お酒・ビールの記事一覧
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ベアードブルーイング(伊豆市) キャンプ場に「乾杯」の声 年間40種 出来たて提供【クラフトビール群雄割拠 静岡/山梨/長野/新潟⑤】
静岡、山梨、長野、新潟4県の県紙がリレー形式で地元のクラフトビールを紹介する連載企画「クラフトビール群雄割拠」の第5回。2巡目の第1弾は、醸造所併設のキャンプ場が人気の「ベアードブルーイング」を静岡新聞が取り上げる。 狩野川のほとり、広葉樹に囲まれた4階建て相当の醸造所の周辺に大小のテントが並ぶ。2018年6月開業の「キャンプベアード」(伊豆市)は、日本におけるアメリカンエール人気の火付け役の一つ「ベアードブルーイング」(同)が運営する。全国でも珍しいビールメーカー直営のキャンプ場だ。 最大の特徴は出来たてのビールが飲めること。同社はラガー、IPA、スタウトなど定番12種をはじめ、ミカン
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エチゴビール(新潟市西蒲区) 国内第1号、業界けん引 缶入り製造の先駆け【クラフトビール群雄割拠 静岡/山梨/長野/新潟④】
静岡、山梨、長野、新潟4県の県紙がリレー形式で地元のクラフトビールを紹介する連載企画「クラフトビール群雄割拠」。4回目は新潟日報が、国内第1号のクラフトビール醸造所として誕生した「エチゴビール」を取り上げる。 新潟市中心部から車で約40分。越後平野に工場を構えるのが、エチゴビールだ。「海外のビールを故郷の新潟から全国へ広めたい」-。かつて欧州で演劇家を務め、現地で多様なビール文化に触れた創業者の思いから、日本のクラフトビールの歴史は幕を開けた。 1994年の酒税法改正で、年間最低製造量が大幅に下がったことを受け、翌95年2月、醸造設備とレストランが一体の施設「ブルーパブ」が旧巻町(現・新
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OH!LA!HO BEER(長野県東御市) 豊かなホップ香「挑戦」 名産ワインと並ぶ存在【クラフトビール群雄割拠 静岡/山梨/長野/新潟③】
静岡、山梨、長野、新潟4県の県紙がリレー形式で地元のクラフトビールを紹介するこの企画。今回、信濃毎日新聞が紹介する「OH!LA!HO BEER[ビール]」は、眺望が開けた高台で、少数精鋭のメンバーが定番と個性的な商品の数々を手がけている。 標高717メートル、眼前には美ケ原高原や八ケ岳、遠くは北アルプスの山々が広がり、東には浅間山を拝む。長野県東御市のオラホビール工場は、信州の山々がおりなす絶景の中に構えている。 船出は1996年。小県郡東部町(現東御市)振興公社が、運営する日帰り温泉施設にさらなる誘客を-と醸造所兼レストランを整備した。「おらほ」は、信州で「自分、俺たちの方・ところ」を
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萌木の村 八ケ岳ブルワリー(山梨県北杜市) 「清里」香る地元産ホップ 地域の価値向上に貢献【クラフトビール群雄割拠 静岡/山梨/長野/新潟②】
静岡、山梨、長野、新潟4県の県紙がリレー形式で地元のクラフトビールを紹介する連載企画「クラフトビール群雄割拠」。2回目は山梨日日新聞が「萌木の村 八ケ岳ブルワリー」を取り上げる。 9月下旬、秋晴れの八ケ岳南麓、山梨県北杜市高根町清里にたたずむ「萌木の村 八ケ岳ブルワリー」。地下160メートルからくみ上げた八ケ岳の伏流水で年間100キロリットルを造る。この日、市内産のホップ「甲斐黄金」を使った季節限定ビール「ホクト」1800リットルの醸造が終了。3代目ヘッドブルワー名取良輔さん(31)がたるに詰め替え、アルミはくをかぶせた。「今年はホップの出来がいい。清里の風を感じながら飲んでもらえれば」
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御殿場高原ビール(御殿場市) 地元の米が薫る一杯 知名度向上にも貢献【クラフトビール群雄割拠 静岡/山梨/長野/新潟①】
静岡、山梨、長野、新潟の4県は1990年代後半の第1次「地ビールブーム」の時代から、国内のクラフトビール業界をけん引し続けてきた。現在も個性豊かな醸造所が相次いで誕生し、地域振興を担う存在として期待されている。4県の県紙が、地元のビールと地域の関わりをひもとく新連載。初回は静岡新聞が「御殿場高原ビール」を取り上げる。 富士山を間近に望む御殿場市。御殿場高原ビールの醸造所には、容量2千リットルの仕込み釜が二つ並ぶ。7月下旬、作業を終えた5代目工場長の村石充博さん(48)は、室内に掲げたカウンターボードの数字を入れ替えた。「創業から6267回目の仕込みですね」。四半世紀超の歴史を刻む木製のボー
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ビールのごみ、紙に再生 メニュー表、循環サイクル 処分負担軽減
クラフトビールを醸造する過程で発生する「麦芽かす」を再生紙に生まれ変わらせる取り組みが注目を集めている。独特の風味で人気のクラフトビールだが、規模が小さな醸造所には大量発生する“ごみ”の処分費が大きな負担だった。再生紙はドリンクホルダーやメニュー表に利用され、各地のイベントなどに登場。環境に優しい循環サイクルが生まれつつある。 「クラフトビールペーパー」を考案したのは、地域の課題解決を目指すスタートアップ企業「kitafuku」(横浜市西区)の松坂匠記代表取締役(33)。クラフトビールの人気が高まりつつあった約3年前、市内の醸造所から「大量発生する麦芽かすに悩まされ
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規格外イチゴをワインに 好評で500本完売 磐田の農園と都内企業
磐田市駒場の観光農園「いちご空中農園いわた」で採れた冷凍イチゴを活用し、都内企業がこのほど、スパークリングワインを商品化した。500本限定で製造し、首都圏のレストランなどで提供したところ、20日間で完売。農園と企業をマッチングした磐田市は好評を受け、市内での販路開拓も視野に追加販売を働きかけている。 商品名は、イタリア語で「再生」を意味する「rinato」(リナート)。完熟していたり、規格外だったりして市場出荷できず、加工用に冷凍保存した紅ほっぺやきらぴ香など4品種200キロを使用した。ボトルのラベルデザインには「国内最大級の次世代型イチゴ農園でつくったイチゴです。ぜひ遊びに来てください!
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駿河湾海底でワイン熟成 伊豆 5月引き揚げ
伊豆市商工会土肥支部事業部はこのほど、駿河湾の海底で熟成させるワイン「らぶ・まーれ」の設置作業を同市八木沢沖で行った。5月中旬に引き揚げる予定。 同市の中伊豆ワイナリー産の赤ワイン「伊豆ヤマ・ソービニオン2021」を90本用意した。伊豆漁協土肥支所や地元ダイバーの協力を得て、沖合約500メートル、水深約20メートルの海底に設置した。引き揚げ後は地元の観光施設「土肥金山」の坑道で追熟成させ、7月2日に開栓式を行う。 2015年から始まった事業。小長谷順二部長は「海底熟成ワイン自体の知名度が上がっている。土肥のブランドとして定着すれば」と期待した。
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昼から手軽に外飲み 飲食26店が1000円メニュー 富士駅北側で「バル」開催
富士市のJR富士駅北口周辺で15日、昼間から手軽に酒を飲める「昼から富士バル」(富士本町商店街振興組合、富士健康印商店会主催)が開かれた。同商店街の一部を歩行者天国にし、周辺店舗が千円ちょうどの特別メニューを提供した。多くの大人たちが屋外での飲食を満喫した。 飲食店26店舗が1ドリンク1フードのセットを用意し、店内か店先で販売した。車道には立ち飲み用テーブルと座席が距離を取って設置され、各店のイチオシを持ち寄り冷えた飲み物で喉を鳴らす姿が見られた。 3世代家族の5人は「子連れでは入りづらい居酒屋のメニューを一気に味わえて最高」と話した。 「富士バル」はこれまで、夜にチケット制で複数の店
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地元から大河盛り上げ ラベルに浜松城やロゴ 浜松アクトビール、20日発売
浜松倉庫グループの浜松アクトビール・コーポレーション(浜松市中区)は大河ドラマ「どうする家康」の放送を機に20日、「はままつビール」を発売する。自社製造のクラフトビールのラベルに浜松城やドラマのロゴをデザインした。 ラベルはシュヴァルツ、プレミアムピルスなど5種類のビールに合わせてそれぞれ製作した。徳川家康や徳川四天王をイメージして青、黄、紫、赤、緑の各色を用意した。 同社のレストラン「マイン・シュロス」(同区)のほか、22日から大河ドラマ館(同区)などで販売する。各1本330ミリリットルで税込み660円。年間計1万本の販売を目指す。
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富士に花咲け ビール文化 専門店、中心市街地で醸造開始
富士市のJR富士駅近くでクラフトビール専門店「BEER JAM(ビアジャム)」を営む大高敏明さん(45)は2月から、独自の醸造所「ROUGH&LAUGH(ラフアンドラフ)ブリューイング」を中心市街地の同市富士町で始める。市内2例目の醸造所で中心市街地では初の試み。静岡や沼津に地元の愛好家の心をつかみ、富士にビール文化を根付く青写真を描く。 富士駅北口から約200メートルの好立地に構える同醸造所には、一度に400リットル製造できる設備を整えた。モルトのコクを感じられてアルコール度数が低いペールエールを基軸に据え、6種ほど醸造する。富士の特産キウイなど地元食材を用いる。2月下旬までには最初の1
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日本酒文化香るまち静岡県東部 飲み、食べ比べ、もっと楽しく
3年近く続く新型コロナウイルスの影響は、お酒との付き合い方に大きな変化をもたらした。富士山の伏流水に恵まれた“日本酒どころ”でもある県東部では、日本酒ファンや飲食店、酒販店が新しい日本酒との向き合い方を模索する動きがある。熱かんも恋しい冬、静岡県東部の「新たな日本酒文化」を特集する。 御殿場・ナガイ酒店 小売店が酒米作りから 御殿場市中畑のナガイ酒店が、小売店自らが酒米作りに携わった純米酒「銀明師[ぎんめいすい]」を試験的に販売している。栽培2年目の2022年は約6トンの山田錦を生産し、米の質が向上。23年初頭は初めて純米大吟醸酒も仕込む。 自
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「郷土愛持って」初亀から祝い酒 岡部在住・出身者の二十歳に
藤枝市岡部町岡部の初亀醸造は、本年度で二十歳を迎える岡部地区の在住、出身者を対象に「ふるさと岡部の祝い酒」1本をプレゼントする。二十歳の自覚や郷土愛を持ってもらおうと市が企画した。 プレゼントするのは純米吟醸酒の720ミリリットル瓶。市によると、対象者は100人ほどという。 「はたちの集い」が行われる8日から同社の専用サイトで受け付けを行い、申し込みをした希望者に配送で届ける。同地区の集いが行われる市民ホールおかべで出席者に周知する。8日の段階で19歳の人に対しては、誕生日を迎え次第、発送するという。 橋本謹嗣社長は「自分自身の記念品や、両親へのプレゼントにしてほしい。二十歳を区切りに
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復興と飛躍を 画家が干支ラベル 熱海・純米酒「天虹」販売
大規模土石流に見舞われた熱海市伊豆山の復興支援を続ける同市渚町の日本画家坂本武典さん(46)が手がけた新春干支(えと)ラベルを貼った純米酒「天虹(てんこう)」の販売が29日、市内の酒店で始まった。製造元の駿河酒造場(静岡市駿河区)は売り上げの一部を伊豆山の災害支援金として市に寄付する。 ラベルの絵は、2023年の干支、卯(う)が熱海の海を背景に元気に飛びはねる姿を描いた「波兎(なみうさぎ)熱海湾を奔(はし)る」。熱海梅園の梅や海に浮かぶ初島も描かれている。 波兎は古くから縁起物として親しまれている図柄。「熱海が元気に飛躍することを願って描いた」と坂本さん。29日に天虹を店頭に並べた熱海市
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吟醸酒 瓶詰め完了 静岡・平喜酒造 年明け出荷へ
静岡平喜酒造(静岡市駿河区)の酒蔵で、年明けに出荷を予定する日本酒の瓶詰め作業が行われた。同社のスタッフが香り立つ吟醸酒を一升瓶や四合瓶に手際よく注ぎ込み、新年に向けて準備を整えた。 瓶詰めされたのは2012年に創業した同社の10周年を記念した「喜平 静岡蔵 純米吟醸 誉富士 新米新酒」。今年収穫された県産米「誉富士」と安倍川の伏流水、室(むろ)の湿度などに注意して造られたこうじを使って醸造した。精米歩合を高め、えぐみや雑味が少なく、滑らかで端麗な味が特徴。蔵本杜氏(とうじ)の戸塚堅二郎社長(35)は「静岡の食材になじみやすい鮮度の高い日本酒を、新年の晴れやかな気持ちで飲んでほしい」と話し
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芋焼酎「千年の念」 沼津・門池の自治会販売へ 故郷愛と活気醸成
沼津市門池地区の自治会員でつくる「門池コミュニティー推進委員会」が地元産の材料でつくる芋焼酎の商品化に乗り出した。担い手減少や非加入の住民増加で全国的に自治会や町内会など地域を支える組織の存続が危ぶまれる中、独自商品の販売で活力ある自治会を目指す。 商品化する芋焼酎の名称は「千年の念(おもい)」。昔話「門池の竜」で、竜が門池に落とした虹色の玉が千年目に光ったという逸話と、地域再興への強い気持ちから名付けた。同地区で生産されたサツマイモを使う。 「少子高齢化が進むが、地元の活性化につなげたい」。地域振興プロジェクトチームを2017年4月に立ち上げ、代表を務める福田和男会長(69)は意義を
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日本酒「富士市育ち」ことしも 純米吟醸、きぬむすめ100% 28日から富士市内限定販売
富士宮市の高砂酒造が富士市産の米100%で醸造した日本酒「山中山屋 富士市育ち」がことしも完成し、28日から富士市内限定で販売される。今季は酒米「山田錦」を使わず食用米「きぬむすめ」のみで純米吟醸原酒を作り上げた。26日、同酒造関係者が市役所に小長井義正市長らを訪ね、出来栄えを報告した。 富士市育ちは、同酒造と市農業振興推進協議会の開発プロジェクトとして2021年に生まれた。同年は市内産のきぬむすめと山田錦を配合して純米大吟醸としたが、ことしは新たな可能性を求めて一品種に絞った。 果実を思わせる爽やかな香りと、米の優しい甘みのある上品な辛口に仕上がった。魚の塩焼きや焼き鳥などに合うという
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地元産ビール楽しんで 120種4千本集結 ららぽーと沼津で28日まで
静岡県東部を中心としたクラフトビールメーカーなどでつくる「静岡クラフトビール協同組合」(沼津市)による国内外のクラフトビール120種4千本以上を集めた「沼津クラフトビール テイクアウトフェア」が26日、同市のららぽーと沼津で始まった。28日まで。 「沼津クラフト」「リパブリュー」「ベアードビール」など組合加盟メーカーのビールのほか、伊豆産ワインやクラフトジンなどを缶や瓶で販売している。同市を拠点とするウェブメディア「沼津経済新聞」がセレクトした地元20店舗によるおつまみやパン、スイーツなど約50種類も並び、来場者はクラフトビールと地元産品のペアリングを楽しんだ。 開催は正午~午後7時。
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次郎柿ワイン「お待たせ」 2年ぶり数量限定販売 森町内15店舗で購入可
森町特産の治郎柿を使った「遠州森町次郎柿ワイン」が22日、町内で発売された。昨年は製造中止となり、2年ぶりの販売。酒販店など15店舗で、数量限定で取り扱っている。 県指定天然記念物の原木から採れた柿をはじめ、同町産の治郎柿を100%使用。フルーティーな味わいが特徴で、飲みやすさから女性を中心に根強い人気があるという。 ワインは地元の特産品を使った新たな名物を作ろうと、町や商工会、生産者らで構成する遠州森町次郎柿ワイン推進協議会が企画した。昨年は天候不良により柿が不作で、初めて製造を取りやめた。今年は一昨年より3割程度増産し、約2800本を販売している。 同協議会は同日、完成祝賀式を小
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森町・小国神社 神事の酒 伝統継承
秋が深まる10月半ば、森町一宮の小国神社では古式神酒の醸造が始まる。祭礼に供する神饌(しんせん)の工程を本紙に公開した。取材が入るのは「歴史上初めて」(神職)。戦争も感染症も乗り越え、連綿と続く神事の酒造りに迫った。 プスッ…プスッ-。本殿隣の神饌殿。普段立ち入ることのできないこの場所で作業が行われる。発酵が進み、気泡のはじける音とともに甘い香りが部屋中に漂っている。「今年は天候に恵まれてこうじの調子が良く、いつも以上においしく仕上がった」。醸造を担う林圭祐権禰宜(ごんねぎ)がうなずく。 蒸した地元・一宮産の新米とこうじを混ぜて酒母を作り、境内の井戸水と酒だるに仕込む。日陰
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新興ウイスキーを世界へ 焼酎メーカーが挑む高級路線 国産ブームを追い風に
山形県酒田市の焼酎メーカーが造るウイスキーが国内外で人気だ。「デビュー作」は1本1万6500円と高値にもかかわらず品薄に。国内で酒離れが進む中、世界的な「ジャパニーズウイスキー」ブームを追い風に、新興の蒸留所がブランド化に挑戦している。 山形県北西部の遊佐町のウイスキー蒸留所で9月、重機がせわしなく行き交っていた。「もうたるが入りきらない。これからもっと広げますよ」と笑顔を見せるのは、焼酎メーカー「金龍」(酒田市)の佐々木雅晴社長(70)。貯蔵庫を2倍に拡張する計画だ。 蒸留所が本格稼働したのは2018年。遊佐から取った「YUZA」の名前を冠し、22年2月に世に送り出したばかりの「ファー
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「開運」の土井酒造場 鑑評会連続優等 掛川市長に報告
日本酒銘柄「開運」で知られる土井酒造場(掛川市小貫)が、2022年度の名古屋国税局酒類鑑評会で35年連続の優等賞に選ばれた。土井彩子取締役が12日、同市役所に久保田崇市長を訪ねて受賞を報告した。鑑評会のほか、英国とイタリア、スペインで開催された酒類コンクールでも入賞し、22年の1年間で国内外の計12タイトルを獲得した。土井取締役は「地元の人に知ってもらい、愛される蔵を目指して情報発信していく」と話した。 土井酒造場は1872年創業の老舗蔵元。
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ワイン楽しむ屋外イベント 浜松市中区で12月11日
浜松市中区の新川モールで11日正午から午後4時半まで、屋外でワインを楽しむイベント「まちなかワインテラス」(実行委主催)が開かれる。 ワインの移動販売を手がける後藤みゆきさん(豊橋市)が企画した。後藤さんの親族が浜松市中区で営む酒屋「エスポアごとう」で扱う5種類のワインなどを1杯500~800円で提供する。料理はピザやキッシュ、多国籍創作料理などを販売する4店が出店する。受付で千円分のワインチケットを購入して入場する。 問い合わせは後藤さん<電090(6584)3261>へ。
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クラフトジン、静岡仕込みで 静大発ベンチャー始動 必須原料ジュニパーベリー植え付け
静岡大発のベンチャー「葵GIN(ジン)クラフトテクノロジー」(静岡市駿河区)が、クラフトジンの製造・販売を来春にも始める。地元の農産物を使用する特色あるジンやリキュールを同市内で生産し、地域活性化につなげる考え。同社関係者や学生が8日、ジンの必須原料である「ジュニパーベリー」の苗木を同区の畑に植え付け、計画を始動させた。 ジンは穀物を主な原料とする蒸留酒。37・5度以上のアルコールにジュニパーベリーの果実を加え、さらに風味付けの材料「ボタニカル」を加えて造る。 「土壌、気候、空気といった土地の特性をジンに落とし込みたい」。代表取締役CEO(最高経営責任者)の一家崇志静岡大准教授(42)は
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掛川の栗焼酎「自ら」発売 蔵元変更、甘くまろやかな味わいに 市民有志プロジェクト
掛川市の市民有志でつくる「かけがわ栗焼酎プロジェクト」が8日、同市特産の栗を使った焼酎「自ら(みずから・おのずから)」の販売を開始した。2009年から続く取り組み。今季は蔵元を変更して蒸留方法を切り替え、甘くまろやかな味わいに仕上げた。 日本酒銘柄「杉錦」で知られる杉井酒造(藤枝市)に依頼し、常圧蒸留で素材の風味を引き出した。プロジェクトを主導する山崎善久リーダー(59)は「栗のうまみが全て出た酒。掛川市のブランドに育てたい」と話した。 720ミリリットル2400円、300ミリリットル1200円(いずれも税込み)。計1200本を販売する。JR掛川駅構内の地場産品販売店「これっしか処」と同
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辛口吟醸酒「吟醸からっ風」発売 静岡県中部の酒販店団体
静岡県中部の酒販小売店でつくる「からっ風会」(栗田哲也会長)は7日、恒例のオリジナル吟醸酒「吟醸からっ風」を発売した。年末需要を見込み、静岡、焼津、藤枝各市の同会会員13店舗で売り出す。 原料は磐田産山田錦を使う。花の舞酒造(浜松市浜北区)が、9カ月間の長期低温熟成工程を経て仕上げた。辛口で豊かな香りが特徴だという。1・8リットル換算で4千本を限定販売する。 同会は細部にこだわった酒造りを目指す酒販小売店が集まり、34年にわたってからっ風を販売する。栗田会長は「繊細かつふくよかな味わい。年末年始に和食と合わせて楽しんでほしい」と話す。 価格は2750円(1・8リットル入り)など。問い合
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「開運」新酒 出荷始まる 掛川・土井酒造場
日本酒銘柄「開運」で知られる土井酒造場(掛川市)は21日、今季の新酒「開運しぼりたて」と「開運無濾過(ろか)純米」の出荷を開始した。 米特有のうまみや優しい甘さ、フレッシュな香りが特徴的な酒に仕上がった。しぼりたてはアルコール度数19度、720ミリリットル1320円、1・8リットル2640円。無濾過純米は17度で720ミリリットル1639円、1・8リットル3278円。いずれも税込み。
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新酒ワイン「ボージョレ」解禁 静岡でカウントダウンイベント
フランス産の新酒ワイン「ボージョレ・ヌーボー」の販売が17日午前0時、解禁された。静岡市葵区の「ヴィノスやまざき新静岡セノバ店」ではカウントダウンイベントが開かれ、店に集まった飲食店関係者ら約20人がワインの解禁を祝った。 参加者は16日午後11時59分からカウントダウンを始め、日付が変わると一斉にグラスを掲げて乾杯。香りや味を確かめながら、待ち望んだワインを堪能した。同イベントに毎年参加している酒井伸忠さん(52)=同市清水区=は「1年間、この日を楽しみにしていた。フルーティーで熟成させたような渋みも感じた」と笑顔を見せた。 今年は円安などが影響し、例年と比べ2倍近くに高騰した商品もあ
