。気象条件や病害虫の発生、台風など自然相手で大変ではあるが、毎年初心者の気持ちで精いっぱい畑に出るようにしている」 -献上されたミカンに込めた思いは。 「浜名
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静岡人インタビュー「この人」 佐野卓正さん 富士宮青年会議所第51代理事長に就任
2021年に50周年を迎えた一般社団法人富士宮青年会議所(JC)は今年、次なる100周年に向け最初の一歩を刻む。18年の入会以降、同JCの事務局長や副理事長を歴任。「刻め新たな一歩 For The Achievement」を掲げ、町や組織のさらなる発展を目指す。37歳。 -スローガンの狙いは。 「21年は目的意識の醸成をテーマに取り組み、学びを深めてきた。今年は目的を持った事業構築から、もう一歩踏み込んで目的達成の成果を求めていきたい」 -組織の現状は。 「転換期の真っただ中。自分も含め在籍期間が短いメンバーの比率が増えている。先輩方から受け継いでいるものもたくさんあるが、改めて全員
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静岡人インタビュー「この人」 工島丈春さん 小学生ドッジボール全国大会で県勢初優勝した「ドッキーズ」の監督
2001年にチームを創設し、21年11月の全国大会で悲願を達成した。幼稚園教諭を5年前に退職し、現在は静岡市内で障害児施設を運営する。48歳。 ―チーム創設の経緯は。 「学生時代に体操選手だったこともあり、幼稚園や民間の教室で体操を教えていた。体操が苦手な子どもでも卒園後まで夢中になれるスポーツを考えた時に、競技ドッジボールを知り、チームを立ち上げた」 ―指導の信条は。 「主体的に考え、行動できる子どもを育てたい。何のための練習かなどを『教える』と子どもは受け身になるので、『伝える』ように意識している。大会での優勝や全国出場を通じて自分に自信がつく。そういう経験をさせたい」 ―優勝
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静岡人インタビュー「この人」 浦田直也さん(静岡市清水区)県高校新人剣道女子団体初優勝の東海大翔洋監督
大阪・東海大仰星高から母校に戻り、恩師の大儀見薫氏から監督を引き継ぎ6年目。中等部で全国大会に出場した世代を中心に悲願の頂点に導いた。長野県出身。34歳。 ―優勝の喜びを。 「中等部からいい選手が集まった世代だが、高校では一層のレベルアップが必要。過去の栄光は忘れて稽古に打ち込んできた。好選手が分散する静岡は強豪校が多く、初戦から気が抜けなかった。男子も県大会2位で全国に同時出場できるのが何よりもうれしい」 ―指導のモットーを。 「一人一人の特徴に合わせた指導を心掛けている。特に試合や稽古の動きに対し、その意図や狙いを聞く機会を増やした。相互の意思疎通に加え、生徒が自分の考えを言葉に
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静岡人インタビュー「この人」 向坂真奈美さん 沼津青年会議所の理事長に就任
2010年に沼津青年会議所(JC)入りし、20年に総務・財務委員長、21年に副理事長を務めた。1月に第68代理事長に就任した。同JC初の女性理事長。本業は飲食店「Lounge DOT.」のオーナー。36歳。 -スローガンは。 「就任に当たり、『未来(あす)にきらめけ』を掲げた。新型コロナウイルスの感染拡大で、事業や活動、メンバー同士の交流が思うようにできない状況だが、希望を持ち前向きに取り組んでほしいという思いを込めた」 -初の女性理事長としての意気込みは。 「女性が活躍できる時代になりうれしく思う。重責を感じるが、女性ならではの視点で組織を変えていくことが求められている」 -街づ
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静岡人インタビュー「この人」 勝山宗一さん 中小企業のコロナ対策を冊子にまとめた
静岡県内約800社が所属する県機械金属工業協同組合連合会の会長を務める。企業の新型コロナウイルス対策の検討や普及に取り組む。64歳。 -冊子を作った経緯は。 「新型コロナ感染拡大を、これまでにない経営リスクと感じた。各社で勤務形態や製品は異なっても、感染防止や社内で感染者が確認された場合の連絡手順などの対策は共通する。まとまったマニュアルが事業者の役に立つと判断し、連合会会員企業へのアンケートを基に作り上げた」 -発行後の反応は。 「非製造業や県外の企業、教育現場からも閲覧したいという声が寄せられ、励みになった。新たに改定版を制作し、出張や駐在など海外からの出入国に関する注意点を盛り
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静岡人インタビュー「この人」 林果南実さん オナガザル科のアビシニアコロブスの赤ちゃんを飼育する
浜松市動物園で中型猿を中心に飼育を担当。2年目。アビシニアコロブスのルビ(雄)とラン(雌)の間に生まれた赤ちゃんも担当。東京都出身。22歳。 -赤ちゃんについて。 「昨年、もう1匹の雌のコノハも赤ちゃんを産んだけれど、初産で赤ちゃんが何なのか理解できなかったのか放置してしまい、3日で死んでしまった。ランは、その経験があったおかげか赤ちゃんを自分の子とちゃんと理解していて大事に育てている。驚いたのは、コノハもランの代わりに赤ちゃんを抱いてあげたりして一緒に育てていること」 -なぜ飼育員に。 「小さい頃からレッサーパンダが好きだった。将来デスクワークをしている自分は想像できなかったが、動
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静岡人インタビュー「この人」 栗原東亜子さん 画家・北川民次を紹介する「ぎゃらりーバッタ」を運営する
米国やメキシコで活動した北川民次(1894~1989年)の作品や愛用品を、園長を務めていた島田市のくりのみ保育園旧園舎で展示している。民次のいとこ、深見仙一郎さんを祖父に持つ。79歳。 -開館の経緯は。 「祖父と終生の友として付き合った民次の作品を遺品として受け継ぎ、足跡を知ってもらおうと公開を決めた。島田市や近隣で活躍する芸術家の作品も幅広く紹介している」 -開館1年半の成果は。 「民次の作品に加え、江戸-大正期の志戸呂焼やつるしびななど10のテーマで企画展を行った。仲間がコレクションを寄せてくれ、地域に多くの作品が眠っていると実感した」 -民次との思い出は。 「旧園舎の建設時
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静岡人インタビュー「この人」 春田基行さん 文部科学大臣優秀教職員表彰を受けた
生徒指導面の功績が評価され、本県から選出された約30人を代表して都内で行われた授賞式に出席し、表彰状を受け取った。御前崎市立浜岡中の主幹教諭。46歳。 ―受賞の感想は。 「身に余る光栄。個人で頂いた賞だが、浜岡中、前任の御前崎中での学校としての取り組みを評価してもらえたと思う」 ―生徒指導とは。 「問題行動への対応を想像するかもしれないが、そればかりではない。生徒が授業に前向きになれるよう、授業の終わりに『できた』『分かった』内容を書き出してもらう取り組みを提案したこともある。魅力ある学校づくりに必要なことを計画し、実行するのが仕事」 ―不登校の解消へ意識していることは。 「毎朝
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静岡人インタビュー「この人」 安田保さん 文化の発信施設の支配人
2021年5月にリニューアル開館した伊東市八幡野の「りんがふらんか城ケ崎文化資料館」。従来の民俗・地域の資料に加え、現代作家の作品を展示するギャラリーやカフェを設け、施設を無料化した。再開館から支配人の職を担う。大阪府出身。57歳。 ―利用状況は。 「再開館後、21年内に地元作家を中心に12回の展示会を開催した。夏ごろまでギャラリーの予約が埋まっている。来館者は口コミで広がっていて、地元民から旅行者まで幅広い。リピーターも増えている」 ―地域との関係は。 「アートや文化に興味がある人たちが気軽に集える空間を目指した。それらに造詣が深い地域の人からアーティストを紹介してもらうなど、後押
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静岡人インタビュー「この人」 大塚幹也さん(静岡市駿河区) 仏像巡りの本を出版した
懸仏(かけぼとけ)など県内の垂迹(すいじゃく)美術を調査・研究する。このほど、編著した「静岡県で愉しむ仏像めぐり」(静岡新聞社)を出版した。県内の高校で教員を務め、県教育委員会では指定文化財の管理を担当した。現在は県立静岡中央高教員。61歳。 ―垂迹美術への関心のきっかけは。 「中学の修学旅行で訪れた東大寺戒壇堂で四天王像に圧倒された。教員となり教え子が成長していく姿に刺激され、興味があった懸仏の研究を始めた」 ―県内の仏像の特徴は。 「全国的に有名な仏像のほか、文化財指定を受けていなくとも地域で大切に守られてきたものもある。特に伊豆地域に多く残り、住民の戦乱や天災に対する思いを受け
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静岡人インタビュー「この人」 黒田亜佑美さん はままつフラワーパークの新商品のラベルデザインを担当
はままつフラワーパークと長坂養蜂場の「はちみつプロジェクト」で誕生した瓶詰め蜂蜜「ふらまるハニー」のラベルのデザインを、ゼミの教官を通じて依頼され制作した。静岡文化芸術大3年。21歳。 -ラベルデザインのポイントは。 「価格が1220円ということで高級感を表現しつつ、来園した親子が親しみをもって手に取ってもらえるような商品をコンセプトにした。中央の蜂の絵は花としても見えるように描くことで同園の要素を感じさせ、蜂蜜のトロッとした感じの絵を随所に盛り込むことで面白さを加えた」 -大変だったことは。 「大人、企業人と仕事で打ち合わせをするのは初めてで、緊張の連続だった。自分のやりたいことと
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静岡人インタビュー「この人」 海野泰久さん 太鼓グループ「足久保太鼓」団長を20年間務める
1996年に和太鼓未経験者が集まって結成した。葵区の足久保地域を拠点に活動する。伝統的な和太鼓にアレンジを加えたエネルギッシュな演奏を目指す。58歳。 ―足久保太鼓の活動内容は。 「例年は、企業のイベントや地域のお祭りなど約20回、演奏機会がある。また、メンバーで新曲も毎年作っている。最近は小学生の子どもと親向けに和太鼓の体験会を開いた」 ―掲げる「熱動」とは。 「聴衆と一緒に熱く感動を共有できる舞台を作ろうという、メンバー共通の思い。数年前、自分たちの演奏を客観的に聴いた時、思い描いた演奏とかけ離れていたのを痛感した。その苦い経験から、感動を届けるにはどうすればいいのかをメンバーで
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静岡人インタビュー「この人」 西島くに子さん 「子供の安全を守る会」代表
2005年に発足。昨年開催された本年度の子供・若者育成支援強調月間県大会で青少年指導者団体の表彰を受けた。79歳。 ―活動内容は。 「福田小児童の子供の安全を地域で見守ろうと、最初は旧福田町の住民が3~4人で集まって自分の家の前で始めた。現在の会員は11人。それぞれ登下校の時間帯に自宅前や交差点に立ち、声掛けを続けている」 ―コロナ禍の変化は。 「感染拡大で2020年は学校が休校になり、活動ができない時期もあった。再開で元気な顔に会えた時はとてもうれしかった。私たちの活動は児童がいるからこそ。今回の表彰もともに受賞したものだと受け止めている」 ―やりがいは。 「生まれも育ちも福田
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静岡人インタビュー「この人」 吉田響さん 箱根駅伝5区で区間2位と好走した
東海大1年生。名物の山登り区間を任され、歴代4位のタイムで順位を17位から10位に押し上げた。御殿場市立朝日小、原里中、東海大翔洋高出身の19歳。 -区間2位の感想は。 「予想していなかった成績。ゴールしてタイムを見た時に驚いた。一人でも多く抜こうと考えて走った。すごいきつくて何回もフォームが崩れそうになった。その度に沿道の応援や監督の言葉が聞こえ、立て直した。区間1位の選手と10秒以上の差があり、悔しい」 -5区起用をどう受け止めたか。 「高校時代から5区を走りたいと思っていた。他の選手より足の回転数が早いピッチ走法で、パワーを使わないで坂を上れる。入学前から監督やコーチに『5区が
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静岡人インタビュー「この人」 足立幸作さん 国からスポーツ推進委員功労者表彰を受けた
浜松市内で34年間、老若男女の市民に体を動かすことの楽しさを伝えてきた。特に運動が苦手な子どもには鉄棒や縄跳びが「できた時の喜び」を味わってもらおうと、指導に力を注ぐ。都田南小教諭。60歳。 ―指導するスポーツは。 「土曜に浜北区で開かれる『子ども体操教室』を長く担当し、フラフープ、縄跳び、跳び箱、マット運動、鉄棒などを教えてきた。子どもはできる子を見てまねるので、他の子もどんどん上達し、成長が早い」 ―教員としての指導にも生かされているのか。 「26歳で旧浜北市の体育指導員になり、担任した学級でも休み時間には児童と一緒に運動で汗を流した。逆上がりができない子を皆で応援し、半年後にで
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静岡人インタビュー「この人」 後藤友香理さん 文化資源を舞台にコンサートを企画した
静岡市内の寺院や教会などを会場に4回シリーズのコンサート企画を主催した。静岡大講師。ピアニストとしての演奏やCD制作も。東京都出身。40歳。 -どのような企画か。 「初回は、日本最古の琵琶などの復元楽器による公演を顕光院本堂で開いた。この企画を共に運営したフルート奏者の古川はるなさんが横笛で出演した。2回目は静岡ハリストス教会で祈りをテーマにした歌唱とピアノ演奏を。文化資源に足を運んでもらうだけでなく、地域で活躍する奏者やアーティストなどの人材にも焦点を当てた」 -開催の経緯は。 「県立美術館のロダン館でのコンサートがきっかけ。音楽と美術が呼応する形で芸術体験を提供できた。音楽が空間
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静岡人インタビュー「この人」 ジェーフイ・モンさん 西伊豆町の国際交流員に就任した
外国青年招致事業「JETプログラム」の派遣で昨年10月から活動する。海外に対する町の魅力発信や外国文化の紹介などを担う。中国生まれで米国籍。派遣前はニューヨーク州の証券会社に勤務した。25歳。 -国際交流員を志した理由は。 「小さい頃から日本の小説が好きで、翻訳されていない本を読みたいという思いから独学で日本語の勉強を続けた。ニューヨークでの学生時代に国際関係を学び、留学を通じて文化交流に一層興味が湧いた」 -日々の仕事は。 「週3日で町内小中学校の外国語指導助手(ALT)として活動し、英語の楽しさを伝えている。加えて住民向けの英会話教室も計画中。ブログなどを通じた西伊豆の風景や習慣
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静岡人インタビュー「この人」 桜田愛香さん ガールスカウト日本連盟の最高賞に輝いた
ガールスカウトとして日本文化の継承や地域連携に取り組んだとして、本年度の「B―Pアワード」を受賞した。ガールスカウト県連盟第31団指導者。常葉大短期大学部1年。19歳。 ―表彰された活動は。 「高校1年の頃から、清水港に来る外国客船の乗客が地域住民と交流できる折り紙体験を地域の商店街で始めた。コロナ禍が始まった2020年春には、マスク不足を補うために県内外のグループとオンラインでつながり、キッチンペーパーの簡易マスクを作り配布した。地域の祭り中止が相次いだため、七夕飾りや折り紙の飾りを作り、公共施設や老人ホームに飾った」 ―表彰を受けた感想は。 「自分たちが活動してきたことを広く知っ
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静岡人インタビュー「この人」 杉浦ふみさん 磐田市のギャラリーで閉館前最後の作品展を開いた手芸作家
使わなくなった着物の帯などをバッグにリメークした作品を約15年前から制作している。10日、閉館した磐田市見付の「思い出の家ギャラリー」で最後の作品展を開いた。75歳。 -ギャラリーでの思い出は。 「2015年4月の開館から毎年、作品展を開いてきた。お客さんに鑑賞してもらいながらゆったりと話すことができる場所になった。他の作家とも知り合い、交流できた。閉館は寂しいが、自身の作品展で締められてうれしい」 -「帯バッグ」を作り始めたきっかけは。 「元々服を作っていて、浜松市天竜区で作品展を開く際、地域の方に帯を提供してもらったのが始まり。帯はとても高価。最初は抵抗があったが、たんすで眠る帯
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静岡人インタビュー「この人」 西島由紀子さん 団地再生に取り組むグループ代表
居住する沼津市の大岡団地再生を目指し活動中。住民ら4人でグループ「キナリ舎」を立ち上げ、活気を取り戻そうと敷地内でマルシェを開いたり、住民に活動内容を説明したりとグループ代表として仲間を引っ張る。同市出身。39歳。 ―大岡団地の現状は。 「子供の数が激減。祭りのみこしを100人以上で担いでいたのに、今は数人。ただ、何十年も空いていた部屋に引き合いが出ている。団地が見直されている流れを感じる。敷地内には公園があり緑もある。小中学校も近い。魅力を発信したい」 ―活動への反響は。 「マルシェに来てくれる人は増えている。活動を手伝いたいという人も出始めた。住人の中には今の生活環境に満足してい
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静岡人インタビュー「この人」 安並貴史さん 国際的なピアニストの登竜門で優勝した
2021年秋にドイツで行われた「シューベルト国際コンクール」を制した。静岡市葵区出身。29歳。 -どう振り返るか。 「18年の浜松国際ピアノコンクールでの経験が生きた。その時は運よく入賞できたが、本選の協奏曲では準備不足を痛感し、国際コンクールの厳しさを思い知った。今回はその反省を生かし、本選まで見通して積極的に向き合えた」 -シューベルトに特別な思い入れはあるか。 「私の“片思い”かもしれないが、シューベルトの作品を弾く時は自然体で入っていける。全ての音に共感できる。そう思える作曲家はシューベルトぐらいだ。落ち着いた曲調の作品が多いが、演奏には歌心に加えて独
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静岡人インタビュー「この人」 藤田弓子さん 大河ドラマ館の名誉館長に就任した
伊豆の国市ゆかりの鎌倉幕府第2代執権、北条義時が主人公の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放映に合わせ、市内の韮山時代劇場に設置された大河ドラマ館の名誉館長を務める。俳優として大河ドラマや連続テレビ小説など多くの出演経験を生かし、市の情報発信に貢献する。76歳。 -就任の抱負を。 「大変名誉なこと。今回の大河ドラマは大好きな俳優ばかりが出演していて、ものすごく期待している。今後も楽しみなことが多く、希望を持てるのは良いこと。いろいろなところに呼んでもらいたい」 -自身の現在の活動は。 「伊豆の国市を拠点にした劇団『いず夢』で座長を務めている。大河ドラマ館が設置されている韮山時代劇場は稽古
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静岡人インタビュー「この人」 増田樹郎さん 静岡福祉大学の学長
2018年に特任教授として静岡福祉大に。今年4月1日から4年間、新学長として指揮を執る。健康福祉学科長、副学長を歴任した。専門分野は社会福祉学、臨床哲学、ケアマネジメント論。島根県出身。70歳。 ―新学長としての抱負は。 「20年に若い職員と半年かけて大学の未来について議論を交わし、ビジョンをまとめた。学生のため、教育のため、大学のためどうあるべきかを語り合った。ビジョンで記した改革を実現していくことが自分の使命だと思う」 ―具体的に何を変えていきたいか。 「教育の質を変えたい。勉強が分からないと悩む下級生に上級生がアドバイスできる仕組みや、障害のある学生が安心して学べるサポート体制
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静岡人インタビュー「この人」 鈴木佑紀さん タブレットを活用した悩み相談窓口の開設を主導した
2019年4月、掛川市入庁。お茶振興課を経て20年10月から市教委学校教育課。ギガスクール構想の推進を担当する。25歳。 ―システムの特徴は。 「いじめなどの悩みを気軽に相談できるよう、1人1台配備のタブレット端末のホーム画面にアイコンを作った。相談内容をリストからワンタッチで選ぶだけ。相談相手も選べる。悩みの早期発見につながる」 ―開発の動機は。 「タブレット端末のポジティブな使い方を考えた結果、生まれたシステム。人と対面する窓口では相談しにくい児童生徒もいる。全国的に学校が配った端末で悪口が書き込まれるなどのいじめが問題化していたことが背景にあった」 ―苦労した点は。 「デジ
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静岡人インタビュー「この人」 佐藤弘明さん 富士市地域産業支援センター「Beパレットふじ」センター長
1994年に富士市役所入庁。企画課、市長戦略室などを経て港湾振興室長を務めた。「f―Biz(エフビズ)」の後継となる同センターのトップとして中小企業の相談窓口の運営を取り仕切る。50歳。 ―新センターの特徴は。 「中小企業相談のワンストップサービスを担う。市直営で事業の透明性を確保する一方、相談実務は世界規模で展開する有限責任監査法人トーマツの常駐コーディネーターが対応する。売り上げ増を実績指標とし、IT、DX導入支援やマッチングも図る」 ―エフビズとの違いは。 「好評だったよろず支援は継承する。不足していた工業分野の支援を強化し、企業訪問など開拓型支援に取り組む。対立構図になってい
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静岡人インタビュー「この人」 土屋陽和さん 高校生平和大使として活動する不二聖心女学院高3年
国内外で核兵器廃絶や世界平和の実現を訴える活動の旗振り役を担い、裾野市の不二聖心女学院高に通う。県内の高校生の選出は10人目。18歳。 ―きっかけは。 「反戦運動の先頭に立ち続けたジョン・レノンとオノ・ヨーコの生き方をテレビで見たこと。平和を願うことは無力ではなく、効果的な方法だと考えた2人に共感した」 ―活動内容は。 「焼津のマグロ漁船『第五福竜丸』が米国の水爆実験で被爆したビキニ事件について研究している。子どもにも分かりやすく事件を伝えるため、絵本製作も進めている」 ―印象的な活動は。 「高校生を集めて平和を考える『ピース・フォーラム』。県内の高校生に加え、他県大使にリモート
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静岡人インタビュー「この人」 松島英勝さん 連鶴教室を主宰
1枚の和紙から何羽もの折り鶴を作るという三重県桑名市で江戸期に始まったとされる技法を浜松市や湖西市の教室で伝えている。卒業生らでつくる「遊鶴の会」が1月、約60点の連鶴作品を浜松市浜北区の県立森林公園森の家に展示して注目を集めた。74歳。 ―連鶴はどのようにして作るのか。 「私は友禅和紙と呼ばれる花模様などが描かれた紙を使っている。飾り方に決まりはない。角や辺がつながった四角形の紙を、設計図に従って折っていく。縦64センチ横96センチという大きい和紙を使って制作すれば、200羽から300羽が連なった完成品に仕上げることもできる」 ―連鶴の魅力は。 「連鶴はまだ珍しいのか、見た人から驚
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静岡人インタビュー「この人」 久保田和宏さん 県の優良介護事業所に選ばれた「白扇閣」施設長
サービスの質向上部門で県から表彰された特別養護老人ホーム「白扇閣」(静岡市清水区)で、利用者のお年寄りに寄り添った施設運営を進める。新型コロナウイルス禍でオンラインを活用した行事などを積極的に企画し、高評価を受けた。51歳。 ―どのような取り組みを行ったか。 「レクリエーションの一環で、オンラインを活用した『リモート初詣』を行った。地元中学校の体験学習や福祉系学校の実習などもリモートで実施し、利用者の高齢者と子ども、学生との交流機会を設けた」 ―企画した意図は。 「地域や子どもとの交流は高齢者にとって大きな楽しみであり、自分自身の役割を確認できる機会。だが、長引くコロナ禍で外部との関
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静岡人インタビュー「この人」 剣持佳季さん 伊豆石文化探究会の会長を務める
伊豆半島などで採れ、江戸-昭和初期に建造された建物に多く使われた伊豆石の研究と広報に取り組む。昨年11、12月には沼津市戸田で研究成果を紹介するパネル展を企画した。静岡市清水区出身。27歳。 -研究するきっかけは。 「生まれ育った清水区で毎日、伊豆石の蔵を目にしていた。長野県での大学生活で、昔ながらの建物には石が使われていないことに気づいた。文化の違いを感じ、調べ始めた」 -伊豆石の魅力は。 「研究が進んでおらず分からない部分が多いことにひかれる。石切り場は人工物とは思えないほど巨大なスケールで迫力がある。伊豆石が用いられた宮廷建築は、西洋の技術と調和していて見た目もおしゃれ」 -
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静岡人インタビュー「この人」 植田博巳さん 牧之原市議会議長に就任した
静岡県大井川広域水道企業団技監などを歴任し、長年にわたって生活を支える水道事業に携わってきた。2013年の牧之原市議選で初当選し、現在3期目。71歳。 ―目指す議会の姿は。 「議員一人一人が『このまちのために』という共通した意識を持つことが大事だ。より活発な議論を行うことに加え、多くの政策提言を求めたい。これまで以上に開かれた議会運営のため、新たな取り組みを進めていきたい」 ―市議選は定数16のうち8人の新人が当選した。 「社会構造が常に変化する中、これまでにない議会が必要とされていると実感した。新たに加わった議員が円滑に職務を全うできるよう環境整備に努めたい」 ―市の課題は。
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静岡人インタビュー「この人」 新谷直幸さん 五輪で使われた天竜材の後利用案コンペで最優秀賞
浜松市の東京五輪選手村ビレッジプラザ・天竜材後利用デザインコンペでノベルティ部門の最優秀賞に輝いた。プラザの建材に使われた後、市に返却された天竜産の木材を、5色の円筒状の小物入れにするアイデアを提案した。今後実際に製造され、市のイベントなどで配られる。市UD・男女共同参画課長。54歳。 ―応募のきっかけは。 「2018~19年度に林業振興課の課長補佐として天竜材を選手村に提供する事業に携わった。天竜材が五輪で役立ったことや、質の良さを多くの人に知ってほしいと思って応募した」 ―アイデアの由来は。 「同僚が粘着テープをドリンクホルダーにしているのを見て、木で造ったら面白いと考えた。5個
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静岡人インタビュー「この人」 杉浦希未子さん ウェブで「ぬまスポ」を手掛ける
ウェブで沼津市のスポーツに関する情報を発信するローカルメディア「ぬまスポ」を8月に始めた。陸上や球技、水泳をはじめ幅広い人材発掘に努める。自身も陸上短距離の選手としてインターハイと国体に出場、今は地元の陸上クラブで指導する。子育て支援も担う株式会社「tasuki」代表取締役。42歳。大阪市出身。 ―ぬまスポの特徴は。 「世代や競技を問わずに取り上げている。『地元にこんな選手がいるんだ』と多くの人に知ってもらいたい。地元のスポーツイベントも発信している。とにかくスポーツに携わりたくて始めた。読んでくれる人も楽しんでくれれば」 ―スポーツを通じて沼津市を盛り上げたいという思いも。 「新聞
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静岡人インタビュー「この人」 橋本二三生さん(浜松・浜北区貴布祢) 高柳賞を受賞した
浜松電子工学奨励会が「日本のテレビの父」と呼ばれる高柳健次郎氏の功績をたたえ、電子科学の優れた研究をたたえる表彰制度で奨励賞に選ばれた。2021年度の受賞者5人の中で最年少。浜松ホトニクスに勤務する。29歳。 ―なぜ研究者の道に。 「高校時代に骨折し、病院で3D(3次元立体)画像を見て医用画像に興味を持った。大学と大学院に進んで診療放射線技師の免許を取得したが、研究の方が合っていると思った」 ―受賞した研究内容は。 「AI(人工知能)の深層学習技術を利用した医用画像処理。データを集めてAIに学習させなくても、人の視覚野をモデル化した潜在的な能力でPET(陽電子放射断層撮影装置)画像の
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静岡人インタビュー「この人」 二宮奈緒子さん(静岡市駿河区) 静岡市内を拠点にアート活動を行う
特別支援学校、支援学級に通う子どもや卒業生が描いた絵や文字をデザイン化し、雑貨として発表している。グラフィックデザイナー。53歳。 ―活動のきっかけは。 「発達障害のある長男の周りには文字を書くことが好きな子、絵を描くことが得意な子がいる。8年前、皿やTシャツにしてみたら面白くて作品展を開いた。商品化の声を掛けられ、雑貨として販売を始めた」 ―自身の長男が発する言葉を集めたカレンダーや箱の作品もユニーク。 「主治医に『記録したら』と言われたのが始まり。『ぎこちいい』『まとまりきらないほど人生はいい』など、日本語としては間違っているのに、じんわり伝わってくる。けんかの最中の言葉は特に秀
