御殿場コシヒカリの酒 市長ら、“失言”の川勝知事に贈呈
御殿場市の勝又正美市長らがこのほど、地元産「御殿場コシヒカリ」と、同米を使って初めて醸造した日本酒を県庁に持参し、川勝平太知事に贈呈した。2021年10月の参院静岡選挙区補欠選挙で物議を醸した川勝知事の「コシヒカリ発言」から1年半、「おかげさまで御殿場コシヒカリが全国に広まった」と勝又市長。ご当地ブランド米から生まれた新たな特産物を、知事は上機嫌で受け取った。
同市で飲食店などを運営する「つぼぐちフードサービス」が長野県の酒蔵に醸造を依頼し、富士山の湧き水を用いて2種類の純米吟醸「さくや 雪解(ゆきげ)」と「このは 春雫(はるしずく)」を造った。
坪口栄二社長は小粒な米での日本酒造りの難しさとともに、24年秋に市内に醸造施設が完成することを伝え、「全て御殿場産。酒蔵ができたらお越しいただきたい」と呼びかけた。勝又市長は「御殿場をビール、ウイスキー、ワイン、焼酎などあらゆる酒を造る『酒のまち』としてPRしたい」と述べ、米も手渡した。
川勝知事は「御殿場にはコシヒカリしかない」と発した当時の失言を「不適切だった」と振り返り、「(御殿場コシヒカリは)重要な農業芸術品。富士山の伏流水のストーリーがあれば海外にも通用する」とたたえ、“雪解け”をアピールした。