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ビールの沼津へ 5カ所目醸造所「マスターズブリューイング」誕生 併設飲食店開業
JR沼津駅前に沼津市5カ所目のクラフトビール醸造所「マスターズブリューイング」が誕生した。15日に併設の飲食店を開業する。人口20万人規模の地方都市に醸造所が五つ共存するのは、国内では異例。市内の同業他社や関係者は“クラフトビールシティー沼津”の知名度向上に期待を寄せる。 「マスターズブリューイング」は13日、定番ビール3種の試飲会を開いた。代表で醸造責任者の益谷尚豪さん(56)は沼津市内で2007年から飲食店「さえ丸おじさんの店」を営業する。新醸造所には容量500リットルの発酵タンク4基を備え、缶飲料の通販にも力を注ぐという。 益谷さんは20代の頃から国内外のビ
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第3弾はスパークリング 花の舞酒造、純米酒「エンシュ」シリーズ発売
浜松市浜北区の花の舞酒造は、浜松パワーフード学会が監修する純米酒の第3弾「エンシュライトスパークリング」を開発した。食用米を精米歩合90%、アルコール度数9%で醸造するシリーズで、初のスパークリングに仕上げた。 瓶の中で2次発酵させて炭酸ガスを加えた。食用米のうまみを生かしつつ、きめ細かな口当たりの良い泡が立ち、すっきりと飲みやすい味わいにした。同学会加盟の市内飲食店で順次、提供を始める。価格は720ミリリットルで税込み3800円。
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「浜松産ビール」いかが グレープフルーツ活用 有志団体、18日に発売
浜松市内の会社員ら有志でつくる団体「どいーにはままつ」と、浜松アクトビールコーポレーション(中区)が連携し、希少な浜松産グレープフルーツを原料にしたクラフトビールを共同開発した。18日に発売予定で、関係者は「国産グレープフルーツの日本一の産地、浜松をPRしたい」と意気込む。 新たなビールは「グレープフルーツヴァイツェン」と名付けた。小麦や浜松産グレープフルーツのジュース「夕焼けルビー」、果汁を搾った皮などを原料に製造した。担当者によると、口当たりが柔らかで飲みやすく、グレープフルーツの酸味と香りも楽しめる。 「どいーに」は市内でかんきつ類のジュース製造を手がける障害者就労支援施設の工賃向
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名酒初亀に自社田米 藤枝・岡部朝比奈 地元産素材の使用加速
数々の受賞で知られる日本酒「初亀」をつくる初亀醸造(藤枝市岡部町)はこのほど、同町朝比奈地区に今年初めて設けた自社田で酒米を収穫した。同社は近年、自社田の導入のほか、同地区の契約農家とも協力して酒米の栽培量を増やしていて、地元の素材を生かした酒づくりを加速させている。 「自分で育てた米から日本酒が完成すると思うとうれしい」。今春に自社田の管理責任者になった杉野裕基さん(38)は10月中旬、収穫期を迎えて黄金色に染まった田んぼを見つめた。「まだまだ分からないことだらけだが、周囲の農家と協力して栽培技術を向上させたい」と意気込む。 栽培するのは本県オリジナル品種の「誉富士」。同社は20年ほ
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クラフトビールでシンポ 静岡大、観光戦略など可能性探る
静岡大は5日、県内で人気を集めるクラフトビールの研究や観光戦略について考えるシンポジウムを静岡市葵区で開いた。ビール製造に欠かせない酵母の研究者ら6人が講演し、クラフトビールの可能性を探った。 同大理学部の丑丸敬史教授は、野生酵母の採取事例を紹介した。同市内に多様な植物が生息するが、花酵母として活用されている例は少なく、これらを使用することで「ビールがもっとおいしくなる可能性がある」と指摘。観光戦略として、「徳川家康とゆかりが深い駿府城公園のお手植えみかんや久能山東照宮の実割梅から酵母を採取し、クラフトビールを商品化できれば、静岡ならではのストーリー性が生まれる」と提案した。 海洋由来の
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純米酒「特醸純米からっ風」8日発売 静岡県中部の酒販団体
静岡県中部の酒販小売店13店舗でつくる「からっ風会」(栗田哲也会長)は8日、オリジナル純米酒「特醸純米からっ風」を発売する。 原料米に県内産の山田錦を使い、南アルプスの伏流水で仕込むなど、地元の素材にこだわった。製造は花の舞酒造(浜松市浜北区)に委託した。キレの良い辛口が特徴で、1・8リットル瓶(税込み2650円)と720ミリリットル瓶(同、1325円)を静岡、焼津、藤枝3市の会員店舗で計千本販売する。 12月に精米歩合を55%に高めた「吟醸」も発売予定。栗田会長は「おいしい味わいに仕上がった。多くの人に飲んでほしい」と話した。 問い合わせは同会事務局のビレッジ<電054(276)11
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吉田の米、ビールで味わって 3日に試飲会、たんぼ活用推進協が開発
吉田町内の農家らでつくる「吉田たんぼ活用推進協議会」が、田んぼで収穫した米などを使用したクラフトビール「よしだライスラガー」を開発した。3日に町内で開催される「小山城まつり」で試飲会を開き、地域の魅力が詰まったビールをPRする。 牧之原市との境に位置する「吉田たんぼ」は奈良・平安時代から続く約100ヘクタールを誇る大規模な農地で、現在でも夏は米、冬はレタスの生産が盛んに行われている。同協議会は景観の美しさや歴史ある農地の魅力を広く発信しようと、クラフトビールの開発を企画した。 よしだライスラガーは同所で収穫した米のほか、仕込み水には町内でくみ上げた大井川の伏流水を使用。米の風味を生かし、
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昭和の料亭との縁を力に 静岡・呉服町火災ビルの居酒屋、青葉おでん街に和食店「照代」開業
8月に発生した静岡市葵区呉服町の雑居ビル火災で、営業再開できないでいるビル地下の居酒屋店の経営者が、青葉おでん街(同区)に「静岡おでん」をメインにした和食店をオープンした。昭和30年代に同区車町にあった名料亭「照代」の屋号と、かつて同店で使用されていた器を譲り受け、新たな業態に挑戦する。 オープンしたのは、雑居ビルで居酒屋「府中かしわで」を経営していた市川岩生さん(47)。放水の影響を受けた内装復旧や補償問題の見通しが立たない中、生活を守るために「青葉おでん街に出店してはどうか」と知人から提案を受けた。コンパクトな店舗で営業コストを抑えられる上、「おでんなら和食のノウハウを生かせる」と決断
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クラフトビール「政子の情熱」完成 伊豆の国産ミニトマト使用
伊豆の国市のニューファーマー(新規就農者)が生産する「伊豆の国ミニトマト」を原料にしたクラフトビールが完成し、このほど、都内でお披露目された。赤みがかった色と同市ゆかりの北条政子にちなんで、商品名を「政子の情熱」と付けた。羽田空港近くのビアレストラン「羽田スカイブルーイング」などで販売する。 全国の信用金庫ネットワークにより生産者と同レストランを運営する大鵬(大田区)を結び、9月から醸造に取り組んできた。同社の担当者は「こくはあるが、重すぎない。トマトが緩和してくれ、非常に飲みやすく仕上がった」と説明した。 生産者を代表してJAふじ伊豆「伊豆の国果菜委員会」の西山稔委員長や同市の山下正行
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静岡県内のビール文化 多面的に語る 11月5日、静岡でシンポ
静岡大に設置された学内外の連携組織「発酵とサステナブルな地域社会研究所」(所長・大原志麻人文社会科学部教授)は11月5日午前10時から、県内のビール文化をテーマにした学術シンポジウム「グローカリゼーションにおけるビール文化」を静岡市葵区の市産学交流センターで開催する。 同大理学部の丑丸敬史教授が「大御所家康公の足跡を酵母で訪ねる~家康公ゆかりの地からの花酵母の単離」、同大人文社会科学部の横浜竜也教授が「静岡におけるビール醸造と公共性」、市内でクラフトビールを扱う酒販店を経営する伏見陽介さんが「静岡をクラフトビア王国へ~なぜ醸造所が増え続けるのか~」と題して講話する。 県工業技術研究所の研
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新酒告げる「杉玉」青々 浜松・花の舞酒造 直径60センチ新調
花の舞酒造(浜松市浜北区宮口)は24日、新酒完成を知らせようと杉玉を交換した。軒先で杜氏(とうじ)の鎌江慎太郎さん(32)らがつるし、神職のおはらいを受けた。 直径約60センチ。かつては酒を好む左党らが、枯れ具合から酒の熟成度合いを判断していたため「酒林」とも呼ばれる。今季の新酒はコメの存在感があり、辛口で濃純な仕上がり。鎌江さんは「地域の人たちがお酒を楽しみ、心豊かに過ごしてくれるのを願う」と話した。 例年この時期に行う新酒味見会は今年、店の改装などの影響で中止する。
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幻のミカン爽やか「藤枝エール」 新作クラフトビール完成報告会
藤枝市地域おこし協力隊の満藤直樹さん(53)が、幻のミカンと呼ばれる「藤枝柚香(ゆこう)」を使ったクラフトビール「藤枝エール」を開発した。24日に藤枝駅前未来共創ラボ「フジキチ」で完成報告会を行った。 ビールは10%分ほど柚香の果汁を加え、爽やかな飲み口に仕上げた。満藤さんは県中部初のクラフトビールを生産した「アオイブリューイング」の創設者。6月の協力隊着任直後に柚香の存在を知って開発に着手し、藤枝の飲食店やデザイン業関係者らと連携して完成させた。 柚香は60年ほど前まで畑の片隅に植えられていた在来種。実が小さく種が多いため市場には出回らず、やがて市内で見かけなくなったという。藤枝果樹ク
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千歳町「老舗で一杯」新様式 自慢の味ワンコインで気軽に、3年ぶり催し 浜松
老舗料理店やラウンジなどが多く高級なイメージが強い浜松市中心街の一角、中区千歳町。新型コロナウイルス禍や原材料高の直撃を受けながらも、飲食店主らが街の活気を取り戻そうと26日夜、3年ぶりとなるイベントを開く。初の試みのワンコインでできる飲食や平日開催など低価格化と訪れやすさを意識して内容を一新した。21店舗による「職人市場in千歳」(実行委員会主催)は感染防止対策を徹底した上で、自慢の味を振る舞う。 千歳町はJR浜松駅から北西へ500メートルほど、昭和の時代の雰囲気が漂う飲食店街だ。コロナの影響で一時は人通りが激減したが、街の伝統を守ろうと各店が耐え抜いてきた。 職人市場の実行委員長で、
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冬季限定3種新酒 花の舞酒造が発売
花の舞酒造(浜松市浜北区)は21日、今季初の仕込み新酒3種を冬季限定で発売する。 包装が金色の「特別純米しぼりたて」は、こうじ米に県産米の山田錦を使用した。シリアルナンバー付きで、浜名湖のドウマンガニやウナギなどの食材が計55人に当たるグルメくじが楽しめる。銀の「純米しぼりたて」と銅の「本醸造初しぼり」の酒米も県産米を使った。いずれも原酒で新鮮な味と香りが楽しめるほか、米のうま味と原酒のどっしりとした辛味のバランスが特長という。 特別純米酒は720ミリリットルで税抜き1330円。純米しぼりたては1・8リットル2200円、720ミリリットル1100円、300ミリリットル463円。本醸造初し
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浜松食材×山梨ワイン味のスイング ジャズ会場にブース、初のコラボ
浜松市と山梨県は22、23の両日、同市内で開催中の第30回ハママツ・ジャズ・ウィーク(市、市文化振興財団、ヤマハ、静岡新聞社・静岡放送など主催)に合わせて、浜松産の食材と山梨県産のワインを楽しむ初のコラボイベントを行う。両市県の「幸福循環地域連携に関する共同宣言」に基づき、音楽と食を通じた交流を図る。 市内外のミュージシャンが出演する「ストリートジャズフェスティバル」会場の市ギャラリーモール・ソラモ(中区)に「コラボ」ブースを設ける。同県の岩崎醸造、東晨洋酒の各種ワインと浜松駅北口のホテル「北の庭 THE KURETAKESO」内の専門店が手掛ける市内産タマネギや牛肉、アオサノリなどを使っ
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伝統継承と挑戦を両立 「開運」蔵元創業150年の節目 土井酒造場社長・土井弥市さんに聞く
創業150年の節目に、地元クラフトビール醸造所や菓子メーカーなどと相次いで協業し、日本酒銘柄「開運」のブランド力を生かした新商品を提案した。人口減少で国内需要の縮小が見込まれる中、海外進出にも本腰を入れる。伝統の味と香りの継承に軸足を置きつつ、新たな成長の源泉を探っている。 ―日本酒を取り巻く環境をどうみるか。 「新型コロナウイルス感染拡大で売り上げが落ち込んだ時期もあったが、国内需要は持ち直している。海外は主力の北米と中国が好調。光熱費や運送代だけでなく、瓶の価格も上がり種類が減ってきた。外見ではなく中身で選んでもらえる日常使いの酒を目指し、工夫していく」 ―輸出戦略は。 「北米と
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静岡県内の地酒試飲 観光客らで盛況 熱海
熱海伊東法人会は15日、初開催のイベント「静岡の地酒のみくらべ」(熱海伊東間税会、熱海酒類行政連絡協議会共催)を熱海市のJR熱海駅ビル「ラスカ熱海」前で開いた。「吟醸王国」と言われる県の魅力を発信し、地域活性化につなげる狙い。 県内23蔵の自慢の地酒と伊東市の2製造者のクラフトビールが勢ぞろいし、観光客らが無料試飲を楽しんだ。イベント開始を前に長い列ができ、その後も盛況が続いた。 来場者は各地酒を紹介するパンフレットを手に、飲み比べをしたい3種類を選んだ。カップにつがれたお目当ての酒を味わいながらグループで歓談するなど、笑顔の輪が広がった。 初亀と磯自慢、高砂を試飲した会社員氏家侑太郎
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懐古堂ムラカミ屋をリノベーション、ウイスキー蒸留所に 三島のプロジェクト、キックオフ!
三島市大社町の国登録有形文化財「懐古堂ムラカミ屋」をリノベーションし、ウイスキーの蒸留所を立ち上げるプロジェクトのキックオフイベントが13日夜、市内で開かれた。対面では三島限定でウイスキーを販売するものの、購入権を市外、県外にも売り出すことで交流、関係人口の拡大につなげる。 バーボンウイスキーの製造販売を手がける「Whiskey&Co.」(東京)が企画し、内閣府の関係人口創出・拡大に向けたモデル事業にも採択された。三島で製造するウイスキーは市民、市内限定で対面販売するほか、優先購入権として発行されるトークンを取得すれば市外からも買うことが可能。ウイスキーをきっかけに三島との関係人口を増やし
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台風被害の醸造所に支援の輪 16日に島田でビールイベント
台風15号の道路被害を受け休業している島田市伊久美のクラフトビール醸造・販売所「193バレーブリューイング」への支援の輪が広がっている。同市のKADODE OOIGAWA内店舗「緑茶バーガー&麦酒」は16日、同醸造所の4種類のビールをタップ(注ぎ口)で提供するイベントを開く。 伊久美地区では同醸造所に向かう県道で崩落や陥没が相次ぎ、通行止めになった。休業に伴い、秋の行楽シーズンに合わせて仕込んだクラフトビールの行き場がなくなり、瓶詰め商品の在庫も抱えたが、藤枝市の居酒屋や静岡市のビアバーが販売の場を提供するなど即座に支援に動き「本当に助けられた」(運営会社の小林浩樹代表)という。 県道は
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ニンジン入り「三嶋ハイボール」で乾杯! 三島バルが閉幕
三島市内で食べて、飲み歩く「三島バル」最終日の8日夜、主催する実行委員会は地元のニンジンを素材に開発された「三嶋ハイボール」の乾杯イベントを同市の三島商工会議所で開いた。近くの白滝公園ではちょうちんの明かりで映画を楽しむ「せせらぎあかり&ナイトシアター」も行われた。 三嶋ハイボールは、箱根西麓で生産される甘みの強いニンジンジュースにシロップを加え、ウイスキーと炭酸水で割って楽しむ。同商議所青年部が開発し、鮮やかなオレンジ色とカクテル感覚の甘い飲み口が特徴。乾杯イベントでも評判は上々で、今後は市内の飲食店にも広げて「乾杯は三嶋ハイボール」の定着を図る。 白滝公園では三島柄をあしらった50個
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クラフトビール、ウイスキー飲み比べ 静岡・駿府城公園でフェア
静岡県内外で生産されたクラフトビールやウイスキーが味わえる「静岡クラフトビール&ウイスキーフェア」(同実行委員会主催)が8日、静岡市葵区の駿府城公園で始まった。9日まで。 ビール醸造所やウイスキー蒸留所、飲食店など計36社が出展した。来場者は受付で飲食券を購入し、各社のブースで生産者に製法や品質などを確認しながら、飲み比べを楽しんでいた。 同フェアは新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催で、今回が6回目。前回も訪れたという同区の会社員横田健二さん(41)は「県外のビールを屋外で飲める貴重な機会が戻ってきてうれしい」と話した。
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布のラベル、まるで帯 カネキチ「純米吟醸」限定発売 島田大祭合わせ
島田市で8~10日に開催される「島田大祭・帯まつり」を盛り上げようと、しょうゆ製造などを手掛けるカネキチ(同市伊太)がこのほど、帯に見立てた布ラベルの「純米吟醸 帯祭」を発売した。 ラベルは2種類。あかね色の下地に「七宝(しっぽう)」、紫色の下地には「桜」の伝統的な和柄をそれぞれ装飾した。伊藤慎之助社長は「和柄は金色で描き、落ち着いた色の下地に大祭ならではの華やかさを演出した」とこだわりを話した。 こうじ米は岩手県産の「吟ぎんが」、掛け米には県内産の「あいちのかおり」を使用。同市の大村屋酒造場が醸造した。まろやかな味わいが特徴で日本酒らしい深いうま味と香りが楽しめるという。 720ミリ
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自慢の地酒一堂 静岡県内23蔵元参加 掛川でまつり
静岡県酒造組合(望月正隆会長)は日本酒の日の1日、3年ぶりに地酒まつりを掛川市の掛川グランドホテルで開いた。県内23蔵元が参加し、500人が来場した。 来場者は新型コロナ感染対策用の使い捨てカップを手に各蔵元のブースを回り、地酒の香りや味を堪能した。望月会長は「開催できうれしく思う。これから酒造りが始まるので豊富な県内の食材と一緒に楽しんでほしい」と話した。 全国利き酒選手権県予選会も行われ、80人が参加した。藤枝市の鈴木道明さんが1位に輝き、全国大会に出場する。
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クラフトビール、ウイスキー飲み比べ 10月8、9日 静岡・駿府城公園で3年ぶりフェア
静岡県内外のクラフトビール醸造所、ウイスキー蒸留所が一堂に集まる「静岡クラフトビール&ウイスキーフェア」が10月8、9の両日、静岡市葵区の駿府城公園で開かれる。同フェアは3年ぶり開催。 ビール醸造所は静岡、浜松両市の5社に加えて県外9社が出展する。県内外のウイスキー蒸留所と県内の特色ある飲食店も参加。飲食物は当日販売のチケットで購入する。 2019年から同市駿河区で醸造するクラフトビールメーカー「ウエストコーストブルーイング」のバストン・デレック社長、16年から同市葵区でウイスキーを製造する「ガイアフロー」の中村大航社長らが実行委員会形式で運営する。 同フェアは15年初開催。年1回の開
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森町の和梨ビール 甘酸っぱく上品な香り 数量限定、17日発売
森町産の和梨を使用したクラフトビール「森町生まれ梨麦酒ペアビア」が17日から、同町を中心に1800本限定で販売される。発売前の発表会が15日、アクティ森(同町問詰)で開かれ、関係者が出来栄えを確認し、販売の好調を祈願した。 町や天方地区の住民有志らでつくる「森町ツーリズム研究会 森町でつながる推進部会」の地域振興策の一環で、今年で2年目。同町の野末農園から仕入れた「幸水」と「豊水」を掛川市の醸造所で加工した。甘酸っぱいフルーティな味わいと、梨の上品な香りが特徴という。 発表会には、部会メンバーや同農園の野末直嗣代表らが出席。吉筋恵治会長は「今年も良い仕上がりのビールができた。町外の方にも
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伊豆の国のミニトマト原料 酸味と情熱のビール 東京・羽田で醸造中
伊豆の国市のニューファーマー(新規就農者)が生産する「伊豆ニューミニトマト」を原料にしたクラフトビールの醸造が、東京都大田区の羽田空港近くで始まった。多くの人が行き交うエリアで需要拡大を目指す新たな挑戦。生産者は「伊豆の国のミニトマトの知名度を高め、ブランド化を図る好機にしたい」と期待を込める。 空港隣接地にある醸造所併設のビアレストラン「羽田スカイブルーイング」で9日行われた仕込み式。生産者の井上俊夫さん(65)=JAふじ伊豆「伊豆の国果菜委員会」委員長=や伊豆の国市の山下正行市長が足を運んだ。レストラン運営会社社長の大屋幸子さん(44)らと鍋に麦芽を投入し、10月下旬の完成を楽しみに
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発泡性日本酒 16日から販売 間渕商店
酒類・食品販売の間渕商店(浜松市中区)は16日、発泡性日本酒「スパークリング666(トリプルシックス)」を発売する。花の舞酒造(同市浜北区)が製造を担う。夜間営業の飲食店などで限定販売する。 新商品は6%と低アルコールで、精米歩合60%、日本酒度マイナス66と甘口に仕上げた。原材料は米と水のみで、口の中で泡がぷちぷちとはじける発泡性が特徴。 ロシアのウクライナ侵攻後、シャンパンなどの輸入が激減した。飲食店からの要望もあり、日本酒での代替品開発を進めていた。 1本300ミリリットルで、飲食店では3千円程度で販売される見通し。年間販売目標は千本。
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丁寧に洗米「親しまれる地酒に」 静岡平喜酒造、今年の仕込み始動
静岡平喜酒造(静岡市駿河区)は13日、同社の酒蔵で今年の酒造りをスタートさせた。初日は、こうじなどを作るために酒米を丁寧に量り、洗米作業を行った。戸塚堅二郎社長(35)は「地酒として親しんでもらえるものを作りたい」と意気込む。 同社は2012年に創業した新しい酒蔵。アルコール添加をせず、酒米とこうじ、水だけで酒を作ることにこだわっている。酒米には県産「誉富士」、水は同区の安倍川の伏流水を使用した。 洗米作業は酒米が水分をどれだけ吸ったかを管理しながら行った。戸塚社長は「酒造りの技術が出来に直結する。多くの人に地酒の魅力を知ってもらいたい」と頰を緩ませた。
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クラフトビール飲み比べ 静岡県内外11の醸造所や店 浜松市中区でフェス