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静岡人インタビュー「この人」 米山圭一郎さん(熱海市) ビジネスプランの授業を推進する
伊東商業高3年生が選択で取り組む課題研究「生活に役立つ経済学」の担当教諭として、2014年度の立ち上げから指導する。地域課題の解決に向け、生徒たちがビジネスプランを考案し、企業などと協同で商品開発につなげる活動が評価を受けている。50歳。 ―近況は。 「日本政策金融公庫のビジネスプラングランプリで全国唯一、6回連続の複数プラン入賞が決まった。商業高校フードグランプリ(伊藤忠食品主催)に初出場し、県勢として初の大賞を獲得することができた」 ―地元への思いは。 「地域の人たち、企業の人たちの協力のおかげで結果がついてきている。生徒たちには『感謝の気持ちを忘れてはいけない』と伝えている」
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静岡人インタビュー「この人」 竹中慎さん かるた指導で文化庁長官表彰
静岡県立高で長年、小倉百人一首かるたの指導に当たった。2021年春の定年退職後は、藤枝東高で再任用教員として働きながら静岡東高かるた部の外部指導員を務めている。61歳。 ―表彰を受けた感想は。 「好きで続けてきたことなので、自分がもらっていいのかと恐れ多い気持ちだった。県内には他にも多くの功績者がいるので、その代表として表彰状を受け取った。本県のかるたが評価されたと思って喜びたい」 ―競技かるたの魅力は。 「大学で競技かるたに出合った。高校で生徒と一緒に練習するようになり自分も上達した。競技かるたの歴史は比較的浅いため、高校で始める生徒が多く、日本一になれる可能性が十分ある。定石の戦
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静岡人インタビュー「この人」 大久保英質さん ショパン国際ピアノ・コンクールで調律師を務めた
河合楽器製作所の原器課長兼音造りグループ長。メーンチューナーとして、2021年10月にポーランド・ワルシャワで開かれた国際音楽コンクールに参加した。一級ピアノ調律技能士。47歳。 ―コンクールの支援態勢は。 「9月21日に現地入りし、総勢8人で出場者を支援した。内訳は調律師6人とケア専門のアーティスト・サービス2人。活動内容はピアノ調律と練習場の確保に加え、食事をはじめとする生活全般に及んだ」 ―心掛けたことは。 「使用ピアノを選ぶセレクションが予選前にあり、6人が河合楽器製作所を選んでくれた。最高の状態で演奏に臨み、期間中はストレスなく過ごしてもらえるように気を配った」 ―コンク
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静岡人インタビュー「この人」 井出春彦さん 長泉町議会議長に就任
2005年に初当選し、現在5期目。副議長などを歴任して昨年9月から現職。花き栽培などを営む。62歳。 -議長としての抱負は。 「『議長だから』と肩ひじを張るのでなく、自然体で臨みたい。まずはコロナ禍収束と地域経済の回復に全力を挙げる。議会や行政の声をまとめ、住民の視点に立って進めていきたい」 -町の課題は。 「町民の町政への関心の低さ。9月の町議選では、定数を4議席上回る候補者が出馬した一方、投票率は低かった。町長選が無投票となったこともあるが、長泉町は住民の生活満足度が高いことが、関心を持ちづらい一因かもしれない」 -16年ぶりの女性町議誕生をどう捉えるか。 「女性町議の不在を
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静岡人インタビュー「この人」 守安史子さん 静岡県茶業会議所職員
茶業に関わる女性の横の連携を強め、その視点や感性を引き出そうと、プロジェクト「茶W(ちゃだぶりゅー)」を立ち上げた。鹿児島のハンドボール実業団選手、東京のレストランマネジャーを経て地元に戻り、茶業発展に尽力する。 ―スポーツから食の世界へ転身した経緯は。 「トレーニングの一環として食を強制され、つらかった時に、カフェの店員と料理に心身が癒やされたのがきっかけ。勤務先のレストランでは、生産者の思いを一皿に込めて、一連のストーリーと共に客に提供する喜びを知った。大好きな地元で経験を生かせたらと3年前にUターンした」 ―茶業との縁は。 「親戚に茶農家が多い。産地や生産者に関わる仕事を探して
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静岡人インタビュー「この人」 赤川紗彩さん 「黒板アート甲子園2021」で優勝、浜松大平台高美術工芸部の前部長
黒板をキャンバスに見立てて絵画を描く高校生の全国大会でメンバー7人をまとめ、メイン部門初優勝に導いた。18歳。 -大会の内容は。 「2020年も出場を目指していたが、コロナ禍で休校となってしまい、かなわなかった。3年間の集大成として優勝できて本当にうれしく思う」 -出品作のテーマは。 「下校途中の風景がモチーフ。『冬の幾何学』をコンセプトに、部員同士が語らう様子を表現した。眼鏡越しの風景なのは、メンバー7人が全員眼鏡を愛用していたから。服飾のしわや建物の質感など細部までこだわり、丁寧に描くことを心掛けた」 -部員をまとめるのに苦労したとか。 「美術工芸部は、3年間ずっと個人での制
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静岡人インタビュー「この人」 宮本佐知子さん NPO法人フロンティア清沢の「清沢レモン部長」
静岡市葵区の中山間地「清沢地区」で、地場産レモン「清沢レモン」の特産化に尽力する。メンバーと共に生産者から買い上げたレモンの販売や加工商品開発、販売促進に知恵を絞る。長野県出身、49歳。 -取り組みの手応えは。 「構想から10年、栽培を手掛ける家は100軒を超え、耕作放棄地の活用も進んできた。数本を大事にする人から数百キロを生産する人まで、地域一丸となって育てている実感がある」 -清沢レモンの特徴は。 「栽培地としては気温が低いせいか、酸味と香りが強く、味のファンが多い。好んで使ってくれる地元のケーキ店や飲食店もあり、毎年収穫に合わせて多くの購入予約をいただく」 -昨年の寒波の影響
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静岡人インタビュー「この人」 小林雄二さん 三遠南信自動車道の青崩峠トンネルの静岡県側掘削工事を統括
建設会社安藤・間(東京都)の池島トンネル作業所所長。過去の仕事はトンネル建設が中心で、10本を超える掘削に携わった。工事開始に伴い、生活の中心を天竜区水窪町の寮に移した。新潟県出身。59歳。 -静岡・長野県境の青崩峠の印象は。 「仕事を任されたとき『青崩』の名前からして大変そうに感じた。ふたを開けてみると予感どおり、過去に経験したことのない、一番の難工事となった」 -仕事の面白さは。 「跡に残る仕事であることと、地域の人の期待、希望を背負いながら仕事をするというところ。すごくやりがいになっている。開通後は多くの人が喜んでくれるのもうれしい。休日は地域の祭に参加するなど住民との交流を楽
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静岡人インタビュー「この人」 牧野哲さん 富士見台くらし支えあいセンターの代表
富士市北部の住宅地、富士見台1丁目町内会長を2015、16年に務め、地域の高齢者の居場所づくりに励んだ。登録サポーターの住民が常駐して高齢者の生活を支援するセンターを11月末に稼働させた。74歳。 ―稼働までの経緯は。 「富士見台地区は高齢化率が高く、独居高齢者が多い。住み慣れた地域でいつまでも暮らすには住民の助け合いが必要で、以前から、互助活動を推進する団体が求められていた。活動実現のために、住民でつくる団体の代表就任を決めた」 ―活動の手応えは。 「家事を手伝う出張事業に加え、世代を超えて集う居場所を目指している。大きなごみの搬出依頼が多く、高齢者1人では困難な力仕事にニーズを感
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静岡人インタビュー「この人」 渕上康幸さん 静岡少年鑑別所の所長
小倉少年鑑別支所長や甲府少年鑑別所長、長崎少年鑑別所長を経て昨年4月に着任した。静岡勤務は2回目。臨床心理士、公認心理師の資格を持つ。53歳。 ―少年鑑別所とは。 「家庭裁判所で観護措置が決定された非行少年を、少年審判を受けるまでの3~4週間受け入れる。役割としては法的に鑑別と観護処遇、地域援助がある。鑑別は背景事情などを調べ、問題点を分析する。その上で処遇指針を考え、鑑別結果通知書を家裁に届ける」 ―地域処遇とは。 「以前から地域の相談を受けていたが、2015年の少年鑑別所法施行で本来業務となった。併設の法務少年支援センターで専門知識やノウハウを生かして学校などからの相談に応じてい
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静岡人インタビュー「この人」 福島正義さん 佐鳴湖に流入するごみを拾い続ける
年間40万人以上が散歩やジョギングなどを楽しむ浜松市中、西区の佐鳴湖。湖岸の汚れぶりを見て決意し、月に10~15日ほど、ほぼ独りでボランティアの清掃活動を続けている。埼玉県川越市出身。81歳。 ―湖岸のごみとは。 「ペットボトルや弁当容器といった家庭ごみから、自転車、家電製品などの粗大ごみまで幅広い。2020年2月に活動を始め、70リットル袋で550袋以上のごみを拾ったが、なくならない。多くは佐鳴湖に流入する段子川から運ばれてくる」 ―環境への影響は。 「ビニール袋や他のプラスチックごみを餌と間違って食べた魚やカメの死骸が見られる。佐鳴湖は浜名湖を経由して遠州灘につながっている。佐
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静岡人インタビュー「この人」 佐野舞桜さん 第6代ミス雛のつるし飾りに選ばれた
東伊豆町の観光PR役を担う第6代の「ミス雛(ひな)のつるし飾り」に選ばれた。20日から同町の稲取温泉で開かれる「雛のつるし飾りまつり」で本格デビューする。筑波大生命環境学群で生物学を学ぶ。21歳。 ―受賞の喜びを。 「コンテストに出場した方は、皆さん素晴らしい人ばかりだった。その中で選んでいただけ、とてもうれしい。いただいたご縁を大切に頑張っていきたい」 ―応募の動機は。 「家族で稲取温泉を訪れた際、文化公園で見たかわいらしいつるし飾りに感動した。つるし飾りにまつわるPR活動ができたらと思い、応募した」 ―東伊豆町でお気に入りの場所は。 「生物、特に植物に興味があるので、熱川バナ
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静岡人インタビュー「この人」 生嶋健太郎さん 静岡学園高サッカー部主将
抜群のリーダーシップでチームをまとめ、2年ぶり13度目の全国切符をつかんだ。県高校新人大会、県高校総体、全国高校選手権県大会の3大会で頂点に。ポジションはゴールキーパー。兵庫県出身。18歳。 -チームの特徴は。 「攻撃力が高い。ドリブルやショートパスを使い、見ている人がワクワクするようなサッカーをしようと意識している。戦力も厚く、誰がどのポジションで出ても変わらない」 -主将として心掛けていることは。 「明るいチームで、みんなワイワイ騒いでいる。主将として、チームが羽目を外しすぎないようにすることを考えている。主将は初めての経験だったが、チームのことを考えられるようになってきたと思う
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静岡人インタビュー「この人」 杉山奈央さん 2022年静岡市成人式実行委員長
2022年1月3日にグランシップで開かれる静岡市成人式の実行委員長を務める。常葉大2年。20歳。 -委員長就任の経緯は。 「前回の成人式でも実行委に入りとても楽しかった。責任ある立場をやってみたかったこともあって立候補した。政令市の成人式という大きなイベントに携わることは貴重な経験になると思った」 ―実行委の活動内容は。 「他県在住の委員もいるため、オンラインで成人式の方向性を話し合った。企業への協賛の呼びかけをして回り、過去最高の145万5千円が集まった。11月にはプレイベントを開き市民から成人への応援メッセージを募集した」 ―成人式の概要は。 「式のテーマは『晴れハタチ~今の
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静岡人インタビュー「この人」 鈴木崇大さん おまえざきレシピコンテストで最優秀賞に輝いた
御前崎市の特産品を使った料理のアイデアを競う初のコンテストに応募。一般の部26点から選ばれた。中遠調理師専門学校(同市)の夜間部に通う。浜松市浜北区出身。36歳。 ―受賞作品は。 「『しらすとミニトマトの紅白ふわトロスクランブルエッグ』。テーマが朝食だったので、手間はかからないが特別感のある料理を考えた。よくホテルのバイキングなどで目にするふわふわのスクランブルエッグを思い描いた」 ―作り方は。 「ボウルに卵を割り入れ、牛乳か生クリーム、バター、塩を加えて混ぜる。フライパンに入れて弱火で熱し、ふんわりと固まってきたらミニトマトとしらすを入れ、さっと混ぜる。10分程度で完成すると思う」
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静岡人インタビュー「この人」 鈴木宏和さん eスポーツフェスティバルを企画した沼津青年会議所理事長
沼津青年会議所(JC)主催のeスポーツのイベントを沼津市の中心市街地にある商店街を会場に実施した。2016年JC入り。本業は鈴木電気商会の常務。40歳。 -イベントの手応えは。 「想定以上に多くの人が訪れた。子どもから大人、お年寄りまで幅広い年代の人が楽しんでいた姿が印象的だった。年代や障害、国籍を超え、さまざまな人が交流できるeスポーツの可能性を感じた」 -eスポーツの魅力は。 「世界的には注目されているが、日本はまだ抵抗のある分野だと思う。ただ、イベントをきっかけに単なるコンピューターゲームでは収まらない奥深さを知った。国内でもまちづくりやリハビリ医療に活用する動きも広がっている
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静岡人インタビュー「この人」 江崎晴城さん 藤枝ロータリークラブの会長に就任した
本年度で創立50周年を迎える藤枝ロータリークラブをけん引する。藤枝江崎新聞店の社長のほか、藤枝市観光協会長、藤枝商工会議所副会頭を務める。57歳。 -就任の感想は。 「節目のタイミングで大役を任せられ、重責を感じている。奉仕の精神を忘れず、地域社会への貢献や若者の健全育成、国際支援といった活動を精力的に展開していきたい」 -50周年記念事業の方針は。 「『女子のエンパワーメント支援』が大きな柱になる。藤枝市では、女子校の藤枝順心中・高の生徒をはじめ、若い頃から活躍する女性が目立つ。さらに活動の場を広げられるように後押ししていく」 -具体的な内容は。 「障害者支援に取り組む順心高の
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静岡人インタビュー「この人」 鈴木隆弘さん 給食向けの「減塩パン」を開発中
静岡県学校給食パン米飯協同組合の副理事長として、「減塩パン」を試作し、11月に浜松市西区の小中一貫校・庄内学園で試食会を開いた。中区や北区、西区、湖西市の給食パンを製造販売している「むつみ製パン」(西区)社長。46歳。 -試作のきっかけは。 「健康志向の観点から、全国的に教育現場における給食パンの減塩化が進んでいる。プロジェクトを立ち上げ、給食での提供の実現へ向けて県教委などにも協力してもらっている」 -試食会で提供したパンの詳細は。 「普段の給食で出ているパンは食塩1・8%だが、1・5%に減らしたロールパンを試作した。食塩を減らすと生地が粗くなったり、殺菌作用が減って傷みやすくなっ
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静岡人インタビュー「この人」 高橋頼太さん 設立60周年を迎えた御殿場青年会議所の理事長
2014年に入会し専務理事や副理事長を歴任した。12月末まで現職。小山町の障害者支援施設インマヌエルを運営する社会福祉法人婦人の園理事長。40歳。 -スローガン「感謝」の意味は。 「60年間活動を続けられた背景には、地域のために活動を始めようと努力された先輩方、それを継続した先輩方やそれぞれのご家族、活動させてくれる地域の方々がいる。その全てに対する感謝を忘れてはいけないという思いを込めた」 -1年を振り返って。 「コロナ禍という困難の中、いろいろな工夫をして地域のための活動をやりきることができた。御殿場西高生徒とまちづくりについて考えるハイスクールフォーラムを初めて行い、互いに気付
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静岡人インタビュー「この人」 長谷川達巳さん サッカー「藤枝東FCジュニア」代表兼総監督
愛知県で1月に開かれる「フジパンカップ 東海ユースU-12サッカー大会」に出場する小学生チームの指揮官。藤枝市サッカーのまち推進課の職員。52歳。 -大会に向けて。 「2010年の設立以来、東海大会出場は初めて。Jリーグの下部組織などの強豪を抑えて県大会で優勝できたことは“まちクラブ”としてとてもうれしい。蹴球都市のプライドをもって頂点を目指したい」 -どのようなチームか。 「藤枝東高サッカー部OBが指導するクラブとして中学生のチームから発足した。小学生のジュニアは3年生以上の約60人が所属している。練習では食を通じた体づくりを取り入れ、奉仕活動やSDGsの取
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静岡人インタビュー「この人」 宮本勇太さん 地元の祭り屋台の車輪を新調した
「宮本建築」代表。御前崎市池新田大山地区の祭り屋台の車輪を87年ぶりに作り替えた。11月下旬にお披露目式が行われ、多くの地元住民が完成を祝った。小笠高等職業訓練校の指導員も務める。45歳。 ―経緯は。 「大工になりたての頃から屋台建築には興味があり、先輩の職人の下で技術を学んでいた。いつかは自分で手掛けたいと思っていた。車輪の新調の話を頂いた時は驚いたが、挑戦してみようと決心した」 ―特徴は。 「車軸の『心棒』に地元の山林から切り出したウバメガシを使った。伐採後1年間は池に漬ける『水中乾燥』で樹液を除去し、その後は屋台の収納小屋で保管した。10年かけてしっかりと乾燥させた。車輪はケヤ
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静岡人インタビュー「この人」 曽根原容子さん 女性の起業や子育てを支援
起業や子育て、家庭と仕事の両立など女性が活躍できるよう幅広く支援する。立ち上げたNPO法人「Woman’sサポート」は5年が経過し、女性起業家は増え地域経済の一翼を担っている。NPO法人トップとして、人材育成や女性活躍の環境作りなどに励む。沼津市で美容・健康サロンなどを手掛ける会社を経営。同市出身。55歳。 ―活動は順調か。 「起業を後押しする講座やセミナーを開いている。中心は30、40代で、メンバーも増えている。地道な活動を重ねている」 ―地元に果たす意義は。 「起業を考えている人に一歩を踏み出しやすい環境を整えること。女性の意識を変えるきっかけづくりにしたい」 ―厳
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静岡人インタビュー「この人」 坂上雅信さん 第6代県警山岳遭難救助隊長
富士山や南アルプスなどでの遭難救助を続けて27年目の今春、隊員28人を束ねるトップに就いた。現場の陣頭指揮とともに、遭難防止などの広報啓発に力を入れる。札幌市出身。52歳。 ―意気込みを。 「隊員たちは『人の命を助けたい』一心で入隊を希望し、多くが山岳未経験から経験を積む。勉強熱心で意志が強い若手は多く、仲間として誇りに思う。どんな危険な現場からも『必ず生きて家に帰る』よう伝え、一緒に成長したい」 ―救助隊を志したのは。 「高校2年の時に修学旅行で新幹線から富士山を見た時、『ここで人を助けなければ』と決意した。救助した遭難者から『ありがとう』の5文字をもらった時に何よりやりがいを感じ
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静岡人インタビュー「この人」 山下正紘さん エアロビックの全国大会個人部門で優勝
小学生から大学生まで競技を続け、一度離れたが今年復帰。東京都で11月に行われた「スズキジャパンカップ2021 第38回全日本総合エアロビック選手権大会」のシニア2男子シングル部門で優勝した。磐田市立東部小教諭。24歳。 -復帰した理由は。 「社会人になり、職場と家の往復になった。夢中になれる目標がほしいと思い今年4月に再開した。約1年のブランクもあったが成果が出せて良かった」 -競技の魅力は。 「演技時間1分20秒の間、会場にいる観客の視線を独り占めできる。身長が高ければダイナミックな動きができるし、ジャンプが得意なら主体に演技を構成できる。選手の長所や個性が生かせるのも魅力」 -
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静岡人インタビュー「この人」 河瀬愛美さん(熱海市)被災地で介護タクシー事業を再開した
8年前、熱海市伊豆山で夫と介護タクシーの運営会社「伊豆おはな」を設立した。7月に起きた大規模土石流では車両が巻き込まれ、一時は廃業を考えたが、地域復興に向けて事業存続を決めた。看護師の資格を持つ。横浜市出身。45歳。 ―発災後の様子は。 「激しい土石流が事務所の数メートル下まで押し寄せた。建物は難を逃れたが周囲の道路は寸断され、車両1台と駐車場を失った。災害への恐怖から伊豆山で事業を継続すべきか悩んだ」 ―何が再開の決め手となったのか。 「原点を振り返った時、伊豆山の人々の暮らしを助けたいと思った。平穏な日常が奪われ『一緒に流されてしまえば良かった』と悲しむ被災者の声も聞いた。公共交
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静岡人インタビュー「この人」 深谷義弘さん(掛川市)太鼓奏法研修会を立ち上げた三社祭礼囃子保存会長
掛川市横須賀地区の三熊野神社大祭で披露される祭り囃子(ばやし)の継承と担い手育成に尽力する。元桜木小校長。66歳。 ―研修会発足の狙いは。 「伝承の過程で、太鼓の強弱やテンポがずれてきた。時代の流れの中で変わるものだが、知識として本来の奏法を知っていないとまずい。正調を伝えていくことが保存会の使命だ」 ―大祭のお囃子が2年連続で中止になった。影響をどう考えるか。 「若い人を中心に、コロナ禍での祭りの運営を検討する動きが広がっている。仮に3年連続の中止になったら、継承が途切れてしまう懸念がある。祭りに関わる人が率先してコロナ対策に取り組んでいく」 ―祭りを取り巻く環境をどうみるか。
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静岡人インタビュー「この人」 田中憲治さん(静岡市清水区)名古屋税関清水税関支署長に就任した
名古屋税関監視部特別監視官、同税関中部外郵出張所長などを歴任し7月1日付で着任した。清水税関支署をはじめ、県内七つの出張所と一つの監視署計106人の職員のトップに立つ。密輸の取り締まりやテロ対策、適正かつ公正な税の徴収、貿易の円滑化を実現するため日々尽力する。大阪府泉大津市出身。59歳。 ―清水港の印象は。 「清水税関支署への赴任は今回が3度目。清水港は駿河湾に霊峰富士、伊豆半島と風光明媚(めいび)な景観がよく見え、本当に美しいと改めて感じる」 ―抱負は。 「安全・安心な社会を実現するため、取締機関と情報を共有する。また経済情勢を把握するとともに、貿易の円滑化を実現するため、地方自治
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静岡人インタビュー「この人」 松本幹次さん(袋井市)「よこすかしろ」の工場長を10年務める
掛川市横須賀地区伝統の白下糖「よこすかしろ」を製糖する同市のサンサンファームの工場で、10年前から工場長を務める。69歳。 -よこすかしろとは。 「横須賀はサトウキビ栽培の北限とされ、江戸時代から砂糖が作られていた。キャラメル色で濃い味が特徴。自然素材で仕上げるので、サトウキビを収穫した畑や時期によって味や色が違うのがおもしろい」 -どのように作るのか。 「毎年冬になると、保存会の会員を中心に10人ほどが工場に一カ月間集まって作業する。まず、農家が収穫したサトウキビを機械で搾り、搾り汁を釜でゆで、あくをすくい取る。その後、余分な水分がなくなるまで煮詰めて乾燥させる。煮詰める温度が重要
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静岡人インタビュー「この人」 木村武子さん(伊豆の国市)交通安全啓発マスコットの寄贈を続ける
交通安全協会大仁地区支部の女性部長。交通安全運動の啓発品として活用してもらおうと毎年数回、部員と共に大仁署に手作りのマスコットを寄贈している。今年の寄贈品はクリスマスリースをモチーフにした。 -マスコットの特徴は。 「毎年部員でアイデアを出し合い、布やひも、リボンなどを使って数百個手作りしている。『無事に帰る』との願いを込めたカエルをモチーフにした作品や『はっとしない』『事故防止』との思いから考案した帽子の作品も。旅行先の土産物店ではどんなキーホルダーやストラップがあるかチェックを欠かさない」 -受け取った人の反応は。 「毎年完成するのを楽しみにしてくれている人がいる。交通安全啓発イ
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静岡人インタビュー「この人」 石川祐介さん 静岡保護観察所長に就任
保護観察所は法務省の出先機関で、更生保護や医療観察を第一線で実施する。1995年に採用され、福岡や東京、岡山の保護観察所などに勤めた。同省保護局を経て4月に着任した。本県勤務は初めて。50歳。 ―所長としての抱負を。 「静岡は更生保護、更生保護思想発祥の地。(1888年に静岡県出獄人保護会社を設立した実業家の)金原明善は真の立ち直りには社会で『居場所』と『出番』が必要と考えた。更生保護の充実に努め、制度が民間ボランティアに支えられてきたことを伝えたい」 ―具体的な役割は。 「刑務所の仮釈放者や保護観察処分を受けた成人や少年に対し、保護司の協力を得ながら再犯防止や社会復帰のための指導や
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静岡人インタビュー「この人」 アラハバキ神社について解説した郷土史家
大和政権以前に住民の信仰を集めたとされる「アラハバキ神」をまつった浜松市浜北区堀谷地区の神社について、調査結果を11月、同区で講演した。区内を中心に約60人が聴講し、住民たちに地元の歴史への関心を深めさせた。91歳。 ―アラハバキ神社の特徴は。 「アラハバキ神をまつる神社は全国に百数十社あるといわれる。磐座(いわくら)と呼ぶ巨岩が崇拝されたが、大和政権は岩などではなく、政権に関係のある神をまつるように命じた。それでも堀谷の場合は、磐座が現存している」 ―歴史に興味を持ったきっかけは。 「小学生のとき、教師が郷土に伝わる話をよく聞かせてくれた。1992年ごろ地域の神社の世話人になり、そ
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静岡人インタビュー「この人」 冨田和子さん 朗読録音グループ「すそのうぐいす」の会長
視覚障害者のための朗読録音ボランティアに取り組む市民グループの会長を2019年から務める。同グループは11月、ソロプチミスト日本財団の社会ボランティア賞を受賞した。岐阜県出身。65歳。 ―どんな活動をしているか。 「生活に役立つ情報や身近なニュース、エッセー、昔話などを会員が朗読した録音データを60分間のCDに編集し、市内外の視覚障害者に届けている。正しいアクセントや間の取り方にこだわり、正確に心地よく伝わるよう心掛けている」 ―受賞の感想を。 「1989年から続けている活動の歴史が評価された。素晴らしい賞をいただけてうれしい。今後の活動にもエールを送ってもらったと思っている」 ―
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静岡人インタビュー「この人」 高木明さん 乳幼児の難聴支援に取り組む
静岡県立総合病院きこえとことばのセンター長。京都大医学部卒業後、同大医学部講師を経て、1992年から静岡県立総合病院へ。専門は耳鼻咽喉科学、聴力改善手術。69歳。 -難聴児の治療とは。 「今は難聴で生まれても聞こえて話せる時代。生後1カ月以内にスクリーニングを実施し、生後6カ月までに人工内耳や補聴器を装用することが必要。早期発見、早期介入が重要だ」 -これまでの活動を。 「難聴児の音声言語獲得を目指す多職種による有志の会は発足から22年がたち、顔の見える関係が築けている。スクリーニング体制の整備や事後対応を含めたマニュアル作成などを行ってきた」 -NTTコミュニケーション科学基礎研
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静岡人インタビュー「この人」 鎌田洋子さん 熱海まち歩きガイドの会代表
観光地として人気が高い熱海市で13年間、観光案内ボランティアを務める。4月には発足当時から所属するガイド団体の代表に就任。約40人の会員を束ね、満足度の高い熱海旅行を提案する。東京都出身。 -熱海の魅力は。 「山と相模灘に囲まれた豊かな自然の下で温泉やグルメを堪能できるのが特徴。奥深い歴史文化があり、若者から高齢者まで誰でも楽しめる。観光客や旅行会社のニーズを聞き取り、思い出に残る熱海旅行の実現を手助けしている」 ―上手にガイドする秘訣(ひけつ)は。 「案内する側が地域をよく知ること。有名な観光スポットだけでなく市内を回り、世間に知られていない穴場を探すこともある。インターネットに掲
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静岡人インタビュー「この人」 三谷裕淑さん 第2回いわた働く人フォトコンテストのグランプリを受賞した
