記者コラム「清流」 悩ましいカタカナ表現
環境先進市の首長が独自施策を発表し合う会議に足を運んだ。掛川市が紹介したのは、行政と企業が連携して持続可能なまちづくりを目指す「掛川SDGsプラットフォーム」。客席で耳を傾けていると、前席の女性がスマートフォンを取り出して操作し始めた。
暗いホールでスマホの画面は目立つから、目に入ってしまった。画面は検索エンジンで、打ち込んでいたワードは「プラットフォームとは」。耳慣れない言葉の登場で話の流れが頭に入らなくなったのだろう。
記事化に当たって悩んだことを思い出した。「連携基盤」と説明を加えたが、ふさわしい言い換えだったかどうか。解釈を委ねて雰囲気で押し切るカタカナ表現は核心が曖昧になる。市も立案の際、適切な代替語が浮かばなかったのではないかと勘繰っている。
(掛川支局・高林和徳)