水晶豚のポン酢マスタードソース【ワインと楽しむこの一皿】
暑さの厳しい折、長時間の煮炊きはしたくないという人も多いのでは。さっとゆでて、あえたり、盛り付けたりするだけの簡単レシピを紹介する。冷やした白ワインと一緒に楽しんで。
水晶豚は中華料理でよく使われる調理法を生かした。肉をゆでる前にかたくり粉をまぶすことで、表面に透明な膜ができ、つるっとした独特の喉ごしが生まれる。そのままゆでるとパサつきがちな薄切り肉もプルプルの食感になる。たっぷりの野菜と食べたい。
合わせるソースは、ワインとの相性を意識して、ポン酢に粒マスタードを加えた。ポン酢と粒マスタード、オリーブ油を同割合で混ぜる簡単なソースだが、酸味や辛味のバランスが絶妙。サラダのドレッシングやステーキソースとしても使える。
2皿目は、夏の野菜の代表格ゴーヤーを使ったレシピ。ゴーヤーは疲労回復作用のあるビタミンCを豊富に含むので、積極的に食べてほしい。表面にツヤのある新鮮なものを選んで。
ゴーヤーはスーパーに並ぶほか、家庭菜園などで栽培されることも多いが、一度にたくさん採れる。チャンプルーやおひたしに飽きたらぜひ。マヨネーズで苦みが緩和され、たくさん食べられる。カニかまはちくわなどでも代用しても。
紹介した2皿は、鍋一つに沸かした湯を使い回して調理できる。豚肉からあくが出るので、その場合はゴーヤーを先にゆでるとよい。
(山田高久・ワイン食堂「シャンティ」店主、静岡市)
水晶豚のポン酢マスタードソース
<材料=2人分>
豚肉(もも、肩ロース、ばらなど)の薄切り200グラム、かたくり粉適量、ポン酢大さじ1、オリーブ油大さじ1、粒マスタード大さじ1、キュウリやレタス、キャベツなどお好みで適量
<作り方>
①豚肉をバットの上などに広げ、軽く塩を振り、さらにかたくり粉を両面に薄く付ける
②中鍋にたっぷり湯を沸かし❶を入れてゆでる。肉の色が変わったらボウルに張った水に取り、粗熱が取れたら水を切って冷蔵庫で冷やしておく
③ポン酢、オリーブ油、粒マスタードを混ぜてソースを作る
④薄切りにしたキュウリやちぎったレタス、千切りにしたキャベツなどを皿に敷き❷の肉をのせ、食べる直前に❸をかける
おすすめは白
ドイツの甘口白ワインを合わせると、ゴーヤーの苦みや豚の脂のしつこさが和らぐ。写真はドイツ・プファルツ地方にあるクロスター醸造所の「フロイデアウスレーゼ」。柔らかな口当たり。
差が出るポイント
肉はかたくり粉を両面に薄くまぶした後、1枚ずつ広げて湯に入れ、色が変わったらすぐ引き上げる。かたくり粉を使うことで、つるんとした食感になると同時に、うまみを逃さず火を通すことができる。
もう一皿 ゴーヤーとカニかまのマヨネーズあえ
<材料=2人分>
ゴーヤー(大きめのもの)半分程度、カニかま1パック(70~80グラム)、マヨネーズ大さじ3
<作り方>
①中鍋にたっぷり湯を沸かす
②ゴーヤーを洗って縦半分に切り、スプーンで種を取り、スライサーなどで薄切りにする
③❶が沸騰したら塩をひとつまみ入れ、❷を30秒ほどゆでる。ザルなどにすくい上げて冷まし、水気をよく切る
④❸にカニかまをほぐして入れ、マヨネーズを入れてあえる
⑤塩こしょうで味を調える