次世代を担う子供たちに、働く姿や仕事のやりがいを伝える磐田商工会議所主催のコンテスト。昨年4月、鋳造業「ミタニ」の4代目社長に就いた。35歳。 ―構図やこだわりは。 「タイトルは『受け継がれし職人の技術』。鋳造工程のメインといえる注湯の現場を被写体にした。1400~1500度にも達する赤々と溶けた鉄を3人がかりで型に流し込む様子で、取引先から報道された新聞を『見たよ』と声を掛けてもらい励みになった」 ―作品に込めた思いは。 「子供の頃から、真剣な表情で作業に向き合う父親の姿に尊敬の思いを抱いていた。特に注湯の作業は流し込む時の量や速度に配慮が必要で、父親の隣で覚えた感覚を大切にしてい
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静岡人インタビュー「この人」 平野伸幸さん 新スポーツ「へディス」の教室を始めた
卓球台上でゴム製のボールをヘディングで打ち合う新スポーツ「へディス」の教室を磐田市で始めた。2017年に初開催された全国大会から、18、19年と3連覇し、第一人者として競技の普及を担う。同市出身。会社員。42歳。 -へディスの魅力は。 「競技としてだけでなくレクリエーションとしてもできるため子どもから高齢者まで楽しめる。さまざまな技や戦術があり、狙い通りのプレーが決まったときの爽快感がやりがい」 -始めたきっかけは。 「磐田市で開かれた地区大会に友人に誘われて出場した。初挑戦だったが快勝を続け『もしかしたらセンスあるかも』と思った。目標だった全国大会3連覇を達成し、今は競技の普及活動
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静岡人インタビュー「この人」 杉山明美さん 農福連携を進める「Grand Farm」社長
農業生産法人「鈴生」グループの一つ。4月から磐田市で障害者の就労継続支援A型B型事業所「すずなりカレッジ磐田校」を運営する。静岡市清水区出身。 ―事業の内容は。 「グループが市内で運営する水耕栽培施設『TEN Green Factory』の業務を受託し、農福連携を推進している。利用者は10~40代の知的、精神障害がある5人。施設洗い場やホウレンソウの苗の定植などに従事している」 ―目指す将来像は。 「全ての人が携われる仕組みの構築で、担い手がなくならない持続可能な農業の実現につなげていきたい。雇用側から必要とされる人材育成を目標に、作業スキル習得と同時に学びを通じ、コミュニケーション
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静岡人インタビュー「この人」 伊藤翠香さん 静岡県東部の魅力を写真と書で発信する
書と静岡の風景写真を組み合わせた作品を写真共有アプリ「インスタグラム」に投稿し、手書きの文字と県東部地域の魅力を伝えている。裾野市内で書道教室を主宰し、小中学生を中心に指導する。元小学校教諭。49歳。 -どのような作品か。 「田貫湖の逆さ富士と『明鏡止水』、三嶋大社のアジサイと仮名文字の『あじさい』など、県東部で撮影した写真に筆や筆ペンで手書きした文字を合成した。静岡はすてきな場所が多く、素材には困らない。風景を引き立てられるよう書き方も工夫している」 -きっかけは。 「自分の書を見てもらう機会を増やそうと2019年8月にインスタグラムを始めた。写真と文字を組み合わせて投稿すると反響
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静岡人インタビュー「この人」 飯塚史久さん 島田市と米リッチモンド市の姉妹都市提携60周年を記念した絵本制作に取り組む
島田市国際交流協会リッチモンド友好委員会のメンバーとして、姉妹都市提携の歴史を紹介する絵本「ゆうじょうのかけはし」の制作を指揮する。45歳。 -絵本の内容は。 「当時の島田市長・森昌也さんとリッチモンド市長の出会いを軸に、平和への願いや未来へのメッセージを盛り込んだ。絵本を逆さにして日本語、英語両方で読むことができる」 -制作で感じたことは。 「戦後間もない時期に米国と友好関係を結ぼうとした行動力がすごい。事実関係を調べる中で両市の運命的な出会いを知り、多くの市民に伝えたいと思った。絵本を通じ、子どもたちには自分の故郷に誇りを持ってもらいたい」 -リッチモンドの思い出は。 「学生
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静岡人インタビュー「この人」 栗田侑さん SDGsがテーマのスピーチコンテストに出場
国連の持続可能な開発目標(SDGs)に絡んだ実践活動を発表する「松下幸之助杯スピーチコンテスト」で、ファイナリストの14人に選ばれ、決戦大会に出場した。浜松開誠館高1年。 -スピーチの内容は。 「中学校の修学旅行で沖縄を訪れて、海の現状を知った。サンゴが死に、魚のおなかからプラスチック片が出てきた。驚きと危機感を感じた体験をまとめた。学校で取り組み、自分も参加した気候マーチや、環境問題について議論する若者会議を紹介した」 -決戦大会出場が分かった時の気持ちは。 「人前で話すのが苦手なので少し怖く感じたけど、学校の活動を広く知ってもらう良い機会だと思った。授業前や休み時間に練習した。原
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静岡人インタビュー「この人」 福本初夏さん 西伊豆町地域おこし協力隊に就任
9月中旬に東京都から移住し、10月に着任した。地域の水産業の振興を担う。前職はアパレル関係の企業に勤め、OEM事業に携わった。東京都出身。任期は3年間。26歳。 -応募した経緯は。 「さまざまなことを経験してみたいという思いがあり、昔から釣りが趣味だったため応募した。伊豆市に祖父母の実家があり、釣りを楽しむために西伊豆町を何度か訪れたことがあり、なじみがあった」 -業務内容は。 「主に産地直売所『はんばた市場』に勤務し、接客や商品の陳列、ポップ作成など多岐にわたる。現在は就任して1カ月間で学んだ魚の下処理をメインに担当する。さらに腕を磨いていきたい」 -町の印象は。 「実際に生活
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静岡人インタビュー「この人」 佐藤あゆなさん 第35代富士娘に選ばれた
コンテストで選ばれ、御殿場市の観光イメージガールを2年間務める。イベントに出向いて市をPRするほか、企業や観光施設のプロモーション動画に出演する。鎌倉女子大短期大学部初等教育学科2年。20歳。 -抱負は。 「憧れだった富士娘に選ばれ、とてもうれしく光栄。緊張感と期待感がある。活動を楽しみながら御殿場の良いところを伝えて地元を盛り上げたい。馬が大好きで馬の世話のアルバイトをしている。馬に関する活動ができればうれしい」 -コンテスト参加のきっかけは。 「父親に勧められた。歴代の富士娘の活動をホームページで見て、育ててもらった御殿場への恩返しになればと応募した。大好きな馬に乗ることができる
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静岡人インタビュー「この人」 後藤真衣子さん 静岡鉄道の乗車マナー啓発動画を制作した
静岡デザイン専門学校(静岡市葵区)の生徒を対象に実施した電車内のマナー啓発動画コンテストで、36作品の中から最優秀賞に輝いた。動画は車両内や新静岡、新清水の両駅で来年3月末まで放映している。グラフィックデザイン科ウェブデザインコース3年生。21歳。 -受賞の感想を。 「作品を提出する際のプレゼンテーションで周囲のレベルの高さに驚いていたので、受賞は本当にうれしかった。努力が報われた。マナー向上につながり、少しでも社会の役に立つことができれば」 -作品の内容は。 「タイトルは『SNSやり取り風』。メッセージアプリ上で『マスクしてる?』『もちろん』『手の消毒もしたよ』などと言葉が交わされ
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静岡人インタビュー「この人」 石松チ明さん アクトシティで作品展を開いた浜松市出身の若手画家
アクトシティ活性化委員会主催の企画展の作家として選出され、アクトシティで地元初の作品展を開いた。2019年に「月刊美術」主催のコンクールで入選。以来多数の受賞歴がある。浜松学芸高卒。27歳。 -画家になった経緯は。 「絵を描くことが好きで美術科のある高校に進学した。けれど、テーマを決められて絵を描くということが苦痛になり、大学は法学部に進み、絵から離れた。在学中、体調を崩し寝込んだが、画集を見ているとつらさから解放された。その経験から自分にはやっぱり絵を描くことしかない、と2017年から画家として活動を開始した」 -絵を描く楽しみは。 「畳の目を永遠と描くような細かくつらい作業をして
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静岡人インタビュー「この人」 塚田悠也さん 洋菓子のワールドカップで準優勝を果たした
フランスのリヨンで開かれた「第17回クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー2021」に日本代表の一員として出場。主将を務めた。浜松市中区の東海調理製菓専門学校の洋菓子専任教師。旧大井川町(現焼津市)出身。39歳。 -洋菓子の道に入った経緯は。 「料理が好きで、特に菓子が大好きだったので高校生のときにパティシエを志した。東海調理製菓専門学校を卒業し、洋菓子店での勤務を経て、2015年に教師として母校に戻ってきた」 -大会の内容は。 「3人一組で、分担してキリンや人物、鳥をあめ細工やチョコレートで一つの作品に表現した。自分は水あめでキリンをモチーフに制作。高さは165センチで、大会
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静岡人インタビュー「この人」 中山禎司さん 臓器移植の推進で厚生労働大臣感謝状を受けた医師
浜松医療センター(浜松市中区)の院長補佐兼循環器センター長兼脳神経外科部長兼眼科部長。臓器移植対策を推進した長年の取り組みが評価され、県内の個人で2人目となる厚労相感謝状を受けた。62歳。 -受賞の感想を。 「取り組みが高く評価された結果で光栄に思う。患者と家族の尊い意思を反映すべく、病院を挙げて取り組んできた」 -特に、尽力した点は。 「時間的、人員的な調整。臓器移植は多くの人が関わり、時間や場所の設定が大切になる。病院が積極的に進めるという意思を持って、医者や個人に負担がかからないよう協力できる体制を考えた」 -取り組みへの思いは。 「少しでも救える命があるなら貢献したいとい
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静岡人インタビュー「この人」 野沢夕紀子さん ダンスの楽しさを多くの人と共有する活動に取り組む
10月に初めての映像作品を発表した、静岡市の年配女性でつくるダンスカンパニー「恋するシニア」のメンバー。振り付けや構成、演出も担う。任意団体「ダンスセレブレーション」代表で、同市清水文化会館マリナート副館長。58歳。 -映像作品を鑑賞した人の反応は。 「『元気が出た』『すがすがしい気持ちになった』という声を多くいただいた。メンバーがこれまで培ってきた踊る力と大人の女性の人間力が、映像でも舞台でも見る人を楽しませていると思う」 -ダンスセレブレーションとは。 「ダンスイベントの企画制作やコーディネートを行っている。年齢やダンス経験、障害の有無などにかかわらず、一般の人々が行う創造的な表
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静岡人インタビュー「この人」 松下智子さん 静岡県西部初の市民後見人に選任された
静岡家庭裁判所から9月、認知症や知的、精神障害などで判断能力が不十分な人に代わって財産管理や法律的な手続きなどを行う市民後見人に選任された。県西部での選任は初。68歳。 -市民後見人とは。 「親族後見人や弁護士などの専門職後見人以外の一般市民による後見人。同じ地域に住み、被後見人に寄り添ったきめ細やかな支援を行う。成年後見人制度に対応できる専門職の数が限られるため、新たな担い手として市民後見人が各地で求められている」 -活動内容は。 「精神科に入院する成人男性を担当する。菊川市社会福祉協議会の監督を受けながら日常の生活管理を行う。たとえば入院の契約など。本人による契約が難しければ代理
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静岡人インタビュー「この人」 小松快造さん 富士宮市議会の新議長に就任
わいせつ事件や議長選に絡んだ贈賄申し込み事件で計3人の現職市議が摘発された富士宮市議会。事件後議長不在時は副議長として先頭に立った。補選で新たな5人を迎え、市議会の再スタートを目指す。67歳。 -事件を振り返って。 「一つは議長の椅子に固執しすぎたことで起きた事件。いずれも資質の問題。副議長だった身として結末を付けるのは自分しかいないと、手を上げた。最終的には市民の皆さんに納得してもらえるところまで持っていきたい。区長会と落としどころを探っていく」 -政治倫理条例では。 「個人の資質を問える内容にしたい。やるべきことやってはいけないことを整理する。新人議員にも入ってもらい、外から見た
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静岡人インタビュー「この人」 三浦愛さん 焼津市の地域プロジェクトマネージャーに就任
2017年10月、地域おこし協力隊員に就いたことを機に焼津市に移住した。協力隊時代に始めた釣り教室は現在も続けていて、子どもたちに海の魅力を伝えている。埼玉県川口市出身。34歳。 ―就任の抱負は。 「軸となる活動は二つ。一つは焼津内港の漁具倉庫をテレワーク拠点として整備するが、これを地域活性化のためにどう生かすかを考えたい。もう一つはワーケーションを盛り上げていきたい。利用者のニーズをしっかり聞いて、最終目標の移住につなげたい」 ―移住したきっかけは。 「釣具店で働いていた経験から海が好きだった。イタリアに留学して魚料理も学んだ。そうした経験を生かせる場所として焼津で働きたいと思い、
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静岡人インタビュー「この人」 吉田真誉さん 自作の仏画展示会を催した尼僧
庵主(あんじゅ)として務める浜松市北区細江町の長楽寺で約50点を並べた。5年ほど前にゆかりのなかった同寺へ居を移したが、人間性に引かれ多くの人々がサポートに訪れるなど、魅力的な名物尼僧として有名だ。横浜市出身。53歳。 -仏画展開催の経緯は。 「これまで奈良県の東大寺で開いてきたが、コロナ禍の影響で遠方での実施が困難になったため、昨秋から長楽寺で催すことになった。ここでは今回で3回目になる」 -尼僧になった経緯は。 「大学時代に海外の歴史ある場所を訪れるうちにもっと自国を知ろうと思い、日本の伝統文化に興味を持った。帰国後に行ったお寺で和尚に誘われて手伝いをするようになり、訪れる人々が
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静岡人インタビュー「この人」 野崎隆範さん 三島税務署長に就任
相続税調査など主に資産課税を担当してきた。愛知、三重で勤務し、本県の赴任と署長就任は初めて。三重県津市出身。56歳。 ―職員に何を指示したか。 「コロナの感染状況を踏まえ、納税者に即した柔軟な対応を心掛けること。また、名古屋国税局管内の48署で最も明るく活気ある職場を目指す。私生活もしっかり充実させて仕事も頑張ってほしい」 ―最も重視する課題は。 「e―tax(イータックス)の普及。確定申告がスマホででき、利便性は年々高まっている。源泉徴収票をカメラで撮影すれば自動入力されるシステムも来年1月から導入される予定。まずは利用し、便利さを体験してもらいたい」 ―管内の印象は。 「伊豆
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静岡人インタビュー「この人」 沢崎宏一さん 県立大COIL型授業を担当する国際交流センター長
国内3大学と米国の10大学で連携し、遠隔で国際連携授業を行う「COIL(コイル)型授業」に2018年度から取り組む。国際関係学部教授。56歳。 ―COIL型授業を行う意義は。 「ICTツールを活用した国際間の双方向授業。06年に米国で提唱され、国内に波及した。都市圏に比べると地方は国際化資源が少なく、学生への機会提供として挑戦する意味は大きい。文部科学省の『大学の世界展開力強化事業』に採択されている」 ―具体的な取り組みは。 「日米の大学による合同授業や授業時間外の意見交換、グループ活動などを行う。やりとりは日本語も可能。能動的コミュニケーションを目指している」 ―学生たちの様子は
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静岡人インタビュー「この人」 阿諏訪元成さん 静岡呉服町名店街営業委員長
静岡市の行政や市内の中山間地「オクシズ」の農家と連携し、さまざまなイベントや催し物などを開催して呉服町を盛り上げている。同市駿河区出身。62歳。 ―今まで携わってきたイベントは。 「静岡の人に本物のお茶を飲んでもらう企画『呉服茶w(ごふくちゃう)』や街頭灯を秋の花で装飾するハロウィーンイベント『はなはな呉服町』など。子どもたちに七夕を楽しんでもらおうと、札の辻交差点付近への竹製ブランコの設置などにも取り組んだ」 ―呉服町名店街営業委員長としての使命は。 「大学を卒業後、静岡で就職し、呉服町を約40年見てきた。各地の商店街でシャッターが閉まったままの店が増えているが、100年以上続く歴
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静岡人インタビュー「この人」 井口繁和さん 十湖池ビオトープの保全に取り組む
浜松市東区豊西町の民有地に多様な生き物が生息する水路や林を創り出そうと活動するNPO法人「浜松市東区の自然と文化を残そう会」の会長理事。生物学習のイベントなどを開催する。浜北西高教諭。52歳。 ―十湖池とは。 「豊西町出身で明治、大正期に活躍した俳人松島十湖(1849~1926年)の所有地にかつて存在した池。トンボやホタルが舞い、子どもの遊び場だった。住民は親しみを込め十湖池と呼んだが、水が枯れて埋め立てられた」 ―復元活動の歩みは。 「十湖のひ孫に当たる松島知次さんが1999年、埋め立てられた土地に再び水路を造り、住民と協力して徐々にビオトープ(生物生息地)として拡充した。その過程
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静岡人インタビュー「この人」 末宗奈穂さん 書店の開業を目指す
2020年4月から伊東市の地域おこし協力隊員を務める。10月初旬から1カ月間、将来の実店舗運営を見据え、市内の「りんがふらんか城ケ崎文化資料館」で古書の展示販売に取り組んだ。29歳。東京都出身。 ―期間を振り返って。 「自身が週末にしか来られないため、商品に手書きのポップを添えたが、一緒に持ち帰ってくれた人が多かった。どんな世代の人がどんな本に興味があるのかを垣間見ることができた」 ―将来の展望は。 「現在はオンラインの『本と音楽の店 つぐみ』を運営している。隊員の任期が終了する23年春には市内に店舗を構えたい。そのための物件探しを始めている。地域住民や伊東を訪れた人たちに立ち寄って
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静岡人インタビュー「この人」 山本夏夢さん 一輪車演舞の競技普及に尽力
米国の人気オーディション番組で準決勝進出を果たし、絶賛を博した国内初のプロ一輪車ダンスグループ「UniCircle Flow(ユニサークル・フロー)」のキャプテン。日本独自の一輪車演舞の魅力を世界に発信する。24歳。 ―始めた理由は。 「静岡城内一輪車クラブ(静岡市葵区)の監督が幼稚園へ教室を開きに来たことをきっかけに5歳で始めた。小学4年ごろから本格的に練習に取り組むようになり、平日は放課後から夜中まで、休日は丸1日、ほぼ毎日練習してきた」 ―継続できたのはなぜ。 「一輪車が大好きだったから。マイナー競技を一緒に成長させてきた仲間の存在も大きかった。互いに教え合い、支え合いながら練
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静岡人インタビュー「この人」 原清人さん 沼津未来クリエイティブ会長
地元沼津市の良さを探ろうと、デザイナーらでつくる任意団体「沼津未来クリエイティブ」を率いる。活動の一つ、ポッドキャストラジオ「ぬまずっきゅーん★素敵さんのここだけの話★」がグッドデザイン賞を受賞。同市出身。54歳。 ―活動内容は。 「15人前後が主な活動を担い、沼津の魅力や特徴、将来像など地元のアイデンティティーを模索している。活動は移住者の応援事業と『ぬまずっきゅーん』が中心」 ―ぬまずっきゅーんの特徴は。 「昨年9月に始め、毎週金曜午後9時に配信する。沼津の『ぬま』とリスナーの心に『ささる』から名付けた。ゆかりのある人がゲスト。次のゲストを紹介するリレー形式で、60人ほどが出演し
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静岡人インタビュー「この人」 増田洋樹さん 海上クリーンアップ作戦を企画した
海の安全啓発や環境保全などに取り組む「御前崎渚の交番」のスタッフ。地元のスタンドアップパドルボード(SUP)愛好家ら約30人とともに、御前崎港付近で海面に漂うごみを拾った。御前崎市出身。49歳。 ―企画の意図は。 「自分がSUPをしたり水上オートバイでパトロールをしたりする時、ビニールなどを見つけては拾ってきた。みんなでやれば集める量が多くなると思った。海が好きな人同士で横のつながりを持つのも狙い」 ―開催後の手応えは。 「活動後に意見交換の場を持ちたかったが、新型コロナウイルスの影響もあり見送った。継続して行っていきたい」 ―海洋ごみの現状は。 「2050年にはプラスチックごみ
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静岡人インタビュー「この人」 田中一成さん 静岡市保健所長に就任
9月まで成田空港検疫所長として新型コロナウイルス対策の第一線で対応に当たった。10月から現職。1993年旧厚生省入省、県内への赴任は初めて。山口県宇部市出身、山口大医学部卒。59歳。 ―第6波の対策は。 「これまで保健所は、入院患者の調整など医療への介入が大きかった。今後は医療と適正な関係を築き、疫学調査など保健所が本来すべきことを充実させる。市民には一時期のような過剰な対策ではなく、メリハリある予防を求めていく」 ―コロナ以外の課題は。 「地域包括ケアシステムの構築が最重要課題。重要性について住民を含めた関係者で共通認識を持つ必要がある。人生100年時代の今、寿命が60歳だった昭和
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静岡人インタビュー「この人」 袴田勝彦さん 湖西市商工会長を務める
5月の総代会で会長に選出された。自動車関連など製造業が盛んな湖西市で、中小企業の支援に奔走する。金属部品製造の袴田精機の会長。79歳。 -新型コロナウイルスの影響はどうか。 「国内の感染状況は落ち着いてきているが、東南アジアからの部品調達が滞った。半導体不足が重なり、国内自動車メーカーは減産になった。客足が戻りきらない飲食店を含め、今後も中小事業者の支援が必要」 -どのような支援を。 「助成制度の紹介や申請手続きの助言、専門家派遣の負担金助成などを行っている。人手不足の課題には、外国人技能実習生の受け入れ事業を継続している。会員が困っている今こそ、力を発揮したい」 -コロナワクチン
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静岡人インタビュー「この人」 松田隼風さん サッカーJ2水戸ホーリーホックに来季加入
東日本大震災に伴い県内に一時移転し、御殿場、裾野両市を拠点に活動するJFAアカデミー福島の選手。左サイドバックを主戦場とするDFで、9月に水戸への加入が内定した。北海道函館市出身。18歳。 -内定の経緯と感想は。 「水戸に2度練習参加し、オファーを受けた。プロになるためにJFAアカデミーに入ったので、素直にうれしかった。攻撃の崩しの技術やアイデアを評価してもらったと思う」 -JFAアカデミーの約6年で得たことは。 「親元を離れて中学からアカデミーでの寮生活を送り、自立できたことが大きかった。サッカーの面でも『止めて蹴る』の基礎的な技術をしっかりと身につけることができた」 -御殿場市
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静岡人インタビュー「この人」 斉藤斉さん 全日本卓球選手権大会マスターズの部で優勝した
福島県で10月に開催された卓球の全日本選手権で、男子ハイシックスティ(65歳以上、70歳未満)の部門で頂点に立った。しずおか焼津信用金庫の嘱託社員。青森県出身。67歳。 -競技を始めた経緯は。 「青森県の自宅近くの精米所に卓球台があり、小学生のころから家族や先輩と一緒に楽しんでいた。卓球のイロハを学び、高校でインターハイにも出場した」 -現在の練習方法は。 「会社の卓球クラブに所属し、静岡市葵区の会社施設を拠点に週3日、練習に励んでいる。若い人たちと練習することで大きな刺激をもらえ、年齢による衰えが緩やかになっている気がする。ウオーキングや筋トレも日課になっている」 -大会の感想は
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静岡人インタビュー「この人」 大石康人さん 静岡県商工会青年部連合会の会長に就いた
今春から静岡県内34商工会青年部の会員約1300人をまとめる。9月に本県で12年ぶりに開催した関東ブロック商工会青年部連絡協議会の主張発表大会では、リーダーとして準備に奔走した。吉田町商工会青年部所属。同町出身。41歳。 -大会を終えた感想を。 「新型コロナウイルス下でも手段を尽くして開催できた。事前に録画した動画を放映したが、臨場感がよく伝わった。来場できない関係者向けに、県内の特産品の特設販売サイトを立ち上げるなど、今後に生かせそうな取り組みもできた」 -県連の課題は。 「会員数の減少。定年は45歳だが、会員の半数は40歳以上で自然減が続く。経営力強化事業などをアピールし、1人で
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静岡人インタビュー「この人」 稲葉摩人さん フォーミュラレースの「スーパーFJ」でデビューしたレーサー
10歳でカートを始め、16歳で横浜市のチームに加入してフォーミュラに転向した。富士スピードウェイ(SW)で20日に行われたレースに出場した。御殿場市内の高校に通う18歳。 ―レーサーを志したきっかけは。 「小さい頃からスーパーGTなどのレースを見るのが好きだった。父の知り合いが出場したレースをサーキットに見に行ったり、特別にピットに入れてもらえたりして、レースが身近になっていった」 ―ここまでの苦労は。 「カートでは目立った活躍ができず、悔しい思いをしてきた。レーサーの夢を諦めきれず、15歳の春にチームのオーディションを受けた経緯がある。フォーミュラでは結果を残したい」 ―レースの
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静岡人インタビュー「この人」 戸田陽一さん 清水海上保安部長に就任
名古屋海上保安部巡視船みずほ運用司令長、第十管区海上保安本部警備救難部次長を歴任し10月1日付で着任。清水への赴任は初めてで、風光明媚(めいび)な環境を気に入っている。名古屋市出身。50歳。 ―抱負は。 「海上交通の安全を確保する。清水港は県内企業が必要なエネルギーや部品が入ってきて、完成品を港から出す重要な港。安全な海を目指すのが静岡の経済活動を後押しする」 ―清水の印象は。 「赴任初日が晴天で、きれいな富士山が印象的だった。直近まで鹿児島にいて、桜島が目の前にあった。これからは富士山を毎日眺めながら仕事をする。新たな環境で一層励みたい」 ―静岡では南海トラフ地震が危惧されている
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静岡人インタビュー「この人」 黒川実紘さん 沼津ブランドのポスターをデザイン
沼津商工会議所が認定する地元特産品「沼津ブランド」をPRするポスターのデザインコンテストで優勝した。応募総数89点から選ばれた。採用されたデザインのポスターは2022年8月下旬ごろまで、沼津市内で掲示される。沼津商高情報ビジネス科マルチメディアコース3年の18歳。 -デザインの特徴は。 「これまで写真を使ったデザインが多かったため、富士山や海、干物など沼津名物のイラストを配した。沼津ブランドを知らない人が多いと感じたので、文字を中央に置き、印象に残るよう工夫した」 -作製の過程で印象深かった出来事は。 「デザインの参考に、認定されている喫茶店を取材したこと。マスターの『沼津を盛り上げ
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静岡人インタビュー「この人」 杉山広充さん 川根本町議会議長に就任
33年の教員歴を持ち、これまで川根本町教育長などを歴任した。2017年に初当選。当選2回。70歳。 ―議員を志したきっかけは。 「『必要とされる時こそ全力をつくせ』。学生時代の恩師の言葉が心に残っている。前任者の引退に伴い、同じ地区の町民から背中を押されて、町議に立候補した。周囲の期待に応えたい。その一心だった」 ―どのような議会を目指したいか。 「住民の声にしっかり耳を傾けて、議会や委員会等で話し合い、提案、提言につなげる。学びの姿勢を常に崩さず、疑問に思った点は調査を促したい。議員の能力や個性が光る議会を目指す」 ―初の無投票に終わった町議選を振り返って。 「町民の期待に恥じ
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静岡人インタビュー「この人」 竹山哲夫さん 本年度の県知事表彰を受けた警察官