静岡県内外のクラフトビールを楽しむ「浜松クラフトビールフェス(ミニ)」(同実行委主催)が11日、浜松市中区の市ギャラリーモール・ソラモで開かれた。県内6カ所を含む醸造所や販売店による11店舗の多様なビールがそろい、多くの市民が飲み比べを楽しんだ。 3年ぶりの屋外開催で、コロナ禍前と比べて規模を縮小した。オクタゴンブリューイング(中区)や沼津クラフト(沼津市)、横浜ベイブルーイング(横浜市)などがブースを連ねた。最高気温が30度を超える真夏日の中、来場者は各地の個性あるビールで喉を潤した。 (浜松総局・白本俊樹)
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ブルーベリーエール 今年も数量限定発売 10日、浜松アクトビール
クラフトビール製造販売の浜松アクトビールコーポレーション(浜松市中区)は10日、昨年に発売して好評だったフルーツビール「ブルーベリーエール」を今年も数量限定で発売する。 愛管(北区)の自社農園「連理農園」で栽培したブルーベリーを副原料に使い、昨年よりブルーベリーの強い香りが感じられるような味わいに仕上げた。アルコール度数は4・5%と一般的なビールより低く、浜松アクトビール醸造責任者の杉本大樹さんは「食前や食中に飲みやすく昨年は女性に人気だった」と話す。 価格は330ミリリットルで税込み627円。2400本の販売を計画する。浜松アクトビールの親会社や愛管が運営するレストランなどで提供、販売
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土井酒造場150年祝う 掛川で「開運まつり」 コラボ商品に列
日本酒銘柄「開運」で知られる土井酒造場(掛川市小貫)の創業150周年を記念した「掛川開運まつり」が3日、同市掛川の掛川城三の丸広場で開かれた。市内飲食店が看板メニューや土井酒造場との共同開発商品を持ち寄り、大勢の来場者でにぎわった。 11店がブースを構えて、日本酒風味のプリンや酒かす入りパンなどを提供した。地元醸造所カケガワファームブルーイングは、日本酒酵母で仕込んだ「開運ビール」3種を披露した。菓子メーカーたこ満は、酒かすをクリームに使った洋菓子「大砂丘」を販売し、人気を集めた。 ステージでは、音楽やクイズなどを展開した。同市の石川紀子副市長もジャズバンドの一員として出演し、サックスを
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ショウガ香るビールなど2種類完成 富士宮やきそばと相性抜群
富士宮やきそば学会(渡辺孝秀代表)と富士宮市大鹿窪のクラフトビール醸造所フジヤマハンターズビール(深沢道男代表)がコラボし、“富士宮やきそばに合う”酒類2種を商品化した。富士宮産ショウガを仕込みに使い、飲みやすいドライな仕上がり。3日から販売が始まる。 完成したのはクラフトビール「やきそばジンジャーIPA」と、炭酸入りアルコール飲料「やきそばセルツァー宮サワ」。同学会が富士宮やきそばに合う酒類の開発を依頼し、やきそばにも使われているショウガの活用を提案した。 「難しかったが、誰でもおいしく味わってもらえる形ができた」と醸造担当の宮脇浩樹さん(27)。試行錯誤を重ね
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「街みつ」で蜂蜜酒製造 浜松・長坂養蜂場と愛知・関谷醸造が仕込み
浜松市北区三ケ日町の長坂養蜂場と愛知県の関谷醸造は30日、同市中心街のビル屋上で採取した蜂蜜「はままつ街みつ」を使用した蜂蜜酒(ミード)の仕込みを同県豊田市の同社ほうらいせん吟醸工房で行った。 両社は2018年から毎年、浜松市北区三ケ日町の里山で採れた蜂蜜でミードを製造してきた。ことしは、透明度が高い黄金色で、フローラルな香りが特徴の「街みつ」を使用し、女性が好むまろやかな仕上がりが期待できるという。 仕込みでは、関谷醸造の従業員が水198リットルに蜂蜜96キロと酵母を添加し、かき混ぜる作業を行った。温度と湿度を管理した部屋で30~40日程度発酵させ、アルコール度数を8~10%へと高める
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浜松クラフトビールフェス 3年ぶり屋外、9月11日に
「浜松クラフトビールフェス(ミニ)2022inソラモ」(実行委員会主催)が9月11日、中区の市ギャラリーモール・ソラモで開催される。新型コロナの影響で2020年はオンラインで行い、21年は飲食店でのイートインと通販を行ったが、今年は3年ぶりに屋外で開催する。 19年に1万8千人(主催者調べ)を集めた人気イベント。今年は空間を十分に確保した中規模開催とし、来場者は4千人を見込む。クラフトビールのブースはティルナノーグ(同市中区)など県内6カ所を含む醸造所や販売店による11店舗、フードは5店舗が出店する。「ハママツ・ジャズ・ウィーク」(10月15~23日、同市内)とコラボした音楽イベントも開催
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匠宿「静岡醸造」初の瓶ビール 「ラガー」「ホワイト」2種セット
静岡市駿河区丸子の観光施設「駿府の工房 匠(たくみ)宿」内で今夏から醸造を始めたクラフトビールメーカー「静岡醸造」は21日、同醸造所初の瓶入りビールの販売を始める。 「TAKUMI CLASSIC(タクミ・クラシック)」と名付けたブランドの2本セットで、それぞれの瓶に匠宿のオリジナルラベルを貼付した。瓶詰めも醸造所内で行っている。 日本人になじみが深い「ラガー」と、ユズやコリアンダーを使用した爽やかな味と香りの「ホワイト」の2種。福山康大社長は「伝統工芸が体感できる匠宿で、食分野の職人による製品にも接してほしい」と願いを込める。 価格は特製ギフトボックス入り2本セットで2千円。匠宿内で
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金賞受賞生酒を限定販売 花の舞酒造、1日10本で300本予定
花の舞酒造は20日、2022年度の全国新酒鑑評会で金賞に選ばれた大吟醸酒の生酒の販売を浜松市浜北区宮口の本店で始めた。1日10本限定で約300本を売る予定で、なくなり次第終了する。 熱処理をせずに冷蔵倉庫の中で5カ月ほど熟成させ、通好みの鮮度と香りに仕上げた。名誉杜氏(とうじ)の土田一仁さん(63)は「鑑評会で金を受賞できた年にしか販売しない希少な品を、蔵元に来て試してほしい」とアピールしている。
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花の舞3酒に金賞、プラチナ賞 日仏の品評会、賞状届き喜び
花の舞酒造(浜松市浜北区)の酒3点が、5月に行われた各品評会で金賞、プラチナ賞に選ばれた。このほど賞状が同酒造に届き、蔵人たちが喜んでいる。 「全国新酒鑑評会 金賞受賞酒」(税込み4千円)は県産山田錦を使い、甘くなめらかな味わいに仕上げた。鎌江慎太郎杜氏(とうじ)は「日本酒の中でも、通の人なら静岡らしい味と分かるのでは」と話す。 フランス・パリで行われた日本酒コンクールでは「至福の極み 純米大吟醸」(同5500円)がプラチナ賞、「アビススパークリング」(同1650円)が金賞だった。いずれも直営店、直営オンラインショップ、百貨店などで購入できる。
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イチゴ×ビール 牧之原の魅力瓶詰め 池田屋麦酒が新商品
牧之原市波津のクラフトビール醸造所「池田屋麦酒」(月居麻水社長)は、同社ブランド「牧之原えーる」の新商品として、市内産のイチゴを使用した「ストロベリーサンライズ」の販売を期間限定で開始した。 同市坂口の「タイラファーム」で生産したイチゴをふんだんに使用した。爽やかなピンク色が特徴的で、甘い香りに加え、酸味とほどよい苦みが口いっぱいに広がる。ラベルには市内在住のイラストレーター岩本陽子さんが早朝に行った収穫時の様子を描いたデザインを使用するなど、牧之原の魅力を最大限に詰め込んだ商品に仕上げた。 池田屋麦酒は2020年から、月居社長の実家の酒販店「池田屋酒店」の一角で醸造を開始した。月居社長
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ミカンふわっと香る日本酒 花酵母使い3社製造、発売 JAしみず合併50周年
「清水のミカンの花酵母を使った日本酒を召し上がれ」―。ミカンの生産が盛んな静岡市清水区庵原町に本店があるJAしみずは、日本で初めて青島ミカンの花酵母を使った日本酒を来月から発売する。区内三つの酒造会社に製造を依頼したお酒は三者三様。酒造りの工程や使う井戸水の微妙な違いによる味わいのバラエティーも楽しめるという。 「花酵母の苦みがアクセントになり、マーマレードに似た味わいのお酒になった」。英君酒造の望月裕祐社長(58)は振り返る。花酵母はアルコールの出方が穏やかだが、かんきつの含み香が生まれるなど満足のいくお酒になったという。 「正雪」が知られる神沢川酒造場の望月正隆社長(60)も「一般に
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季節限定日本酒「琥珀の粧」 12日発売 花の舞酒造
浜松市浜北区の花の舞酒造は12日、季節限定の「琥珀(こはく)の粧(よそおい)」を発売する。春先に搾った日本酒を1度だけ火入れし、夏までの約5カ月間貯蔵して熟成させる伝統製法「ひやおろし」で仕込んだ。 今年は低価格の「特別純米原酒」と、米のうまみやフルーティーな香りを楽しめる「山田錦純米吟醸原酒」の2種類とした。ラベルは夕刻の富士山とモミジをイメージした。 価格は720ミリリットルで特別純米原酒が税込み1265円、山田錦純米吟醸原酒が同1848円。販売目標は720ミリリットルで各2千本。10月中旬ごろまで同社直営店や小売店で扱う。
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コーヒー香るビール提供 島田の醸造所、焙煎士と新商品
島田市伊久美のクラフトビール醸造・販売所「193バレーブリューイング」がJR島田駅前の緑地(サンカク公園)でコーヒー店「JUNKISSA」を営む焙煎(ばいせん)士の青木淳一さんと連携し、コーヒーを使ったクラフトビールを製造した。11日から両店舗で販売する。 苦みが少なく飲みやすい同醸造所のビールの特徴を踏まえ、浅いりのケニア産コーヒー豆を使用した。醸造所に豆を持ち込んでひきたての状態で投入し、香りを際立たせた。苦みや香りを加えるホップはあえて使わず、軽い飲み口で「モルトとコーヒーの甘さが融合した味わい」(青木さん)に仕上がったという。 醸造長の渡辺威夫さんや青木さんらは県外からの移住者。
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皇室ゆかりのウメ、ビールに 沼津の大中寺×柿田川ブリューイング
沼津市中沢田の大中寺が同市千本緑町のビール製造業「柿田川ブリューイング」と協力し、寺の境内にある皇室ゆかりの梅園で収穫したウメを使ったクラフトビール「うめぞのウィート」を製造した。元々皇室への献上品だった伝統野菜の大中寺芋に次ぐ新たな寺の名産品として浸透を図る。 同園で今年収穫したウメ40キロを使用し、計600リットルを醸造した。醸造時に2回に分けてウメを漬け込み、味と香りにグラデーションをつけたという。柿田川ブリューイングの片岡哲也社長は「ウメの香りとほのかな酸味を味わえる。アルコール度数も低めで軽く飲める」と説明する。 梅園は明治30年、当時の皇太子(後の大正天皇)が寺を訪れたのを機
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夏だ!ビールだ 熱海の親水公園 4日まで祭り
熱海市渚町の親水公園レインボーデッキで1日、夏の人気イベント「あたみビール祭り」(実行委主催)が始まった。4日まで。 同市の飲食業界の3団体が、同市特産のダイダイを使った「ダイダイサワー」やノンアルコールの「ダイダイスカッシュ」などの飲み物をはじめ、食べ物を販売した。音楽などのステージイベントも繰り広げた。 例年より座席を約半分に減らすなどの新型コロナウイルス感染対策を講じた。会場には土石流に見舞われた伊豆山地区の復旧復興に役立てる支援金の募金箱も設置している。時間は午後3~9時。
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日本酒×ビール 「挑戦」香る新味 掛川の2社が開発中
日本酒銘柄「開運」で知られる土井酒造場(掛川市小貫)とクラフトビール製造のカケガワファームブルーイング(KFB、同市肴町)が、日本酒酵母を使ったビールの共同開発を進めている。創業150年を迎える老舗の酒蔵と新興ビール醸造所による異色の協業。試作を重ねて、伝統と革新を意識した新たな味の創出に挑んでいる。 開発を目指すのは、土井酒造場の蔵つき酵母で造る「開運ビール(仮称)」。6月中旬に第1弾の仕込みを済ませた。仕上がりは、リンゴや梨のようなフルーティーな香りでさっぱりした口当たり。土井酒造場の杜氏(とうじ)榛葉農(みのり)さん(45)は「うちの酒のように滑らかで柔らかい」と評価した。同時に「次
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商店街の空き店舗 ビール販売客席に 沼津夏まつり
6月にビアレストランを開店した沼津市のビール製造販売「ONE DROP」は30日、沼津夏まつりに合わせ、仲見世商店街の店周辺の空き店舗を客席として試験的に活用した。31日も開放する。 店のPRと商店街の活性化を目的に企画した。かつてパチンコ店だった空きビル1階の店先で、製造したビール4種を販売。40席を用意し、空調やトイレも完備した。 同社の元木勝一社長は「駅近くに位置している。知ってもらうことで商店街の発展につながれば」と願った。
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裾野産米の焼酎完成 「芋」に続く特産に 老舗酒店発売
裾野市佐野の老舗酒店「みしまや」は28日、裾野産原料の焼酎の販売を始めた。遊休農地の有効活用を進めるNPO法人みらい建設部と取り組む特産品開発プロジェクト。3年目を迎えた芋焼酎に加え、新たに米焼酎を発売した。 米焼酎はすっきりとしたのどごしとさわやかな香りが特徴。裾野産の米と温泉水を使い、アルコール分25度の本格焼酎に仕上げた。同40度の力強い原酒も数量限定で販売する。 裾野産のサツマイモと温泉水を原料にした芋焼酎は同25度で、どっしりとした味わいと香りを楽しめる。 4代目の江森慎さん(39)が同日、市役所に村田悠市長を訪ね、「原料生産者や蔵元など多くの協力に感謝している。新たな一歩を
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8月1日から「ビール祭り」 熱海・親水公園
熱海市渚町の親水公園レインボーデッキで8月1~4日、夏の恒例イベント「あたみビール祭り」(実行委主催)が開かれる。 同市の飲食3団体が飲食の販売を行うほか、音楽やダンスなどのステージイベントを繰り広げる。時間は午後3~9時。例年は約千席を設けるが、新型コロナウイルス感染対策のため600席に減らす。会場では土石流に見舞われた同市伊豆山の復旧復興のための支援金募金も行う。 7月29日から8月26日までに6回行われる熱海海上花火大会の開催日にも同じ会場で同様のイベントを開く。
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世界品評会で「トロフィー」 日本酒、海外市場開拓へ 磯自慢酒造社長/寺岡洋司氏【本音インタビュー】
ロンドンで開かれた世界最大級のワイン品評会「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」の日本酒部門(純米吟醸酒)で、最優秀の「トロフィー」に輝いた焼津市の磯自慢酒造。国内に限らずアメリカやアジアでも愛される日本酒の魅力について社長に聞いた。 ―8年ぶりのトロフィー受賞の感想は。 「1等賞が取れたことは率直にうれしい。多くのお客さまにご愛飲していただいたおかげと大変感謝している。何よりも河村伝兵衛さんを中心に開発された『静岡酵母』を使った酒が評価されたことがうれしい。静岡酵母によって味わいの良い酒が実現できた。特に香りが自然でさっぱりしていると好評を得た」 ―日本酒の海外での評価は。 「
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バナナとパパイアのビール、今年も 東伊豆・バナナワニ園
東伊豆町の熱川バナナワニ園で栽培したバナナとパパイアを使ったクラフトビールが人気を集めている。1年目の昨年は2種が2カ月で完売。今季は7月から販売を開始し、増産を視野に入れる。 伊豆の国市の反射炉ビヤとの共同企画。「伊豆バナナワニIPA」は濃厚な甘みが特徴の品種「仙人蕉」を使用し、今季は使用するホップの種類を変更し一層バナナの風味が感じられるよう仕上げた。オレンジ色が映える「伊豆パパイアHAZY」もホップの分量を改良。華やかなトロピカル系の果実やかんきつ類を想起させる香りも印象的で、フルーティーに仕上がった。 1千リットルずつ製造し、330ミリリットルの瓶(750円)や飲食店向けのたるで
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人材派遣会社がビール醸造 激戦区・沼津で挑戦の”一滴”
沼津市の人材派遣会社がクラフトビール事業に乗り出した。JR沼津駅南口の沼津仲見世商店街に面した自社所有ビルで、3月から醸造を開始し、6月にはビアレストランも開業した。GKB(旧御殿場高原ビール)=御殿場市=の支援を受け、ビール激戦区の沼津でブランドの確立を目指す。 人材派遣会社は「イカイ」。新たに設立した会社、ビールのブランドを「ONE DROP(ワン・ドロップ)」と命名した。 2012年にイカイが取得した鉄筋コンクリート造り地上4階建てのビルの地階約600平方メートルに、醸造所と飲食店を設けた。コンサルタント契約を結ぶGKBの醸造家がビールのレシピを作成。容量500リットルの発酵タンク
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河津のバラ使用、沼津蒸留所ジン金賞 アジア最大の蒸留酒品評会
沼津市のジン製造「沼津蒸留所」(小笹智靖代表)のクラフトジン「レイジーマスターヘブンリーローズ」がアジア最大の蒸留酒品評会「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2022」で金賞に輝いた。河津町産のバラの花びらを使用したジン。蒸留所の永田暢彦取締役(38)は「つくってきたものが間違ってなかったと思えた」と喜びを語る。 ヘブンリーローズは春をイメージさせる甘い香りが特徴。河津町のバラ園から仕入れたバラの花びらやショウガ、シナモンなどで香り付けしている。審査員からは味のバランスの良さや、ジンの味を生かした個性ある味わいなどが評価された。 同蒸留所は20年から製造を開始。酒造りの経験がない
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短編映画、グルメと楽しむ 9日まで、浜松・新川モール
浜松市中心街の新川モール(中区)で8日夜、短編映画や飲食を楽しみながら交流を図るイベント「HACOTORA(ハコトラ)・ショートムービー酒場」が開かれた。夜の中心街に若者が集い、短編映画をBGM代わりに、グラスを傾けながら会話を弾ませた。 軽トラックの後部に木製ボックスとスクリーンを組み合わせた移動式シアター「ハコトラ」を2台設置し、10分程度の作品をそれぞれ複数本上映した。キッチンカーではドリンクのほかに、カレーやタコスなどを提供。来場者はベンチに腰掛けてゆったりと映画を見たり、立ったままドリンクを飲みながら会話を楽しんだりした。 音楽を流しながら、遠州鉄道の高架をスクリーン代わりにし
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ショートムービー酒場いかが? 7月8、9日に浜松・新川モール
屋外でさまざまな短編映画や飲食を楽しみながら交流を図るイベント「HACOTORA(ハコトラ)・ショートムービー酒場」が8、9の両日、浜松市中心街の新川モール(中区)で開かれる。同所の指定管理者「HACK(ハック)」(高林健太代表)が夜の中心街の新たなコンテンツとして企画。今後、定期的に開催し、人と人がつながる屋外空間の創出を目指す。 軽トラックの後部に木製ボックスとスクリーンを組み合わせた移動式シアター「ハコトラ」を2台置き、それぞれ違う作品を複数本上映する。DJやVJがパフォーマンスを行うほか、キッチンカーも登場し、ドリンクやフードを提供する。 短編映画や音楽をBGMに、多くの人が飲食
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夜景楽しむビール電車、今年は肉も 富士・岳南電車、8月6日に
富士商工会議所と富士市の岳南電車(通称・岳鉄)は8月6日夜に、工場夜景とビールが味わえる特別列車「ビール&肉電車」を運行する。今回は人気総菜店と連携した肉料理も用意する。7月6日午前9時から予約を受け付ける。 同商議所の観光企画「ネクスト・フジ」の一環で、富士の観光PRと岳鉄利用促進を目指す。 乗車中は複合型スポーツ施設「エスプラットフジスパーク」の地ビールが飲み放題。折り返しの岳南江尾駅では総菜店「はんなりキッチン結」の人気商品のサーロインステーキとしょうが焼きを楽しめる。復路は車内の電灯を消す夜景電車で夜景を堪能する。 担当の鈴木加奈子さんは「クラフトビールに合う肉料理をがっつり食
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7月8日から屋内ビアガーデン オークラ浜松
浜松市中区のオークラアクトシティホテル浜松は8日、2階のレストラン「フィガロ」で屋内ビアガーデン「グローBar(バル)ガーデン」の営業を始める。8月26日までの毎週金曜限定。 2時間制の食べ放題、飲み放題のビュッフェ形式。ホテルシェフによる20種類以上の料理と、ビールやワインのほかノンアルコールカクテルなどの飲み物を提供する。約120席で、一部にテラス席も用意する。 営業時間は午後5時半~同9時。料金は20歳以上6千円、中学生以上20歳未満5千円など。要予約。問い合わせは同ホテルの予約センター<電053(458)1233>へ。
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ビール醸造所直営の宿泊施設内覧 静岡・用宗の魅力、発信拠点に
クラフトビールメーカー「ウエストコーストブルーイング(WCB)」(静岡市駿河区用宗)は29日、醸造所近隣に7月オープンする直営宿泊施設の内覧会を開いた。取引先関係者ら約120人が、タップルーム(パブ)とベッドルームが一体化した新施設の門出を祝った。 老舗レストランをリノベーションした2階建て宿泊施設「ザ・ヴィラ・アンド・バレル・ラウンジ」は全5室。各部屋に生ビールサーバーが付き、1階のタップルームでも同社の多彩なビールが楽しめる。ビール醸造所が宿泊施設を運営するのは珍しい。 2017年から用宗地区の観光開発に取り組むCSA不動産(同市葵区)の小島孝仁社長は「クラフトビール界屈指の人気ブラ
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藤枝駅北「はしご酒」 20店が協力、記念おちょこプレゼントも
藤枝市の住民有志でつくる志太バル実行委員会は7月3日、JR藤枝駅北口周辺で「藤枝はしご酒」を開く。20店舗が協力し、藤枝の地酒と料理をセットにした千円のメニューを提供する。 地酒は市内にある四つの酒蔵が手掛ける初亀、杉錦、志太泉、喜久酔のいずれか。料理はおでんや焼き鳥、マーボー豆腐、おばんざいなど、各店舗が自慢の一品を用意する。3軒巡った人に記念おちょこを配布するほか、抽選で酒蔵からのプレゼントも当たる。 開催時間は午後2時半~5時半。午後2時から日本酒セミナーも開催する。景品交換は午後6時まで。スタンプカードはイベント本部のコワーキングスペースフジキチか、各店舗で受け取れる。 問い合
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各部屋にサーバー ビール醸造所が宿泊施設 静岡、7月1日開業