1980年4月の拝命。松崎署(現下田署松崎分庁舎)地域課への配属を皮切りに沼津署刑事課、県警生活保安課などを経て、現在は浜北署生活安全課生活安全係長を務める。本年度の県知事表彰を受けた唯一の現役警察官。掛川市出身。60歳。 ―表彰を受けた感想は。 「1人ではできない仕事ばかりだった。今回の表彰でも上司や同僚らから声を掛けていただき、大変うれしく思うと同時に周囲の方々のおかげであるとあらためて感謝している」 ―これまでの仕事を振り返って思うことは。 「刑事、生活安全部門の仕事が長かった。いわゆるヤミ金や風俗事件の捜査では証拠を固めるのが困難だったが、悪事を犯した人にきちんと処罰を受けさ
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静岡人インタビュー「この人」 野村飛伎さん 富岳館高環境科学研究部の“初代部長”
朝市「岳市楽座」や地元企業とのコラボ商品の開発を通じ、地域活性化を目指す。部活の活動内容が「環境科学」から「地域活性化」に転換した2019年度から参加する“1期生”。富岳館高3年の17歳。 -部活の活動内容は。 「高校生が主体となり若者の視点や発想で地域を盛り上げていく部活。20年秋に岳市楽座の企画を始め、これまで7回開催した。由比缶詰所(静岡市)との商品開発なども進めている」 -岳市楽座とは。 「学校敷地内を会場に、有機野菜や総菜、ニジマスなどの特産品、缶詰やレトルトなど地元企業の商品を販売している。子ども向けの体験コーナーも用意し、幅広い世代が楽しめる企画
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静岡人インタビュー「この人」 高橋一美さん 伊豆山の住民を支える任意団体「テンカラセン」を設立した
熱海市伊豆山で弁当店を経営する傍ら、大規模土石流で疲弊する住民の困り事を聞いて回ったり、支援物資を配ったりとボランティアに尽力。復旧復興に向けてこれまでの活動を「点」から「線」に広げようと、10月に任意団体「テンカラセン」を設立した。45歳。 ―発災からこれまでの自身を振り返って。 「もともと人助けをするキャラクターではなく、目の前のことに必死に対処してきただけ。現地では毎日『大丈夫?』という言葉が飛び交っていた。そんな人を気遣う気持ちをもっと広げたいと思い、設立した」 ―メンバーは。 「発災時から共に活動してきた20代から50代の仲間15人。被災した人もいれば、医療、福祉関係者、事
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静岡人インタビュー「この人」 池谷拓真さん 全国コンクールで最高賞を受賞した浜松市立高マンドリン部の前部長
部員約40人が出場した全国高校ギター・マンドリン音楽コンクールで、吹奏楽曲として知られる「マゼランの未知なる大陸への挑戦」を披露し、栄冠をつかみ取った。普通科3年生。18歳。 ―最高賞受賞の知らせを聞いた時の気持ちは。 「新型コロナの影響で終了後の表彰式はなかったので、宿泊先のホテルに戻ってから結果を知った。とてもうれしかったし、部員の努力が報われたという思いを強くした」 ―無観客開催の影響は。 「会場には審査員の方しかおらず、いつもと雰囲気も違っていた。自分たちは観客に向けて弾くスタイルだったので少し残念だった。それでも演奏が始まった後は夢中で、精いっぱいやろうという気持ちは出せた
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静岡人インタビュー「この人」 松浦成夫さん ふれあいの森林づくり表彰を受けた認定NPOの理事長
2006年に任意団体「時ノ寿の森クラブ」を設立した。21年6月から認定NPO法人として活動する。森林保全の取り組みが認められ、国土緑化推進機構が実施した21年度の顕彰事業で入賞した。68歳。 ―受賞の感想は。 「民有林を所有者に代わって守ってきた。森が再生されつつある。ただ、都市部住民を巻き込んだ事業の展開は道半ば。設立15年の節目での受賞は、活動への激励だと受け止めている」 ―NPOの主な事業は。 「森林保全活動や自然体験プログラムなどの事業が中心。森を活用したサービスを提供して対価を得る仕組みを作らないと、活動が自己満足になりかねない。森林の恵みを社会に還元していきたい」 ―環
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静岡人インタビュー「この人」 嶋村彩さん スロームーブメント静岡実行委員会代表
サーカス技術の習得を通して協調性や社会問題の解決力を育む「ソーシャルサーカス」のワークショップを開く。パーソナルトレーナーやダンサーとして活動する。48歳。 ―ソーシャルサーカスとは何か。 「大道芸でおなじみの『ディアボロ』やフラフープといった器具を使ったり、身体表現を追究したりして、障害や性別、人種などに関わる社会問題の緩和を図る。紛争地帯や移民の多い地域で行われている」 ―きっかけは。 「フランス旅行の際、困っている人に対して、通りすがりの人が手助けしている様子を見た。バリアフリー化なども必要だが、一人一人の意識を変えることが大切だと気付いた」 ―効果は。 「ワークショップの
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静岡人インタビュー「この人」 田村滋治さん 笠井だるま市を運営する保存会の会長
浜松市東区笠井町の福来寺で130年続く新春恒例の「笠井だるま市」を企画・運営する「笠井だるま市保存会」の会長。他団体や地元児童生徒の作品展示を行うなど、幅広い世代が伝統行事に携わる試みを続ける。78歳。 -活動のきっかけは。 「だるま市は多くの人々の手によって脈々と受け継がれてきた伝統的な行事。これまで支えてこられた方々の高齢化が進み、自分たちが支えなければという気持ちになった」 -心掛けていることは。 「一部の人だけでなく、笠井に住む全ての人が関わり、共通の話題となる行事を目指している。地域に愛着を持ち、古里を支えようという気概を持った人材が今後、生まれていくと思っている」 -取
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静岡人インタビュー「この人」 原勝政さん 子育て世帯支援に取り組む
新型コロナウイルスの影響で社会全体が苦しむ中、社会福祉協議会と連携して子育て世帯などへの支援を始めた。伊豆の国市の温泉旅館「おおとり荘」の支配人。香川県出身。55歳。 -支援への思いは。 「旅館の運営元の県労働福祉事業協議会は過去に子育て世帯を支援するホームの運営をしていた。県内の働く人を支えるのが協議会の理念で、時代が変わっても方針は変わらない。コロナ禍で宿泊事業が思うようにできない中、地域への支援で何ができるかと考え、支援事業を始めた」 -新型コロナの影響は。 「他の宿泊施設、他の事業者と同様にとても厳しい状況だった。それでも県民対象の割引事業の影響もあり、宿泊客は増えてきた。現
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静岡人インタビュー「この人」 米野みちよさん 外国人看護師について考える本を出版した
4月に静岡県立大国際関係学部教授(文化人類学専攻)に就いた。経済連携協定(EPA)に基づき東南アジア各国から来日する看護師候補生などについて研究する。神奈川県出身。53歳。 -静岡の印象は。 「都市が大きすぎず、景色も良く過ごしやすい。茶やミカン、ワサビなど静岡ならではの食べ物も堪能している」 -新たに書籍(共編著)を出した。 「現状の研修制度では日本語教育が十分ではない人が来日したり、教育する看護師の負担が過重になったりするケースが多い。結果として日本の看護師国家試験の合格者は少ない。介護士研修生を記した本は多くあるが、看護師を専門的に扱った書籍は少なく、課題を伝えたいと思った」
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静岡人インタビュー「この人」 野嶋京登さん 地域交流イベントを企画運営する協働センター職員
富塚協働センターのコミュニティー担当。公園で工作などを楽しむ定期イベント「あおぞら協働センター」を企画、運営する。民間企業の営業職を経て浜松市に入った。西区出身、36歳。 -企画のきっかけは。 「研修で視察した沖縄県の事例、パーラー公民館の浜松版として始めた。2年目を迎え、参加者が他の参加者に遊びを教えてくれたり、別の事業を手伝ってくれたりするなどつながりが生まれている」 -イベントの狙いは。 「地域内の結びつきが希薄になる中で、世代間交流の促進や顔の見える関係づくりをすること。顔を知っていれば、災害時などにも助け合いができるのでは」 -Uターンの理由は。 「生まれ育った浜松を盛
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静岡人インタビュー「この人」 松浦城太郎さん 地方公務員アワード2021を受賞した
西伊豆町産業建設課の職員。同僚の推薦で応募した全国の地方公務員76人の中の10人に選ばれた。直売所「はんばた市場」の開設や電子地域通貨「サンセットコイン」の導入に尽力したことが評価された。41歳。 -受賞の感想を。 「自分で応募していないため実感が湧かず、驚きが大きい。ただ、地域活性化のための挑戦が評価されたことはうれしい」 -はんばた市場開設の思いは。 「高齢化による第1次産業衰退の危機感があった。安定供給が難しい都内への出荷を進めるよりも、しっかりとした地産地消の仕組みをつくることが生産者の所得向上や担い手不足の解消につながると考えた」 -サンセットコインについて。 「導入に
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静岡人インタビュー「この人」 泰沢友和さん 浜松産レモンの製菓材料を作り出した
浜松市東区の製菓材料卸「平出章商店」が社内外の連携拡大に向けて新設した「つながり創造室」室長。JAや障害者就労支援施設と連携してレモンの皮を加工し、菓子やパンの材料として商品化した。45歳。 ―なぜレモンを材料に。 「北区や浜北区のミカン農家にはレモンも育てている人がいる。ある農家から『果汁を搾ったレモンの皮が余っている』と相談された。皮を4ミリの角切りにし、砂糖で煮て製菓材料にした。使い道がなければ捨てられる皮を活用することで農家の所得向上を図れる」 ―障害者との連携とは。 「ミカンジュースを作っている北区の就労支援施設クルミックスの利用者に、レモンの皮をむく手作業をお願いしている
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静岡人インタビュー「この人」 案間一博さん 藤枝ライオンズクラブの会長に就任
本年度で設立60周年を迎えた藤枝ライオンズクラブのトップとして記念事業の展開をけん引する。「温故知新」をテーマに、過去の活動を見つめ直しつつ、新たな地域貢献に向けて知恵を絞る。57歳。 -就任の抱負を。 「節目を迎え、まずはさまざまな記念事業をしっかり推進したい。これまでの地域奉仕の活動を掘り起こし、若いメンバーに先人たちの熱意を伝える機会にしていく」 -主な記念事業は。 「西益津地区にある田中城の価値を再認識し、発信することが最大の目標。御城印を新たに作り、来場者に配布する。石碑の設置やお城周辺を巡る街歩きイベント、講演会も展開する」 -本年度の取り組みは。 「地域の里山ハイキ
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静岡人インタビュー「この人」 小泉りささん 第35代富士娘に選ばれた
御殿場市の観光イメージガールを2年間務める。各地で開かれるイベントに参加して市の魅力を伝え、観光施設や企業のPR動画に出演する。東海大観光学部観光学科4年。22歳。 -抱負を。 「生まれ育った御殿場に恩返しできるよう全力で活動する。すてきな場所に出向き、すてきな人に出会い、新たな魅力を知りたい。選んでくれた皆さんに認めてもらえるよう、富士娘として成長していきたい」 -市の魅力は。 「都心から近く、日本のほぼ真ん中で、程よく田舎。御殿場プレミアム・アウトレットや時之栖が有名だが、御殿場駅の近くには新しいお店がある。おしゃれなお店もある。すてきな大人がいっぱいいる」 -富士娘コンテスト
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静岡人インタビュー「この人」 三室千菜美さん フェアトレードの普及活動に取り組む
発展途上国の製品を適正な価格で扱うフェアトレードの雑貨店「晴天」を2019年、浜松市東区有玉南町に開業した。フェアトレードの男性服を紹介する企画展を開くなど普及に尽力している。44歳。京都府出身。 -開店のきっかけは。 「20代のころから自分の店を持ちたいと思っていた。大学卒業後、フェアトレード商品を扱う京都府の企業に4年半務め、結婚を機に浜松に移住した。浜松がフェアトレードタウンに認定されたことを知り、雑貨店を開こうと決意した」 -経営上の工夫は。 「お客さまの要望にできる限り沿って、小さな声にも答えられるように努力したい。店内の限られたスペースをどう生かすことができるか考えている
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静岡人インタビュー「この人」 出田友紀さん 電話応対コンクール静岡県大会で優勝
日本電信電話ユーザ協会静岡支部が9月30日にリモート開催した県大会で頂点に立ち、11月2日に同じくリモートで開かれる全国大会出場を決めた。オークラアクトシティホテル浜松(浜松市中区)に勤務する。46歳。 ―県大会を振り返ると。 「各地区予選を突破した36人がハウスクリーニング業者の担当者の設定で、3分以内の電話応対に当たった。大会に出場したのは6回目。リモート開催だったこともあり、緊張せずに臨むことができた」 ―優勝できた要因は。 「想定される質問に対して自分なりの回答を考え、原稿にまとめて練習を繰り返した。原稿はお客さまの言いたいことを引き出せるように工夫した。過去に3回入賞したが
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静岡人インタビュー「この人」 塩見康平さん 関東ブロック商工会青年部連絡協議会の主張発表大会で優秀賞に輝いた
御前崎市商工会青年部所属。市内で機械の設計や維持管理を担う会社を経営する。7月の県大会で最優秀賞に選ばれ、静岡県代表として出場した。北九州市出身。40歳。 ―受賞の感想は。 「自分一人の力ではできなかった。青年部長らに夜遅くまで練習に付き合っていただき、間の取り方や表情をアドバイスしてもらった。それだけに全国大会に行けなかったのは悔しい」 ―発表内容は。 「子ども用品専門店の開業を決めた経緯を話した。御前崎市には第2子以降の出産に祝い金を支給する制度があり、半額分が商品券で渡されるが、その商品券を子どものために使える店がないと実感した。11月に店を開く」 ―ケネディ米大統領の名言を
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静岡人インタビュー「この人」 鈴木知子さん チャリティープロレスの企画に関わった
6月に結成した浜松市のNPO法人「プロレスで浜松を元気にする会」の副理事長を務める。9月に結成後初めてのイベントを市内で開いた。柔道の実業団を経て「ファング鈴木」のリングネームで活躍した元女子プロレスラー。53歳。 -チャリティープロレスの内容は。 「新型コロナウイルス感染防止のため、試合会場は無観客にして無料で動画配信を行った。選手時代から親交のあるジャガー横田さんも出場してくれた」 -今後の活動は。 「年に1回は今回のような大きい興行を開きたい。子ども向けの体験イベントも考えたい。リングの弾み方やロープの堅さを体感してもらい、プロレスを身近に感じてもらえたら」 -プロレスの魅力
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静岡人インタビュー「この人」 西林利基さん 静岡学生野球秋季リーグで最高殊勲賞に輝いた
15季ぶり4度目のリーグ制覇を果たした静岡大の捕手。ドラフト候補になった石田雄大、井手駿の両投手を好リードし、打撃もリーグ2位の打率4割4分4厘でベストナインとの2冠を手にした。人文社会科学部4年。大阪府出身。22歳。 -優勝の喜びを。 「リーグ戦はいつも終盤に優勝争いから脱落していたので、同級生と『最後にいい景色を見たい』と話してきた。優勝を決めた最終戦は石田、井手を含む4年生4投手で完封リレー。ボールから気迫を感じた」 -静岡大進学の理由を。 「2014年に全日本大学野球選手権に出場したのをきっかけに注目した。レベルの高い先輩や同級生に出会えたのは大きな財産」 -4年間を振り返
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静岡人インタビュー「この人」 山下修平さん 浜北署協議会新会長
10月に開かれた第3回浜北署協議会から委員のとりまとめ役を担う。任期は2年間。3月までは浜松市の教員として浜名中(浜北区)の校長などを務め、地域の子どもたちの健全育成に尽力してきた。61歳。 ―就任の抱負は。 「地域の安全安心と住みやすい街づくりに貢献したい。警察署協議会は広く市民の意見を募るためにつくられたと聞いている。警察の良い活動をさらに良くするにはどうしたらいいのかを考え、委員の皆さんの意見も聞きながら協議会を進めていく」 ―地域の交通事情や犯罪状況への認識は。 「浜北は狭い道が多く、ほかの地域から来た人から分かりにくいという話を聞かされる。その分、交通事故も多いのではないか
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静岡人インタビュー「この人」 石川遥さん 青年海外協力隊としてルワンダで活動
静岡大大学院を修了し、2019年7月から国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊に参加。新型コロナウイルス感染拡大による中断を挟んで再派遣され、今年7月に活動を終えて帰国した。29歳。 ―ルワンダの印象は。 「気候と治安が良く、過ごしやすかった。日本人に似てまじめな国民性。停電や断水など予想外の出来事の一方、IT立国を掲げる国らしく、日本より進んでいるところもあった」 ―現地の活動内容は。 「1500人規模の小中学校で理科教育を担当し、情報通信技術(ICT)教育のサポートにも携わった。印象的だったのは子どもたちが初めてパソコンに触れる瞬間に立ち会えたこと。世界とつながる入り口のところ
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静岡人インタビュー「この人」 白井ゆみさん 海洋ごみにまつわる企画展を開催
海洋ごみがもたらす影響に関心を持ってもらおうと、資料や写真を並べて問い掛けた。自身がダイビングで潜る富戸(伊東市)の海の美しさや、プラスチックをはじめとする人間が排出するごみが海を汚染している現実を伝えた。神奈川県出身。35歳。 ―展示の狙いは。 「海洋ごみが自分たちの生活に関係していることを知ってもらい、何ができるかを考えてほしかった。事前に漁師やダイバー、航海士らに聞き取りを行い、海洋ごみの現状やそれぞれの思いを聞いた」 ―日頃の取り組みは。 「IT企業に勤める傍ら、写真家としても活動している。また、市内の海岸や道路などでごみ拾いを続けている。さまざまな生物がすむ海にごみが流れて
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静岡人インタビュー「この人」 神川雅彦さん 掛川税務署長に就任
1990年福岡国税局入局。個人課税部門の調査官などを経て、2001年から国税庁長官官房人事課でほぼ一貫して人事の職務に当たってきた。同課長補佐を経て7月から現職。大分県日田市出身。50歳。 ―掛川の印象は。 「静岡での勤務は初めてだが、温暖な気候で豊かな自然に恵まれ、街並みがきれい。人柄も温厚な印象。掛川城やお茶のほか、昔からの伝統を大切にする文化が根付き、地元を非常に大事にする地域だと思う」 ―印象に残る仕事は。 「国税庁人事課の勤務が長かった。職員全員が満足する人事は難しいが、それぞれの実績や希望を考えながら、苦労して配置したことが印象に残っている」 ―署長としての抱負は。
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静岡人インタビュー「この人」 大倉麻衣子さん アスリートのフォトエッセーを出版
車いすバスケットボールの藤本怜央選手ら9人が夢をかなえる軌跡を友人の矢島沙耶加さん、吉田壮登さんと追い、電子書籍で出版した。35歳。 -きっかけは。 「国土交通省に勤務していた2018年ごろ、周りは東京五輪一色だった。自分ができることとして他の競技も盛り上げたいと思った。2年ほどかけ、ボクシングやBMX、フットサルなどの選手に話を聞いた」 -アスリートはどのように選びましたか。 「普段脚光を浴びる選手というより、その隣の選手の葛藤や挑戦に興味があった。三浦知良さんや錦織圭さんの隣でプレーしていた選手に話を聞いた。一流選手も私たちと同じように悩み、その上で壁を乗り越えている。その物語が
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静岡人インタビュー「この人」 白井槙雄さん 東京五輪聖火リレーのDVDを制作した「八ちゃん会」会長
「八ちゃん会」は湖西市のカメラ愛好家クラブ。メンバーは70~80代の8人。6月に市内で行われた聖火リレーを撮影してDVDに収め、有効活用してもらおうと市に寄贈した。会長は3月から務める。75歳。 -どのように撮影を。 「コース沿いで手分けして撮影に臨んだ。県内のリレーのスタート地点だった新居関所での出発式や10人のランナー、観衆の様子をカメラに収めた。民家やマンションの上階から撮影したシーンも組み合わせ、約18分間の映像にまとめた」 -大変だったことは。 「1年以上前から計画してきたが、交通規制によってリレー中の移動が想定より難しかった。実際撮れたのは計画の75%くらい。それでもいろ
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静岡人インタビュー「この人」 森岡浩子さん 大岡地区消防防災委員会の部長を務める
沼津市の大岡連合自治会の消防防災委員会で、地域の防災力向上に向け現場をまとめる。地元には黄瀬川があり、幼少時から水害を念頭に生活しているという。地域は自らが守るとの姿勢を持ち、継承しようと活動を展開中。54歳。 ―7月の大雨の被害は大きかった。 「避難所を訪れた女性や高齢者からは『トイレが使いにくい』という声を聞いた。多角的に考えた運営や態勢の必要性を実感した。トイレは特に改善が不可欠。女性用がなく、高齢者には使いにくい和式ばかり。さまざまな視点で考え、実行したい」 ―女性目線をどう生かすか。 「女性の防災力を磨きたい。研修に参加するなどして意識を高めていく。従来の女性の役割は炊き出
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静岡人インタビュー「この人」 鈴木げんさん 全国2例目の性別変更申し立て
生殖機能をなくす性別適合手術をせずに戸籍上の性別変更を静岡家裁浜松支部に申し立てた。同様の申し立ては全国で2例目。46歳。 -申し立ての内容は。 「私は戸籍上は女性だが、性自認は男性。申し立ては、戸籍上も男性として生きるために行った。ただ、性別変更の要件を定めた性同一性障害特例法には、手術を強いる要件があり、人権や法の下の平等の観点から、同法の違憲性を争点にして認容を求めている」 -訴えたいことは。 「これまでトランスジェンダーは“性同一性障害”という病理として扱われてきた。しかし、世界の動向は医療モデルから人権モデルへと認識が変わりつつある。その意味や性的少
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静岡人インタビュー「この人」 五条玲緒さん ピティナ・ピアノコンペで4位に入賞
8月に都内で行われた若手ピアニストの登竜門ピティナ・ピアノコンペティションの最上級部門で4位入賞した。東京芸術大3年。静岡市駿河区出身。21歳。 -コンペの感想を。 「小学生低学年時代からほぼ毎年参加してきた。最上級部門への出場は今回で4回目。準備期間や本番を通し、成長を実感できた。過去最高の成績が伴ったのは幸運だった」 -オーケストラとの初共演はどうだったか。 「プロオケとの共演も、会場のサントリーホールでの演奏も初めてだった。大好きなラフマニノフの協奏曲第2番を演奏できたのは貴重だった。指揮者の先生やオケのサポートで安心して演奏できた」 -静岡への思いは。 「これまで静岡音楽
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静岡人インタビュー「この人」 南條桜都さん グローバルユース国連大使として活動する
日本青年会議所の「JCI JAPANグローバルユース国連大使」に富士市の高校生では初めて選出された。国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)について世界の学生とオンラインで議論した。吉原高国際科2年。16歳。 ―活動で学んだことは。 「世界中が同じ境遇、価値観とは限らない。国際協力は多様な課題を解決するアイデアを一緒に探す手段で、協力することがゴールではないと感じた」 ―関心がある分野は。 「障害者スポーツの魅力を広めたい。中学で顧問に誘われて大会にスタッフとして参加した。すごいプレーを見て、最初はハンディがあるのにすごいと思っていたが、活動を通して、一人の人間として尊敬する気持ち
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静岡人インタビュー「この人」 岩渕里司さん 2021~22年度の浜北ロータリークラブ会長
浜松市浜北区周辺の30~90代の事業者ら65人のまとめ役として地域の奉仕活動などを推進する。任期は7月から2022年6月まで。本業はLPガスの販売業イワブチガス(同区)の社長。61歳。 ―抱負は。 「浜北ロータリークラブは会員の増強を目標に掲げているので、より多くの人にクラブを知ってもらうようにしたい。オープン例会には入会していない人を招き、著名な有識者の講演を聞いてもらっている。こうした活動を続けたい」 ―会員の増強が必要な理由は。 「新たな入会者がさらに新しい入会者を呼ぶという好循環が生まれ、組織も日頃の活動も活発化する。一方で会員が減少してしまうと、やれることの規模や範囲も縮小
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静岡人インタビュー「この人」 有海幾雄さん 掛川ハヤシライスの呼び掛け人
掛川市内で居酒屋など6店舗を経営する。新型コロナウイルス感染拡大で客足が遠のいた駅前商店街を盛り上げるため、周辺飲食店と共にハヤシライスを掛川市のご当地グルメ化する活動を始めた。43歳。 ―活動を始めた思いは。 「公的な支援を待つばかりではなく、自ら行動を起こす姿を示したかった。誰も人がいない店内空間は悲しく、寂しい。厨房(ちゅうぼう)を遊ばせておくわけにはいかないという経営者としての意地もある」 ―なぜハヤシライスを選んだのか。 「掛川とは無関係だが、誰からも愛されている料理。アレンジしやすく、提供する側にとっては独自色を発揮しやすいメニューでもある。何か一つは地元産の食材を取り入
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静岡人インタビュー「この人」 山本武正さん 富士山フォトコンテストで最優秀賞
静岡中央銀行が主催したコンテストで、応募総数713点の中から最高賞に輝いた。受賞作「春爛漫(らんまん)」は、同行の2022年カレンダーに採用される。沼津市出身。73歳。 ―受賞の感想を。 「地元の朝霧霊園から八重桜や春に紅葉するモミジとともに富士山を撮影した。これまで撮った写真の中でも自信作だったが、最優秀賞と聞いて驚いた。カレンダーになり、たくさんの人に見てもらえることがうれしい」 ―写真を始めたきっかけは。 「カメラ歴は約8年。勤めていた会社を定年退職し、健康維持のために何か趣味を持とうと考えていた時に、家電量販店でたまたまカメラが目に入った。購入して初めて撮影したのが十里木高原
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静岡人インタビュー「この人」 掛井亮一郎さん 心肺蘇生法習得を妊婦らに呼び掛ける消防士
消防署員が業務の課題解決策を提案する第28回浜松市消防職員意見発表会で、「親の涙を、笑顔に変えるために」のテーマで発表し、優勝した。南消防署白脇出張所の消防士。25歳。 ―発表内容は。 「妊婦健診時に、親に心肺蘇生法を学んでもらうことを提案した。心肺蘇生法は運転免許取得時などに学ぶものの、成人後に学ぶ機会は少ない。乳児にもしものことがあったときのためにぜひ知ってもらいたい」 ―なぜこのテーマに。 「昨年5月に生後間もない心肺停止の乳児を搬送したが、残念ながら助けられなかった。われわれの到着前に心肺蘇生が施されていたら違う結果になったのではと感じたのがきっかけ」 ―自身の境遇も関係あ
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静岡人インタビュー「この人」 吉次加奈子さん 沼津市戸田でドローンの実証実験をした
コロナ禍を機に出身地の沼津市戸田と自宅がある都内の2拠点生活を始め、食品開発会社を起業。ドローンを活用したテークアウト専門店を運営する実証実験を行った。42歳。 -2拠点生活の契機は。 「昨年4月の帰省中に緊急事態宣言が発出され、夫がリモート勤務態勢だったのでしばらく滞在した。その時に戸田の若い世代と出会い、宣言明けを見据えたメッセージ動画を一緒に作ったのがきっかけ」 -なぜ起業したのか。 「都内でキャリアアドバイザーや営業・マネジメントを経験後、出産して帰省の頻度が増え、戸田の良さを発信したいと思った。商品第1弾として、特産の戸田塩と無農薬の青唐辛子とユズを使った『米麹(こうじ)柚
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静岡人インタビュー「この人」 大石麟太郎さん「あたみやげ おつかいし隊」の代表
大規模土石流災害とコロナ禍の影響で疲弊する熱海市の土産物業者を支援しようと、県立大生有志で「あたみやげ おつかいし隊」を立ち上げた。熱海名物やトレンド銘菓子を揃えたお土産プランを考案し、県内企業や個人に販売した。23歳。 -設立の経緯は。 「災害支援金を熱海市に寄付した際、熱海の土産物業者が打撃を受けていると市職員に聞いた。熱海の土産でセットプランを考案し『募金』ではなく『消費』で支援しようと考えた」 ―具体的な活動内容は。 「知人から紹介を受けた企業に営業するなどして注文を取り、商品購入を代行する“お使い”を行った。そして、熱海の様子をまとめた手づくり新聞『
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静岡人インタビュー「この人」 柏萌菜美さん 袋井市教委ICT教育専門官
4月、袋井市教委として初の民間人材登用で、凸版印刷教育事業推進本部から出向。同社では未就学児や小中学生向けの学習サービス事業に取り組み、市教委では教育分野の情報通信技術(ICT)活用事業を推進する。31歳。 -就任後の感想は。 「現場の視察などを通じ、袋井のICT教育は全国的にも進んでいると思う。積極的に実証事業に取り組んできて、教員のモチベーションも高い。意欲の高さを感じられる」 -具体的な役割は。 「主に現場でのICT推進と教育ビジョンの確立。ツールやサービスの導入が目的ではなく、教育の充実が目標だ。ICTを活用してどのような学びを実現させるか、教員の意識改革にも取り組みたい」
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静岡人インタビュー「この人」 阿部さくらさん クレマチスの丘のヘッドガーデナー
長泉町東野のクレマチスの丘の庭園管理に2002年の開園時から携わる。東日本大震災の被災地支援として6月に行ったイベントで、クレマチス生産者との橋渡し役を担った。48歳。 -イベントの経緯は。 「開園当初からつきあいのある福島県の花卉(かき)農家からクレマチスの苗を提供するとの連絡を受け調整した。被災地復興の思いを込めた品種を知ってもらおうとパネル作りや打ち合わせなどに当たった」 -ヘッドガーデナーの仕事は。 「庭園管理に関わるあらゆる仕事をしている。草木の手入れや庭のデザイン、業者とのやりとりなど、ほかのガーデナーのシフト管理もこなす。一つ一つ丁寧にやることを心掛けている。庭には管理
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静岡人インタビュー「この人」 星野杏奈さん グローバルユース国連大使の高校生
日本青年会議所が公募したグローバルユース国連大使に選ばれ、海外の高校生とSDGs(持続可能な開発目標)をテーマに意見を交わすオンラインサミットに参加した。静岡サレジオ高2年。16歳。 ―SDGsとの出合いは。 「中2の時、静岡市主催のSDGsのイベントに参加した。それまでは言葉を聞いたことがあるくらいだったけれど、SDGsに取り組む人たちがすごく輝いて見え、一緒に目標達成のために動きたいと思った」 ―活動で学んだことは。 「全国の高校生と交流して、自分では思いつかないアイデアや考えを聞くことができ、視野が広がった。教育をテーマに活動したが、学校や国ごとに環境が違うことを実感した」
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静岡人インタビュー「この人」 長谷川トキさん 磐田市社会福祉協議会長
磐田市社会福祉協議会として初の女性会長。元公立小教諭。前市ボランティア連絡協議会長。76歳。 ―福祉との関わりは。 「教員時代に養護教育に携わり、新たな気付きの機会になった。経験を元に障害児の交流の場『おもちゃ図書館』の運営に関わった。日常、意識せず自然に向き合えることが福祉でありボランティアだと思う」 ―コロナ禍の運営は。 「昨年度は生活不安で貸し付け相談業務が増加した半面、顔を合わせて触れ合う子育てや高齢者サロンの開催は大きく減った。いかに地域の要支援者を見守り、孤立化を防ぐかは重要な課題。市の担当課や市内包括支援センターとの情報交換を活発にしている」 ―本年度の重点活動は。
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静岡人インタビュー「この人」 森崎祐治さん 三島西ロータリークラブ会長
三島西ロータリークラブ(RC)は今年で創立50周年。新型コロナウイルスの状況も踏まえつつ、記念式典や関連イベントを企画、開催する。静岡コンサルタント(三島市)社長。清水町出身。68歳。 ―今年のテーマは。 「『ありがとう50年 そして新たな時代へ』。これまでに感謝しつつ、新たな一歩に向けた思いを込めた。1年で大きく変わるわけでもないが、地域活性化に向けたきっかけの年になればと思う」 ―50年の歴史は。 「親睦に重きを置き、さまざまな交流活動にも取り組んできた。会員同士は仲が良く、まとまりがある。姉妹クラブがある台湾とは中学生の交換留学を続け、1年おきに互いの国を行き来している」 ―
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静岡人インタビュー「この人」 青田好世さん(湖西市)遠鉄百貨店の売り場店長らによる遠鉄アワードで優勝した
浜松市中区の遠鉄百貨店が初めて実施した「お客様への寄り添いポイント」を1分間の動画で宣言するアワードで優勝した。本館1階化粧品販売のポーラの店長を2019年8月から務める。34歳。 ―参加した各売り場の店長ら279人の中で優勝した感想は。 「参加することに意味があった。他の売り場の動画を見て、接客などで参考になる気付きが多く得られた。そのような中での1位はすごくうれしい」 ―宣言した内容は。 「コロナ禍のマスク環境で肌のお手入れに後ろ向きの人が多い。お客さまのネガティブな様子を察してポジティブな言葉で応える取り組み『ネガポチェンジ』を前面に出して説明した」 ―コロナ禍で接客は変化し
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静岡人インタビュー「この人」 稲垣賢一さん しんきん経済研究所の新理事長
前理事長の退任に伴い、浜松市中区の浜松信用金庫(現在の浜松いわた信用金庫)と遠州信用金庫が共同で設立した地域経済研究所の代表に6月下旬に就任した。元遠州信金常勤理事。66歳。 ―業務内容は。 「四半期ごと県西部の 中小企業の景気動向調査を行い、分析結果を情報提供している。季刊誌を年4回発行し、メールなどによるリポートは月4回配信。受託調査、セミナー開催、講師派遣なども行っている」 ―県西部の景況感は。 「半導体やコンテナ不足が懸念されているが、製造業の生産が回復し、全体としては回復基調にある。ただ、飲食や宿泊、レジャー産業は新型コロナウイルスの影響が長引き、二極化の傾向が見られる」
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静岡人インタビュー「この人」 清水啓介さん 医療や福祉関係の多職種勉強会を企画
伊豆保健医療センター(伊豆の国市)の総合診療科・内科の医師。医療、福祉、介護など職種の垣根を越えた勉強会を8月から、市内のケアマネジャーや市とともに始めた。青森県の八戸市立市民病院と長野県の佐久総合病院で勤務経験がある。大阪府出身。29歳。 ―勉強会の企画意図は。 「医療や福祉、介護の従事者は生きづらさを抱えた人と向き合っている。住みやすい社会づくりという共通目標がありながら日々の業務に忙殺されてしまう人が多いので、互いの目線をそろえる狙いがある。顔が見える関係の構築にもつなげたい」 ―どのような社会を目指すか。 「伊豆地域は在宅医療資源が少なく、このままでは地域で生き続けられなくな
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静岡人インタビュー「この人」 佐藤元保さん 少年補導栄誉金章を受章
1986年から35年にわたって少年指導委員として活動する。青少年の非行防止や健全育成に対する功労が評価され、警察庁長官と全国少年警察ボランティア協会長連名の表彰を受けた。63歳。 ―受章の感想を。 「非常に驚いている。静岡青年会議所に入っていた際、先輩から少年指導委員の活動を聞き、参加するようになった。長男が生まれたことも重なり、子供たちの成長に少しでも貢献できればと思って続けてきた」 ―日ごろの活動は。 「静岡市葵区で街頭補導や有害環境浄化活動に取り組んでいる。夜間に繁華街などを回り、子供が徘徊(はいかい)したり、たむろしたりしていれば、指導する。最近は新型コロナの影響で思うように
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静岡人インタビュー「この人」 落合敏男さん 静岡県ソフトテニス連盟会長に就任
副会長を4年、理事長を16年務め、4月から現職。静岡商高時代に国体6位入賞のメンバーだった。78歳。 -就任への思いは。 「静岡大里中で競技を始め、長い間ソフトテニスに携わってきた。恩返しのつもりで引き受けた。いろいろな人と話をしてコミュニケーションを取っていい人間関係を築きたい。多くの人の協力がないと運営できない」 -県内の現状は。 「会員登録は中学生を中心に約1万5千人。コロナ禍で大会がなくなり、3千人程度減ってしまった。高校生が卒業すると、競技から離れていってしまうのが現状。そこを何とかしなければいけないと感じる」 -強化方針は。 「本来は国体で8強に入るのが最低限の目標だ
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静岡人インタビュー「この人」 イシヅカユウさん 映画初主演、浜松市北区出身のモデル
日本初のトランスジェンダー女性の俳優オーディションで選ばれ、映画「片袖の魚」で男性の体を持ち心は女性の主人公を演じた。北区細江町出身。30歳。 -映画挑戦の理由は。 「トランスジェンダー当事者を俳優として見いだそうという試みがうれしく、ぜひ関わりたいと思った。勇気をもらえる作品だと思うので、多くの人に見ていただけたら」 -演技で意識した点は。 「当事者なので当初はありのままでと思ったが、主人公のひかりは内向的で自分とは違う人間。モデルっぽさを出さず、市井の人を表現しようとした。人を待つふりをしながら街中で通行人を観察し、歩き方を研究した」 -どのような学生時代を過ごしたか。 「服
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静岡人インタビュー「この人」 米山享範さん 富士市議会第47代議長に就任
2003年に初当選し、現在5期目。議会運営委員会委員長や副議長を歴任した。6月から現職。岳南排水路管理組合議会の議長を兼ねる。73歳。 ―政治を志した理由は。 「温厚で腰が低く、同じ原田地区出身の鈴木尚前市長や、22代議長で、信念のある人だった叔父勝亦久次の影響がある。地域課題解決に熱心に取り組む姿に憧れた。市議として有言実行を大切に活動してきた」 ―市議会運営の抱負は。 「感染拡大の中で迎えた9月定例会は議員の感染防止や市職員の負担を考慮して規模を縮小した。今後は各常任委員会の業界団体との意見交換の活発化、政策討論会開催などを模索している。個々の質問や調査能力を高め、“
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静岡人インタビュー「この人」 東山達稀さん サッカーJ3ロアッソ熊本に来季新加入
静岡学園高、静岡産大で飛躍を遂げ、来季からプロサッカー選手としての道を歩む。新潟市出身。22歳。 ―ロアッソ熊本に加入することになった経緯は。 「大学のリーグ戦にスカウトの方が何度か見に来てくれ、最終的には(東海選抜として出場した)デンソーカップ後に誘ってもらった。熊本の練習に参加し、ボールを支配することなど、今までやってきたサッカーに似ていたので、お世話になることを決めた」 ―新潟から静岡学園高への進学を選んだ理由は。 「新潟FFCの監督が(静岡学園の)井田勝通元監督の息子さんの勝太郎さんだったことと、静学ならドリブルをもっと磨くことができると思った」 ―静岡での6年半で成長でき
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静岡人インタビュー「この人」 庄司順子さん 沼津市まどか女性防火クラブ会長
熱海市伊豆山の大規模土石流の現場で任務に当たる消防隊員を激励し、支援物資を手渡した。2017年にクラブ会長に就任。消防と連携した活動を展開し、地域の防火意識向上に取り組む。83歳。 -物資を贈った理由は。 「日頃交流のある駿東伊豆消防本部のほとんどの職員が、熱海の被災地に派遣されていると聞き、少しでも役に立てればと思った。必要な物を事前に聞き、ゼリー飲料や塩分を含むタブレットなどを贈った」 -現場を訪れて感じたことは。 「熱海市消防本部の消防長に活動状況を伺った。暑い中、必死で行方不明者を捜索する隊員に頭が下がる思いだった。現地に足を運ばなければ分からない活動の大変さを肌で感じた」
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静岡人インタビュー「この人」 立松明憲さん 国土交通省静岡河川事務所長
土木技術職として1992年に建設省(現国土交通省)に入り、主に河川管理や水災害対応を担ってきた治水の専門家。今年4月から現職。9月には静岡大と連携し、防災を学ぶ学生が小中高の教員を支援する「水防災教育学生サポーター制度」を創設した。8年前に安倍川出張所長として静岡に赴任した経験も。愛知県あま市出身。52歳。 ―制度の狙いは。 「気候変動で災害が激甚化している中で子どもへの教育は重要になる。静岡大を介せば学校側も受け入れやすく河川事務所の専門的ノウハウも役立てられる」 ―政府が打ち出している「流域治水」とは。 「流域の関係者全員が当事者になり、ハード整備とソフト対策を組み合わせて水害を
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静岡人インタビュー「この人」 鈴木康志さん 磐田ライオンズクラブ会長に就任
2006年に入会し、21年7月、65代目会長に就いた。「日常生活の中で ウィサーブ(われわれは奉仕する)」がスローガン。磐田市見付でLPガス販売業を営む。73歳。 -注力する活動は。 「献血・献眼運動や、医療用ウィッグ(かつら)に髪の毛を寄付するヘアドネーションに取り組む。コロナ禍でイベントが中止になり活動が制限されているが感染対策を講じ、できることを続ける」 -本年度の事業は。 「東京五輪で活躍した磐田市出身の水谷隼選手、伊藤美誠選手の祝福と、コロナで疲弊する市民を元気づけるためにのぼり旗を立てる。また、桜並木がある北川瀬公園付近などの整備を進める。ベンチ増設や草刈りを行い住民の憩
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静岡人インタビュー「この人」 仲田敏道さん 清水町商工会の新会長
会計や情報通信委員長などを務め、5月に就任した。会員約650事業者のかじを取る。清水町のガス販売「沼津酸素工業」社長。56歳。 -地域の課題は。 「清水町には商店街がないため、商店街に代わる拠点や企画を通じてにぎわい創出を図る必要がある。後継者不足による廃業や事業者の転居などで、会員数が減少傾向にあることも無視できない」 -コロナ禍をどう乗り越えるか。 「公的支援の窓口として事業者の補助金、助成金申請をサポートし、伴走型の小規模事業者支援を続ける。オンラインを利用した相談に力を入れ、会員同士で協力し合うためのマッチングの仕組みを作りたい」 -現在取り組んでいることは。 「沼津商業
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静岡人インタビュー「この人」 山崎明夫さん 清水署蒲原担当次長に就任
1980年、県警警察官を拝命。刑事・生安畑を主に県内各地で勤務し、15カ所目の異動先として本年度から清水署蒲原担当次長を務めている。59歳。 ―由比、蒲原の印象は。 「コロナ禍であまり出歩けていないが、着任当初に薩埵峠や御殿山を家族と共に見て回った。旧東海道の雰囲気が残り、建物や街全体に歴史の風情がある。感染が収束したらもっとあちこちに出掛けてみたい」 ―両地区の治安は。 「全体としては平和だが高齢の住民が多く特殊詐欺被害を警戒している。気になったら清水署でも蒲原分庁舎でもすぐに相談してほしい。清水署により解決した果樹園を狙った窃盗についても、分庁舎で今後も見回りを続けていく」 ―
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静岡人インタビュー「この人」 前島靖勲さん 富士宮青年会議所第50代理事長
一般社団法人富士宮青年会議所(JC)は50周年の節目を迎えた。同JC拡大委員長や理事を歴任し、静岡ブロック協議会副会長や東海地区協議会「とうかい号」事務局長を経験。地元への恩返しを胸にさらなる街の発展を見据える。39歳。 -第50代の実感を。 「50年の伝統や歴史の重みを感じる。これまでJCで学ばせてもらったことや得られたものは多い。恩返しの思いから理事長就任の意欲も募っていた。理事長という立場でメンバーの成長の機会をつくっていく」 -富士宮の魅力とは。 「観光資源や人の良さなどポテンシャルは間違いなく高い。みんな『宮』という単語を無意識的に使う。地元を好きな人は多い。市民にさらに誇
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静岡人インタビュー「この人」 大山智世さん 菊川市地域おこし協力隊に就任
6月に菊川市地域おこし協力隊に就任した。静岡県立大を卒業後、静岡鉄道に入社。同社の自己啓発制度を利用して休職し、協力隊として活動中。茨城県ひたちなか市出身。29歳。 -応募のきっかけは。 「コロナ禍で働き方が変化し、これまでの当たり前が当たり前でなくなった。多様な生き方に挑戦したいと思い、地域に根ざして働くことができる協力隊を目指した」 -菊川を選んだ理由は。 「自然豊かなまちが好き。火剣山キャンプ場でキャンプをしたことや仕事で市内を訪れたことがあり親近感があった。菊川はまちづくりに取り組んでいる人が多い。活躍する人々から多くのことを吸収したい」 -活動内容は。 「交流人口の増加
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静岡人インタビュー「この人」 川東俊夫さん リニューアルした静岡市立中央図書館長
1985年に静岡市に採用され、2020年4月から現職。同10月から大規模改修工事を行い、今年8月にリニューアルオープンした。大阪府吹田市出身。60歳。 ―改修のポイントは。 「城北公園の敷地内という恵まれた環境を生かし、緑の風景を眺められる読書席や公園につながる出入り口を設けた。ふた付きの飲み物を持ち込めるエリアを用意し、毎週木曜日の午前中は小さい子連れの利用者を歓迎する時間帯にした」 ―来館者の反応は。 「初日は過去最多の1900人超が来館し、期待の高さを感じた。『きれいになった』『明るくなった』など好意的な声が多く寄せられている」 ―新型コロナの影響は。 「来館者数は減ってい
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静岡人インタビュー「この人」 沢田達哉さん サッカー少年に南区の魅力を伝える
自身が営む少年サッカースクール「スポジック・フットボール・アカデミー」の生徒に、地元野菜の食育教室を開き、遠州灘海岸の砂浜をトレーニングに使うなど地域資源の大切さを教える。県サッカー協会ビーチサッカー委員長。43歳。 ―なぜ食育に着目を。 「子どもたちに、体を作る食べ物に興味を持ってもらいたい。南区は新鮮でおいしい野菜が取れる。コーチの一人が洋食店シェフで、食材の仕入先の農業グループの協力で企画した」 ―砂浜で鍛える効果は。 「砂の上は不安定なので、走るうちに体幹が鍛えられる。ビーチサッカーははだしでプレーし、足の指で砂をつかむように走る。『学校の持久走で上位になった』という子どもも
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静岡人インタビュー「この人」 山田厚司さん 西伊豆町議会議長に就任
2000年から旧賀茂村議を2期務め、合併後の西伊豆町議としては4期目。副議長を経て現職。自動車部品製造業。63歳。 -議員を志したきっかけは。 「30代で家業を継ぐために帰郷した。村商工会青年部長や県の役員を務める中で政治の道を目指す多くの人と知り合った。そういった人たちと地域の将来像や活性化策を語り合ううちに興味を持った。少子高齢化が進む地元を活気づけたいという思いがあった」 -町の現状について。 「産業支援や安全対策を行政と議会が一体となって進め、コロナ不況から地域をどう再生するかを考える必要がある。人口減少問題に関しては特効薬があるわけではないが、試行錯誤を続け、西伊豆ならでは
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静岡人インタビュー「この人」 久保山匡史さん ヘアデザイン大会で最高賞を獲得
アジアを中心とした世界各国の美容師が技術を競うコンテスト「DAアワード」で、部門別のグランプリに輝いた。静岡市駿河区の美容室「cyan(シアン)」のオーナー美容師。38歳。 ―どのような作品が受賞したか。 「流行を捉えた日常的なヘアデザインを写真作品で表現する部門に応募した。作品のタイトルは『ミニマリズム』。シンプルさの中に、毛の流れなどでモデルの個性を引き出すヘアデザインをカットで表現した」 ―周囲の反響は。 「多くの方から『頑張っているね』と声を掛けてもらった。身の引き締まる思い。コンテストに向けての勉強や練習で身に付けた技術、知識をお客さまに還元していきたい」 ―美容師として
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静岡人インタビュー「この人」 吉川恵さん 全国高校放送コンテストで優勝した浜松市立高放送部制作リーダー
部員4人が協力して制作し、長時間の部活動に関する問題を取り上げた作品「部活動のすゝめ」が、テレビドキュメント部門で同校放送部として初の栄冠に輝いた。普通科の3年生。17歳。 ―作品の内容は。 「自分たち放送部も大会前などに長時間活動することがあり、関心を持った。生徒や先生、専門家へのインタビュー、他校の部活動の取材を行い、生徒としてどうしていったらいいかを考えた」 ―優勝の感想を。 「オンラインで行われた審査は見られなかったが、他の部員から結果の連絡が来て信じられない気持ちだった。インタビューで生徒や先生に率直な言葉で語ってもらえたことや、専門家の具体的な意見を示せたのが評価されたと
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静岡人インタビュー「この人」 田村ロータス翔音さん 南伊豆町地域おこし協力隊に委嘱
1日に南伊豆町から委嘱され、伊浜地区の農地の再整備や無農薬レモンなど農産物による地域振興を担う。スペイン生まれ、東京都葛飾区育ち。28歳。 ―移住を決めた理由は。 「元々、アウトドアのガイドやスキーのインストラクターとして働いていた。2020年の夏には南伊豆町でシーカヤックのガイドとして勤務し、自然のすばらしさに触れた。20年春まで2年間、伊豆の国市で農業を学んでいたこともあり、伊豆半島になじみがあった」 ―これまでの経歴は。 「父の出身地の米国・シアトルで高校、大学時代を過ごした。実家の英会話教室を手伝っていたこともある。伊豆の国市の農業大学校では、野菜全般や、イチジク、ブドウなど
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静岡人インタビュー「この人」 松岡遥斗さん 野菜を生産販売する高校生
昨春、新型コロナウイルス感染症による高校の休校を機に、休耕地を借りて本格的に農業を始めた。栽培は独学ながら、育てたナスやオクラは直売所も太鼓判を押す出来栄え。静岡農業高2年生、17歳。 -なぜ農業に関心を。 「子どものころから市内の山間部にある祖父母の家によく出入りしていて、作物栽培が身近だった。農業高校に入ったが、コロナで実習などが制限されたこともあって、自力で栽培や販売をやりたいと考えた」 -面白さは。 「剪定(せんてい)の方法でも肥料や農薬の選び方でも、自分が試みたことがそのまま作物にはね返るのが面白い。自分でいろいろ調べ、販売についてはネットで知り合った若い農業者の方にも助言
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静岡人インタビュー「この人」 芳川翠さん 掛川市地域おこし協力隊員に委嘱
8月に掛川市の公募に応じて市内初の地域おこし協力隊員に委嘱された。かけがわ粟ケ岳山麓農泊推進協議会の事務局を担いつつ、ウェブを使った情報発信やイベント支援などに最長3年間取り組む。静岡市清水区出身。32歳。 ―応募した理由は。 「かつて磐田市の農林大学校で学び、卒業後は農業生産法人などで働いた。都内の会社に就職した後も掛川市に農業支援のために通っていて、この地域に親しみがある。将来の就農に向け、学びながら地域に役立てる仕事として志望した」 ―得意分野は。 「趣味の写真を生かして農林水産省と農村カメラガールズが連携したプロジェクトに参加し、秋田県大館市で農泊PRのフォトブック制作などを
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静岡人インタビュー「この人」 江頭奈美恵さん 女子ホッケーU-18日本代表に選出
女子ホッケーU-18(18歳以下)日本代表に初めて選ばれた。沼津商業高ホッケー部所属の3年生でミッドフィルダーを務める。清水町立清水中出身。17歳。 -代表選出の感想は。 「予想していなかったので驚いたが多くの人が祝ってくれた。7月の選考会では強みであるキープ力を生かせたと思う。プレッシャーも感じるが、期待に沿えるようなプレーをしたい」 -ホッケーを始めたきっかけは。 「友人に誘われて中学から始めた。ホッケーは攻守の切り替えが早いところが面白い。みんなでつないだパスをシュートできたときは気持ちがいい」 -心掛けていることは。 「空いた時間もボールに触ること。部活の前後に自主練をし
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静岡人インタビュー「この人」 漆畑真弓さん 国際ソロプチミスト静岡の会長に就任
女性による国際的奉仕組織「国際ソロプチミスト」の県内初クラブとして1973年に誕生した歴史ある団体を9月から率いる。東海木材(静岡市駿河区)の専務取締役。74歳。 -主な取り組みは。 「国内外の女性活動の支援や子どもの貧困対策、募金活動への協力、災害支援など。学生を交えた谷津山(同市葵区)の散策や植物を使った造形の制作など、地元を舞台に豊かな心を育む活動も行っている」 -思い出深い活動は。 「県ボランティア協会の協力で2014年に東日本大震災の被災地である岩手県大槌町を訪れた。家が基礎だけ残して流されている様子を見て、自然災害の恐ろしさを感じた。被害を風化させないよう、7月に震災を題
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静岡人インタビュー「この人」 滝内久生さん 下田市議会議長に就任
新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)となった会合に参加し、辞任した前議長の後任として選出された。長年市職員として主に建設部門を歩み、企画財政課長などを歴任した。2015年に初当選し、現在2期目。68歳。 ―議会の信頼回復にどのように取り組むか。 「厳しい意見が市や議会に届いた。市民の声は真摯(しんし)に受け止める。個々の議員が自覚を持ち、不信感を抱かれないように日々の議員活動の中で信頼回復をしていきたい」 ―抱負を。 「円滑、中立公正を基本に臨む。市当局の事業や施策をきちんとチェックしていく体制づくりをしていきたい。その上で市に提案、提言できるように、私も含め、議員の資質向上
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静岡人インタビュー「この人」 高橋由利子さん 磐田市初の女性副市長
静岡県の民間採用第1号として1998年に入庁。男女共同参画課長などを経て現職。磐田市初の女性副市長。静岡市駿河区出身。58歳。 ―就任の抱負は。 「市長の方針をよく理解した上で、職員の方のこれまでの仕事や練り上げた考えとの調整を図り、迅速に事業を進めるのが自身の務め。これまでの行政職員経験を総動員して臨みたい」 ―市の印象は。 「国府が置かれていた歴史もあり、この地に息づいている落ち着きや風格を感じる。市自ら考案した磐田方式の取り組みも多い。データで見ると、人口や産業など多様な分野で県内上位に位置し、充実している。市がより外から評価されるよう発信に努めたい」 ―注力したいことは。
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静岡人インタビュー「この人」 川嶋崇仁さん 浜北青年会議所の次期理事長
7月の総会で次期理事長に選出された。任期は2022年1月から1年間。浜北青年会議所(JC)には14年に入会した。普段は父親が設立した土木建設業「トミオカ工務店」(浜松市浜北区)に勤務している。35歳。 ―就任に向けた抱負は。 「浜北の地域も市の行政区再編議論が進む中、過渡期にあると感じている。この街に住む人が愛着を持ち、誇りを感じられるように頑張りたい」 ―JC入会の理由は。 「父親の知人に勧められた。浜松商業高を卒業してすぐに就職したこともあり、利害関係の薄い事業主の人たちと行動を共にすることで、自身の成長につながるのではと考えた」 ―JCの活動で思い出に残っていることは。 「
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静岡人インタビュー「この人」 安藤聡さん 焼津ライオンズクラブ会長に就任
7月に第56代会長に就いた。新型コロナの影響で活動に制限がかかる中で新しい形の奉仕を模索する。贈答品販売の大勝堂外商部社長。63歳。 ―会長就任の抱負は。 「本年度のスローガンを『互いを高め 琴線にふれる奉仕を』とした。コロナ禍だからこそ、まずは身近な存在である家族や職場の人たちに喜ばれるようなことを主眼に置いて取り組みたい。その一つ一つが広がれば大きな奉仕につながっていくと思う」 ―本年度の活動内容は。 「新型コロナの影響で原則として屋内で人を集めての取り組みは控えざるをえない。年2回の献血、11月に予定している海岸清掃を軸に展開し、少しでも社会に貢献できればと考えている」 ―新
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静岡人インタビュー「この人」 大棟真衣さん 第7回鉄板焼甲子園で優勝した駿河総合高家庭部の部長