クラフトビール醸造・販売のウエストコーストブルーイング(WCB)は7月1日、静岡市駿河区用宗の醸造所の向かい側に直営宿泊施設「The Villa&Barrel Lounge(ザ・ヴィラ・アンド・バレル・ラウンジ)」を開業する。小規模ビール醸造所は全国に580カ所超、本県に20カ所超あるが、本格的な宿泊施設を運営するのは珍しい。30~50代の国内ビールファンをターゲットに年間稼働率6割を目指し、宿泊客の周辺回遊を促すことで、用宗地区一帯で開発が進む観光関連ビジネスの活性化に寄与する。 「ブルワリーに泊まれる」をコンセプトにした全5室を提供する。各室とも生ビールサーバー付きで、宿泊者限定ビール
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丸子のビール醸造開始 静岡の食に対応、ラガー中心 駿府匠宿内
静岡市駿河区丸子の観光施設「駿府の工房 匠(たくみ)宿」内に新設されたクラフトビール醸造所「静岡醸造」が21日、本格的に醸造を開始した。市内四つ目のビール醸造所が動きだした。 福山康大代表(33)=同区=、醸造担当の折山徹郎さん(32)=同区=が、醸造所の第1号となるホワイトビールを仕込んだ。コリアンダー、ユズの皮、米こうじを副原料に使い、ラガー酵母で発酵させるという。240リットルの発酵タンク5基が並ぶ醸造所内に甘い香りが漂う中、2人は麦汁の煮沸や糖化の作業にいそしんだ。 ホワイトビールは7月中旬に完成する見込みで、同時期に仕込むIPA、ラガーとともに醸造所に隣接する飲食施設で提供する
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「責め」の日本酒発売 複雑な味わい 萩錦酒造(静岡市駿河区)
静岡市駿河区の酒蔵「萩錦酒造」はこのほど、日本酒の製造工程で、もろみに圧力をかけて最後に搾り出す「責め」を瓶詰めした「萩錦の責め」を発売した。 責めは搾り作業の中盤までに得られる酒に比べ、複雑な味わいで安価という。飲食店など業務用に販売してきたが、昨年から在宅需要に応じて4合瓶の取り扱いを始めた。 ラベルデザインは、同市出身で、文字を芸術作品として表現するカリグラフィー作家の雑苦波乱(ざっくばらん)さんが手掛けた。 萩原知令社長は「高級酒に手が出なくても、高品質な酒を手頃な価格で楽しんで」と話す。純米大吟醸と純米吟醸で計6種。同市葵区鷹匠のコメヤス酒店で販売している。
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裾野の地酒「もののふ」 富士山容器で発売
酒販売店でつくる「裾野市もののふの里銘酒会」はこのほど、富士山の形をした容器の純米吟醸酒「もののふ」を発売した。加盟6店舗で取り扱っている。 もののふは武士を意味する商品名の地酒で、同市産米や富士山の伏流水で仕込んでいる。従来の瓶詰めに加え、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放送に合わせ、富士の巻き狩りの舞台になった同市の名産品として富士山の陶器を開発した。 陶器は高さ15センチ。雪化粧部分でおちょこと銚子に分かれ、再利用できる。中央の宝永山には凹凸をつけ、注ぐ時に指をかける滑り止め機能を果たしている。 180ミリリットル、税別1500円。江森甲二会長は「裾野市の歴史に思いをはせながら味わ
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金賞酒を限定発売 花の舞、6月11日から1000本
全国新酒鑑評会の結果がこのほど発表され、花の舞酒造(浜松市浜北区)など県内の蔵元4社が最高賞の金賞を受けた。花の舞は11日、受賞酒と同じタンク、製造日の「大吟醸」を1000本限定で発売する。 鑑評会には826点が出品された。金賞には205点が選ばれ、県内は他に初亀醸造(藤枝市)、磯自慢酒造(焼津市)、浜松酒造(浜松市中区)が受賞した。最多は福島県の17点だった。 花の舞の金賞受賞は2年連続だが、今回は新体制で臨んだ。一昨年杜氏(とうじ)に就任した同市中区出身の鎌江慎太郎さん(31)を中心に、全工程で手作りにこだわった職人技が評価された。限定発売の大吟醸は720ミリリットル入り税込み400
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海外品評会入賞を報告 磯自慢酒造と初亀酒造
世界最大級のワイン品評会「インターナショナルワインチャレンジ」の本年度SAKE(日本酒)部門で、特に優れた銘柄が対象の「トロフィー」を受賞した磯自慢酒造(焼津市)の寺岡洋司社長と初亀醸造(藤枝市)の橋本謹嗣社長が8日、県庁で川勝平太知事に受賞を報告した。 同部門で九つの部のうち、磯自慢酒造は純米吟醸酒の部、初亀醸造は純米大吟醸酒の部でそれぞれ最高評価を得た。7月にトロフィーを獲得した全銘柄の中から、SAKE部門の最高賞「チャンピオン・サケ」が選出される。 2010年、14年にも同品評会でトロフィー受賞経験がある寺岡社長は、米国などに輸出している自社の瓶詰め日本酒を川勝知事に示し、「日本酒
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「ムーンロード」一杯いかが? 東伊豆でクラフトビール販売
東伊豆町観光協会は31日、6月から町内の酒販店で販売する協会独自のパッケージのビールをお披露目した。 観光協会が企画し、伊東市の宇佐美麦酒製造が商品化した。東伊豆の海洋深層水で仕込んだ「ゴールデンエール」を使用。刺し身や煮付けなど多彩な魚料理にマッチするという。 パッケージに描かれた「ムーンロード」は、町内から臨む月の光が海面に反射することで「月の道」のように見えることに由来している。町内では満月に願いがかなうという「月の道」の光景が人気で、「ムーンロードクラフトビール」として売り出したい意向だ。 協会常任理事の近藤純司さん(64)は「カジュアルなデザインなので、ぜひ『月の道』の景色と
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乾杯!ビアガーデンがオープン 遠鉄百貨店
浜松市中区の遠鉄百貨店本館で26日、夏恒例の屋上ビアガーデンがオープンした。小雨模様の中、初日から仕事帰りの会社員らが詰め掛け、ジョッキを傾けて喉を潤した。9月10日まで。 感染対策として席数を例年の3分の1の約200席に減らし、間隔を空けるレイアウトにした。午後5時に開場すると予約客らが来場し、距離に気をつけながら乾杯する様子が見られた。中区の会社員前田将基さん(46)は「気持ちの良い屋上で、仕事仲間との久しぶりの外食を楽しみたい」と笑顔で話した。 120分制の飲み・食べ放題。飲み物はアルコールとソフトドリンク60種、食べ物は40種をそろえ、バーベキューが楽しめる。大人4千円、小中学生
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くらふとなま第3弾 「香る純米生酒」27日発売 花の舞
花の舞酒造(浜松市浜北区)は27日、「くらふとなまシリーズ」の第3弾となる「香る純米生酒」を発売する。ボトル缶入りで原料米は県産米100%。華やかな香りと米のうま味を調和させ、甘口に仕上げた。 同シリーズは昨年5月に「純米生酒」を全国発売。今回は箱詰めの3本セットも売り出した。カジュアルなイメージを重視し、昨年9月に発売した「ワイン酵母仕込み生原酒」のラベルのデザインを黒からグリーンに変更した。 「香る純米生酒」は180ミリリットルで税込み298円。3本セットは894円。年間5万本の出荷を見込む。
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日本酒2銘柄が世界最高賞 磯自慢酒造(焼津)と初亀醸造(藤枝)
ロンドンで開催された世界最大級のワイン品評会「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)2022」のSAKE(日本酒)部門で、磯自慢酒造(焼津市)の「磯自慢 純米吟醸」が純米吟醸酒の部で、初亀醸造(藤枝市)の「初亀純米大吟醸 亀」が純米大吟醸酒の部で、どちらも最も優れた銘柄に贈られる「トロフィー」に選ばれた。海外での日本食人気を受けて2007年に創設されたSAKE部門はことし、純米酒、純米吟醸酒・純米大吟醸酒など9部門に全国1732銘柄が出品された。酒やワインの専門家が金、銀、銅メダルと推奨酒を選出し、金メダルの中から各部門のトロフィーを決定した。 初亀醸造のトロフィー受賞は初めて。
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書家川村驥山の墓前に献酒 袋井・油山寺 地元出身、生誕140年
袋井市出身の書家川村驥山(かわむらきざん、1882~1969年)の墓前に、名前を冠した地酒「驥山」を供える献酒式がこのほど、同市村松の油山寺で開かれた。コロナ禍により3年ぶりに行われ、地元関係者が今年で生誕140年の節目を迎えた郷土の偉人を顕彰した。 袋井商工会議所が驥山の生まれた5月20日に合わせて例年この時期に行っている。出席者を代表して酒をささげた水谷欣志会頭は「これからさらに『驥山』を飲んでもらえる機会が増えることを期待している。今後も先生の功績を次の世代へ伝えていく」とあいさつした。 日本酒「驥山」は、書家の第一人者として活躍した氏の功績を地域振興につなげようと、同商議所の地
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最高賞に「初亀」「磯自慢」 静岡県清酒鑑評会に65点 沼津
静岡県酒造組合は18日、新酒の出来を評価する県清酒鑑評会を沼津市の県沼津工業技術支援センターで開いた。最高賞の県知事賞は、吟醸酒の部で初亀醸造(藤枝市)の「初亀」、純米吟醸酒の部で磯自慢酒造(焼津市)の「磯自慢」がそれぞれ受賞した。 2021年9月から今年5月までに製造された清酒が対象で、両部門に県内20社から65点が出品された。東海地方や都内の専門家13人が審査員を務めた。感染対策と温度管理を徹底した室内で、テーブルに並べられた清酒を口に含ませて味わい、香りとバランス、香味の調和を評価した。 同組合の望月正隆会長は、今年の傾向について「若々しさがありながら味もしっかりと乗り、香りがさわ
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静岡市内120店食べ歩き 20日から「春バルウイーク」
静岡市内の飲食店などで20日から、食べ歩きを楽しむイベント「オール静岡春バルWeek(ウイーク)」(実行委主催)が行われる。29日まで。 JR静岡、清水、草薙の各駅周辺や駿河区用宗、清水区由比、蒲原などの約120店舗が参加する。 5枚つづり4千円、3枚つづり2550円の前売りチケットを販売し、1枚ごとにドリンク1杯と1品メニューを提供する。 前売り、当日チケットはコンビニや書店、専用アプリ「ぶらりん@タウン」で販売している。購入方法や参加店舗は、事務局を務める静岡おまちバル実行委員会のウェブサイトに掲載している。 問い合わせは市まちづくり公社内の事務局<電054(270)8991>へ
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浜松中心街「バル」楽しんで 5月23~29日、実行委がPR
浜松市中区の中心街の飲食店を巡るイベント「浜松バル 第22回ほろ酔い祭り」(実行委主催)が23~29日に開かれる。市の「はままつ安全・安心な飲食店認証制度」を取得済みの38店舗が参加し、市民に電子チケットを利用してはしご酒を楽しんでもらう。 利用者は事前に専用アプリで電子チケットを購入し、各店でQRコードを読み込んで注文と決済を行う。クレジットカード決済を希望しない人向けに、中区の多目的施設Any(エニィ)などでQRコード入りチケットを販売する。価格はいずれも税込み3千円(前売り2700円)。3店でそれぞれドリンク1杯と料理1品を注文できる。 開催に先立って実行委は19日、市役所の鈴木康
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花の舞酒造 純米吟醸原酒20日発売 夏限定
花の舞酒造(浜松市浜北区)は20日、夏限定の純米吟醸原酒「スターマイン」を発売する。辛口の力強い味わいで、冷酒のほかロックや炭酸割りなどでも楽しめる。 スターマインは家庭で花火の雰囲気を感じてもらおうと、鮮やかな打ち上げ花火のデザインをラベルに採用し、2020年から夏季に販売している。県内産の山田錦を100%使用。低アルコール度数が好まれる傾向が強まっているため、今年は度数を1度下げて17度にした。 販売は9月ごろまで。720ミリリットル(税込み1529円)、300ミリリットル(同638円)ともに5千本の販売を計画する。
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人気ビール3種缶に 全国、世界展開見据える 富士宮のブルワリーレストラン
富士宮市大宮町のブルワリーレストラン「マウントフジ・ブリューイング」がこのほど、同店人気のクラフトビール3種を缶ビールに商品化した。ビアソムリエ・ワインソムリエの両資格を持つ同店醸造責任者のレシピを元に、富士山の伏流水100%で高品質な缶ビールに仕上げた。 缶ビールにしたのはゴールデンエール「黄蘗富士(きはだふじ)」、IPA「柑子富士(こうじふじ)」、ヘーフェヴァイツェン「白茶富士(しらちゃふじ)」。醸造責任者の会森隆介さん(44)は「オリジナルの味や口当たり、香りなどが再現できた」と力を込める。同店は缶ビールにすることで全国、世界展開を見据える。中村直樹店長(36)は「富士宮に遊びに来て
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オリジナルビール初提供 ホップで香りさわやか 三島の醸造所
三島市初のクラフトビール醸造所を併設する飲食店「ティールズ・ブリューイング」でこのほど、同醸造所で完成したオリジナルビールを初めて提供した。県東部では“ご当地ビール”が盛んに製造される中、代表社員の秋田克彦さん(48)は「三島でもさらに盛り上げていきたい」と力を込める。 伊豆箱根鉄道の広小路駅から徒歩3分の場所に店を構え、飲食スペースとカウンターの奥に煮沸釜や発酵タンクを設置した。2種類のオリジナルビールは米国西海岸のスタイルを取り入れ、ホップでパッションフルーツやレモンなどかんきつ系の香りを加えた。1カ月程度かけて完成させた味わいは「初めてにしては上出来」(秋田さ
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浜松産イチゴの日本酒発売 ユイ・サポート×花の舞酒造
食品卸業の「Yui support(ユイ・サポート)」(浜松市南区)は、花の舞酒造(浜北区)との共同企画で、浜松産イチゴを使った日本酒「フルーツスパークリング実 紅ほっぺ」を発売した。 低速でゆっくりプレスして搾るコールドプレスと、超高圧殺菌を掛け合わせた国内初の加工技術でつくったイチゴピューレを使用した。加工から殺菌までを非加熱で行い、ユイ・サポートのブランドイチゴ「結苺(むすびいちご)」の風味や粒感などを楽しめる。 玉置麻菜美社長は「イチゴ味の日本酒ではなく、イチゴを飲んでいるような日本酒を目指した。イチゴの優しい風味と酸味を感じてもらいたい」と話した。 結苺はその土地に適した肥料
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中世ビール原料「ヤチヤナギ」 静大に植樹、株増やし醸造材料に
静岡大の学部横断組織「発酵とサステナブルな地域社会研究所」(所長・大原志麻人文社会科学部教授)は6日、産学官の垣根を越えて再現を試みる中世欧州のビールに必須の原料植物「ヤチヤナギ」を静岡市駿河区の同大学内に植樹した。生育の経過を観察しながら県内で株を増やし、3年後にビール醸造の材料として用いる計画。 式典では田島慶吾人文社会科学部長とプロジェクトに加わるふじのくに地球環境史ミュージアム(同区)の佐藤洋一郎館長が、ヤチヤナギの研究に取り組む北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場から提供された幼木を丁寧に植えた。 ヤチヤナギは中世の欧州の庶民が飲んだ「グルートビール」の主原料。ヤマモモ科
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浜焼きで乾杯! 3年ぶり「春のあたみビール祭り」 5日まで
熱海市渚町の渚親水公園で2日、「春のあたみビール祭り」(実行委主催)が始まった。午前中から大勢の観光客が繰り出し、さわやかな潮風を受けながら冷たいビールと新鮮な魚介類を堪能した。5日まで。 通常の3~4割引きという地場産の伊勢エビやアワビなどを七輪で焼き、その場で味わえる浜焼きコーナーをはじめ、地元の飲食店などによるおつまみの出店、ステージでの音楽演奏などが繰り広げられた。 ビール祭りは大型連休中の人気イベントとして定着していたが、この2年間は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止、延期が続いていた。3年ぶりの連休中の開催に市観光協会の中島幹雄会長は「お客様も出店者側も我慢してきたと思う
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JR静岡駅ビル屋上 「星空BBQ&ビアテラス」スタート
静岡市葵区のJR静岡駅ビル「パルシェ」屋上で28日、期間限定のビアガーデン「星空BBQ&ビアテラス」が始まった。地元食材を使ったバーベキューやビール6種類の飲み比べなどが味わえる。10月2日まで。 新型コロナウイルス対策として、昨年に引き続き座席には一定の間隔を設け、コロナ前の約半分となる160席を用意した。肉や野菜などの具材は一人分ずつ袋に小分けして提供している。 パルシェを運営する静岡ターミナル開発によると、今年は利用客の要望に応え、飲み放題の時間を昨年より1時間延ばして3時間半に延長した。同社営業部の尾崎あゆみさんは「夏の風物詩をゆっくり楽しんでいってほしい」とPRした。
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「みかんワイン」伊豆特産キープ JA合併で廃止危機一転、御殿場高原ワインが事業承継
4月の静岡県東部8JAの大合併に伴い、事業廃止の方針が示されていた伊豆地域の特産「伊豆みかんワイン」が消滅の危機を脱した。時之栖グループの御殿場高原ワイン(御殿場市)が関係者の声に背中を押され、事業者の旧JA伊豆太陽の子会社から引き継いだ。門倉栄社長(49)は「ミカンのワインは全国的にも珍しい。地域に根差した商品を守り続けたい」と言葉に力を込める。 県内産の温州ミカンが原料で、フルーティーな味わいが特長の甘口と、酸味を感じられる辛口の2種類。オレンジの輸入自由化により需要が減った温州ミカンの活用法を模索し、同JAと東伊豆町、県の共同開発で1989年に発売された。 みかんワインは合併を機に
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発泡性の緑茶、乾杯酒に 掛川・松下園 リキュール開発
2021年の全国茶品評会で農林水産大臣賞を受賞した掛川市満水の松下園はこのほど、発泡性の緑茶リキュールが完成したと発表した。風味豊かな掛川茶をシャンパン風に仕上げた。 19年に同市が緑茶で乾杯条例を制定したことを受け、代表の松下芳春さん(66)が開発を始めた。同園の有機栽培茶から茶液を抽出し、酒類と混合したあと、炭酸ガス圧入溶解処理を施して製造した。松下さんは「急須を使う人が減る中でもお茶の可能性を信じ、うまみと香りを乾杯酒で表現したかった」と語った。海外への輸出も目指すという。 リキュールは3種類。深蒸し茶と和紅茶リキュールは375ミリリットルで税込み2970円。プレミアムリキュールは
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ビアパブ12年礎築く 呉服町タップルーム(静岡市葵区)横田史剛さん【しずおかクラフトビール新世㉓】
JR静岡駅は、徒歩圏内にビアパブやビアバーが約20軒ある。「日本一のクラフトビールシティー」と評価する声も聞こえる。 クラフトビールが今ほど認知されていなかった2010年、17タップを並べたビアパブ「ビールのヨコタ」を市役所近隣に開き、クラフトビールシティーの礎を築いたのが横田史剛さん(41)=吉田町出身=だ。2年前に「呉服町タップルーム」と名を変えた店は4月4日、12回目の誕生日を迎えた。 「30年は続けるつもりで始めた。まだ12年しかたっていないのかと」。ひょうひょうとしたキャラクターだが、大人数の来店をご法度とするなど、確固たる哲学を持つ。12年間の営業を経て、一人客の居心地を優先
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ご当地ビールで乾杯! 多彩な味わい 三島でイベント
静岡クラフトビアジャンボリーin三島(クラフトビール協同組合主催)が23日、三島市の楽寿園で開かれた。暖かな春の陽気に包まれる中、来場者が冷たいクラフトビールで乾杯した。 参加したのは県内のクラフトビールメーカー9社。通常のビールに加えレモンや紅ほっぺ、掛川市横須賀地区の砂糖「よこすかしろ」など、各地の特産品や名物を原料に使ったご当地ビールが売り出された。 各店舗のブースではイベントに合わせて4種類の飲み比べセットなども特別に用意され、来場者は屋外のテーブルで多彩な味わいのビールを楽しんだ。
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地元産イチゴでクラフトジン 沼津蒸留所 コロナ禍「農園の力に」
沼津市のジン製造「沼津蒸留所」は23日、地元産のイチゴを使用した5作目のクラフトジン「ナッティストロベリー」を発売する。小笹智靖代表(41)は「地元の素材を使うことで埋もれてしまっているいいものを紹介し、生産者を応援したい」と語る。 同蒸留所はこれまで、河津町のバラ、松崎産のレモングラスなど県東部産の素材を使って季節に合わせてジンを製造してきた。今回はジンの本場英国でブームになっているイチゴ風味を製造した。 イチゴは伊豆の国市の大富農園の紅ほっぺと章姫を使用。同農園は新型コロナウイルスの影響で、イチゴ狩り客や出荷が減少したという。小笹代表が「微力だが力になりたい」と在庫が増えてしまった冷
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島田産ホップのビール完成「スプリングレイン」 24日発売 穏やかな苦みと甘い香り
島田市伊久美のクラフトビール醸造・販売所「193バレーブリューイング」は、同地区で収穫したホップを使用した初のクラフトビール「スプリングレイン」を製造した。24日に同所で開く「いくみクラフトマルシェ」でお披露目する。 昨年収穫、乾燥したリーフホップを使用し、穏やかな苦みと花やフルーツを思わせる甘い香りが印象的なIPA(インディア・ペールエール)に仕上げた。原料のホップはペレット加工し使用するケースが多いが、同商品は摘み取ったままの形状で使用した。 醸造所を運営する合同会社ビアホップおおいがわ(小林浩樹代表)は2020年から伊久美地区でホップ栽培を開始し、昨年醸造所を稼働させたことで原料調
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“海底ワイン”引き上げ 下田の河津建設、水深20メートルで熟成
総合建設業の河津建設(下田市)は20日、およそ半年間下田港内で熟成させた“海底ワイン”を引き上げた。6回目の事業で、「熟成が進み、まろやかな味わいになる」と好評を博している。今後熟成を委託した飲食店や酒販店などで販売、提供される。5月の黒船祭でも飲み比べのブースを設ける予定。 事業は酒類に付加価値を付けて地域経済の活性化に寄与しようと開始し、今回は宿泊施設や飲食店など24の個人と事業者から委託を受けた。2021年10月から約750本を鉄製のかごに入れ、直射日光の届かない水深20メートルで熟成させた。 同社によると、水温が安定している海底は熟成速度が速いとの説もあり
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ウイスキー工場、見学コース一新 キリン・富士御殿場蒸溜所
ウイスキー製造のキリンディスティラリーは、富士御殿場蒸溜所(御殿場市柴怒田)の見学ツアーのコースをリニューアルした。製造工程や製品の紹介に加え、工場の立地や工場で働く人にも焦点を当て、富士山麓で造るウイスキーの魅力を発信する。 ウイスキー人気の高まりを受けた工場の生産設備増強に合わせてリニューアルした。小型のポットスチル(蒸留器)や、乳酸菌により香味を付ける「木桶(おけ)発酵槽」など新設した設備を公開している。 コース各所の説明パネルも一新した。製品造りに欠かせない富士山の伏流水について紹介し、自然豊かな富士山麓に工場を構えた理由を示す。作業に従事する若手職人の写真も展示し、人間の感覚が
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レモンビール2年ぶり復活 「もう一度飲みたい」に応え 伊豆の国・醸造所×三島・ラーメン店
伊豆の国市中のビール醸造所「反射炉ビヤ」と三島市北田町のラーメンやんぐが共同開発した「生搾りレモンビール」が2年ぶりに復活した。「もう一度飲みたい」との声に応え、多くの人に届くように醸造量を大幅に増やして販売している。 地元の魅力を再発見してもらおうと、2020年に開発した。レモン1個分の果汁を使うラーメンやんぐの看板商品「生搾りレモンラーメン」と同じ沼津市西浦産のレモンを使用し、すっきりとした味に仕上げた。 20年は150リットル醸造して1週間ほどで売り切れたため、今回は千リットル醸造した。ラーメンやんぐでは330ミリリットル入りボトルを1本800円で提供するほか、近くのワイン店「ルカ
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甘み濃厚な果実「ポポー」 クラフトビールに 静岡特産目指す
静岡市清水区で北米原産の果実ポポーの栽培に取り組む「池ノ沢工業」と同区三保の酒造業「ガルシアブリューイング」がコラボし、クラフトビール「ポポービアー」を開発した。地域の新たな特産品となることを目指し、15日から販売する。 ポポーは華やかな香りと濃厚な甘みが特徴で「森のカスタード」とも呼ばれる。県内各地でクラフトビールの製造が盛り上がる中、米国にポポーを使ったビール文化があると知った池ノ沢工業の望月周さんが、ガルシアブリューイングに企画を持ちかけた。 フレディ・ガルシア社長とおいの喜納誠侍さんが中心となって昨年7月から開発をスタートし、試作を繰り返して苦みを抑えたフルーティーなビールを造り
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韮山の江川酒、知事に届ける 復活2年目は米作りから
江戸時代に韮山代官を務めた江川家が醸造していた日本酒「江川酒」の再現に取り組む地元関係者が12日、静岡県庁を訪れ、川勝平太知事に蔵出しされたばかりの酒を届けた。 「江川酒」は織田信長や豊臣秀吉、徳川家康にも贈られたとされる。2020年5月に江川文庫(伊豆の国市)の古文書調査で製法書が見つかったことを機に復活プロジェクトが始まり、製造は2年目。今回は米作りから行い、720ミリリットル瓶で500本が完成した。 江川文庫代表理事で江川家第42代当主の江川洋さんが「(地元の)韮山高卒業生ら地域を巻き込んで完成した」などと説明。川勝知事は口に含み、「ぴりっとしたところがあり、武士道を感じる」と感想
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原風景守る 静岡・両河内地区 古民家活用、ジェラートや看板ヤギ...「名物」次々と【わたしの街から】
静岡市清水区西里の市清水森林公園「やすらぎの森」で、休耕地となっていた田畑に小麦や大麦が青々と育っている。同区両河内地区のNPO法人複合力(加藤伸一郎代表)が、新しい特産品を創出し地域を活性化させようと活動している。 両河内地区の美観維持と特産品 創出のために整備した小麦畑 酒米、ジェラート、看板ヤギも…「名物」次々に 同NPOの設立は2012年末、高齢化が進み、放置され荒れつつあった農地や樹林、古民家などを地域活性化の資源にしようと活動を開始。地場産品の開発に取り組み、17年には地場産大麦を使った地ビール「両河内エール」を販売した。他地域にも麦の栽培活
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食用米で純米酒 エンシュ第2弾 花の舞酒造が醸造
浜松市浜北区の花の舞酒造はこのほど、浜松パワーフード学会が監修する純米酒「Enshu(エンシュ)」の第2弾を開発した。第1弾と同様に食用米で醸造した。同学会加盟の市内飲食16店で提供している。 鈴木農園(北区)のコシヒカリを使った。浜松酒造(中区)が手掛けた第1弾と同じく米を削る量を極力減らし、精米歩合90%で仕込んだ。飲みやすいようアルコール度数を9%に抑え、食用米のうまみを生かしつつ、切れのある酸味ですっきりとした味わいに仕上げた。第1弾は青色だったラベルを赤色にした。 花の舞酒造が他の酒蔵と同じブランドの酒を開発するのは初めて。同酒造の山口晃さんは「連携して浜松の地酒を地元や県外に
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193バレーブリューイング(島田市) 渡辺威夫さん 茶農家に縁、思い込め【しずおかクラフトビール新世㉒】
島田市の伊久美地区と縁を紡いで丸10年。193[イチキューサン]バレーブリューイング(同市)の渡辺威夫醸造長(30)は、2月に完成した、地元産茶葉を使ったビール2種を前に来し方を振り返った。「今までのつながりに、やっと答えが出た気がする」 伊久美に初めて来たのは、東京農大の学生だった2011年12月。環境保全や食に関わる課題解決を目指す学生のネットワーク「世界学生フォーラム」の活動の一環として、先輩に導かれた。 東京生まれで、島田市や静岡県に特別な思いはなかった。中山間地の少子高齢化、過疎化の対策を実地研修を交えながら考える上で適切。伊久美はそうした意味合いで選ばれた地域だった。茶の栽培
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文化財→ウイスキー蒸留所に 三島「懐古堂ムラカミ屋」をリノベーション
三島市大社町の国登録有形文化財「懐古堂ムラカミ屋」をリノベーションして、ウイスキーの蒸留所を立ち上げる計画が始まった。蒸留後に熟成させる樽(たる)の保管場所を市内で募集するなど、市民を巻き込みながら三島でしか飲めないウイスキーを造り上げる。蒸留所は1年後に稼働を開始する予定で、2024年中の商品化を目指す。 企画したのはバーボンウイスキーの製造販売を手がける「Whiskey&Co.」(東京)。全国各地を回って適地を探す中で、市内を流れる清らかな水と首都圏へのアクセス、町並みの雰囲気に魅せられて三島を選んだ。特に関東大震災後に建てられた旧洋品店のムラカミ屋は近代的な風情をそのままに残し、大森
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ほうじ茶ビール完成 富士市のブランド化へ 富士宮・フジヤマハンターズビール
富士宮市大鹿窪のクラフトビール醸造所「フジヤマハンターズビール」が富士市産のほうじ茶を使用した「富士のほうじ茶ビール」(税込み730円)を製造した。全国の取扱店にも好評で、ほうじ茶の香りのするまちを目指す、地域や農家の盛り上げに協力する。 富士市がほうじ茶のブランド化を図る中、利活用促進に取り組む市内の商店主らからのラブコールに応え、これまでも紅茶や番茶を使ったビールを得意としてきた深沢道男代表が初めてほうじ茶のビールを手掛けた。 麦汁の煮沸過程で茶葉をそのまま添加したほか、香りを残すため発酵段階でも茶葉を入れた。2月下旬に出来上がったビールは香ばしい香りと甘いを風味があり、ほうじ茶に似
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斗瓶(とびん)取りで酒造り 「開運」の最高峰に 掛川・土井酒造場
掛川市小貫の土井酒造場は24日、「斗瓶(とびん)取り」と呼ばれる方法を取り入れた酒造りを行った。同酒造場の銘柄「開運」最高峰の酒として新酒鑑評会に出品するほか、一般向けにも販売する。 斗瓶取りは、布袋にもろみを入れてタンク上部につるし、自然に滴り落ちた酒を集める製造法。搾り工程や瓶詰めに機械を使わないため手間がかかり、主に高級酒に用いられる。 蔵人7人が作業に当たり、もろみを袋に移して酒の抽出を見守った。開運は県新酒鑑評会で4年連続、県知事賞を受賞している。斗瓶取りは3月上旬まで行う予定。
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“幻の米”使った日本酒「両河内亀の尾」 22年版が完成 静岡のNPO、三和酒造が販売
静岡市清水区両河内のNPO法人「複合力」(加藤伸一郎理事長)と同区西久保の三和酒造(鈴木克昌社長)が2019年から販売している“幻の酒米”を使った日本酒「臥龍梅純米吟醸両河内亀の尾」の22年版が完成した。従来は酒米の収穫量不足で隔年製造だったが、地元企業らの協力で豊作となり、単年分の米で醸造できた。販売は3月3日から。 使用している酒米「亀の尾」は稲が高く伸びて倒れやすく生育が難しいとされている品種で、同NPOが17年から同区西里の清水森林公園「やすらぎの森」内の休耕田で栽培している。これまで台風被害や獣害で収穫量が伸びず、一定量の酒米が必要な日本酒の醸造に支障を来
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香り高いビールとレモネード酒誕生 伊久美の茶、レモン使用 島田の醸造所
島田市伊久美のクラフトビール醸造・販売所「193バレーブリューイング」が地元産の茶を使ったクラフトビール、レモンを使った低アルコール飲料「モザイクレモネード」の2商品を製造し、22日、同所で生産者らにお披露目した。いずれも軽い飲み口や香りの高さが特徴。 「スリープレスインシマダ」と名付けたビールは無農薬栽培に取り組む大橋勝典さん(59)の一番茶をペールエールに合わせ、茶の香ばしさや爽やかさを感じる商品に仕上げた。モザイクレモネードは無農薬栽培の森田よし枝さん(63)のレモンを皮ごと刻み、ハードセルツァー風飲料につけ込んだ。 ビールを試飲した大橋さんは「ほのかにお茶が香っておいしい。茶業界
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純米吟醸酒シリーズ3種 2月25日発売 花の舞酒造
花の舞酒造(浜松市浜北区)は25日、純米吟醸酒のシリーズ「華やか花の舞」「爽(さわ)やか花の舞」「ふくよか花の舞」を全国の酒販店やスーパーなどで発売する。 上品な甘さの「華やか」とキレの良い「爽やか」は酒米に県産山田錦を、「ふくよか」は県産誉富士をそれぞれ使用。華やかはマスカットのような香り、爽やかはオレンジのような香り、ふくよかはしっかりとした米のうまみが特徴という。 ボトルを従来よりスリムな形状にして、ラベルに桜の花をあしらったデザインを採用するなど、若者や女性層への訴求を図った。 各720ミリリットルで税込み1485円。
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コーヒーのお酒、手作りキットで 自宅で手軽にバー気分 焼津の久保山さん製作
焼津市でコーヒーの商品開発を手掛けるコーヒー小売業久保山恵里さんが、コーヒーの風味が楽しめる酒を作るキットを製作し、販売を始めた。新型コロナウイルス禍により家庭以外で飲酒する機会が制限される中、自宅にいながら居酒屋やバーの気分が手軽に味わえるようにと開発した。 商品名は「珈琲(コーヒー)のお酒」で、自家焙煎(ばいせん)のコーヒー豆20グラム入りが5袋入っている。酒を入れたボトルなどに酒の量に応じたコーヒー豆を入れ、7~10日漬け込むと完成する。オリジナル感を味わうためボトルタグも付けた。パッケージなどのデザインは株式会社ナイン(東京都)のデザイナー杉山成美さんが手掛けた。 久保山さんが3
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オタク文化と地酒の融合 情熱店主「萌酒」で発信 鈴木酒店(静岡市駿河区)【記者さんぽ|個店めぐり】
美少女キャラクターが描かれた日本酒に、店内に所狭しと並ぶフィギュアやアニメ画。静岡市駿河区の鈴木酒店は、全国的にも珍しいオタク文化と地酒の融合を目指した酒屋です。アニメやゲームのオタク歴40年以上という店主の鈴木誠さん(47)が取り組みに込めた熱い思いを語ってくれました。 ■ラベルに美少女キャラ描いた「萌酒」 JR静岡駅から東へ約1・5キロの閑静な住宅街の中にある鈴木酒店。店に入り、まず目に入るのが、「萌酒(もえしゅ)」と呼ばれている店オリジナルラベルの地酒です。鈴木酒店が創業した昭和元年(1926年)当時に建てられたという古風な建物と2次元キャラたちのコントラストが際立ちます。
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地元の食用米と伏流水で純米酒 浜松酒造「Enshu」
浜松酒造(浜松市中区)はこのほど、地元の食用米と水を原料に使った純米酒「Enshu(エンシュ)」を醸造した。市内の飲食16店で21日から提供する予定。 浜松に新たな酒ブランドをつくろうと加茂農園(西区)の食用米と天竜川の伏流水を使った。酒米とは異なる発酵の進み方などに試行錯誤しながら、アルコール度数を9%と低く抑え、甘酸っぱくフルーティーな味わいに仕上げた。同市の食材を生かした地域振興に取り組む浜松パワーフード学会が監修した。 同市中区で開いた試飲会には、浜松酒造や同学会関係者ら約20人が出席した。開発を担当した浜松酒造の増井美和さん(46)は「食用米でつくった新しい酒を楽しんでほしい」
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裾野産キヌア、ビールに 市と地元団体ブランド化へ一丸 健康と美を願い乾杯
裾野市と一般社団法人南富士山シティは、特産化に向けて市内で試験栽培している南米原産の雑穀「キヌア」を使ったクラフトビールの商品化に乗り出した。23日に市内酒販店で発売する。ビールを通じて裾野産キヌアの知名度向上とブランド化を図り、今後の販路開拓につなげる。 キヌアは高タンパクでミネラル、ビタミンが豊富なスーパーフードとして注目される。市と地元農事組合などが須山地区の農地4200平方メートルで始めた試験栽培では年々、収穫量が増加。地域に適した栽培法の確立が進む。一方で、生産者を増やして本格的な栽培を実現するには販売戦略が課題となっている。 ブランド力を高める商材として目を付けたのが、近年人
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江川酒仕込み「順調」 伊豆英龍公を広める会 4月完成へ
江戸末期の韮山代官江川英龍の業績発信に取り組む「江川英龍公を広める会」が、江川家が江戸中期まで醸造していた日本酒「江川酒」の製造に取り組んでいる。昨年に続き2度目の仕込み。7日に会員らが伊豆市年川の万大醸造を訪れ、順調に進む作業を見学した。 江川酒造りは当時の製法書が見つかったことを機に始まったプロジェクト。昨年、約320年ぶりに復活させた。今回は会員が醸造に使う米作りを伊豆の国市の江川邸前の田んぼで行った。収穫した900キロのうち、600キロを酒造りに充てた。 仕込み作業は先月始まり、現在は発酵が始まったもろみの状態。杜氏(とうじ)の伊奈静夫さん(74)によると、通常の酒米よりも吸水具
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祝い酒「開運 立春朝搾り」出荷 掛川・土井酒造場
掛川市の土井酒造場は4日未明、春を迎える祝い酒「開運 立春朝搾り」を製造した。業界団体の日本名門酒会が主導するイベントで、同酒造場は初参加。新型コロナウイルス感染症の収束を願い、4合瓶(720ミリリットル)3千本を出荷した。 立春の未明に搾り上がった酒を同日中にファンの手元に届けるのがルール。午前2時ごろから生原酒が次々と瓶詰めされ、受け渡し準備が進んだ。午前7時には神事が執り行われ、おはらいを受けた酒が県内の加盟酒販店に引き渡された。 同酒造場によると、搾りから出荷までの工程を短時間で行う朝搾りは、品質管理に細心の注意が必要。土井弥市社長は「人には厳しい寒さも、酒にとっては良い。立春に
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立春「縁起酒」8千本出荷 島田・大村屋酒造場
島田市本通の大村屋酒造場は4日早朝、立春に合わせ搾った純米吟醸生原酒「若竹 立春朝搾り」の瓶詰めと出荷作業を行った。720ミリリットル換算で約8千本を生産し、搾りたての縁起酒を各地の消費者に届けた。 日本名門酒会(東京都)が全国の蔵元に協力を呼び掛けて、一斉に開催するイベントで「立春朝搾り」と呼ばれる。立春朝搾りのイベントは今年で25年目を迎えた。大村屋酒造場は、岩手県産の酒造好適米「吟ぎんが」を使用。4日未明に搾り上がった生原酒を次々と瓶詰めして、ラベルを貼った。 出荷準備の整った縁起酒は、大井神社でおはらいを受け、関係者の疫病退散や家内安全、商売繁盛などを祈願した。日本名門酒会に加盟
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伊豆の国ビール(伊豆の国市)渡辺仁さん なじみの水で仕込み「飲みやすさ高める」【しずおかクラフトビール新世代⑳】
自分が育った町で、飲み慣れた水を使ってビールをつくっている。「伊豆の国ビール」の醸造担当、渡辺仁さん(42)は醸造所が立地する旧大仁町(伊豆の国市)出身、在住。「大仁の水は昔からおいしいと言われていた」と胸を張る。 20代から30代半ばまで、ビールが全く飲めなかった。日本酒、焼酎、サワーなど酒類は何でも飲めたが、唯一の例外がビール。「ホップの苦みが苦手だった」という。 2015年、醸造所のレストラン担当として、毎朝のビールテイスティングを任された。「ピルスナーもヴァイツェンも苦さが控えめ。口当たりが柔らかく、のど越しが良かった」。人生で初めてビールを「うまい」と感じた。 同醸造所のルー
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大河ドラマ、追い風に 北条義時にちなんだ酒続々 伊豆の国
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の舞台で、主人公の鎌倉幕府第2代執権北条義時の出身地でもある伊豆の国市で、義時に関連した日本酒やクラフトビールが続々と登場している。関係者は「伊豆の国の歴史を感じてもらい、地域を盛り上げるきっかけになれば」と期待している。 海老屋商店(同市古奈)、福田屋商店(同市長岡)、松井酒店(同)、和泉屋(同市南江間)の酒屋4店のおかみは純米吟醸酒「義時」(720ミリリットル、1650円)と、それぞれ300ミリリットルの吟醸酒、純米吟醸酒、本醸造酒をセットにした「義時の夢」(1980円)を販売した。 「義時」のラベルには、義時夫妻の墓がある北條寺(同市南江間)の関係者が筆
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純米吟醸原酒 春のしずく発売 花の舞酒造
花の舞酒造(浜松市浜北区)は28日、春限定の純米吟醸原酒「春のしずく」を発売する。 マスカットやメロンを思わせるフルーティーな香りが特徴の酵母と、県産酒米を使用。アルコール分は18%と高く、しっかりとした味わいと、苦みの少ないすっきりとした後味に仕上げた。 冷や酒からぬるかんまで最適な飲用温度は幅広く、鍋料理のお供や花見酒、年度替わりイベントの祝い酒などさまざまな場面で味わえる。より長く楽しんでもらおうと、昨年より出荷の開始を約1カ月前倒しした。 税込み価格は720ミリリットルが1496円、300ミリリットルが627円。5月末まで販売する。
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【茶況】(1月20日)日坂茶ビール完成 上質茶ふんだんに使用 掛川
JAや地域住民でつくる掛川市農業活性化やる気塾の日坂地域塾はこのほど、日坂茶を使った「東海道日坂茶地ビール」を造った。日坂地区の協同製茶7工場で製造した上級茶葉をふんだんに使った。 コロナ禍で県外に販売に行けず、余った茶葉を活用して新たな取り組みに挑戦した。緑茶のほのかな香りと渋みのバランスがいい仕上がりとなった。完成披露式典が17日に掛川市のJA掛川市本所で開かれ、地域塾の鈴木昴塾長や醸造に協力した「カケガワファームブルーイング」の杉浦健美代表らが出席した。 ビールは1本330ミリリットルで税込み638円。700本を造り、ほぼ完売した。現在はJA掛川市新鮮安心市場さすが市で販売している
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アオイブリューイング再始動 初の仕込み、2月下旬から提供開始
新型コロナウイルス禍でクラフトビールの醸造を停止していた静岡市葵区の「アオイブリューイング」がこのほど、醸造免許を取得して事業を再スタートさせた。12日には再開して初となる仕込み作業を一般公開し、関係者が1年ぶりの稼働を喜んだ。2月下旬から市内の飲食店3カ所で提供が始まる。 葵区のビアパブ「グローストック」を経営し、前運営会社からブランドを継承した福島英紀さん(39)らが醸造担当者の作業を見守った。福島さんはアオイブリューイングの創業当初から携わった立場から「多くの人から愛されたビール。醸造所の功績と歴史をなくしてはいけない」と決意を語った。 仕込み作業は、タンクに麦芽やホップを投入して
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ビール友達、夢を実現 三島に醸造所「ティールズ・ブリューイング」、今春本格稼働
三島市のクラフトビール醸造所「ティールズ・ブリューイング」が今春、本格的に醸造を始める。昨年12月18日、醸造所併設の飲食施設を先行開業した。同市でビール醸造所が創業するのは初めて。市内のビアパブで意気投合した二人が、約5年かけて夢を実現させる。 醸造担当で同社代表社員の秋田克彦さん(48)=新潟県出身=と店舗担当の川口聡さん(46)=三島市出身=は2016年、伊豆箱根鉄道三島広小路駅前にあった「ビアバール丸々」で出会った。「お互いの仕事など細かいことは何も知らなかった。楽しい飲み友達だった」(秋田さん) その後、秋田さんはビール醸造への、川口さんはビアパブ経営への情熱を募らせ、別々に
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中世ビール再現へ 静岡大プロジェクト、春にも原料を試験栽培
中世の欧州で飲んでいたビールを、静岡県産の原料で再現しよう-。静岡大に今冬設置された研究組織「発酵とサステナブルな地域社会研究所」(所長・大原志麻人文社会科学部教授)が、産学官や大学の学部の壁を超えたプロジェクトを始めた。中世のビールに欠かせない植物「ヤチヤナギ」を北海道から取り寄せ、2022年春から富士宮市の醸造所が試験栽培する。 大原教授のゼミ生が21年夏に取り組んだ、中世の欧州の庶民が飲んでいた「グルートビール」の再現実験を発展させる。スペイン史が専門の大原教授ら文系学部の教員のほか、同大の理系学部教員、富士宮市のクラフトビール醸造所「フジヤマハンターズビール」の深沢道男代表、ふじの
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静岡市の地酒 「酒器」と紹介 1月8日から企画展
静岡市の蔵元や地酒、クリエーターらが手掛けた酒器を紹介する企画展「静岡市七蔵元と酒器展」が8日から、同市葵区七間町の市文化・クリエイティブ産業振興センターで開かれる。日本酒文化を楽しみながら地元の産業やクリエーターに注目してもらう機会にする。 企画したのは同センターのプログラム・ディレクター神津宏昭さん。「静岡市の日本酒はどれもおいしいのに地元で意外に知られていない」と感じ、地酒を見直してもらおうとプログラム・ディレクターの大庭千晶さんと準備を進めてきた。 展覧会では「正雪」を製造する神沢川酒造場(清水区)、「萩錦」を製造する萩錦酒造(駿河区)など7蔵元のコーナーを設け、魅力を伝える。漆