静岡県内170の高校生チームが鉄板焼きレシピを競った審査で、「食べごたえ抜群!静岡のレモンチキンライスバーガー」を仲間3人と提案した。優勝後、スーパーで商品化された。駿河総合高2年。17歳。 ―優勝した時の感想は。 「数カ月かけて完成した自信作だったので、うれしかった。米離れの解消、幅広い世代で受け入れられる形などコンセプトを考え、登呂遺跡で収穫した赤米入りバンズに遠州焼き、チキン、レンコンを挟み、具だくさんに仕上げた」 ―レシピの特徴は。 「生まれ育った清沢地区から発売されている特産レモンの調味料に鶏肉を漬けてやわらかくした。国連の持続可能な開発目標(SDGs)の食品ロス削減も意識
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静岡人インタビュー「この人」 山崎和可奈さん 移住し、修善寺駅前にアウトドアショップをオープン
昨年2月に夫の翔悟さん(27)とともに伊豆市へ移住した。伊豆箱根鉄道修善寺駅前の商店街にアウトドア用品などを扱う店舗「SANKAKU STAND(サンカクスタンド)」を5月に開店した。北海道出身。27歳。 ―伊豆に移住した理由は。 「2人とも元々アウトドア用品メーカーに勤めていた。結婚を機に人生を考え、『自然に囲まれて生活したい』という気持ちが強くなった。プライベートで各地の山を訪れていたが、伊豆で初めて登った金冠山からの富士山や駿河湾の光景を忘れられず、移住を決めた」 ―店舗の特徴は。 「経験を生かして選んだこだわりの商品を取りそろえている。県内ではここでしか買えないものもある。販
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静岡人インタビュー「この人」 藤井有花さん 特殊詐欺被害防止の標語で全国最優秀賞
全国防犯協会連合会と警察庁が主催するコンクールの標語部門で、全国1万8584点の頂点に輝いた。作品は「連絡は 密でもいいよ 詐欺防止」。県勢の全国最優秀賞は3年連続となった。県防犯協会連合会の臨時職員。43歳。 ―作品に込めた思いは。 「コロナ禍の今、『密』という言葉が否定的なイメージになっている。だが、人と人との関係は『密』でいいと思う。特殊詐欺の被害防止には家族間の密な連絡が重要。『密』を肯定する意味で、優しく呼び掛ける表現にした」 ―期待することは。 「人間関係が『密』になるきっかけになってほしい。帰省や外出の自粛によって家族に会えない状況につけ込んだ特殊詐欺が増える可能性があ
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静岡人インタビュー「この人」 由倉博美さん 島田税務署長に就任した
1983年名古屋国税局採用。徴収部や静岡県内税務署などで勤務し、金沢派遣国税庁主任監察官を経て7月から現職。島田税務署での勤務は2回目。57歳。 -管内の印象は。 「勤務は1995年以来。東海道の難所として有名な大井川流域にまたがる広大なエリアで、『帯まつり』をはじめ歴史と文化の薫り漂う地域。人当たりの柔らかさは当時と変わらない」 -抱負を。 「まずは新型コロナの感染状況に応じた危機管理を徹底する。納税者の実情に合った対応ときめ細やかなサービスに努め『納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現する』という使命を達成したい」 -印象に残っている業務は。 「徴収部では2009
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静岡人インタビュー「この人」 溝垣杏奈さん 海の湖HAMANAジェンヌに加入した
浜松・浜名湖ツーリズムビューローの公式女性チーム「海の湖HAMANAジェンヌ」に7月、妹の若奈さんと加入した。ネットの会員制交流サイト(SNS)などを活用し、浜松市と浜名湖地域の魅力の情報発信に取り組む。27歳。 ―加入の経緯は。 「2015年にミス浜松に選んでいただき、地元の魅力を伝える活動に1年間携わって、街の素晴らしさを再確認した。そんな自分の思いや体験を、もう一度多くの人に伝えたかった」 ―浜松・浜名湖地域の魅力とは。 「都会であり、少し車を走らせれば、山も海も湖もある。心が温かい人たちが多く、とても住み心地がいいと感じている。一大イベントの浜松まつりにも子どもの頃から参加し
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静岡人インタビュー「この人」 狩野順子さん 戸田タチバナを使いアロマミストを開発した
沼津市戸田地区特産のタチバナの果皮から抽出した精油を使った2種類のアロマミストを開発した。2017年に同市大岡でアロマとフィットネスで更年期の不調改善を目指すサロンを開業した。51歳。 -開発の経緯は。 「新型コロナウイルスの感染拡大が収束しない日々の中で、自分に何かできることはないか考えたことがきっかけ。爽やかなタチバナの香りで癒やされてほしいと思った」 -どんな点に苦労したか。 「精油はタチバナの果実400キロから800ミリリットルしか抽出できない。タチバナの摘果や加工には手間がかかる。資金の用意はもちろん、貴重な精油を無駄にしないよう活用したいという思いが強かった」 -サロン
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静岡人インタビュー「この人」 勝又優輝さん 全国コンクールで最優秀賞 韮山高写真報道探究部の部長
1年間に発行した学校新聞が対象の全国高校新聞年間紙面審査賞で、韮山高写真報道探究部は優れた5校が選ばれる最優秀賞を受けた。同賞受賞は2019年以来2度目。5月から部長を務める。2年、16歳。 -普段の活動は。 「校内の話題や地域に関するテーマを取り上げる『韮高新聞』を年3回、制作している。速報紙も発行し、昨春の新型コロナウイルスによる休校期間中はほぼ毎日作った時期もある。LINE(ライン)を活用して各生徒に紙面を届け、生徒の心をつないだ」 -入部した理由は。 「小学生の頃からアナウンサーになりたくて、この部活に興味があった。体験入部で楽しそうだと感じて決めた。実際はすごく大変だけど会
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静岡人インタビュー「この人」 高橋健也さん 静岡駅長に就任
在来線担当の東海鉄道事業本部総務課長や、中央新幹線推進本部名古屋建設部などを経て現職。愛知県清須市出身、52歳。 ―20年ぶりの本県勤務とか。 「三島駅で助役をした2001年以来。着任後の7月初旬に大雨でダイヤが乱れた際、三島勤務時代に東海豪雨で新幹線のダイヤが混乱し実家周辺が浸水したことを思い出した」 ―抱負を。 「県庁所在地の玄関口を任され、責任の重さを感じている。静岡駅には『笑顔、情熱、挑戦』の駅是がある。20年前、当時の三島駅長が静岡駅長に就任した際、三島で掲げていた駅是を静岡でも使うようになったようだ。大変よい言葉だと思っていたが、そのもとで再び仕事ができることに喜びと縁を
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静岡人インタビュー「この人」 岡村奈緒美さん 聖隷浜松病院総看護部長に就任
1994年に聖隷浜松病院に就職。循環器・心臓血管外科病棟課長や人材育成担当などを経て、7月に看護師・助産師約980人をまとめる総看護部長に就いた。富士宮市出身。48歳。 -就任の抱負を。 「看護と同じように、一人一人の違いに合わせた対応を大事にするよう心がけたい。管理者としては未熟だが、教える側も、学ぶ側もともに成長する『共育』を掲げ、自分の成長を組織の成長につなげていく」 -力を注ぎたいことは。 「看護の質改善などの改革、実践能力を高めるための教育プログラム導入、看護師が健康に働き続けられるような看護体制の見直しを三つの柱に掲げている。教育に関しては、より多くの職員が気軽に学習でき
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静岡人インタビュー「この人」 佐野かおりさん 5年を迎えた「ハハラッチ」リーダー
富士宮市の街の魅力を発信する母親ライター「ハハラッチ」をまとめるリーダー。NPO法人母力向上委員会と市が連携して設け、現在1~5期生34人が活躍する。50歳。大阪府出身。 -スタートからの5年間を振り返って。 「未就園児を育てる母親メンバーが増えてきた。事業は街の情報発信だけでなく、子どもがいるからこそ楽しめる活動として広げたいと思ってきた。当初の目的を達成したなと、5期生が入って感じた」 -年間のホームページの閲覧数が20万回を超えた。 「みんなが興味のありそうなお店なども探して紹介してきた。2017年にフルーツサンドで有名な望月商店を紹介してから目に見えて閲覧数が増えた。県外から
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静岡人インタビュー「この人」 伊藤広明さん 道の駅「伊東マリンタウン」の新社長
伊東市出身。大学卒業後の1984年、故郷で働きたいとの思いから伊豆急行に入社した。別荘分譲地の営業や保養所管理を手掛けた伊豆急コミュニティーの立ち上げに携わった。伊豆急物産社長を務めた後、6月から現職。61歳。 -就任の抱負を。 「伊東の玄関口として市内観光に新たな周遊を生み出し、地域経済に貢献したい。地元に愛され、市民にも使ってもらえる道の駅を目指す」 -営業のキーワードを。 「従来の伊東観光のスタイル『安い・近い・短い』から一歩踏み出す『感・近・短』を考えている。『近・短』はコロナ禍で求められるマイクロツーリズムにつながる。その上で、面白さや興味をそそるものにお金を掛ける若者の心
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静岡人インタビュー「この人」 榎田敏雄さん 牧之原市商工会長に就任
会員事業所の経営支援や地域活性化に取り組む組織を率いる。5月に着任した。産業用機械製造「エノテック」の社長。70歳。 -地域へのコロナ禍の影響は。 「コロナで全般的に厳しい状況に置かれている。飲食店をはじめ、サービス業に大きな影響が出ている。牧之原に限らず、外出が制限されて社会全体のムードが沈んでいると感じる」 -会長の役割は。 「商工会に入っていることに価値観を実感できるよう、会員事業所との関わり方を考え、行動を起こしたい。各業界の事業所を訪問し、状況や要望を聞くことは会長として必要。やっていきたい」 -取り組みたいことは。 「明るく元気なところに人は集まる。エノテックで行って
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静岡人インタビュー「この人」 大場又一さん 由比で新イベントを企画する
静岡市清水区由比の町おこしにつなげようと、2019年から同地区での軽トラ市の開催に向けて活動している。「静岡ゆい軽トラ市」実行委員長。77歳。 ―目指すイベント像は。 「由比の街に全国から人を集め、宿場として栄えた往時の活気を取り戻したい。ここは県内でも有数の海の幸と隠れがちだが豊富な山の幸に恵まれている。魅力を内外で再確認する機会にもなってほしい」 ―具体的な内容は。 「由比漁港広場を会場として予定している。目の前は駿河湾で東には富士山と景観が良く、国道と直結しアクセスも良好となっている。出店は誰でも簡単にできるようにと手間のかからない軽トラ市を選んだ」 ―実行委の顔ぶれは。
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静岡人インタビュー「この人」 小川善嗣さん 浜松東地区安全運転管理協会の会長に就任した
建設業の秀盛機工浜松支店(浜松市東区)の支店長を務める。協会の常任理事や副会長を歴任し、6月から現職。53歳。 -就任の抱負を。 「安全意識が改めて高まり、先日、自分の社用車のドライブレコーダーを最新機種に変えた。社員にも設置を呼び掛けている。現在700以上の事業所が加盟する県内最大規模の協会の会長として、事故防止の徹底を図りたい」 -企業が交通安全推進に取り組む意義は。 「従業員やその家族の安全を守るのはもちろん、事故が起きれば企業の生産性は落ち、信用度やイメージにも影響する。自社でも社員に交通ルール順守を常に伝え、協会から配布された啓発用ののぼり旗を会社敷地内に立てている」 -
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静岡人インタビュー「この人」 道場睦也さん 三島建設業協力会の会長に就任した
大雨による災害が全国各地で相次ぐ中、三島市が今春から導入した排水ポンプ車で住宅地などの浸水被害を防ぐ。道場建設(同市)の社長。旧大仁町(伊豆の国市)出身。56歳。 ―排水ポンプ車を導入した意義は。 「これまで大雨の度に国土交通省から借りていたが、市が自前の排水車を2台も確保したことで初動は格段に早くなる。15分間で25メートルプールの排水が可能。明るいうちに動ければ作業の安全にもつながる」 ―使ってみた感想は。 「7月の大雨で初めて活用した。早朝に市から連絡が入り、大場川と狩野川の合流地点に到着した時は水位が上昇していた。道路の冠水も始まっていたので、すぐに稼働させた。4交代で常時2
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静岡人インタビュー「この人」 新井琴香さん クラシックの親子コンサートを主催するピアニスト
コロナ禍で子どもたちの活動の場が減る中、親子向けの音楽コンサートを浜松市内で開催している。活動への思いを発信しようと、8月にコンテスト「ビューティージャパン東海大会」に出場した。同市出身、東京芸術大卒。31歳。 -コンサート企画の理由は。 「里帰り出産で地元の浜松へ戻った時から、親子に向けた地域貢献がしたいと考えていた。専門のクラシックにこだわり、リトミックや演奏を披露している。クラシックは敬遠されがちだけど、さまざまな音楽のベースになる。『幼いころから本物を』がモットー」 -本物志向を掲げるのはなぜ。 「自分がピアノでプロを目指した時、幼い頃からの弾き方の癖を直すのに苦労した。来場
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静岡人インタビュー「この人」 藤田綾子さん 静岡商工会議所初の女性副会頭
約30年にわたって静岡商議所で活動していて、2018~19年には女性会の会長を務めた。不動産管理業フォーチュン藤田社長。61歳。 -副会頭就任の実感は。 「正副会頭会議や県商議所連合会の会議に参加して、商議所が地域をリードしていることを改めて感じた。全国21大都市の中でも会員数が多く、職責の重さを肌で感じている」 -どんな事業に注力したいか。 「新型コロナウイルスの影響で先行きが見通せない中、中小企業が支援制度を受けられるように寄り添いたい。補助金などの申請書作成も難しい面がある。自身も中小企業の経営者。サポートして発展に寄与したい」 -地域の魅力と課題は。 「オクシズや駿河湾な
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静岡人インタビュー「この人」 斎藤果歩さん 第36代かぐや姫クイーンに選ばれた
かぐや姫伝説がある富士市の「第36回かぐや姫コンテスト」で頂点に輝いた。観光大使として市内外のイベントに出向き、市の魅力を発信する。アナウンサーを目指して就職活動中。22歳。 ―名前が呼ばれた時の感想は。 「スピーチの練習に費やした1カ月間を振り返って、喜びとうれしさで時が止まったような感覚になった」 ―富士市の魅力は。 「海から富士山頂まで3776メートルを有して、日本を代表する景色がある。イチゴや梨などおいしい果物もたくさん。都心からのアクセスの良さも強み。新型コロナウイルス感染収束後に真っ先に訪れていただけるよう発信したい」 ―富士山の思い出は。 「小学校のマラソン練習を、
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静岡人インタビュー「この人」 二村重紀さん 静岡税務署長に就任した
1980年名古屋国税局採用。松阪税務署長、同国税局査察部次長などを歴任した。静岡県内勤務は初めて。岐阜県出身。60歳。 ―着任の抱負を。 「歴代署長が築いた税務行政への信頼を維持しながら、適正で公平な課税と徴収に努めたい。査察部での経験から、悪質な脱税者が一部に存在することはよく知っている。厳しい態度で臨み、正しい申告に導いて不公平感をなくしていく」 ―重点課題は何か。 「国税電子申告納税システムe―TAX(イータックス)の普及やダイレクト納付の推進に取り組む。キャッシュレス化は新型コロナウイルスの感染予防にもつながる。2023年10月に導入されるインボイス(適格請求書)の周知にも力
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静岡人インタビュー「この人」 川原章寛さん 三島市議会議長に就任した
東京生まれ、埼玉育ち。横浜ゴムに就職し、初任地の三島市に28年暮らす。同社労組出身議員の後継として32歳で市議に初当選し、現在5期目。51歳。 ―市議の仕事とは。 「小さな声に寄り添い、少しでも市民の不安を解消したり、生活を改善させたり。大きなことはできなくてもやりがいはある。子育て、教育、介護、高齢者福祉など、自分のライフステージで見える課題に向き合ってきた」 ―議長としての役割は。 「もちろん議長が独断で物事を決めるわけにはいかない。ただ、基本的には議長に委ねられる部分も大きい。方向性をある程度見定めながら、皆さんに諮っていく。初めてのことばかりだが頑張りたい」 ―三島市の課題
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静岡人インタビュー「この人」 朝倉純夫さん 60周年を迎える島田ロータリークラブの会長に就任
1962年に創立し、来年節目の年を迎える組織で48人の会員を率いる。大河原建設社長。島田建設業協会、島田建設工業団体連合会の会長なども務める。73歳。 -活動方針は。 「『変化する時代に適応し、目標を達成し、さらにこの先に前進しよう』を指針とした。新型コロナの影響でここ2年間思うような活動ができなかったが、本年度は感染防止策を徹底し、知恵を絞ってできる限り事業を実現したい」 -重点事業は。 「来年5月に予定する60周年記念式典の成功が大きな目標。組織の若返りと会員増強は喫緊の課題として取り組む。島田地域の活性化に向けて長期的なビジョンを考える委員会を立ち上げるなど、新たな挑戦も始める
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静岡人インタビュー「この人」 馬場衛さん 湖西市議会議長に就任
52歳から旧新居町議を3期務め、湖西市議として4期目。5月の市議会臨時会で議長に選出された。家業はボートレースなどの専門紙の発行・販売。75歳。 -議員として大切にしていることは。 「一番は市民の声を聞くこと。毎年、地元で活動報告会を開いている。旧湖西市と旧新居町の合併が課題になった時は住民から厳しい意見も受けたが、大切な場だと思い、続けてきた」 -2010年の合併後、旧新居町出身の議長は初めて。 「まだ市の一体感が十分とは言えない。時間はかかるかもしれないが、旧市町の境界を取り払うための役割を果たしたい。公共施設の再配置や学校の統廃合では、市全体がいい方向に進むように考えていきたい
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静岡人インタビュー「この人」 榎谷優史さん スポーツ時の熱中症対策になるネックレス「クールリング」の普及活動を続ける
少年硬式野球の浜松リトルリーグ監督。社長を務めるディ・アール・シー(浜松市南区)の技術を役立てようと昨夏に開発したクールリングがチームの躍進を支え、23、24日に長野県上田市で開催される全日本リトルリーグ野球選手権大会に、県勢唯一の代表チームとして出場する。45歳。 -リングの特徴は。 「水に漬けて首回りに着けると、特別な生地の効果で体感温度を最大で7度下げる。磁石仕様で容易に外れ、塁上での接触プレー時にも安全性を確保できる」 -開発の経緯は。 「昨夏は甲子園大会などが中止になり、社の主力製品だったスタンド用メガホンの需要が激減した。浜松の最高気温が全国最高を記録したこともあり、子ど
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静岡人インタビュー「この人」 山田陽大さん 伊豆半島高校会議所の新会頭
2018年に発足した伊豆半島の高校生が地域活性化に取り組む組織で、第4代の会頭に就任した。下田高3年。18歳。 ―入会したきっかけは。 「将来は食に携わる仕事がしたいと考えていて、まちおこしにも興味があった。高校の先生に高校会議所を紹介してもらい、5月に入ったばかり。伊豆の特産品をいろいろな人に知ってもらいたい」 ―会頭としての抱負を。 「今年は下田高の3年生5人でスタートした。先頭に立って引っ張っていきたい。1、2年生を誘い、後輩に事業をスムーズに引き継いでいく体制も作っていく。先輩が考案し、地域の飲食店でメニュー化した海鮮丼『あまびえ丼』なども継続して取り組みたい」 ―21年度
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静岡人インタビュー「この人」 河村裕樹さん 2021年の島田青年会議所理事長
2013年に島田青年会議所(JC)入会。島田市と川根本町の若手事業者で組織する同団体の理事長を21年1月から務める。河村組社長。38歳。 ―抱負を。 「今年のスローガンは『格致日新』。これまでの歩みをいま一度見つめ直し、時代に即した事業を展開する。子を持つ親として、子どもが明るく過ごせる街づくりを目指すためにさまざまな事業に協力したい」 ―今後の事業計画は。 「新型コロナの影響を受ける飲食業界を盛り上げようと新規事業を検討中。地域の人が交流できる場が少ないと感じているのでベンチなどを置いて、休憩スペースを作ることも考えている。間近に控える川根本町長選挙では、同町の選挙で初の立候補予定
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静岡人インタビュー「この人」 山田英夫さん 清水港客船誘致委員会長に就任
民間主導で清水港に国内外の大型豪華客船を誘致し、地元の経済活性化に取り組む団体のトップに6月就任した。アフターコロナを見据え策を練る。69歳。 ―抱負は。 「30年以上会長を務め、ことし1月に亡くなった望月薫会長の遺志を継いでいきたい。国際感あふれる港町を作る。富士山が世界文化遺産となり、客船寄港数は増えた。いかに清水の活性化につなげるかが重要」 ―外国人が観光しやすい街にするには。 「観光案内板について英語や中国語などの多言語表示に取り組む。外国人が自由に市内を散策できるようにする。高齢者も多いのでベンチなど休憩スペースの整備も欠かせない」 ―いかに清水の経済活性化につなげるか。
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静岡人インタビュー「この人」 大橋羊一さん 高齢者の交流施設憩いの家「うたふく」を開設
磐田市福田を拠点に高齢者支援活動をするNPO法人「羊(よう)の会」の代表理事を務める。加齢などが原因で引きこもりがちになる高齢者が気軽に訪れる場を提供しようと憩いの家「うたふく」を同市福田中島に開設した。65歳。 -施設を開いた理由は。 「母が車いすになり外出しにくくなったことをきっかけに、1人暮らしや家族がいても日中は一人で過ごす高齢者が多いことを知った。身近に高齢者が楽しめる場をつくりたいと思うようになった」 -施設の特徴は。 「空き家を活用した木造平屋建ての施設。歌謡曲のコンサートなどを開くイベント用スペースや予約制の食堂がある。ゲートボールや囲碁将棋もできる。庭に桜の木があり
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静岡人インタビュー「この人」 渡辺泰明さん 富士市社会福祉協議会会長に就任
ジヤトコ勤務時代は労働組合活動に尽力し、市議を4期16年務めた。2016年に同市社協副会長、6月から現職。地域福祉の要となる組織を束ねる。70歳。 ―就任の抱負は。 「労働組合活動で福祉に触れ、ともに学び、助け合う大切さを知った。心と心の触れ合いを地域に作っていく。地域福祉の先頭に立つ組織として、障害者が生まれた地域で生活できる環境を整えたい」 ―現状の課題認識は。 「人間関係が希薄化しているが、これからもつながりが必要。福祉まつりは、健常者と障害者の交流の場としてコロナ下の開催方法を考えて実施したい。就労継続支援事業所の工賃は低く、自立した生活は難しい。企業の協力などで工賃を上げる
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静岡人インタビュー「この人」 遠藤豪さん 小山町議会議長に就任
御殿場市職員として38年間勤務した後、2015年に初当選。2期目。総務建設委員長などを歴任し、5月から現職。72歳。 -抱負は。 「全力を傾けて公正円滑な議会運営に努める。職責を全うし町民の期待に応えられる議会運営を目指す。町議会は喫緊の課題を解決すべく議論を積み重ね、町のさらなる発展のため執行機関とともに努力する」 -町の課題は。 「人口減少対策。東京に近く、町から通勤通学できる立地を生かして流出を食い止める。神奈川県から町内の工業団地に働きに来ている人に、町内に住んでもらうのが理想。喫緊の課題は新型コロナウイルス対策と自転車競技が開かれる東京五輪・パラリンピックの対応」 -力を
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静岡人インタビュー「この人」 赤堀愁さん 菊川市でご当地タレントとして活動する
劇団静岡県史に所属する俳優。落語や司会、ユーチューブチャンネル「菊川アエルTV」のパーソナリティーなど、ご当地タレントとして活動する。保育士。菊川市出身。21歳。 -ご当地タレントとして活動する理由は。 「最も力を入れているのは芝居だが、活動の幅を広げたいと思いタレントに。役者よりタレントの方が身近に感じると思う。これまでより親しみのある存在になりたい」 -意気込みを。 「市外の専門学校に通っていたこともあり、あまり地元に目を向けていなかったが、俳優活動を始めて菊川市は人があたたかくていい場所と感じた。タレント活動を通じて多くの人とつながり、みんなで菊川を盛り上げたい」 -芝居を始
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静岡人インタビュー「この人」 秋野友美さん 御前崎小でウミガメ飼育を指導
御前崎海岸で生まれた絶滅危惧種アカウミガメの飼育を伝統とする御前崎小で、児童や教員の相談に応じる。金魚販売店経営。45歳。 ―御前崎小との縁は。 「父が水質管理の指導や機器のメンテナンスに行くようになったのがきっかけ。私も手伝っていた。父からは8年前に亡くなる直前、『御前崎小のカメを頼む』と言われた」 ―児童の様子は。 「毎年9月に保護監視員からふ化したばかりの子ガメを譲り受ける。最初はろ過槽の掃除などを面倒に感じる子もいるが、カメが成長すると愛着が湧くみたい。学校に行くと『大きくなってるよ』と声を掛けてくれる」 ―カメをわが子のように感じているとか。 「学校は育てたカメを例年6
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静岡人インタビュー「この人」 松浦俊介さん 清水町議会議長に就任
2003年に29歳で初当選し、現在5期目。副議長を経て、6月定例会で議長に選出された。飲料会社役員。47歳。 -就任の抱負を。 「コロナ禍で町が大変な状況だからこそ、各議員が町の課題を見つけ、解決策や先進事例を調査し、議会で取り上げる重要性は増している。活発な議会を目指したい」 -議員になった理由は。 「大学を卒業し、介護職員として2年間勤務した後、まちづくりをしていた父のNPO法人を手伝うようになった。文化芸術や福祉、地域振興の活動に携わった経験が生かせると思った。当時は若い議員が少なかったことも後押しした」 -町の課題は。 「税収減は大きな課題。税収を確保する手段の一つとして
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静岡人インタビュー「この人」 赤堀宏さん 静岡県商工会議所青年部連合会の新会長に就任
2015年に藤枝商工会議所青年部に入会した。副会長や同青年部30周年実行委員長などを経て本年度から特別理事。藤枝市の医療用フィルム販売「CAXEL(カクセル)」社長。静岡市葵区出身。43歳。 ―抱負を。 「新型コロナウイルス禍でも、安心と安全を確保した上で積極的に活動していきたい。集まる際は抗原検査に加え、3密の回避と手指消毒を徹底する。行政との交流を活発化させて存在感を高め、1700人の会員の声を届けていく」 ―今年のスローガンは。 「『革命』。会員それぞれが時代に合わせて変化する覚悟を持ってほしいとの願いを込めた。自分自身を鼓舞しながら、経営者としては業種転換や新規事業開拓で互い
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静岡人インタビュー「この人」 中村美喜子さん 草木染グループ「万葉染毎(そめまい)会」を結成
万葉集ゆかりの草花を植栽する浜松市浜北区の万葉の森公園を拠点に、草木染の魅力や万葉集の歌が詠まれた時代の文化を啓発する会を5月に結成した。6月には市民らに向け、ベニバナを使ってポケットチーフを染める講習会も開き、人気を集めた。51歳。 ―万葉染毎会を結成した理由は。 「歴史と結びつきながら、丁寧に育てられてきた植物が万葉の森公園にはたくさんある。自分にできることで、これまで以上に生かす方法を考えた。草木染に熱心に取り組んでいる40代から60代までの仲間に声を掛け、集まった5人で会をつくった」 ―今後の展望は。 「講習会の継続や、園内の植物の染色実験、商品化といったことにも挑戦してみた
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静岡人インタビュー「この人」 市川顕さん 三島市副市長に就任
1989年に県庁に入り、東部地域局次長などを歴任した。4月から現職。浜松市天竜区出身。55歳。 ―三島の印象は。 「中心市街地にも自然があふれ、昭和の感じを残しつつ新たな発見もある。第一印象はきれいな町。朝歩いていると、各地でごみ拾いをする人の多さに驚く。ごみが少ないのは市民意識の高さゆえだと思う」 ―市の強みは何か。 「首都圏まで新幹線でわずか40分の好立地に加え、東駿河湾環状道路で伊豆へのアクセスも向上した。三島駅南口の再開発で新たな都市機能とにぎわいの拠点ができれば、市の魅力はさらに高まる。コロナ禍で進むテレワークも三島への追い風となる。県や周辺市町も巻き込みながら、移住定住策