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伊豆山復興願い、純米酒に「干支ラベル」 熱海の画家・坂本さん
熱海市の日本画家、坂本武典さん(45)が手掛けた、駿河酒造場(静岡市駿河区)の純米酒「天虹」の新春干支(えと)ラベルがこのほど、完成した。大規模土石流に見舞われた熱海市伊豆山の復興と1年間の無病息災を祈ったデザインに仕上げた。 新春干支ラベルは、同社の専務で杜氏(とうじ)の萩原大吾さん(44)と高校時代の同級生である坂本さんが10年以上制作している。2022年のラベルは、伊豆山の高台から初島を望む寅(とら)を描いた。 寅の鋭い眼光は歌舞伎の「にらみ」と重ね合わせ、にらみを受けると無病息災で過ごせるとの言い伝えを表現した。坂本さんは「伊豆山の復興を願うとともに、被災地のことを忘れないでほし
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ZOO(静岡市葵区)伏見陽介さん 百人百様の味わい 飲み比べ楽しんで【しずおかクラフトビール新世代⑲】
自他共に認める、静岡のクラフトビールの「伝道師」だ。2021年春に自らの会社「ZOO」を立ち上げ、11月末に生ビールの有料試飲ができる酒販店「MUGI」をオープンした伏見陽介さん(27)=静岡市葵区=。「市内のどんな居酒屋にも県内の醸造所のビールが常時置かれている。そんな状況を目指す」と理想を掲げる。 17年に同市内のクラフトビール店を紹介した「静岡クラフトビアマップ」を発刊し、名をあげた。19年には全県版を12万部発行。18年からは清水区で秋に開かれる「静岡地ビールまつり」の企画も担当する。セミナーや講座の講師としてもおなじみだ。本県のクラフトビールファン増と、各醸造所のブランド向上への
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純米酒みさくぼ第7弾 限定400本販売 甘み・酸味バランス良く
浜松市天竜区水窪町の天然こうじ菌を使って醸造した純米酒「清流の酒みさくぼ」の第7弾がこのほど完成し、町内のスーパーなどで販売されている。限定400本。 藤枝北高食品サイエンス部の生徒が同町で採取した天然こうじ菌を使い、藤枝市の酒造会社「杉井酒造」が醸造した。同社の杉井均乃介社長(64)は「口当たりが柔らかく、優しい甘みとしっかりした酸味がある」と第7弾の特徴を語った。 水窪町内の山道商店、西浦はくりや、耳塚商店で販売している。 「清流の酒みさくぼ」は、7月にフランスで開催された日本酒コンクール「Kura Master」純米酒部門で、最高賞のプラチナ賞を受賞した。
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隠し味にアワ 島田・伊久美産ビール ビアホップおおいがわ、12月26日から3種類販売
島田市伊久美地区でホップ栽培に取り組む合同会社「ビアホップおおいがわ」が開業した志太地域初のクラフトビール醸造・販売所「193バレーブリューイング」(同市伊久美)の自社醸造クラフトビールが完成し、22日、関係者にお披露目された。3種類を26日から販売する。 小林浩樹代表らが2020年にホップ栽培を開始し、地ビール製造の拠点として開業準備を進めてきた。今回は海外産のホップを使用し、地元で伝統的に栽培されてきたアワを隠し味に使ったペールエールや、低糖質・低アルコールの新世代飲料として注目を集めるハードセルツァー風飲料を製造した。 市役所や島田商工会議所を訪れて商品を説明した小林代表は「伊久美
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純米大吟醸「富士市育ち」お披露目 穏やかな香り、28日発売
100%富士市産の米を使い、富士高砂酒造(富士宮市)が醸造した純米大吟醸原酒「山中山屋 富士市育ち」(500ミリリットル、税込み1481円)が完成した。完成報告を兼ねた試飲会が21日、富士宮市の同酒造で開かれ、関係者が新たな特産品の誕生を祝った。富士市内のみで28日から販売を開始する。 富士市育ちは、同酒造と市農業振興推進協議会の開発プロジェクトとして製造した。市や農協などの関係者らがことし10月に収穫した、同市の農家山田悟さんの育てた「きぬむすめ」や、同市産の「山田錦」で醸造した。 同市生まれの杜氏(とうじ)小野浩二さんは「初めて使う米で気を使った。米のうま味が感じられ、食事に合うよう
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作曲家の音色♪ ビールにのせて 浜松出身の音楽家塚本さん考案
ベートーベンをイメージしたビールで誕生月を祝おう-。浜松市中区出身のトロンボーン奏者塚本修也さん(52)=川崎市=がこのほど、「ドイツ三大作曲家」をテーマにしたビール3種の企画販売を始めた。16日はベートーベン(1770~1827年)の251回目の誕生日。「楽聖」の生誕日をきっかけに、世界を巡った自身の経験から「ビールの本場の味を広めたい」と願いを込める。 ビールの製造は同国西部、ザールブリュッケンの醸造所に要請。重みと飲み応えのある昔ながらの味わいに仕上げた。塚本さんは「3種とも500年ほど前からの伝統的な製造法。作曲家たちもきっと同じような味わいのビールを飲んだはず」と思いをはせる。
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工場夜景をさかなに地ビール♪ 岳鉄、特別列車運行
富士市の岳南電車(通称・岳鉄)で11日夜、地元グルメや地ビールが味わえる特別列車「ビール電車」が運行された。乗客が地元グルメや車窓を流れる工場夜景をさかなに地ビールを楽しんだ。 富士商工会議所などが主催する「ビール電車」は3回目。今回は昨年完成した同市唯一のクラフトビール「富嶽(ふがく)麦酒」を飲み放題にした。 吉原―岳南江尾駅の9・2キロを往復する行程。対面する座席の間に間仕切りを設けた車内で、乗客は持参したマイカップで乾杯して生ビールを堪能した。 折り返し地点の岳南江尾駅では、ご当地グルメ「富士つけナポリタン」と、長年地元で愛された味を再現した「十四番」の唐揚げが振る舞われた。復路
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生物多様性「酒と肴」に学ぶ 静岡・環境史ミュージアムで企画展
静岡市駿河区のふじのくに地球環境史ミュージアムは3日、企画展「しずおかの酒と肴(さかな)」の内覧会を開いた。酒や肴の原材料に焦点を当て、食材の標本、剝製などから県内の料理や醸造の背景にある生物多様性を紹介する。会期は4日~来年5月8日。 県内で生産、漁獲しているワサビやレンコン、カツオなど47の食材の標本や剝製が並び、分類や分布、お勧めの食べ方を示している。日本酒やビール、ワインなど各種酒類の原料となる食材や製造に関わる酵母、こうじ菌などを紹介し、豊富な県産酒も展示している。 企画を担当した同館の岸本年郎教授(50)は「生物多様性の恵みの上に豊かな食卓、時間がある。今夜は何を飲み、食べよ
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蜂蜜酒「ミード」味わって 浜松の養蜂家と掛川の醸造所開発
浜松市天竜区の養蜂家「養紡屋」が、掛川市のクラフトビール醸造所「掛川ファームブルーイング」と蜂蜜酒(ミード)を開発した。30日、中区のビアハウス「ティルナノーグ」で開いた試飲会で披露した。 蜂蜜酒は人類最古の酒といわれる醸造酒。養紡屋の塩見亮太代表(36)が養蜂業を営むきっかけになった酒で、足掛け9年で商品化した。 ミカンの花の蜜をもとにした蜂蜜を酵母発酵し、炭酸を追加して仕上げた。200ミリリットルの瓶に詰め、乾杯酒として楽しんでもらおうと「SHUKUHAI(しゅくはい)」と名付けた。 試飲会には関係者が集まり、蜂蜜の甘さとミカンの花の風味が香るスッキリとした味わいを堪能した。塩見代
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新酒告げる「杉玉」作り 川根本町で体験会【動画】
日本酒の造り酒屋が軒先につるして新酒ができたことを知らせる「杉玉」作りの体験会が、川根本町地名の農家民宿「ともしび」で開かれた。 杉のさわやかな香りが漂う中で参加者は、竹ひごを曲げて作った芯に輪ゴムでまとめた枝をぎっしりと詰めた後、電動の生け垣バリカンで表面を刈り込み。はさみで細かい部分を丁寧に修正しながら、直径30センチ前後の杉玉を完成させた。 体験会は、同町内の自然を生かしたさまざまなプログラムを企画・運営する「エコティかわね」が開催した。同団体は自然観察会やクラフト製作など「体験型ツーリズム」の参加者を随時募集している。
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静岡茶&焼酎、バーボン… 小粋にお茶割り、東京・銀座に専門店
川根本町のお茶ブランド「クラフト・ティー」(新谷健司社長)はこのほど、静岡県産茶のお茶割りの専門店を東京都中央区銀座にオープンした。新型コロナウイルス緊急事態宣言の解除を受けた客足の回復を見込み、積極的に茶の消費拡大を図る。 茶の種類は川根本町や島田市、牧之原市、浜松市天竜区春野町などの緑茶、ほうじ茶、紅茶の計7種類。香りを際立たせるために、ティーバッグごとグラスに入れて提供する。味の変化も楽しんでもらいたいと、焼酎やバーボン、ブランデーなど7種類の酒で割る。「すっきりした味で飲みやすい」と幅広い世代に好評だという。 クラフト・ティーのほかに3店舗が入るシェア型レストラン「リダイン銀座」
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一騎醸造(三島市)阿久沢健志さん 麹への興味「扉」開く ソロ活動で探究の旅【しずおかクラフトビール新世代⑱】
醸造家としてのブランドネーム「一騎[いっき]醸造」を掲げ、さまざまな醸造所でビールをつくる阿久沢健志さん(34)=三島市=。その姿は「漂泊の醸造家」とも「ソロ・ブルワー」とも称される。 比類なきスタイルの原点には麹[こうじ]への強い興味があった。2012年に反射炉ビヤ(伊豆の国市)に入社し醸造を担当していたが、周辺に広がる水田からインスピレーションを得た。「日本の食文化にはみそ、しょうゆなど発酵食品が欠かせない。原料となる米や麦の麹をビールに使えないか」 天ぷらやオムライスなど、換骨奪胎も日本の食文化の美点。ビールにもその伝統を取り入れたい。麹は新しい扉を開く鍵になる-。そんな発想だった
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新酒、仕込み着々 「小雪」早朝から発酵作業進む 静岡市駿河区・萩錦酒造
静岡市駿河区西脇の萩錦酒造(萩原知令社長)で、新酒の仕込みが進んでいる。 二十四節気の「小雪」の22日には、早朝から安倍川の伏流水と麹(こうじ)、蒸した米を入れて“もろみ”を作り、発酵を進める2200リットルの専用タンク内を混ぜる作業「かい入れ」が行われた。 杜氏(とうじ)の萩原綾乃さん(35)が長さ170センチの「かい棒」を使って丁寧にもろみをかき混ぜながら、香りや二酸化炭素の泡の様子などを見て発酵具合を確認した。綾乃さんは「今年も順調に仕上がっている。年末や正月にぜひ味わってほしい」と話した。 同酒造の新酒は今週末に絞り作業を行い、12月初旬には販売を開始
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静岡のクラフトビール醸造所、浜松に進出 地元専門店の隣に開店、中心街活性化へタッグ
浜松市の中心街に19日、静岡市駿河区のクラフトビール醸造所「ウエストコーストブルーイング」がビアバーを初出店する。浜松市中区田町の醸造所兼バー「オクタゴンブリューイング」の隣に開店。両店がタッグを組み、コロナ禍で疲弊する中心街の活性化を目指す。 ビアバー「オアシス」ではホップの風味をふんだんに効かせた米国流ビールを提供するほか、静岡産缶ビールや浜松の飲食店のフライドチキンも販売する。店の奥にはたき火台付きの中庭も構える。 オクタゴンブリューイングを運営する丸八不動産(同市中区)が今回の浜松進出の話を聞き、誘致した。異なるクラフトビールの店舗が隣接して営業するケースは国内では非常に珍しいと
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ヴィノスやまざき 銀座に新店舗 静岡県地酒、つまみも並ぶ
酒類販売のヴィノスやまざき(静岡市)は18日、ワインの一大イベントとされるボージョレ・ヌーボーの解禁日に合わせ、東京・銀座に新店舗をオープンする。 店舗面積は約130平方メートル。世界各国から直輸入したワイン約300種を取り扱う。静岡の地酒を中心に日本酒もそろえたほか、静岡市の日本平産オリーブ新漬けなどのつまみも並ぶ。 オープンに先立ち、16日は内覧会と式典を開き、種本祐子社長は「新しい時代に合ったお客さまの役に立てるよう頑張りたい」と述べた。
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ブルワリーを飲み比べ クラフトビール協同組合、沼津でイベント
静岡クラフトビール協同組合は13日、「第1回静岡クラフトビアジャンボリー」を沼津市の沼津中央公園で開いた。県内のクラフトブルワリー9社と県東部の飲食店7店舗が集結し、県内産ビールの魅力を発信した。 同組合は5月に県東部のクラフトビール製造業者など6社で設立し、初のイベントとして企画した。来場者は入り口で検温・消毒した後、各ブルワリーが製造した多様な種類のビールを飲み比べ、個性的な味わいを楽しんだ。 同組合代表で柿田川ブリューイングの片岡哲也代表は「県内産クラフトビールの認知度を上げたいと思い企画した。将来的には県外のブルワリーを誘致したい」と話した。
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沼津に静岡県内ブルワリー集結 13日、クラフトビールのイベント
静岡クラフトビール協同組合は13日、県内のクラフトブルワリー9社と静岡県東部の飲食店7店舗が集結するイベント「第1回静岡クラフトビアジャンボリー」を沼津市の沼津中央公園で開く。 同組合は5月に県東部のクラフトビール製造業者など6社で設立し、初のイベントとして企画した。加盟するベアードビール、リパブリュー、沼津クラフト、反射炉ビア、マウントフジブリューイングをはじめとしたブルワリーが出店し、地域資源としてのクラフトビールを発信する。 2019年に同公園で開催したイベント「THIS IS NUMAZU」のリユースカップや、各ブルワリーのグラスを持参すると割引特典もある。新型コロナ対策として入
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岳鉄「ビール電車」富嶽麦酒と工場夜景楽しもう 12月11日運行
富士商工会議所と富士市の岳南電車(通称・岳鉄)は12月11日夜、電車で工場夜景とビールを楽しめる人気企画「ビール電車」を開く。2年ぶりの開催となる今回は、提供されるビールを同市の地ビール「富嶽(ふがく)麦酒」とし、地元グルメも味わえる。 吉原駅を出発し、岳南江尾駅間を1往復する。電車に乗車中は飲み放題になる富嶽麦酒は、同市大淵の複合型スポーツ施設「エスプラット・フジスパーク」内の富士かぐや蒸溜所で製造されている本格的なラガービール。 折り返し地点の岳南江尾駅では、ご当地グルメ「富士つけナポリタン」と、かつて吉原地区で人気だった唐揚げを再現した「唐揚げ十四番」の唐揚げが楽しめる。復路は車内
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吟醸からっ風、限定販売 静岡県中部の酒販店組織
静岡県中部の酒販小売店で組織する「からっ風会」(栗田哲也会長)は10日、恒例のオリジナル吟醸酒「吟醸からっ風」を発売する。1・8リットル換算で4千本を限定販売する。 原料米は磐田産山田錦で、蔵元は花の舞酒造(浜松市浜北区)。「火入れ」と呼ばれる加熱処理を行わず、9カ月間長期低温熟成させた。辛口ですっきりとした飲み口が特徴という。価格は2750円(1・8リットル入り)など。 栗田会長は「おでんや鍋料理などの和食にぴったり。飽きない味わいを自宅で楽しんでほしい」と話す。 問い合わせは同会事務局のビレッジ<電054(276)1156>へ。
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新酒初しぼり「香り高く」 掛川の土井酒造場
掛川市小貫の土井酒造場で6日、新酒の初しぼりが行われた。例年より2週間ほど早い。 来年創業150年を迎える土井酒造場は「開運」の銘柄で知られ、各鑑評会で入賞している。今年は10月から杜氏(とうじ)の榛葉農さんら蔵人が仕込みを始め、同日から発酵の済んだもろみを酒と酒かすに分離するしぼり工程に入った。コロナの影響で昨年出荷量を減らしたが、海外需要が伸びたことで在庫が少なくなり、今年は例年より早い日程を組んだ。 来週ごろから「開運しぼりたて」が酒店に並ぶ予定。土井弥市社長は「香り高く、すっきりと飲みやすく仕上がった」と語った。
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サクラエビ「大漁」酒 限定販売 英君、売り上げ一部を寄付へ
静岡市清水区由比入山の「英君酒造」(望月裕祐社長)が駿河湾産サクラエビ秋漁に合わせ、期間限定商品「英君大漁純米」を販売している。漁期と同じく12月23日まで。売り上げの一部は、記録的な不漁が続くサクラエビの資源保護に活用してもらおうと地元の由比港漁協に寄付する。 「英君大漁純米」の販売は今年の春漁期に続いて2度目。豊漁への期待を込めた大漁旗を模したラベルが特徴で、今回は従来のサクラエビに加えてシラスやタイ、アジなど由比名物の魚たちのイラストを加えた。1・8リットル入り1本2530円(税込み)で、県内の酒屋でも注文できる。 漁協への売り上げの寄付は、富士川の汚泥問題などを受けて、酒のさかな
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パンの耳を第三のビールに 食品ロス削減、富士かぐや蒸溜所発売
富士市の複合型スポーツ施設「エスプラット・フジスパーク」に併設された時之栖富士「富士かぐや蒸溜所」は2日から、コンビニのサンドイッチの切れ端を活用した、県内限定、数量限定の第三のビール「ダブル小麦」(350ミリリットル缶、税込み275円)と、同所で2種類目のラインアップとなるクラフトビール「レイヴンレッド」の販売を始める。 ダブル小麦は、セブン-イレブン・ジャパンとの連携商品。サンドイッチの製造過程で発生するパンの耳をパン粉に活用している同社の提案を受け、食品ロス削減に寄与する商品として冨川宏一工場長が試行錯誤した。 小麦と大麦の麦芽にパン粉を配合。パンの味わいが生きるよう糖化に時間をか
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マイン・シュロス(浜松市中区)杉本大樹さん 老舗の転換点を演出【しずおかクラフトビール新世代⑰】
マイン・シュロス(浜松市中区)の製造部主任杉本大樹さん(34)=旧天竜市出身=は2016年、“体育会系”からビール醸造の世界へ足を踏み入れた。 1994年の酒税法改正による「第1次地ビールブーム」まっただ中の97年に設立されたレストラン併設型の同醸造所は、静岡県内屈指の老舗。「開業したばかりの頃、家族で訪れた。振り返れば、クラフトビールとの初めての接点だった」 小中高校を通じてサッカーに没頭。名門国士舘大でもサッカー部に籍を置き、卒業後は故郷の遠州地域で仕事をしながら社会人プレーヤーとして活躍していた。 小学生時代のおぼろげな記憶しか残っていなかった場所が職場に
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島田産ビール醸造所開業「年内販売目指す」 ホップ栽培、合同会社
島田市伊久美地区でビールの原材料となるホップの栽培に取り組む合同会社「ビアホップおおいがわ」(小林浩樹代表)が、同地区の施設をリニューアルして24日、醸造所兼販売所の「193 VALLEY BREWING(イチ・キュー・サン バレーブリューイング)」を開業した。 施設は元々、地元の農事組合法人が運営する農産物加工体験施設だったが、昨年の3月末で営業を休止した。その後、クラフトビール醸造所として活用する同社の案が市の民間提案制度で採用された。醸造所などの内装工事を経て、オープンにこぎ着けた。 同社は施設横の農地などでホップを栽培している。酒類製造免許は取得済みで、年内までに醸造所で造った自
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花の舞酒造 新酒告げる杉玉交換 味見会は22日から分散開催
花の舞酒造は20日、浜松市浜北区の本店で杉玉を付け替えた。新酒が完成したことを告げるため、毎年この時期に交換している。 直径60センチ。左党たちはかつて、杉の枯れ具合から新酒の熟成具合を判断していたといい「酒林」とも呼ばれる。同酒造では杉玉交換に伴い、神職のおはらいも受けた。杜氏(とうじ)の鎌江慎太郎さん(31)は「多くの人が安心してお酒を楽しめるようになってほしいと祈願した」と話した。 今季の新酒は例年以上に香りが良く、辛口。製造量は新型コロナウイルスの影響で約60万リットルだった昨季よりも10万リットルほど高めたい考え。例年、一日限定で行っていた新酒味見会は今年、三密を回避するため2
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冬限定♪新酒3種発売 花の舞酒造
花の舞酒造(浜松市浜北区)は22日、今季初仕込みの新酒3種を冬季限定で発売する。 3種は、こうじ米に山田錦を使用した最高級の「特別純米しぼりたて」、静岡県産米使用の「純米しぼりたて」「初しぼり」。いずれも原酒で、それぞれ新鮮な味と香りが楽しめる。特別純米しぼりたてにはシリアルナンバーを付与し、浜名湖のドウマンやウナギなどが抽選で55人に当たるキャンペーンを行う。 720ミリリットルの価格は税込み1100~1463円。純米しぼりたては300ミリリットルと1800ミリリットルも用意する。来年2月ごろまでに計6万3千本の販売を予定する。
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ヴィノスやまざき 静岡本店を開店 静岡市葵区七間町に
酒類販売のヴィノスやまざき(種本祐子社長)は9日、静岡市葵区七間町に静岡本店を開店した。新型コロナウイルス禍に対応した同店限定の新サービスを打ち出し、顧客満足度向上を目指す。 静岡本店の店舗面積は約107平方メートル。国内外のワイン約300種類を取りそろえる。 対人の接触機会を減らすため、事前にインターネットで商品を注文・決済し、客が入店しなくても付近に止めた車内などで受け取れるサービス「カーブサイド・ピックアップ」を導入した。仕入れの経緯や味わいを対面接客さながらに説明する動画を視聴できるQRコードもポップに付けた。 開店に先立ち行ったプレオープンイベントには、米国大使館のモーガン・
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富士山望む米、純米大吟醸に 地元酒造と市農業振興協、企画始動
富士高砂酒造(富士宮市)と富士市農業振興推進協議会は100%同市産の米を使った純米大吟醸「富士市育ち」プロジェクトを開始した。8日、新幹線と富士山の絶景を誇る同市中里の田園で、関係者が稲刈りをして収穫を祝い、プロジェクト始動をPRした。 同社は、かつて同市本市場にあった支店で醸造していた清酒「田子の浦」を2020年に復活させた。この酒は屋号にちなみ「山屋」と名付け、「富士市だけで飲める酒」として商品化した。現在、市内の酒販店など38カ所で取り扱っている。 新たなプロジェクトは、「山屋が現在もあったら、作っていたであろう酒」(山本晃雅副社長)を目指す。市などは富士山を前にした絶景で作られる
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浜松中心街で8日からクラフトビールイベント 全国60銘柄を提供