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静岡人インタビュー「この人」 上家信さん 静岡県富士山・南アルプス保全室長に就任
リニア中央新幹線工事に伴う大井川の水問題で注目される南アルプスや富士山の保全活動に力を入れる。林業の技術職として入庁し治山や林業振興を担当してきた。環境局は4度目の勤務。千葉県生まれ。52歳。 ―南アルプスの魅力は。 「ユネスコエコパークに登録され、世界に誇る自然環境がある。ただ、一般の人には富士山よりも敷居が高いと思われ、近寄りがたいイメージがある。南アルプスの素晴らしさを情報発信し、まず身近に感じて、県民に足を運んでほしい」 ―どのような取り組みを考えているのか。 「一過性にならず、多くの人に継続して賛同してもらうようにしたい。南アルプスの自然は知られていない部分もある。今後、調
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静岡人インタビュー「この人」 林隆道さん 浜松市東区保護司会長に就任
犯罪、非行をした人の更生支援や地域での防犯啓発に取り組む。浜松市東区保護司会の事務局長、副会長を歴任し、5月から現職。同区小池町の長泉寺の住職。71歳。 -抱負を。 「保護司の担い手の確保に力を入れたい。現在、定員に対して2人少ない31人が所属している。充足率は県内で高い方だが、数年後に退任する人も多い。自治会や消防団と連携し、ボランティア意識の高い人材を掘り起こしていく」 -新型コロナウイルスの影響は。 「2020年度は保護司の研修、小中学生の作文コンテスト、協力雇用主との意見交換など多くの事業が中止を余儀なくされた。支援対象者との面談も対面から電話に変更せざるを得なかった。本年度
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静岡人インタビュー「この人」 小鷲郁那さん 吉田町の地域おこし協力隊に着任
7月1日で着任した。イベントの企画運営などを通して地域の活性化を図る。埼玉県久喜市出身。任期は3年間。26歳。 -協力隊として働くことになった経緯は。 「地域おこし協力隊の情報サイトを見て、吉田町を知った。ほかの市町の協力隊と比較した上で、吉田に決めた。就労の形態に縛りがあまりなく、自由度の高い働き方ができることに魅力を感じた」 -吉田町の印象は。 「人が穏やか。不動産会社の人も、スーパーの店員も、郵便局員もみんないい人でなじみやすい。海がない埼玉県民はみんな海が好き。引っ越し後、さっそく海を散歩してきたら気持ちよかった」 -これまでの経歴は。 「フリーランスとして、アニメやバン
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静岡人インタビュー「この人」 君山正好さん 空き店舗を活用したショップを開店したデザイナー
2016年に都内からUターン。長泉町の起業体験事業として、JR下土狩駅前商店街の空き店舗を活用した事務所兼店舗「デザインルーム No.4541」を開店した。49歳。 -どんな店舗か。 「店のロゴやパッケージのデザイン、商品制作を受け付けている。以前企画したマルシェの出展者の作品や僕がデザインしたTシャツ、平日はギョーザ、弁当などの個人店が日替わりで出店している」 -Uターンの理由は。 「東日本大震災後、母の故郷の福島県にボランティアで入った。復興のために地元に残る決意をした若者に心打たれ、地元のためにできることを考え始めた」 -どのような商店街活性化を目指しているか。 「もう一度
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静岡人インタビュー「この人」 草野恵子さん 産科医療功労者厚生労働大臣表彰を受けた助産師
助産所を営み、年間15~20件のお産を扱う。県助産師会の前会長。長崎県の五島列島出身。68歳。 -29歳で脱サラ。経緯は。 「静岡の大学で家政学を学んだ。学生運動が収まりつつある中でウーマン・リブに参加する友人が多かった。私自身は女性差別を意識していなかったが、就職先で、障害のある同僚の給与が低いことに疑問を持った。社員で労働組合を結成したら解雇され、後に撤回されたが、その時点で退職した」 -なぜ助産師に。 「友人に影響され、女性の役に立つ仕事をしたくなった。専門学校を卒業し、病院に勤めた。勤務は看護業務もこなす3交代。一人一人の妊産婦にもっと寄り添いたいと開業を決めた」 -本県の
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静岡人インタビュー「この人」 小木知靖さん 浜松市秋野不矩美術館長に就任
1986年に旧天竜市役所入庁。浜松市に再編後は、主に天竜区役所で社会福祉などを担当した。同区役所区民生活課長補佐を経て、現職。住民に開かれた施設運営を目指す。58歳。 -就任の意気込みは。 「実家がすぐ近くにあり、開館当時から思い入れの深い美術館。美術の専門家ではないので重圧を感じるが、地元の名所の運営にやりがいを感じている」 -同館との関わりは。 「当館が開館した時、ちょうど旧天竜市の広報を担当していた。秋野さんも出席された開館記念式典の模様などを、広報誌で大々的に発信した。立派な建物とともに、今後のまちのシンボルになると期待したことを覚えている」 -秋野作品の魅力は。 「母校
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静岡人インタビュー「この人」 田中泰弘さん 静岡リウマチ整形外科リハビリ病院院長に就任
沼津市立病院で整形外科部長を務め、2013年から御殿場市のフジ虎ノ門整形外科病院で勤務した。5月から現職。専門は関節再建外科(膝関節・股関節)。63歳。 ―就任の抱負を。 「人工関節手術を年間400回以上、東海4県で最も多く実施してきた。今後は、技術的にも教育機関としても全国有数の人工関節センターを目指す。全職員がチームとなり、同じ方向を向いて楽しんで仕事ができる環境づくりを図る」 ―病院の特徴は。 「スポーツ障害の治療や再生医療、リハビリ、人工関節手術など、膝の治療をトータルで行えるのが強み。多くの人に知ってもらいたい」 ―人工関節手術をして感じることは。 「車いす生活を送って
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静岡人インタビュー「この人」 佐藤智子さん 児童書作家デビューした
江戸の菓子職人らのドタバタな日常を描いた子供向け時代小説「お江戸豆吉 けんか餅」(フレーベル館)を刊行した。ペンネームは桐生環(きりゅう・たまき)。ピアノ講師やマナー講師、司会業などの肩書も持つ。53歳。 ―きっかけは。 「子供の頃から物語を創ったり時代劇を見たりするのが好き。落語や浪曲が好きな祖父の影響も受けた。歴史は現実かつファンタジー。実際には争って血が流れることもあったと思うが、『戦いなし』の物語の中で楽しんでほしい」 ―工夫した点は。 「さまざまな文献や古文書を読んだ。菓子店が舞台なので、地元の和菓子屋で、菓子作りを見せてもらった。物語に盛り込めなかった江戸の文化や風習は、
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静岡人インタビュー「この人」 小内正敬さん 伊東お菓子ぃ共和国の新大統領
伊東洋菓子協会長として共和国設立に携わり、“建国”10年の節目に2代目大統領に就いた。伊豆高原でバウムクーヘンとチーズケーキが評判の洋菓子店「レマンの森」を営む。49歳。 -就任の抱負を。 「初代大統領が大切にしてきた『継続』の意識を大切にし、認知度を高めていきたい。会員制交流サイト(SNS)での情報発信を重視し、公式アンバサダーを選ぶことを考えている」 -洋菓子職人を志したきっかけは。 「実家は神奈川で洋菓子店を営んでいて、高卒後に製菓専門学校に進んだ。フランスに修行に行き、約15年前に伊東に移転していた家業を継いだ。菓子の系統は父がスイスで自分はフランス。
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静岡人インタビュー「この人」 林敏也さん 静岡県理容生活衛生同業組合理事長に就任
静岡市清水区で理容店「ヘアショップハヤシ」を営む。組合員1576人が加盟する業界団体のトップとして、理容の魅力発信や後進育成に注力する。62歳。 ―新型コロナウイルス感染拡大を受けた対応は。 「来店客が減る影響はあったが、理容業は生活に不可欠な存在。組合には独自の衛生管理推進委員会があり、感染拡大前から衛生意識は非常に高い。椅子やはさみの消毒は来客に見えるようにするなど、安心感の醸成を重視していく」 ―地域の理容店の位置付けをどう考えるか。 「散髪と顔そりだけでなく、マッサージや会話などで幅広い癒やしを提供し、地域の人のストレス解消に貢献している。エッセンシャルワーカーの片隅にいると
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静岡人インタビュー「この人」 高嶺透さん 静岡地方気象台長に就任
地震、津波に関する仕事に長く携わってきた。大阪管区気象台の地震情報官を経て現職。沖縄県出身。 ―本県の印象は。 「静岡に勤務するのは初めて。駿河湾や富士山に代表されるように地形が変化に富み、自然豊か。耐震化が進んだ建物が多く、防災先進県だと感じる」 ―記憶に残る仕事は。 「東日本大震災時、東北地方に『大津波警報』を出した。大阪管区気象台に勤めていて、あの日は防災情報を発表する当番だった。激しい揺れで対応が難しかった本庁からの指示で、バックアップ機能がある大阪から発表した」 ―どんな思いだったか。 「『早く避難して』と祈る気持ちだった。最善は尽くしたと考えるが、多くの方が犠牲になり
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静岡人インタビュー「この人」 池谷愛子さん 島田市の公会堂で子ども食堂を開始
島田市の東町公会堂「ひなた」を拠点に幅広い子育て支援活動に取り組む「あい愛サロンの会」の会長。6月末に第1回の子ども食堂を開いた。70歳。 -子ども食堂の実施を決めた理由は。 「新型コロナウイルスの影響でコミュニケーションが取りづらくなり、家庭の困窮や子どもたちの心の健康に対するサポートが必要と感じた。家にこもりがちな時こそ、外に出てリフレッシュする場が必要」 -どんな内容か。 「月1回の開催日に会員手作りの昼食をテークアウトで提供するほか、ミニ生け花や茶道、将棋、手芸などの体験ができる。地域の協力で畑を借りたので、野菜や花の苗を植えて食育や講座にも活用したい」 -これまでの歩みは
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静岡人インタビュー「この人」 石田義和さん 浜松市北区長に就任した
1988年、旧三ケ日町役場入庁。2005年の合併で浜松市職員になり、地域自治振興課、東京事務所などで業務に当たった。危機管理監代理兼危機管理課長を経て4月から現職。北区三ケ日町出身。56歳。 -北区の特徴は。 「浜松市は国土縮図型都市と言われているが、それをまたコンパクトにしたイメージ。浜名湖や山間部に加え人口が多い地域など、それぞれの顔を持つ魅力あふれる地域だと感じる。文化財も豊富で歴史があり、住民の皆さまの人柄も本当に温かい」 -地元が職場になって。 「18年ぶりに戻った。知っているようで知らないことが多いと感じる。しばらく遠ざかっていたので、地元で仕事ができるのは、やはりうれし
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静岡人インタビュー「この人」 竹内七海さん 富士見中高周辺店舗のチラシを企画
富士市の富士見高校3年生。所属するコミュニティ研究会の41人で学校周辺の21店を取材し、A3判両面刷りのチラシに各店の魅力をまとめた。発案者として編集長を務めた。18歳。 ―企画の意図は。 「日頃のボランティア活動に協力してくれる店に恩返しがしたかった。多くの店がコロナ下で苦しんでいる。高校生の来店増加を期待して学校帰りの寄り道をチラシのテーマにした」 ―編集長としての工夫や苦労は。 「入部したての1年生36人は大人と話す経験が浅く、トラブルを心配した。全員の前で説明する機会が無かったので、取材のマナーや最低限の質問事項を動画にして個別に送った。初挑戦で緊張したと思うが、上手に取材し
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静岡人インタビュー「この人」 村松庸志さん(磐田市) ふるさとを愛する会会長
磐田市豊岡地区神増の有志で設立し、25周年を迎えた。復元した県道沿いの山道「神増(かんぞ)坂」遊歩道の環境整備や周辺の植樹などに取り組む。68歳。 ―発足の経緯は。 「横浜市からUターンし、身近に趣味の山歩きができる場所を求めていた。幼い頃から存在を聞いていた古道の神増坂の復活を思い立ち、地元の約10人で3年間かけて整備完了した。入り口から血松塚古墳を経て標高125メートルの頂上まで約650メートル。途中には眺望抜群の見晴台を設けている」 ―最近の話題は。 「大停電を伴った2018年の台風で、スギが50本ほど倒れ遊歩道をふさいだ。手が出せず困っていたところ、森の力再生事業を展開する県
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静岡人インタビュー「この人」 高木光一さん 西伊豆町副町長に就任
1984年に旧賀茂村役場職員として採用され、新町誕生後に西伊豆町教育委員会事務局長などを歴任した。4月に町総務課長を退任し現職。任期は4年。60歳。 -町の現状について。 「新型コロナウイルス感染拡大に対する営業支援や感染防止策が急務と考えている。人口減少や少子高齢化が急速に進む中、どのように持続可能なコミュニティーを構築していくかが問われている」 -担う役割は。 「認定こども園の統合や斎場建設などの未解決案件や懸案事項を少しでも前進させること。目立たなくても着実に行政課題の隙間を埋めていきたい。積極的に町職員の指導や育成、支援に携わることも使命だと思っている」 -職員に望むことは
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静岡人インタビュー「この人」 塚越哲さん(静岡市駿河区) リニューアルした静岡大キャンパスミュージアムの館長
静岡大キャンパスミュージアムの館長として改修を進め、展示構成や内容を一新した。理学部教授。専門は動物分類学。61歳。 ―改修のこだわりは。 「集中して展示物が見られるように、壁は黒色、床は灰色に変えた。照明も落ち着いた雰囲気になった。図書館から博物館が入る棟の周辺を一体化し、大学を象徴する場として創出する構想があり、ミュージアムがその中核をなす」 ―みどころは。 「構成は大きく分けて自然史と文化史。自然の多様性から歴史まで、総合大学の学問分野の幅広さを実感してもらえる。展示スペースは以前の1・5倍に広がり、チョウや海洋生物の標本などの実物展示は3~4倍に増やした。知的探究心をかき立て
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静岡人インタビュー「この人」 野本人丸さん 静岡県高校文化連盟の会長に就任
4月の理事会、評議員会で選出された。新型コロナ禍で停滞を余儀なくされた高校文化部の活動の立て直しを図る。掛川工高校長などを経て2020年度から駿河総合高校長。59歳。 -就任の感想は。 「大役を仰せつかった。運動部経験の方が長いので多少気後れがあるが、コロナ禍を乗り切るために指名されたとも感じている。昨年度は中止になった総合文化祭をはじめ、発表の場を正常化させたい」 -本年度の力点は。 「22専門部会の催しや活動を支援し、9月に富士市で予定する総合文化祭を安全に実施することだ。ステージ部門は観覧者を絞らざるを得ないが、演目を撮影するなど、広く見てもらえる方策を考えたい」 -高校文化
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静岡人インタビュー「この人」 水口よお子さん 国画会の第95回国展の工芸部で国画賞を受賞
「灰汁(あく)発酵建(だ)て天然藍染」の作家として活動する。国展に出品したタペストリー「春光」が最高賞を受賞した。国展では12回連続の入選となる。元小学校教諭。73歳。 -受賞の感想は。 「入選を目標にしていたので国画賞は夢のような気持ちだった。作品は春が巡る喜びを梅の花の模様で表現した。美術の専門教育を受けたことがなく不安もあるが、気負わず創作を深め日々進歩していきたい」 -始めたきっかけは。 「20年ほど前に立ち寄った藍染め展で興味を持った。手仕事が好きで50歳ごろから趣味の一つとして教室に通うようになった。徳島産のタデアイを発酵させたスクモ(すくも)を使い自宅のかめで染め上げて
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静岡人インタビュー「この人」 浅原和美さん 沼津市議会議長に就任
1999年の市議選で初当選し、現在6期目。コロナ禍の中、経験豊富なまとめ役が必要との声に推され、議会運営委員会の委員長などを経て、4年ぶり2度目の議長就任となった。70歳。 ―“再登板”の抱負を。 「コロナ禍という非常事態にあって、市民の声を行政に届ける議会の役割はますます大きくなっていると感じる。議会での議論などを通して、その役割を果たせるよう尽力したい」 ―前回の議長時代に力を注いだことは。 「市民に開かれた議会を目指し、議会活性化等特別委を設置した。ICTを活用するなど、さまざまな取り組みを進めてきた。市議28人が引き続き一丸となって議会の活性化を目指す
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静岡人インタビュー「この人」 青島翔平さん 浜松山里いきいき応援隊として活動
前職はインドネシアで旅行業。5月から天竜区佐久間町で地域振興に励む。静岡市出身。30歳。 -応募のきっかけは。 「コロナ禍で前職がダメージを受け、次の道を考えていた。インターネットで佐久間町のNPO法人『がんばらまいか佐久間』が手がけるアワビの陸上養殖事業を知り、興味を持った。学生時代に読んだ『里山資本主義』の影響もある」 -主な活動内容は。 「地域住民とアワビの餌やりや水質管理に取り組んでいるほか、市社会福祉協議会の高齢者サロンに参加したり、滝をはじめとする観光名所へ赴いて撮影した写真をブログで紹介したりしている」 -佐久間町の印象は。 「思っていた以上に山奥だったが、車があれば生活
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静岡人インタビュー「この人」 坂本陽一さん アーツカウンシルしずおかのロゴマークをデザイン
今年発足した地域の創造的活動に対する支援などを行う県の専門組織「アーツカウンシルしずおか」のロゴマークをデザインした。東京都出身。44歳。 -ロゴに込めた思いは。 「アーツの頭文字Aと富士山の形を重ね合わせた。デザインを担当した東京五輪・パラリンピックの県文化プログラムのロゴも取り入れ、踏み切り板からジャンプして、よい方向に飛び出す、殻を破るようなイメージを込めた」 -最近、静岡市中心部から山間部のオクシズ地域に引っ越した。なぜいま。 「築約160年の古民家を手に入れるチャンスに恵まれた。都心で働いていたころ、自分は根無し草だと感じていた。土地とつながり、地に足を着ける感覚への憧れが
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静岡人インタビュー「この人」 永井真規子さん 3年ぶりの発表会を成功させたフラメンコ講師
隔年で開催している発表会は昨年、新型コロナウイルスの影響で中止に。多くの期待の声を受けて6月上旬、感染対策を徹底して開催にこぎ着けた。幅広い年代の生徒42人が出演。ギターや歌に合わせ、情熱的な踊りを繰り広げた。55歳。 ―開催した感想を。 「不安だったが、生徒からは『充実して楽しかった』、来場者からは『元気をもらった』との感想が寄せられた。県内4会場の教室では2年をかけて1曲を仕上げる。生徒は家族のような存在。発表の場をつくることができてよかった」 ―フラメンコを始めたきっかけは。 「高校生の時、東京でステージを見た母親が感動し、県内の教室に一緒に見学に行った。付き添いだと思っていた
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静岡人インタビュー「この人」 新井博文さん 浜松市天竜区長に就任
1983年旧佐久間町役場入庁。浜松市編入後は、同市職員として佐久間協働センターや天竜区役所に勤務。区振興課長、副区長を経て6月から現職。59歳。 -就任の経緯は。 「市の行政区再編を担当する推進事業本部の新設に伴い、岡安章宏前区長が本部長に就いた。後任は重責だが、これまでの方針を引き継ぎながら、円滑な区行政の実現に務めたい」 -区の課題は。 「市内で唯一の過疎地域を抱えている。人口減に伴う地域力の低下も深刻な問題。今、天竜区にとって非常に大事な時期だという認識がある。スムーズなワクチン接種も重要課題として注力したい」 -どう取り組む。 「地域の声に耳を傾けることが何より重要と考え
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静岡人インタビュー「この人」 茂野優太さん 伊豆の海の魅力を発信する水中写真家
動画投稿サイト「ユーチューブ」で伊豆の海中やスキューバダイビングの魅力を伝える動画配信に取り組む。“アンダーウオータークリエイター”を名乗り、ブログやツイッター、インスタグラムなどのSNSを活用した情報発信を行う。横浜市出身。29歳。 -どのような動画か。 「キンギョハナダイの群れやソフトコーラルが美しい西伊豆町田子、沈没船が海底に横たわる熱海市沖など、伊豆半島各地のダイビングスポットを紹介している。ダイビング未経験者にも興味を持ってもらえるような映像を目指している」 -きっかけは。 「仕事に追われ、疲れていた銀行員時代に、SNSで見た1枚の水中写真に心が癒や
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静岡人インタビュー「この人」 杉木毬乃さん 第22代富士の茶娘として活躍
富士のお茶振興推進協議会主催の「富士の茶娘コンテスト」で第21代茶娘クイーンに輝き、面接方式に変更された第22代茶娘にも応募した。12人の茶娘の1人として茶のPRに励む。地元新聞社の記者。24歳。 ―応募理由は。 「高校時代は茶道部で、普段から家でも急須でお茶を飲む。富士の茶娘に晴れやかなイメージがあって憧れていた。21代の2年目は新型コロナで思うような活動ができず、心残りがあって22代にも応募した」 ―茶娘の活動は。 「市内外のイベントで茶を振る舞って魅力を伝える。2年前には中部横断道開通を見据え、長野県松本市で茶を振る舞った。『おいしい』『飲みやすい』と言われてうれしかった。お客
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静岡人インタビュー「この人」 後藤孝司さん 静岡刑務所長に着任
長崎刑務所長や岡山刑務所長、加古川刑務所長を歴任し、4月に着任した。本県での勤務は初めて。県内で1971年に開催されたボーイスカウトの祭典「世界ジャンボリー」に、参加した経験があるという。大分市出身。60歳。 ―抱負を。 「収容者の逃走を防ぎ、刑務所内の規律・秩序を維持することが、われわれの使命。自治体や福祉と協力して受刑者の社会復帰を支援し、再犯防止の推進にも力を入れていきたい」 ―職員に求めることは。 「士気が高く、感心している。基本に忠実であることが大切。基礎をきっちりと身につけてほしい。建物と同じで、いくら着飾っても基礎がおろそかではうまくいかない」 ―新型コロナウイルスの
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静岡人インタビュー「この人」 中村儀之さん 静岡県弓道連盟西部地区会会長に就任
西部地区会副会長を4年間務め、4月に会長に就任した。静岡県弓道連盟掛川支部所属。同支部からの会長就任は初。元掛川市弓道連盟会長。教士六段。元同市職員。66歳。 -弓道を始めたのは。 「小笠農業高(現小笠高)の弓道部に入部したのがきっかけ。以来、自分の形を追求し、50年以上続けている」 -会長としての抱負は。 「競技力向上と弓道人口の増加。同市大池のさんりーな弓道場で毎週開催する弓道教室を通じて経験者を掘り起こしている。特に若い世代の増加を目指す。高校卒業と同時に弓道をやる機会がなかった人に再開するきっかけを作りたい」 -弓道の魅力は。 「自分の理想の形ができたときに喜びを感じる。
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静岡人インタビュー「この人」 片平隆士さん 静岡商議所青年部新会長に就任した
2014年青年部入会。50歳以下で構成するメンバー約230人を束ねる。静岡市清水区のシステム開発業、ティーケーシステム社長。48歳。 ―スローガンは。 「『一期一縁(いちごいちえん)』。昨年は新型コロナウイルスの影響で会員が集まることができなかった。同じ青年部に入会した縁を大切に、生まれ育った街に貢献したい」 ―注力したい事業は。 「キャリア教育事業を通じて未来へ“投資”をしていきたい。例年経営者が高校生に講話し、働く意義や希望業界に就職するためにアドバイスしている。ことしは中学生の職場体験がなく、講話の依頼がある。未来を支える子どもの育成に力を入れたい」
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静岡人インタビュー「この人」 芹沢文代さん 消費者庁の表彰を受けた
消費者支援活動に功績のあった人に消費者庁が贈る2020年度の「ベスト消費者サポーター章」に選ばれた。元県西部県民生活センター不当取引指導員。71歳。 -受章の感想を。 「とても光栄。この職業は認知度が低いと感じているので、今回の受章で消費者がトラブルに遭った時は相談ができるということを是非知ってほしい」 -始めたきっかけは。 「元々は消費者研究会という市民グループに所属し、悪質商法に対する啓発の寸劇などを行っていた。当時の天竜市消費生活センターの消費生活相談員が辞めることになったため、後任に手を上げて1998年に相談員となった」 -消費者トラブルの傾向は。 「仕事を始めた頃と今を
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静岡人インタビュー「この人」 富尾信司さん 御殿場市副市長に就任
1980年に大阪国税局の職員になった。86年に大蔵省(現財務省)に出向して以降、主に主計局に在籍した。4月から現職。長崎県平戸市出身の59歳。 -抱負は。 「職員と力を合わせ、市民が希望を持てるすてきな町にできれば。環境に特化したまちづくりの実現へ、一歩ずつ着実に前進させる。市民が誇りに思い、子どもが住み続けたいと思えるまちづくりを進める。スポーツやイベントは元気になる特効薬。安全安心に開催し、町を盛り上げたい」 -ご自身の役割は。 「これまでの経験を生かし、特に財政面で市長を支える。職員とのパイプ役として組織の活力を高める。長く住んでいる方々が気付かない地域の良さを発見し、町の発展
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静岡人インタビュー「この人」 中根幸男さん 森町議会議長に就任
2013年の町議選で初当選し、現在3期目。第2常任委員会委員長や副議長などを歴任し、5月の臨時会で選出された。元町職員で企画財政課長、総務課長などを務めた。72歳。 -議長就任の抱負は。 「就任から約1カ月がたち、責任の重さを実感している。これまで以上に公平で公正な議会運営を心掛ける。執行機関の長と議会が相互に均衡と抑制の取れた関係を保ち、両輪で活力あるまちづくりと住民福祉の向上に努める」 -議員を志した理由は。 「町職員としての33年間の経験を生かし、別の立場からまちづくりに携わりたいと考えていた。その中で地元から出馬の打診があり、受けることを決めた」 -町政の課題は。 「健康
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静岡人インタビュー「この人」 荒川菜緒さん 富士山静岡空港就航先の観光モデルコースを考案
日本大国際関係学部の宍戸学教授の交通ユニットに所属するゼミ生7人が就航先のおすすめコースを提案した。富士山静岡空港株式会社と、同学部・短期大学部が3月に結んだ連携協定を機に取り組んだ。日本大国際関係学部3年生。宍戸ゼミ3期生のゼミ長を務める。長野県出身。20歳。 -モデルコースを考えたきっかけは。 「ゼミの2期生が、県東部の学生を対象に行った静岡空港の利用状況に関するアンケートで、若年層への認知度向上が課題に上がった。先輩の研究を受け継ぎ空港の利用促進策を考える中、学生が魅力に感じる旅行プランを提案した」 -コースの内容は。 「就航先の北海道と沖縄県の2コース。『インスタ映え』するス
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静岡人インタビュー「この人」 小割哲也さん 本年度県文化奨励賞を受賞した陶芸家
富士宮市内で「無心窯」を構えて25年、織部焼や信楽焼の新たな姿を模索してきた。高校や地域の陶芸教室で指導するほか、県工芸家協会長として若手作家の育成、愛好家との交流など協会の活性化にも力を入れる。日展会友。51歳。 ―受賞の喜びを。 「尊敬する諸先輩の後に名を連ねることに驚いている。これまでの活動が認められてうれしい。その場を与えてもらったことにあらためて感謝したい」 ―工芸の魅力とは。 「もともと生活に根差して発展してきた。使い方や取り合わせを楽しみ、美術品として鑑賞することもできる。中でも、陶芸は作り手や使い手の趣向に合わせ、繊細なものからシンプルな作品まで幅広く懐が深い」 ―
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静岡人インタビュー「この人」 中村博和さん 日本山岳会静岡支部長に就任