各地のクラフトビールを楽しめるイベント「クラフトビールアドベンチャー」が8日から、浜松市中心街で始まる。飲食店などで11月7日まで、約60銘柄のビールを提供する。 浜松まちなかにぎわい協議会などでつくる実行委員会が主催する。浜松、御殿場など県内8醸造所を含む計19醸造所のビールを用意した。飲食19店舗で味わえるほか、小売店「メルカート間渕」(中区)で販売する。期間中には、少人数の参加希望者に限定して地元醸造所の見学ツアーなども行う。 イベントは2019年まで、市ギャラリーモール・ソラモを会場に開催。20年はコロナ禍を踏まえてメルカート間渕での販売と、オンラインイベントを実施した。今年は8
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循環型社会へ酒米収穫 花の舞酒造、溶融スラグ肥料で栽培
花の舞酒造(浜松市浜北区)は6日、家庭ごみの焼却処理で発生する「溶融スラグ」の肥料を使って生産した酒米の収穫作業を同区で公開した。新酒を仕込み、11月末ごろから販売する。 酒米「山田錦」を栽培する契約農家約30軒が本年度から、同肥料の使用を始めた。今年は梅雨入りが早かったものの、その後は適度な日照量と降水量に恵まれ、大粒で良質な酒米が育ったという。浜松、湖西、磐田市の計60万平方メートルで186トン前後の収穫を見込む。 ごみを高熱で溶かした後に残る砂状のスラグには、植物の生育に必要な成分「ケイ酸」が多く含まれる。同社は循環型社会の実現を目指し、県内で初めて酒米栽培に本格導入した。来年度以
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藤枝の日本酒 初亀「純米吟醸 東条山田錦」 米品評会で準GP
米国・ハワイで開催された日本酒の品評会「2021年度全米日本酒歓評会」の吟醸の部で、初亀醸造(藤枝市岡部町岡部)の「純米吟醸 東条山田錦」が準グランプリを受賞した。 品評会は国際酒会主催で、ホノルル市で9月下旬に開催された。大吟醸A、B、吟醸、純米の4部門に全国215蔵から576銘柄の出品があった。うち151点に金賞、152点に銀賞が授与され、さらにその中から各部門の最高評価1点にグランプリ、次点の2点に準グランプリが与えられる。 初亀醸造の出品酒は、兵庫県産山田錦の最高レベルの酒米を使用した。爽やかな香り、穏やかな酸味、ほどよいうま味が調和し、和風だしのわん物や、淡泊な白身魚との相性が
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掛川の酒「開運 純米誉富士」 スペインのコンクールで最高賞
掛川市小貫の土井酒造場が造る「開運 純米誉富士」が9月28日、スペイン政府公認の国際酒類コンクール「CINVE」の日本酒部門で最高賞を受賞した。米と水は市内産で、さらに酵母も自社保存株の「メードイン掛川」の地酒だ。 開運は数々の鑑評会で入賞する銘酒。これまでスペインには輸出しておらず、現地では全くの無名だった。純米誉富士だけでなく、純米大吟醸は金賞、純米吟醸は銀賞と複数受賞となった。コロナ禍で大きな影響を受けただけに関係者は明るい話題を喜んだ。純米誉富士は最高賞の副賞としてスペインの有名百貨店で販売ができるという。土井弥市社長は「スペインはワインの市場が大きい分、日本酒の需要が伸びる可能性
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ワイン酵母で発泡性日本酒「アビススパークリング」 花の舞が発売
花の舞酒造(浜松市浜北区)は1日、フランス・ブルゴーニュ地方の白ワイン酵母を使った発泡性日本酒「アビススパークリング」を発売する。 2019年に発売した清酒「アビス」と同じ酵母を使い、瓶内2次発酵で炭酸ガスを加えた。ワインに似たさわやかな香りと酸味、口の中に後から広がる米のうまみが特徴。日本酒を飲み慣れていない人も気軽に楽しめるように工夫した。 熱処理してあるため常温保管が可能。ワイングラスに似合う泡のある日本酒として、クリスマスなどのイベントにも最適という。 アルコール分は12%。720ミリリットル、税込み価格は1650円。年間3万本の販売を計画する。
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限定日本酒販売サイトを開設 花の舞酒造
花の舞酒造(浜松市浜北区)はこのほど、直営オンラインショップ「百花繚乱(りょうらん)」を同社ホームページ内に開設した。限定日本酒を月替わりで毎月200セット(1セット2本)ずつ販売する。 月替わりの日本酒は「蕾(つぼみ)」と名付けた。これまでは鮮度や数量などの事情で一般流通させていなかったこだわりの酒だという。税込み5500円。担当者は「蕾には、これまで出したことがなく、お客さんの所に届いて初めて花が開く特別なお酒だという思いを込めた」とアピールしている。
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赤と白の「おかえりワイン」 ルカワイン(三島市) 久々の飲酒、楽しめる味に【静岡ものづくり最前線】
育児や介護、転職などさまざまな事情で飲酒を控えていた人に向けて再びお酒を楽しむきっかけにしてもらおうと、赤と白の微発泡ワインを開発した。アルコールが久しぶりの人でも飲みやすいようにやさしい味に仕上げた。 ルカワインは代表の下里真澄さん(57)と次女の祐美子さん(32)親子で営むワイン専門店。祐美子さんは出産や子育てなど生活環境の変化を経験した同世代に、一段落したタイミングでまたお酒を楽しむ機会を提供できるワインの販売を考えていた。コロナ禍であっても「何か自分にできることをしたい」と思う気持ちも開発の後押しになった。 製造は、店でも普段からワインを取り扱っている三養醸造(山梨県)に依頼。真
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ブルーベリー使ったビール 浜松の企業が発売
クラフトビール製造販売の浜松アクトビールコーポレーション(浜松市中区)は17日、フルーツビール「ブルーベリーエール」を発売する。愛管(同市北区)が自社農園で農薬を使わずに栽培したブルーベリーを副原料に、飲みやすいさわやかな味わいに仕上げた。 初夏に適度な降水量と日照量に恵まれた今季はブルーベリーが豊作だった一方、コロナ禍で業務用を中心に需要が低迷し、フルーツビールを共同開発したという。麦汁に、濃厚なピューレ状に煮詰めたブルーベリーと酵母を加え、発酵させた。 浜松アクトビール醸造責任者の杉本大樹さん(34)は「甘さを抑え、ブルーベリーの酸味と香りを引き立てた」と話す。 アルコール分は4・
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米国で人気の低カロリー酒製造 静岡県内醸造所 地場産品加え
静岡県内のクラフトビール醸造所が、米国で人気の炭酸入りアルコール飲料「ハードセルツァー」の製造・販売に力を入れている。夏から秋にかけて大手が新商品を投入する中、地域の産物を加えたローカル色豊かな製品を開発し、消費拡大を図る。 沼津市のリパブリューは2020年初頭に製造開始。畑翔麻代表は「国内で最も早く造り始めた」と胸を張る。19年秋の米国西海岸への研修で流行を目にし、現地の醸造所に製造法を教わった。 発酵過程で糖分を残さないため、低カロリーに仕上がるのが特徴。飲み口は酎ハイやサワーに近いが、酵母の香りや味も感じられる。20年12月に果実3種を加えた「トリプルベリーミックス」とかんきつ2種
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ワイン酵母の純米生原酒 花の舞酒造、9月11日発売
花の舞酒造(浜松市浜北区)は11日、ワイン酵母で仕込んだ純米生原酒「くらふとなま」を発売する。さわやかな甘さと酸味が特徴で、アルコール度数は12%と低く、飲みやすいフルーティーな味わいに仕上げた。 県産酒米を100%使用し、ワインの産地として知られるフランスのブルゴーニュ地方の酵母で醸造した。180ミリリットル、税込み価格は298円。年間3万本の販売を計画する。 2回ろ過する特別な製法でボトル缶に詰めた生酒シリーズの第2弾。加熱処理をしない生酒は要冷蔵が基本だが、濁りや劣化の原因になる火落ち菌の発生を防ぎ、常温流通を実現した。
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金賞受賞酒 生原酒で味わって 花の舞酒造 直売所で限定販売
花の舞酒造は30日まで、今年の全国新酒鑑評会の金賞受賞酒を生原酒で販売している。金賞に選ばれた酒を生原酒で提供するのは同酒造としては珍しい。浜松市浜北区宮口の直売所で1日10本を限定で売る。 生原酒は加熱処理する通常の酒よりも味に幅があり、コメのうまみが出やすい。300ミリリットル入りで1500円(税込み)。名誉杜氏(とうじ)の土田一仁さん(62)は「新型コロナウイルスの感染が拡大する中でも地元の酒蔵を訪ねてくれる人たちに感謝を込め、販売することにした」と話している。 問い合わせは花の舞酒造<電053(582)2126>へ。
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静岡の醸造所「WCB」 ユナイテッドアローズと新ビール開発
静岡市駿河区用宗のクラフトビール醸造所「ウエストコーストブルーイング(WCB)」はこのほど、アパレル大手「ユナイテッドアローズ」(東京都渋谷区)との協働による新ビールを発売した。 「#refresh(リフレッシュ)」と名付けたビールは、爽やかな酸味が特徴のサワースタイル。醸造時にマンゴーとライムのピューレを使用し、ミントで香り付けした。 ユナイテッドアローズが8月から開始した、都内2店舗で厳選した酒類を販売するプロジェクト「ユナイテッドアローズ ボトルショップ」の一環。ビール醸造所と組むのは初という。同社のデザイナーが手掛けたTシャツやキャップなど、オリジナルグッズも開発した。WCBのキ
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家飲みにどうぞ クラフトビールの自販機設置 三島の直営店前
三島市や沼津市で飲食店とビール工場を運営するリパブリュー合同会社は、三島市一番町の直営店「スライダーハウス」前にクラフトビールの自動販売機を設置した。コロナ禍で“自宅飲み”が広がる中、本格的なクラフトビールが非接触で手軽に購入できる。地元の原料を使ったオリジナル商品が並び、店舗販売を上回るペースで売り上げを伸ばしている。 自販機で売り出しているのは、同社が独自に開発した11種類の缶飲料。三島市で栽培が盛んなトマトとバジル、スモークモルトなどでピザ風味に仕上げた「三島トマトピザエール」のほか、アルコール度数20%、低カロリー、無糖質など特徴的なクラフトビールを多彩に集
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BCビアトレーディング(静岡市駿河区)草場達也さん カナダと日本橋渡し【しずおかクラフトビール新世代⑮】
カナダのクラフトビール輸入業者の先駆けとして知られる草場達也さん(32)。2016年に東京で輸入販売会社BCビアトレーディングを起こし、20年11月に静岡市駿河区用宗に本社を移した。「静岡の人は、地元の醸造所にすごく愛着を持っている。全国的に見てもクラフトビールの消費が多い街。ここへ来るのは必然だった」 同市清水区でのビールイベント出展をきっかけに19年、葵区駿府町にクラフトビール専門の酒販店「ビア・アウル」を開店。あっという間に市内のビールファンに浸透した。自社倉庫を市内に整え、商材の到着先も東京港から清水港に切り替えた。本社移転は自然な成り行きだった。 留学先のカナダ東部の都市トロン
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レモン香るジン販売へ 沼津の蒸留所、松崎の無農薬ハーブ使用「すっきりした味わい」
沼津市のジン製造「沼津蒸留所」は30日、松崎町のレモングラスで香り付けしたクラフトジンを発売する。小笹智靖代表(40)は「“松崎のレモングラス”を広く知ってほしい」と、地元特産品のPRにつなげたい考えだ。 レモングラスはレモンの香りがするイネ科のハーブ。同蒸留所は冬に同市戸田のタチバナ、春に河津町のバラなど、県東部の素材を使用したジンを季節ごと製造している。今回は夏をイメージした。 伊豆松崎レモングラス工房(鈴木茂孝代表)が栽培するレモングラスを、国産ミントなどと一緒に原酒に漬け込んで蒸留した。レモンのさわやかな香りが特徴。「甘みが抑えられ、夏らしいすっきりした味
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中世のビールどんな味? 静岡大教授とゼミ生、文理協働で再現
静岡大人文社会科学部の大原志麻教授(スペイン史、比較文化)とゼミ生はこのほど、中世欧州で愛飲されていた「グルートビール」を再現した。プロジェクトには農学部の教授らも加わり、文理協働で「中世の味」の復元に取り組んだ。 同ゼミの西ケ谷彩華さん(4年)の卒業論文のテーマが発端。大学や研究機関では初の試みとみられる。大原教授は「食文化史は上流階級を中心に語られがち。『庶民の飲料』を実際に口にし、当時の空気感を理解することが重要」と判断し、復元を決めた。 中世欧州のビールは香り付けとしてホップではなく、複数のハーブの集合体「グルート」を使うのが特徴。国内外の文献を基に検証し、主原料のヤチヤナギは北
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全国燗酒コンテスト 2酒蔵「最高金賞」 藤枝の酒、発信の好機
温めて飲む日本酒のおいしさを競う「全国燗酒(かんさけ)コンテスト2021」で、藤枝市の初亀醸造の「初亀プレミアム」と、杉井酒造の「杉錦 本醸造」が最高金賞を受賞した。市内二つの酒蔵の同時受賞に、関係者は「藤枝で造られた日本酒のレベルの高さを全国に発信する機会になれば」と期待を寄せる。 コンテストは8月上旬に都内で開催し、酒造技術者や酒類流通業者ら28人が審査員を務めた。 両社の受賞はともに45度で審査する「お値打ちぬる燗部門」。720ミリリットル1100円以下か、1・8リットル2200円以下の市販酒が対象。215点のうち、上位5・1%の最高金賞に選ばれた。 「初亀プレミアム」は兵庫県産
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静岡・匠宿にビール醸造所 福山さん「多様性表現」今冬にも稼働
静岡県内2カ所でビール醸造に携わった醸造家福山康大さん(32)=静岡市駿河区=が、同区丸子の観光施設「駿府の工房 匠宿」内に新しい醸造所を開くことがこのほど決まった。稼働すれば、市内4カ所目のビール醸造所となる。 かつての飲食施設の一角に240リットルの発酵タンク5基、原料の麦芽やホップの貯蔵庫などを設置し、多様なビールを提供する。米国から輸入するタンクなど資機材の到着、申請済みの酒類製造免許の取得を経て、今冬に醸造開始する予定。 青森県出身の福山さんは静岡市葵区のアオイブリューイング、富士宮市のフジヤマハンターズビールで醸造経験を積み、ことし静岡醸造株式会社(静岡市駿河区)を設立。知人
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燗酒コンテストで最高金賞受賞 藤枝の初亀醸造と杉井酒造
お燗にしたときにおいしいお酒のコンテスト「全国燗酒コンテスト2021」(同実行委員会主催、日本酒造組合中央会後援)がこのほど、東京都内で開かれ、ともに藤枝市の酒蔵の初亀醸造の「初亀プレミアム」と、杉井酒造の「杉錦 本醸造」が最高金賞に輝いた。 酒の値段や種類、燗につけるときの温度別に4部門を用意し、全国230カ所の酒造会社から812点が出品された。初亀醸造と杉井酒造が出品した部門は、720ミリリットルで1100円、1・8リットルで2200円(ともに税別)以下の市販酒が対象の「お値打ちぬる燗部門」。45度の燗酒で味を審査し、寄せられた215品の中から最高金賞の11点に選ばれた。
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石垣いちご、爽やかビールに 静岡の飲食店と農家が開発
静岡市久能特産の「石垣いちご」をPRしようと、静岡市内の飲食店主と農家がこのほど、クラフトビール「久能石垣いちご麦酒」を開発した。駿河区久能産イチゴの酸味や爽やかな後味が特徴で、県内の酒屋などで販売する。 駿河湾沿岸の久能地区は海からの放射熱を生かしたイチゴ栽培が盛ん。例年、イチゴ狩りシーズンには県内外から観光客が訪れるが、昨年以降新型コロナウイルスの影響でイチゴ狩り客は減少している。 こうした状況を受け、地域を盛り上げようと、久能出身の飲食店「呑処鞠舞(のみどころまりぶ)」店主の提橋京平さん(32)=葵区=がイチゴ農家「原文農園」と協力し、ビールづくりを企画。柿田川ブリューイング(沼
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“ピザ風味”のビールいかが 三島産トマトとバジル使用
三島市で栽培が盛んなトマトを活用したクラフトビール「三島トマトピザエール」が完成し、地元の酒屋などで14日から販売が始まる。バジルなどで“ピザ風味”に仕上げた新感覚の味わいで、コロナ禍での自宅飲みにもぴったりな缶飲料として売り出す。 製造元は沼津市にビール工場を持つリパブリュー合同会社。三島で生産されるトマトをペースト状にして使い、大麦やスモークなど4種類のモルトで酸味やくん製香を加えた。バジルを使うことでピザに近い味わいとなり、畑翔麻オーナーは「マルゲリータを想像するようなクラフトビール。特にチーズと相性が良い」と話す。 三島市が進める飲食店と農家のコラボ企画「
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酒米「誉富士」生育調査 天候良く順調、収穫量増加へ 焼津
焼津市の酒米「誉富士」の生産者でつくる焼津酒米研究会は11日、本年度2回目の生育調査を実施した。会員らが市内の水田に入り、茎の数や葉の色などから育ち具合を確かめた。 研究会では毎年、6月の田植えから10月の収穫までの計4回にわたり、生育調査を実施している。2回目の調査は市内4カ所の水田で、草の丈の長さ、一株ごとの茎の数、葉の色の度合いそれぞれを手に取りながら、計測した。 そのほかの水田では、昨年被害に苦しんだウンカやカメムシといった害虫の生息状況や雑草の生え具合を調べていった。 同研究会の梅原利浩会長は「これまで天候も良く、生育状況は順調。生育状況を会員で共有し、収穫量増加につなげたい
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掛川市、緑茶リキュール特区に認定 全国で初めて リーフ茶の需要喚起へ商品開発
掛川市は10日、内閣府から緑茶を原料としたリキュール製造の特区認定を全国では初めて受けたと発表した。消費が減少するリーフ茶の需要を喚起する商品開発を促進する。 認定は7月20日付。掛川市全域で特例措置により酒税法の規制が緩和された。リキュールを製造する酒類製造免許を受けるための最低製造数量基準(6キロリットル)を1キロリットルに引き下げ、小規模な事業者でも免許を受けることが可能になった。 緑茶リキュールは現在、同市満水の松下園が開発を進めている。お茶の風味を味わえるシャンパン風の酒という。商品化のめどが立ったため、市に構造改革特区計画の作成を提案し、市が5月に認定申請を行った。本年度末の
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静岡・アオイブリューイング復活 ブランド継承、年内にも醸造再開
運営会社の破産申請を受けて2月に事業停止した静岡市葵区のクラフトビール醸造所「アオイブリューイング」が復活する。市内でビアパブ「グローストック」を運営する福島英紀さん(38)によるブランドの継承がこのほど決まった。早ければ年内にビールの醸造を再開する予定。 醸造所に隣接するビアバー「ビアガラージ」も近日中に再オープンする。飲食店、醸造所の双方にかつての担当者が戻ることが決まった。 福島さん自身も2014年に醸造を開始した当時は、醸造所のスタッフの一人だった。宙に浮いた醸造施設の引受先が取り沙汰されていた6月、グローストックの常連客に「福島さんが再出発させるのが一番良い選択」と背中を押され
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酒ツーリズム発信 富士宮で富士山酒蔵巡りモニターツアー
富士・富士宮における酒ツーリズムを海外に広く発信しようと、富士市の富士川まちづくり会社がこのほど、「富士山酒蔵巡りモニターツアー」を富士宮市内で開催した。県内の在留外国人や観光関係者ら15人が参加し、富士山の恵みを生かした酒造りを体感した。 同社では富士山の恵みや歴史文化などを酒造りにひも付けた体験プログラムやモデルコースを検討し、モニターツアーを通じて外国人らの意見を取り入れながら、新たなツアー商品を模索している。 初開催の今回は、参加した外国人らが富士山世界遺産センターや浅間大社を回った後、牧野酒造(富士宮市下条)や富士高砂酒造(同市宝町)の蔵内を見学した。担当者から酒蔵の歴史や製造
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クラフトビール味わって♪ 8月、専門店巡るバル開催 にぎわい創出へ
静岡市で市街地活性化を目指す静岡おまちバル実行委員会(松下和弘委員長)と、県内のクラフトビールの情報を発信する静岡クラフトビアマップ実行委員会(伏見陽介委員長)は8月、市内の飲食店などでクラフトビールを楽しむイベント「静岡クラフトビアバル」(実行委主催)を初開催する。専門店が集まる立地を生かし、にぎわい創出を目指す。 ビール醸造所が20カ所以上あり、多様なビールが楽しめる本県の魅力をPRしようと企画した。8月1~31日の期間中、3枚つづり3900円のチケットを販売し、1枚あたり飲み物1杯と一品料理を提供する。約50店舗が参加し、チケットは専用アプリ「ぶらりん@タウン」で販売する。 松下委
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バナナワニ園×反射炉ビヤ 第2弾はパパイア バナナも再発売
伊豆の国市のクラフトビール醸造所「反射炉ビヤ」と、東伊豆町の動植物園「熱川バナナワニ園」は19日から、同園で収穫した完熟パパイアを使ったビール「伊豆パパイヤHAZY(ヘイジー)」を同園などで販売する。3月に同園のバナナを使って販売した「伊豆バナナワニIPA」に続く、同園のフルーツビール第2弾で、完売していた同商品も同日から数量限定で再発売する。 両社は「コロナ禍で疲弊する伊豆から明るい話題を発信したい」と、3月に販売したバナナビールが好評だったため、同園で栽培する別の果実での醸造を検討した。その中で、夏らしい爽やかな味わいが期待できるパパイアを選んだ。パパイアのビールは全国的にも珍しいとい
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浜松・花の舞酒造 杜氏の鎌江さん 就任1年で「金」 全国鑑評会で快挙
花の舞酒造(浜松市浜北区)の日本酒が、5月に行われた第109回全国新酒鑑評会で金賞に選ばれた。昨年10月から杜氏(とうじ)を務める鎌江慎太郎さん(30)にとっては就任1年目での快挙で「さらにおいしい酒を造りたい」と励んでいる。 同鑑評会は821点が出品され、金賞は207点だった。花の舞酒造の金賞受賞酒は県内産の山田錦を洗米から仕込みまで手作業で行い、上品で落ち着いた香りとおだやかな甘さを出した。鎌江さんは「全国鑑評会で金賞を取るのが杜氏にとって一つの目標。伝統ある酒蔵の作り手として認められた」と喜ぶ。元杜氏で現在は名誉杜氏の役を担う土田一仁さん(62)も「自分が金賞を取ったときより鎌江さん
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三島産トマトで新感覚ビール バジル加えてピザ風味 8月発売