自然環境保護の立場から、リニア中央新幹線南アルプストンネルの工事中止を求める特別決議を静岡支部で可決し、県に提出した。4月から支部長。52歳。 ―支部の活動は。 「ハイキングセミナーや山の日の親子向けセミナーを開き、初心者に山や登山の魅力を紹介する活動を展開している。県内の他の山岳団体と連携し、南アルプスの写真展も開いている」 ―南アルプスの魅力は。 「山体が大きく、1日がかりで登る達成感がある。3千メートル級の山々から望む星空と夜明けは格別。高山植物や原生林など、手付かずの自然がそのまま残る。雨が多く、光岳がある深南部は湿った空気が山を包み込み、本来の森の姿が感じられる」 ―特別決
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静岡人インタビュー「この人」 永井伶旺さん 静岡県高校将棋選手権大会団体戦男子で優勝
3人で行う団体戦で昨秋の新人戦に続き2大会連続の優勝を決めた浜松西高囲碁将棋部の部長。7月末に和歌山県で開幕する全国大会に出場する。元奨励会員。2年生。17歳。 ―優勝が決まった時の心境は。 「理想的な勝ち方ができうれしかった。相手の作戦を予想して、3人とも得意戦法で迎え撃つことができた。私の対局では、中飛車という作戦で事前研究の通りに対局を進められた」 ―練習の工夫は。 「部員全員、戦法を解説する定跡書を全て暗記するよう、何度も読み直すように心掛けている。時には人工知能(AI)を取り入れた将棋ソフトで最善手を研究した。個々では詰め将棋に力を入れている」 ―奨励会と部活動の違いは。
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静岡人インタビュー「この人」 藤本湧磨さん NPO法人「New Universal Act」理事長に就任する
地域と連携しながら防災や減災意識を高めるNPO法人を駿河総合高の生徒たちと設立する。同校OB。静岡大1年、19歳。 ―設立の動機は。 「多様な災害のそれぞれを知り、備え、被災後の生活を描けるよう啓発していきたいと志した。高校教育で防災教育を重視する『地理総合』が登場する流れも背景にある。同世代のほか小学生から大学生までつながっていって、地域の多世代交流に貢献できれば」 ―活動内容は。 「夏の設立後フォーラムを開くよう準備を始めたところ。小中学校などでの避難訓練のメニュー作りなども進めたい。自分たちが日頃の学生生活で感じたこともベースに、同世代やほかの世代に発見をもたらす場を作りたい」
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静岡人インタビュー「この人」 佐野信浩さん 富士宮署長に就任
1987年県警入り。警部補までは主に捜査部門を歩み、その後は管理部門を渡ってきた。警察大学校教授や警察相談課長を経て現職。函南町出身。57歳。 ―富士宮市内の印象は。 「一言で言えば豊かな街。歴史や文化のほか産業も盛んで人の流れを感じる。富士山麓に広がる街として受け皿が大きい。富士山が大きく見えるのも感動がある。有り難さを感じる」 ―印象的な出来事は。 「県警初となるフィリピン人の地下銀行摘発に外国人犯罪対策室の初代メンバーとして携わった。かなり長い期間、地道な基礎捜査を経て着手し、全国的な広がりをみた。県内のリーディングケースとなった」 ―署員に求めることは。 「警察は何のために
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静岡人インタビュー「この人」 青島直久さん 藤枝法人会の会長に就任
5月の定時総会で会長に就任した。1997年に理事、2003年に副会長を歴任。副会長時代は広報委員会や総務厚生委員会の担当を務めた。青島ポンプ工業の代表取締役。72歳。 ―会長としての抱負は。 「結成から70年以上の長い歴史を前に身が引き締まる思い。活動の主軸となる税関連で言えば、新しい制度や税制改正事項について、会員に理解を深めるための場を設ける。法人会を取り巻く環境は厳しい状況だが、会員の拡充を行い、組織基盤の充実を図りたい」 ―注力したい活動は。 「新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨年取りやめた子どもたちへの租税教育は復活させたい。国をこれから支える世代に、税を理解させることは
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静岡人インタビュー「この人」 戸川佳奈子さん プロのボディービルダーを目指す
昨年11月にボディービルのアマチュア全国大会に初出場し、女性らしい美しさを競う「ビキニ」部門で2冠に輝いた。今年は体作りに専念、来年はプロ認定を受ける大会に挑む。長泉町のフィットネスジムトレーナー。桐陽高卒。24歳。 -優勝の感想を。 「目標ではあったが、優勝できるとは思っていなかった。一人の力では絶対に達成できなかったので、支えてくれた人たちへの感謝の気持ちがあふれた。素直にうれしく、結果が残せてほっとした」 -競技の魅力は。 「頑張った分だけ成果が表れることにやりがいを感じる。見た目が変わると自分の自信にもつながる。今まではネガティブになりやすい性格だったが、ボディービルを始めて
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静岡人インタビュー「この人」 増田裕さん 鳥の企画展を開いた日本野鳥の会遠江の代表
愛鳥週間(5月10~16日)を前にした5月上旬、会員とともに鳥が鮮やかに羽ばたく様子を捉えた写真や、細部まで表現した木彫り「バードカービング」の作品を県立森林公園バードピア浜北(浜松市浜北区)に並べた。企画展を開いたのは新型コロナウイルスの影響で2年ぶりということもあり、園内の散策に訪れた人たちから注目を集めた。72歳。長崎市出身。 ―野鳥の魅力は。 「季節によって観察できる鳥が異なる。大型連休中には森林公園でも県の鳥であるサンコウチョウが確認できた。冬はカモを眺めるのもいい。県内でも西部地方は約300種の野鳥が見られる。5月に開いた企画展では鳥の魅力とともに、多くの種類の鳥がいる県西部
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静岡人インタビュー「この人」 川口敏彦さん ミャンマーの本来の姿を伝える写真家
全国紙の写真部員時代にタイ・バンコクへの赴任を経験し、3年間アジア全域を取材した。2016年に退職し、1年半にわたりミャンマーに滞在。当時撮影したミャンマーの日常の写真の展示会を、東京や静岡市、沼津市で企画した。沼津市出身。57歳。 ―なぜ写真展を。 「クーデターが起き、ニュースなどで残虐な映像が流れている。ミャンマーという国が誤解されてしまうと思った。本来は美しく穏やか。展示することで多くの人に関心をもってほしかった」 ―アジアに魅力を感じる理由は。 「大学時代から訪れ、多様性があるところにひかれている。政治体制や歴史、宗教が多彩で興味深い。情勢が不安定な部分があるが、どの国も親切
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静岡人インタビュー「この人」 財津康さん、清水署長に就任
1984年に県警警察官を拝命。勤続37年の中、刑事畑を26年間歩んだ。前職は県警広報課長。富士市出身。55歳。 ―清水区の印象は。 「清水署での勤務はこれが初めて。コロナ禍の中であまり外を出歩けていないのが残念だが、人は親切で、港町の活気がありつつ街全体が落ち着いた雰囲気で素晴らしい」 ―管内の懸案事項は。 「まず清水一家の存在があり、暴力団対策には力を入れていく。着任後、大麻製造集団を摘発した事件があった。大麻が若者の間にはびこると、暴力団の資金源となっていく可能性がある。長く刑事をしていた経験を生かしていく」 ―現在の取り組みは。 「交通死亡事故の件数が県内ワーストとなってい
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静岡人インタビュー「この人」 高木康行さん 発酵技術を活用した新たな和菓子を開発
伊東市の和菓子専門店「石舟庵」2代目社長。発酵食品「米糀(こうじ)甘酒」を甘味素材にした新商品を開発した。腸内の悪玉菌の増殖を促す白砂糖を使わず、コロナ禍で免疫機能との関係が注目される腸内環境に配慮した。50歳。 -発酵に着目したきっかけは。 「発酵由来のブドウ糖を和菓子に応用できないかと思っていた。衛生面の問題から菓子製造と発酵は相いれなかったが、昨年4月の緊急事態宣言で製造がストップしたため、健康志向の新商品を目指し挑戦した」 -一番の苦労を。 「市販の米糀甘酒は糖度が足りず、加熱すると熱変性による不快な香りが生じた。心が折れかけたが、全国から20種類以上の米こうじを取り寄せ、高
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静岡人インタビュー「この人」 原野博明さん 浜松市警察部長に就任した
1980年に県警に入り裾野署長や三島署長を歴任した。浜松市内での勤務は天竜署水窪担当次長を務めて以来2度目。同市西区出身。60歳。 -市警察部の役割は。 「浜松市と市内6署の連絡調整を担う。各署が効率よく運営できるようバックアップしたい。市内では交通事故防止が喫緊の課題。交差点改良や交通安全啓発のほか、自動車運転免許の自主返納者への支援など、行政との連携は重要だ」 -なぜ警察官に。 「地元の駐在所のお巡りさんに勧められたのがきっかけ。人と接する職に就きたいと思っていたので、試験を受けてみた。人の役に立てるやりがいのある仕事で、当時の選択は間違っていなかったと思う」 -印象深かった仕
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静岡人インタビュー「この人」 橋本智洋さん 下田市議会議長に就任
2015年の市議選で初当選し、現在2期目。副議長を経て、議長に選出された。生鮮食品販売会社を経営する。54歳。 ―就任の抱負を。 「全13人のうち、1、2期が10人を占め、経験が浅い議員が多い。『温故知新』をモットーに、これまでの良い点は引き継ぎつつ、例えばペーパーレス化の推進など、無駄の多い部分は合理化をしていきたい」 ―下田市の課題は。 「市庁舎建設や伊豆急下田駅前再開発、ごみ処理施設の建て替えなど課題は山積み。私心を忘れ、客観的な視点で取り組みたい」 ―新型コロナウイルス対策への考えは。 「東日本大震災の時と同様、市民の価値観は変わったと思う。観光地でもある下田は経済的影響
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静岡人インタビュー「この人」 松永孝広さん 島田商工会議所青年部の会長
ことし設立30年の節目を迎えた島田商工会議所青年部(島田YEG)で106人のメンバーを率いる。1832年に創業した島田市唯一の酒蔵、大村屋酒造場の7代目。44歳。 -意気込みを。 「スローガンは『至誠-志高い島田YEG 次代に向けて更なる超戦』。30周年記念式典を来年に控える中で経営者の基本に立ち返り、地域に貢献し、人々に笑顔になってもらうため何ができるかを考えたい」 -活動方針は。 「昨年度は新型コロナの影響で多くの対面行事を中止した一方、リモート方式の総会など新しい形を試みた。本年度は高校生向けの模擬面接など、ビデオ会議アプリの活用も視野にできる限り事業を実施したいと考えている」
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静岡人インタビュー「この人」 久保田武治さん アートを通じた地域振興に取り組む
絶妙なバランスの石積み造形を作るロックバランシングアーティスト「石花久作」として活動する。静岡市葵区の市文化・クリエイティブ産業振興センターの公募展に入選し、13日まで同所で個展を開く。大河内地区集落支援員。59歳。 -ロックバランシングを始めたきっかけは。 「7年前に支援員になった時、安倍川の石を地域振興に役立てられないかと考えた。偶然ロックバランシングを知り、昼休みを利用して始めた。作品はSNSで発信している。安倍川や山への関心を高めるツールにもなる」 -制作方法は。 「用いる石の形や置き方はインスピレーションで決める。安倍川は石の形の種類が多いので面白い作品が作りやすい。完成し
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静岡人インタビュー「この人」 所守宏さん いわた紙芝居の会会長
2016年発足。遠州や磐田地域の歴史や昔話を紙芝居で伝える。会員は60、70代の10人。浜松市天竜区出身。76歳。 ―発足の経緯は。 「JA静岡中央会の職員時代、仕事で足を運んだ先で、その地域に伝わる歴史文化の話を聞く機会が多かった。自身の郷土の歴史も後世に残したいと強く思った。当初は市の観光ガイド組織の中で紙芝居上演を行っていたが、依頼も増え、特化した会を立ち上げた」 ―レパートリーは。 「A3の手作り紙芝居で、しっぺい太郎や熊野(ゆや)御前、中泉・見付の名所旧跡巡り、遠州の七不思議など八つ。ナレーションに逸話を挟みながら、高齢者サロンや学童保育、催しの場などで披露している」 ―
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静岡人インタビュー「この人」 森正晴さん 下田署長に就任
1984年に静岡県警入りし、主に交通部門に従事した。伊東署副署長、交通指導課交通捜査室長などを歴任し現職。下田署での勤務は2回目で約20年ぶり。松崎町出身。55歳。 -管内の印象は。 「生まれ育った地域なので様子は分かっている。家族や地域の結び付きが非常に強いのが良さ。その一つの取り組みとして、下田市の伊豆急行沿線の桜並木に市民の家族宛てのメッセージプレートが飾られているのを最近知った」 -管内の課題は。 「高齢化率が高いため、特殊詐欺被害と交通事故の防止を徹底しなければならない。加えて津波など防災対策も求められる。管内1市5町の各行政機関との連携や日頃の巡回連絡を通じ、犠牲者を出さ
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静岡人インタビュー「この人」 植田裕明さん 藤枝市議会議長に就任
2002年に初当選し、5期目。5月中旬の通年議会開会議会で議長に選出された。藤枝市内で行政書士事務所を構える。64歳。 -議会運営の方針は。 「良い政策については力強く後押しする一方、市民感覚とのずれなど、市政のただすべき点はしっかり追及する姿勢が大切。行政は予算至上主義になりがちだが、決算を重視し、翌年度に反映させていく」 -市政の課題は。 「新型コロナウイルス感染症対策と地域経済復興が最優先。本市では関係機関が連携し、スピード感あるワクチン接種ができている。継続してもらいたい。地域の実情に即した独自の支援策を提案したい」 -通年議会の強みは。 「2020年度に県内で先駆けて導
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静岡人インタビュー「この人」 山下翔大さん 浜名湖養魚漁協「青鰻会」会長
4月13日の総会で、県西部の若手養鰻(ようまん)業者でつくる会の代表に選ばれた。任期は2年間。家業の養鰻業とかば焼き料理店の経営に携わる。30歳。 ―どのような活動を。 「会員は24人。養殖技術を高めるのが最大の目的で勉強会や養鰻池の見学会、他産地との交流などに取り組んでいる。子供たちにウナギの食文化を伝えたり、資源を保護したりする活動にも力を入れている」 ―本年度の事業計画は。 「5月19日に浜松市内の幼稚園でウナギのつかみ取り体験を行った。6月にはコロナ禍の医療従事者に弁当を提供する。稚魚が遡上(そじょう)する河川の魚道整備、他産地とのオンラインによる意見交換なども計画している」
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静岡人インタビュー「この人」 杉山幹男さん 静岡県立あしたか職業訓練校の校長に就任
静岡県のふじのくに大使館(東京事務所)や、同領事館領事(大阪事務所長)など県外での勤務を歴任。県東部農林事務所次長を経て4月に着任した。60歳。 -就任の思いは。 「生徒を預かるという職務はこれまでの県職員人生で初めての経験。訓練生の1年間の成長を楽しみに過ごしている。きめ細やかな職業訓練と生徒指導に取り組み、社会に巣立つ姿を見守っていきたい」 -施設の特徴は。 「身体障害や知的障害のある訓練生が、企業への一般就労に向け職業人として必要な知識や技能を習得する支援を行う。開校以来、就職率はほぼ100%で定着率も良い状況が続く」 -力を入れることは。 「企業から講師を招き実践的に実習
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静岡人インタビュー「この人」 大石巌さん 吉田町議会の新議長
2015年の町議選で初当選し、議会広報特別委員長や副議長を歴任。5月13日に議長に就任した。73歳。 -議長として取り組みたいことは。 「地元の声を町議同士で共有する議員懇談会を多く開催したい。地域課題への視野が広がり、問題意識を高めることにつながる。コミュニケーションを活発化させながら議会運営を進め、議員をまとめていくことに注力したい」 -議会への町民の関心をどう高めていくか。 「広報の委員長として、『議会だより』の制作に携わった。知恵を出し合い、読みやすい広報誌を目指した。今は活字離れが進んでいる。今後はICTを使った情報発信を進めていかなければならない」 -議員として力を入れ
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静岡人インタビュー「この人」 杉原徳彦さん ワイシャツやTシャツを紙に再生する社会貢献プロジェクト
繊維の循環システムを生み出す場として全国規模で発足したサーキュラーコットンファクトリーの第1弾活動。綿100%の白色を対象に、社長を務めるクリーニング業「浜松白洋舎」の8店舗で持ち込みを受け付ける。再生紙を題材にした教育授業も浜松市の小学校で展開する計画。49歳。 -取り組みの狙いは。 「服をきれいにするために環境に負荷をかけてしまっては意味がない。繊維ごみをなくす仕組みの必要性が高まる中、50周年を迎えるのを機に一歩踏み出し、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)に貢献する新たな挑戦にしたい」 -回収目標と計画は。 「綿約200グラムでA4用紙8枚ができる計算で、ワイシャツ10
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静岡人インタビュー「この人」 平尾潤さん 日帰り温泉マップを製作
伊豆の国市観光協会の事業として企画し、市内の温泉施設を中心に情報をまとめた。昨年11月から市の地域おこし協力隊を務める。協会に配置され、観光振興業務にあたっている。下田市出身。33歳。 ―製作の意図は。 「これまでも温泉マップは発行されていたが、さらに情報を増やしたいと考えた。情報を羅列するだけではなく、どのような特徴のある温泉か分かるようにした。このマップを見て現地に行ってもらうのが最終的な目的」 ―デザインのこだわりは。 「市内の温泉地を3地区に分け、それぞれの施設の写真と、ホームページなどにアクセスできる2次元コードを載せた。ターゲットはファミリー層」 ―協力隊に応募した理由
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静岡人インタビュー「この人」 稲田達樹さん 熱海市副市長に就任
1985年に熱海市に採用され、主に総務、観光、企画部門を歩んだ。経営企画部次長、観光建設部長を歴任し、2021年3月末まで消防長を務めた。4月から現職。59歳。 ―就任の抱負は。 「新型コロナ禍で大変な時だからこそ、政策立案の中心に立って、市民と一緒に汗をかきたい。副市長を従来の1人制から2人制にして良かったと市民に思われるようにするのが使命」 ―生まれ育った熱海に対する思いは。 「バブル崩壊後の熱海は廃れた街と言われ、市民が自信を失っていたが、シティープロモーションなどの成果がようやく形になってきた。市民が誇りと愛情を持てる街にしていきたい」 ―市民生活や福祉など担当分野の政策課
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静岡人インタビュー「この人」 梶山裕佳子さん 子どもたちのお茶の手摘み体験を企画した
静岡市葵区の大原地区で、自園自製でお茶を生産する。中藁科小の全校児童や藁科中の1年生などを対象にお茶の手摘み体験を初めて企画した。56歳。 -なぜ手摘み体験を企画したのか。 「藁科中校区青少年健全育成会が発行するカレンダーに書かれていた『地域の子どもは地域で守る』というスローガンを見て、自分も地域の子どもたちに関わる活動をしようと思い立った。子どもたちが将来、お茶の生産地で育ち、学校で手摘みをした、と話せるような体験を提供したいと考えた」 -体験を終えて感想は。 「小学校には地域学校協働活動推進員の知人を通じて企画を受け入れてもらった。協力してくれる人がいたからできたことなので感謝し
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静岡人インタビュー「この人」 鈴木基裕さん 御前崎市立御前崎総合病院の院長に就任
浜松医科大医学部卒、同大学院博士課程修了。2020年4月、御前崎市立御前崎総合病院の副院長兼整形外科の常勤医として着任した。21年4月、定年退職の前院長から職務を引き継いだ。豊橋市出身。54歳。 ―同病院では06年から整形外科の常勤医が不在だった。昨年の着任時は喜ばれたのでは。 「常勤医がいないと骨折や外傷の手術ができず、診断をしても他の病院を紹介するしかなかった。それが全て対処できるようになり、『遠くまで行かずに治療できる』とお年寄りに喜ばれたと聞いた」 ―新型コロナウイルスの対策は。 「御前崎市は感染者が比較的少ないが、今後の増加に備えて患者受け入れの模擬訓練をしている。院内では
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静岡人インタビュー「この人」 河合祐一さん 静岡県中学校体育連盟の会長に就任
静岡県中体連調査研究委員会中部委員長などを経て4月に就任。中学3年時に野球部主将として県総体優勝を果たした元球児で、赴任校のほとんどで野球部を指導してきた。静岡市立長田南中校長。58歳。 -就任して。 「コロナ禍で県総体の中止を余儀なくされた昨年、部活動に励む生徒たちの喪失感を現場で目の当たりにしてきた。今年は満足感を持って終えられるような環境を用意したい。感染対策に万全を期しながら県総体の開催へ準備していく」 -感染対策の方針は。 「大会実施のガイドラインを4月に改訂し、体調不良者発生時の対応などを共有している。感染リスクを下げるため、チーム間の接触を少なくする運営方式や食事を伴わ
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静岡人インタビュー「この人」 小田庸介さん(静岡市葵区) リニューアルした「駿府の工房匠宿」館長
静岡県中部の地域情報誌「すろーかる」の編集長。5月にリニューアルオープンした静岡市駿河区の伝統工芸体験施設「駿府の工房 匠宿」の運営を担う。42歳。 ―館長になった経緯は。 「約3年前に市内のものづくり関連のプロジェクトに参加した。静岡は昔からものづくりが盛んだが、担い手は少なくなり、このままでは衰退すると感じた。『ものづくり静岡』の力を磨き直すべきだと思っていた時に、指定管理会社長から館長を打診された」 ―改装前と違う点は。 「工房の中の作業風景が外から見えるよう、壁をガラスにした。各工房に職人を工房長として常駐させることで、プロの仕事を来館者やスタッフに見せることができる。庭の木
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静岡人インタビュー「この人」 松尾清史さん 天竜森林管理署長に就任
1996年林野庁入庁。18年間の本庁勤務を経て、関東森林管理局(前橋市)から赴任。前任地では林業へのICT導入などに取り組んできた。愛知県出身。51歳。 -管内の印象は。 「手入れがよく行き届いているためいい材木が多い。この地の林業家による長年の管理と苦労の成果が、美しい山として残っているのを感じる」 -林業の現状は。 「国は林業の成長産業化を掲げさまざまな政策提案を行っている。ただ経営が厳しい状況に変わりはない。管内の国有林でも山深い林地が多く、材としての搬出が難しい点も解決すべき問題の一つ」 -署の役割は。 「『連携と挑戦』を合言葉に、官民の協働促進を先導していきたい。失敗を
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静岡人インタビュー「この人」 高橋正彦さん 小山町教育長に就任
御殿場市立朝日小校長、同市教委学校教育課長、御殿場小校長を歴任。定年退職後は若手教員の指導に当たり4月から現職。64歳。 -抱負は。 「教育の質の向上に取り組む。新しいことを始めるのではなく、いまある教育内容を充実させ、道具を使い切る。全体の印象ではなく一人一人の成長を、表面に出た成果だけでなく過程を大切にしたい。同じ1時間で子どもがたくさん頭に汗をかけるようにする」 -どのような子どもを育てたいか。 「常に前向きに肯定的に生きる子ども、失敗を学びに変えて立ち直るたくましい子どもを育てたい。小山町で育ったことに誇りを持ち堂々と生きてほしい」 -教員に求めることは。 「主体的に考え
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静岡人インタビュー「この人」 杉山貴章さん 静岡県カヌー協会会長に就任
大学時代にカヌーを始め、1974年にメキシコで開かれた世界選手権男子カヤックペア500メートルに出場した。スポーツクラブセイシン社長。69歳。 -会長に就任した感想は。 「カヌーに対してまだ燃えるものがあったので引き受けた。長い間、県議の先生が務めた会長をスポーツ関係者としてどう引き継ぐか。強化部門には経験豊かなベテランのコーチがいる。私自身は強化よりも普及に力を入れたい」 -競技の現状は。 「リオデジャネイロ五輪で羽根田卓也選手が銅メダルを取り以前よりメジャーになった印象だ。県内では川根高と焼津水産高しかカヌー部がないが、あと2チーム増やして4チームで競い合う環境をつくりたい」
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静岡人インタビュー「この人」 藤ケ谷昌則さん 静岡県教委新図書館整備室長に就任
静岡県立中央図書館(静岡市駿河区)のJR東静岡駅南口への新築移転に向け、社会教育課に新設された部署を率いる。57歳。 ―建物の現状は。 「築50年以上が経過して老朽化が深刻化し、蔵書の増加で手狭になった。平成初期から建て替えが議論されてきたが、2017年に床のひび割れが見つかり、全館移転が決まった」 ―図書館の役割は。 「教育施設の図書館には、法律上の役割や『民主主義のとりで』としての社会的な期待がある。近年では課題解決や交流の場をつくる新たな役割も生まれている。このうち県立図書館は県の情報拠点として専門性の高い蔵書をそろえ、市町立図書館を支えている」 ―本年度の予定は。 「新館
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静岡人インタビュー「この人」 松村拓郎さん 地元飲食店の料理を宅配する「ヌマヅイーツ」を展開
父が経営するラーメン店で4年間働いた後、2019年に地元飲食店の人材確保を支援する「エキサイティング」を起業。20年5月から「ヌマヅイーツ」に乗り出した。24歳。 ―なぜヌマヅイーツを始めたのか。 「昨春の休業要請で、身近な飲食店がテークアウトしかできなくなった。店の代わりに料理を配達することで、地元店を守りたいと思った。沼津で出前と言うと、すしかピザがほとんどで選択肢が少なかった。もっといろんな料理を楽しめればという思いもあった」 ―どんな思いで事業に取り組んでいるのか。 「地元に密着したサービスとして、商品だけでなく、店が商品に込めた思いやこだわりも一緒に届けていく。利用者には常
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静岡人インタビュー「この人」 杵塚敏明さん 無農薬の茶栽培45年
持続可能な農業を実践し、世界緑茶協会が主催するO-CHAパイオニア賞の特別大賞を受賞した。人と農・自然をつなぐ会(藤枝市)会長。77歳。 -無農薬の茶栽培を始めた経緯は。 「中学卒業以来、家業の茶づくりに10代目として携わってきた。当時は高度成長期で、食糧増産のために畑に農薬を投じ、生態系破壊などの問題が深刻化していた。自然と調和しながら、安全でおいしい茶を作ることは必ずできるはずと考えた」 -どのように進めたか。 「当初は茶の葉をいためる病害に苦労したが、有機質肥料の使い方や栽培法を研究して生産を安定させた。やぶきたやふじえだかおりなどの品種を栽培し、深い味わいを評価してもらえるよ
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静岡人インタビュー「この人」 太田守さん 袋井署長に就任
1985年に県警入り。主に刑事畑を歩み、県警捜査1課統括検視官、科学捜査研究所長などを歴任した。森署では2年間、刑事生活安全課長を務めた。磐田市出身。54歳。 -抱負は。 「住民目線で安全安心を届けたい。地元に近く、地域の皆さんに育ててもらった。森署での勤務経験から知り合いも多く、異動が発表された時には連絡をいただいた。治安維持の面で少しでも恩返しできれば」 -管内の印象は。 「両市町とも歴史がある。加えて国道1号や東名、新東名をはじめ日本の大動脈が横断し、交通の要衝でもある。住民の皆さんは『自分たちの町は自分たちで守る』との意識が強く、交通安全や防犯で協力的に取り組んでいただいてい
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静岡人インタビュー「この人」 渡辺正教さん(沼津市) 静岡県還暦軟式野球連盟会長に就任
大昭和製紙野球部で投手として活躍し、コーチ、監督も経験した。現在は静岡沼駿クラブ(沼津市)で選手兼監督を務める。沼津商業高卒。78歳。 -還暦野球の魅力は。 「60歳を超えても野球ができる環境があることは素晴らしい。年寄りがよたよたやっているイメージがあるだろうが、実際は全然違う。皆が一生懸命投げて、打って、走る姿は一度見たら驚くと思う」 -野球人生の思い出は。 「大昭和製紙で9年間投手をやれたことが一番の誇り。監督として出場した後楽園球場での都市対抗野球も印象に残っている。準々決勝で負けてしまったが、引き分け再試合を2回勝ち上がり、優勝チームよりも多いイニングを戦った」 -長く続