三島市で栽培が盛んなトマトを活用したクラフトビール造りが、沼津市のリパブリュー沼津駅前ビール工場で始まった。地元飲食店やJA三島函南が連携し、バジルなどを加えてピザのような味わいに仕上げる予定。初めての試みに関係者は「どんな味になるか。楽しみ」と期待を込め、8月中の発売に向けて仕込みや発酵の作業を続けている。 富士山からの上質な地下水が流れる三島市は水耕栽培を全国でも先駆的に導入し、現在は平地で4種類のトマトが作られている。クラフトビールには全てのトマトをペースト状にして使うほか、大麦やアシット、スモークなど4種類のモルトで酸味やくん製香を加えた。糖化槽でろ過した麦汁を煮沸釜でトマトと混ぜ
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「瓢月」JAL機内酒に採用 藤枝・初亀醸造
藤枝市岡部町岡部の初亀醸造は1日、同社の日本酒「大吟醸純米 瓢月(ひょうげつ)」が、JAL国内線ファーストクラスの機内酒に採用されたと発表した。期間は1~31日の1カ月間。 同社によると、瓢月は兵庫県産「山田錦」を使用し、白ブドウを思わせる爽やかな香りと軽やかな口当たり、上品な甘みが特徴という。玉露の産地である岡部町にある茶室「瓢月亭」から名付けていて、玉露のような繊細で奥深い味わいを表現したとしている。 同社の担当者は「静岡の地酒が選ばれたことをうれしく思う。東京五輪の期間中の採用となり、多くの方に味わってもらえたら」と話す。
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無病息災を祈願「夏詣酒」出荷 島田・大村屋酒造場
島田市の大村屋酒造場は29日、元日から半年の節目に厄をはらう「夏越しの大祓(おおはらい)」や残り半年の平穏を願う「夏詣」にちなんだ純米吟醸原酒「若竹 夏詣酒」の出荷に合わせ、同社で神事を行った。30日に各地に出荷される。 生産したのは一升瓶660本と4合瓶2500本。商品が並ぶ冷蔵庫内で大井神社の片川徹宮司が神事を執り行い、松永孝広社長らが玉串をささげて顧客らの無病息災を願った。 「夏詣酒」はさわやかな香りとすっきりとした飲み口が特徴。松永社長は「コロナ禍で大変な状況だが、このお酒を通じて幸せや活力が広がってくれればうれしい」と話した。
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まろやか「海底ワイン」開栓 伊豆・土肥、駿河湾で4カ月熟成
伊豆市商工会土肥支部事業部は27日、駿河湾の海底で熟成させた赤ワイン「らぶ・まーれ2021」の開栓式を同市の観光施設「土肥金山」で行った。同日から同施設と土肥地区の酒店2店で販売を始めた。 ワインは同市の中伊豆ワイナリー産の「伊豆ヤマ・ソービニオン2019」。漁協やダイバーの協力を得て1月から約4カ月間、同市八木沢沖の水深約20メートルの海底に132本設置し、引き上げ後は温度変化の少ない同施設の坑道で追熟成させた。支部によると、海の状況や気候が良かった影響でうまく熟成され、口当たりがまろやかになっているという。 式典で平田稔支部長が開栓し、土肥金山を運営する土肥マリン観光の山田耕治社長が
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酒かす使ったチーズケーキいかが 富士の洋菓子店が商品化 味は…「賛否両論」
富士市平垣の洋菓子店「polipoli(ポリポリ)」が富士宮市の酒蔵「牧野酒造」の日本酒「富士山」の酒かすを使ったスティックチーズケーキ(税込み250円)を商品化した。店主の加藤伸知さん(46)は「酒の味わいが濃く、賛否両論がある。好きな人にはたまらない味」と話す。6月中は店頭で限定販売。今後は同酒造などで販売する予定。 同店の看板商品は、風味の違うチーズを使ったスティック状のチーズケーキ6種。販路拡大を目指し、地産地消やSDGsを意識し、富士山麓らしい新商品を模索する中以前から加藤さんが飲んでいた縁で、牧野酒造の絞りきらず酒の味が濃い酒かすに目を付けた。 酒かすを限界量まで入れてつぶし
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かつお節のジン商品化へ 西伊豆のベンチャー、地域活性化へ資金募る
特産のかつお節を使ったクラフトジンの販売に向け、西伊豆町のベンチャー企業「西伊豆プロジェクト」が27日まで、クラウドファンディング(CF)で資金を募っている。地域活性化への思いを込め、商品のブランド化を目指している。 「西伊豆の神(ジン)」の名で、すでに試作品の製造を始めている。原酒にかつお節やジュニパーベリーなどを漬けて蒸留し、割り水には天城山系の地下からくみ上げた深層水を使用する。かつお節のうま味成分を生かしたとろみを感じる口当たりの良さが特徴。同社社員で町地域おこし協力隊の高井洋季さん(39)は「他にはない味わい。和食にも合う」と太鼓判を押す。 町はかつてカツオ漁が盛んだった。現在
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クラフトビール組合設立 多彩な味、地域の魅力に【解説・主張しずおか】
クラフトビールの一大産地になっている静岡県東部の製造業者など6社が5月下旬、共同で原材料の仕入れや商品の販売に取り組む協同組合を設立した。クラフトビール専門の組合は県内初で全国的にも珍しい。各社の独自色があふれるビールは観光資源となる。経営の安定化だけでなく、多彩なビールが楽しめる地域という魅力発信に努めてほしい。 消費者の嗜好(しこう)の多様化に伴い、クラフトビールの人気は高まっている。一方で、大手メーカーの参入が相次ぎ、競争が激化。さらに、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外食の自粛ムードで、飲食店向けの出荷が激減した。観光需要も低迷し、各社は厳しい経営環境に置かれている。輸送などのコス
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家飲みに「責め」の日本酒 萩錦酒造とコメヤス酒店が商品化
静岡市駿河区の酒蔵「萩錦酒造」(萩原知令社長)と葵区の「コメヤス酒店」(岡野重美代表)は、日本酒を搾る工程の終盤でもろみに一定の圧力をかけて得られる「責め」と呼ばれる清酒の新ブランド「責め取り」を発売した。 責めは、搾り工程の中盤までに得られる酒に比べ雑味が多く、安価なのが特徴。同酒蔵は、これまで主に業務用に販売してきたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う業務需要低迷を受け、同酒店と共同で家飲み需要向けに商品化した。 ラベルは、文字をアートとして描く静岡市出身のカリグラフィー作家、ザックバランさんが手がけた。 萩原社長は「手頃な価格で品質の高い日本酒が味わえる『責め』を楽しんでほしい」
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梅酒の仕込み最盛期 純米原酒を利用 浜松・花の舞酒造
浜松市浜北区の花の舞酒造で、梅酒の仕込みが最盛期を迎えた。一般的には焼酎を用いることが多い梅酒に、同社は純米原酒を利用してやわらかな甘さを出す。蔵人が作業に追われている。 地元産のナンコウウメを大だるで洗い、タンクに原酒や氷砂糖とともに漬けて約2年熟成させる。名古屋圏や東京圏の酒販店や百貨店などに出荷する。仕込み作業は6月下旬まで続く。 名誉杜氏(とうじ)の土田一仁さん(62)は「地域の農家のおかげで今季は粒の大きないいウメが手に入った。おいしい梅酒が届けられそうだ」と話す。
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江川酒醸造へ田植え「災害なく無事に」 伊豆の国
NPO法人伊豆学研究会と江川英龍公を広める会は11日、伊豆の国市韮山韮山の田んぼで田植えを行った。収穫した米は江川家に伝わる日本酒「江川酒」の醸造に使う。 江川酒の製法書が昨年見つかったことから始まった復元プロジェクトの一環。会員ら約30人が参加し、江川家が所有する約1600平方メートルの田んぼで1列に並んで苗を丁寧に植えた。 11月ごろに稲刈りをして年明けに仕込みを始め、来春の蔵出しを予定している。NPOの橋本敬之理事長は「地元の酒には地元で育てた米が最適。災害なく無事に収穫できれば」と願った。 プロジェクトでの醸造は昨年度初めて行われ、伊豆市の万大醸造が製法書の手法を再現して醸造し
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スパークリング日本酒、最高金賞 改良重ね10年、努力が結実 花の舞酒造
花の舞酒造(浜松市浜北区)のスパークリング日本酒「ちょびっと乾杯」が、今春開かれた品評会「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2021」のスパークリングSAKE部門で最高金賞に輝いた。全国から出された56点中、京都府の宝酒造や岡山県の嘉美心酒造とともに選ばれた。改良を重ねた品ということもあり、蔵人たちは「努力が報われた」と喜んでいる。 ちょびっと乾杯は県産米と南アルプスの伏流水を使い、タンクに酵母を混ぜ、ボトル内で発酵させた品。白桃のような香りや口に含んだ際のきめ細かな「泡感」が特徴で、人工的なガス充塡(じゅうてん)をしていないため、優しい味わいが楽しめる。300ミリリットル入りで713円
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「父ヒロシ」の日本酒発売 「まる子ちゃん」とコラボ 藤枝・初亀醸造 6月1日から
藤枝市岡部町岡部の初亀醸造は6月1日から、静岡市清水区を舞台にした人気作品「ちびまる子ちゃん」とコラボした日本酒を限定販売する。6月20日の父の日に合わせ、「まるちゃん」の父親である「父ヒロシ」と名付けた純米吟醸と純米大吟醸の2種類を揃えた。どちらも720ミリリットル入りの四合瓶。 純米吟醸は酒米「誉富士」をはじめ、県産の水や酵母を使用。オリジナルのラベルは日本酒を手にほほえむヒロシのデザイン。価格は3300円で、2千本を用意した。純米大吟醸は希少米「愛山」を使用し、ラベルは和服のヒロシの立ち姿。価格は1万3200円で、生産本数は150本のみ。 どちらの瓶にも共通する絵柄として、作者のさ
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ビール醸造所代表と交流 富士宮高校会議所が座談会
富士宮市の富士宮高校会議所はこのほど、市内のクラフトビール醸造所・フジヤマハンターズビールの深沢道男代表を講師に招いた座談会を同市の西町レトロ館で開いた。 「純富士宮産ビール生産を目指して 持続可能な社会と農業」をテーマに意見を交わした。ビール醸造と猟師を兼ねる深沢代表は座談会で自身の取り組みや持続可能な農業に対する思いを紹介した。「富士宮の酵母で富士宮の原料でビールをつくることができる可能性がある。もっと地元が注目されたり、活性化につなげられたらいいな」と語った。 このほか、同高校会議所が開発した「マスマス元気せんべい」が「それ、みやげにして宮!名物コンペ」で審査員特別賞を受賞したこと
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沼津にクラフトビール協同組合 6社で設立、業界と地域の活性化に
静岡県東部のクラフトビール製造業者ら6社が28日、静岡クラフトビール協同組合の創立総会を沼津市で開いた。地域事業者が連携して組織化することで、経営安定化を図るとともに、知名度向上や消費者に求められる製品づくりにつなげていく。 加盟するのは、柿田川ブリューイング▽リパブリュー▽蔵屋鳴沢▽ベアードブルーイング▽加和太建設▽ZOO―の6社。クラフトビールの協同組合は県内初で全国的にも珍しい。大手業者の参入などでクラフトビールを巡る経営環境の厳しさが増す中、連携して事業に取り組むことで業界と地域の活性化を図っていく。 具体的には、原材料となる麦芽などの共同購入や、製品の共同保管、宣伝などに取り組
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「純米生酒」ボトル缶に 花の舞酒造、5月31日発売 常温流通を実現
花の舞酒造(浜松市浜北区)は31日、ボトル缶に詰めた純米生酒「くらふとなま」を発売する。2回ろ過する特別製法で濁りや劣化の原因になる火落ち菌の発生を防ぎ、要冷蔵の生酒の常温流通を実現した。 県産酒米を100%使い、飲みやすいフルーティーな味わいに仕上げた。アルコール度数は14・5%。冷やに最適のため、これからの季節にぴったりという。180ミリリットルで税込み価格は298円。 加熱処理をしない生酒は新鮮で人気が高いが、高温に弱く販売場所が限られていた。瓶より軽く割れない缶に詰め、常温管理を可能にすることで流通経路を大幅に増やす。 日本酒業界では若者ら新たな愛飲者の開拓が課題で、高田謙之丞
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クラフトビール6社、組合旗揚げ 「聖地」目指し共同で仕入れ、市場開拓
小規模醸造所が集中して全国有数のクラフトビール生産地になっている静岡県東部の製造業者など6社が28日、県内初で全国でも珍しいクラフトビール専門の協同組合を設立する。新型コロナウイルス感染拡大に伴う外食や旅行の自粛ムードで、売り上げ減少に苦しむ中、共同して販売や仕入れなどに取り組む体制づくりに乗り出す。 クラフトビール製造に参入した大手メーカーとの競合に加え、コロナ禍で主に飲食店への卸売りが不振に陥るなど、各社は厳しい経営環境に追い込まれている。以前からイベント参加などで交流があった各社は、団結して危機を乗り越え、地元業界と地域を盛り上げようと「静岡クラフトビール協同組合」の設立を決めた。
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川根本町産のユズ使用 サワービール発売 静岡・駿河区の醸造所
静岡市駿河区のクラフトビール醸造所「ウエストコーストブリューイング」がこのほど、川根本町産のユズを原料に使ったサワービールを商品化した。数量限定発売。 町産のユズのほか、パッションフルーツやカシス、ピンクグレープフルーツ、梅のピューレなども使用した。甘酸っぱさと後口のユズのほろ苦さが特徴という。 静岡市内の同醸造所直営店や島田市の緑茶・農業・観光の体験型フードパーク「KADODE OOIGAWA」で購入可能。詳しい購入先は醸造所の公式ホームページに掲載されている。問い合わせは同醸造所<電054(204)1747>へ。
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宇佐美麦酒製造(伊東)小川大河さん 消費者の好みを熟知 売り手から醸造側へ【しずおかクラフトビール新世代⑪】
クラフトビールを売る側からつくる側へ-。宇佐美麦酒製造(伊東市)の小川大河さん(34)は、営業専従から醸造スタッフに転身した、県内ビール業界では数少ない人物だ。 2008年に「風の谷のビール」で知られる酪農王国(函南町)に入社。クラフトビール専門の営業マンとして、市場が拡大する様子を、販売の最前線で体感した。 県内外の酒販店や飲食店を巡り、時には飛び込み営業をかけて販路拡大を図った。小売店用の販促グッズを自作し、売り場の棚から付加価値の高さを訴えた。「消費者の手元に鮮度を落とさずに届ける。工場を出たところから店頭で買ってもらうまでが責任領域だと認識していた」。国内各所で行われる「ビアフェ
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酪農王国オラッチェ(函南町)木村岳司さん ドイツで醸造を習得 「職人」の気構え実践【しずおかクラフトビール新世代⑩】
ビールの本場ドイツのベルリン工科大で醸造を学び、公的資格「ブラウマイスター」を取得した酪農王国オラッチェ(函南町)のビール工房工場長木村岳司さん(45)は、「職人」という言葉に特別な思いを込める。「顧客の好み、与えられた条件に従ってベストの仕事をするのが職人。そのためにはビールづくりの全てを知っておかないと」 自分のつくりたいビールを追求するのも醸造家の在り方として認める。一方で、ドイツの伝統的なものづくりの考え方に共鳴する。「販路や会社の方針などに対して柔軟でありたい。ドイツで、そういう人間として育てられたから」 国内の大学では法律を学んだ。在学中にドイツ人留学
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フジヤマハンターズビール(富士宮市)深沢道男さん 全ての原料を地元で 循環型ブルワリーへ【しずおかクラフトビール新世代⑨】
地域の産物でビールをつくり、地域で消費する。2018年に開業したフジヤマハンターズビール(富士宮市)の醸造責任者深沢道男さん(48)の考えは、まさしく「循環型ブルワリー」と言うべきものだ。「原料の100%自給を達成するには、まだまだ超えなくてはいけないハードルがある。でも、少しずつ実現しているのも事実」と自負を示す。猟師、農業従事者を兼ねる、全国でも珍しい醸造家だ。 「教科書通りのビールばかりじゃつまらない。つくりたいのは、例えるなら農産品直売所に置かれたゴツゴツのコンニャク。形は整っていないが、原料の良さが全て引き出されている」 芝川を見下ろす小さな醸造所の構想
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柿田川ブリューイング(沼津市)片岡哲也さん 英国パブ文化に憧れ 飲み手の人生を彩る【しずおかクラフトビール新世代⑧】
17年前に英国で出合ったパブ文化、ビール文化の美点を日本にも広めたい-。柿田川ブリューイング(沼津市)のエンブレムに刻まれた「SLOW BEER SLOW LIFE」のスローガンには、社長片岡哲也さん(36)=秋田市出身=の願いが込められている。「ビールはコミュニケーションを豊かにするツール。英国のパブに通って、それを学んだ。おいしいビールを通じて、飲み手の人生を豊かに彩りたい」 語学留学で住んだブライトンは、ロンドンの南に位置する港町。現地に着いてすぐ、ホームステイ先の近所のパブに一人で行った。住宅街の真ん中にある約20席の小さな店は、近隣住民と常連ばかり。だが片言の英語でラ
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時之栖富士(富士市)冨川宏一さん 醸造20年新たな挑戦 知見をレシピに凝縮【しずおかクラフトビール新世代⑦】
傘下に御殿場高原ビールや伊豆の国ビールを持つ時之栖(御殿場市)が、富士市の常葉大富士跡地に開業した複合型スポーツ施設内で醸造する「富嶽麦酒」。今夏完成した新ビールブランドは、工場長の冨川宏一さん(43)=御殿場市=が、約20年の醸造経験と欧州各国を訪問して得たビールの知見をレシピに凝縮した。 「1月に缶のデザインが決まり、キャッチコピーの『濃くて苦い』が刷り込まれていた。苦みを生かしたIPL(インディアペールラガー)というスタイルは決めていたが、缶に合わせる形でレシピを最終調整した」 新工場はビールだけでなく、ウイスキーやハイボールも製造する。冨川さんにとっては、
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アオイビール(静岡市葵区)宮脇浩樹さん 鉄道マンから醸造士 「個の評価」求め転身【しずおかクラフトビール新世代⑥】
県中部初のクラフトビール醸造所、アオイビール(静岡市葵区)の醸造士宮脇浩樹さん(25)=沼津市出身=は、かつてJR東海道線や御殿場線で車掌を務めていた。社内研修を経て「運転士」に進むレールが敷かれていたが、「醸造士」への道を選んだ。「好きなことをやっていく。生活するためのお金はどうにでもなる」 従業員1万8千人超のJR東海を20代半ばで退職してビールを造る。約2年前にそう決めた。周囲は止めたが「何を言われてもぶれなかった。自分がつくったものへの評価を、顧客からダイレクトにもらう。そんな世界に身を投じたかった」。 クラフトビールとの出合いが、胸の奥底に眠った感情を呼
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リパブリュー(沼津市)畑翔麻さん 多様なレシピを公開 市場拡大図る起業家【しずおかクラフトビール新世代⑤】
25歳で合同会社を設立し、JR沼津駅前に醸造所兼パブを開いたリパブリュー(沼津市)の畑翔麻さん(29)は、醸造家としてだけでなく起業家としても注目を集める。技術や成功事例を同業者と「シェア(共有)」し、クラフトビール市場全体の拡大を図る。 約240平方メートルの店には20本のタップ(ビールサーバーの注ぎ口)がある。最大で生ビール20種を提供可能だが、約1年前から全て自社銘柄とした。醸造所の発酵タンク約10本をフル回転させて多種多様なスタイルのビールを造り、来店客に出来たてを提供する。 「10年前に構想した姿」。16年にはクラフトビールの中心地の一つ、米国サンディエ
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池田屋麦酒(牧之原市)月居麻水さん 老舗継承の「最適解」 酒屋に小さな醸造所【しずおかクラフトビール新世代④】
県内では希少な女性のビール醸造家、月居麻水(つきおりまみ)さん(46)。2019年秋に池田屋麦酒(牧之原市)を設立し、20年5月から醸造を始めた。 実家の酒販店「池田屋酒店」の一角を区切った工場は約20平方メートル。容量300リットルの発酵タンク4基、煮沸釜など必要最小限の機器を置いたマイクロブルワリー(極小醸造所)だ。机や椅子も設置し、来店客が出来たてのビールが飲める仕組みも整えた。 月居さんは約150年前から続く同店の7代目。「高齢の両親の後を継いで、この店をどう維持していくか。その最適解がビール造りだった」と明かす。 少し前までは自分がビールを
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反射炉ビヤ(伊豆の国市)山田隼平さん ワイン製造技術応用 木のたるで発酵熟成【しずおかクラフトビール新世代③】
世界遺産構成資産の韮山反射炉の隣で醸造する反射炉ビヤ(伊豆の国市)。1994年の酒税法改正に端を発する第1次地ビールブームさなかの97年に開業した、県内有数の老舗ブルワリーだ。浮沈が激しいビール業界の中で生き残り、24年目の夏を迎えている。 醸造長の山田隼平さん(27)=東京都出身=は山梨大工学部の特別コースでワインを学んだ。酵母菌をはじめとした微生物の生態から、ブドウの栽培と収穫、仕込みの方法、味わいの表現まで、実地研修を交えてあらゆる知識と技術を習得した。 2015年、反射炉ビヤに入社。今度は一からビール造りを教え込まれた。工程の違いに改めて気付かされた。「ワ
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マウントフジブリューイング(富士宮市)会森隆介さん “背水”で技術習得 切れの良さを追求【しずおかクラフトビール新世代②】
加和太建設(三島市)のビール醸造部門として2019年3月に産声を上げたマウントフジブリューイング(富士宮市)。醸造責任者の会森隆介さん(42)が醸造を学び始めたのは開業の1年前だった。異例の短期間で醸造法を習得し、今春のビール審査会「ジャパン・グレートビア・アワーズ」(日本地ビール協会主催)で3部門入賞を果たすなど急成長を遂げている。“背水の陣”で身に付けた技術を礎に、新しいビール造りを見通す。 「ビールについては知識ゼロだった」と3年前を振り返る。県内外の飲食店でソムリエやホール担当を経験し、17年に加和太建設入社。函南町のすし店を任されていたが、18
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オクタゴンブリューイング(浜松市中区)千葉恭広さん 運命変えた一冊の本 醸造家志しドイツへ【しずおかクラフトビール新世代①】
小規模醸造所がつくるクラフトビールが人気を高めている。静岡県は20以上の醸造所がひしめく国内屈指のビール大国。近年醸造を始めたブリュワー(醸造家)を訪ね、それぞれの“ビール人生”をひもとく。 2018年1月に醸造を始めたオクタゴンブリューイング(浜松市中区)の醸造責任者千葉恭広さん(45)は、05年からドイツのミュンヘン工科大ビール醸造工学部で理論と実践を学んだ。 出発点は1990年代半ばに出合った一冊の本だった。英国人ビール評論家のマイケル・ジャクソンが著した「地ビールの世界」。ウィートエールやトラピスト系など、多種多様なベルギーのビール