日本選手権 女子やり投げV 斉藤(スズキ)復活、もっと先へ
6月上旬に行われた陸上の日本選手権女子やり投げで、27歳の斉藤真理菜(スズキ)が昨年の世界選手権3位の北口榛花(JAL)を抑え、5年ぶりの優勝を果たした。度重なる故障から復活した苦労人は「一番上はうれしいが、もっと先を目指している」と北口に続く世界での活躍に意欲を燃やしている。
茨城・土浦湖北高-国士舘大出。北口が10位だった2017年ユニバーシアード夏季大会で銀メダルに輝き、同年の世界選手権にも出場した。だが、その後は疲労骨折や腰椎分離症など腰のけがに何度も悩まされた。「メンタルはボロボロ。もう私は駄目なんじゃないか」と引退すら考える日々が続いた。
家族やトレーナーらの支えで諦めず、再起を期す中で昨年、北口が日本の女子投てき界に世界選手権初メダルの快挙をもたらした。祝福の気持ちを抱きながら「私もこんなところで終わってはいられない。絶対にもっと投げられる」と発奮材料にした。
体の使い方を見直した今季は安定感が増し、自己記録(62メートル37)に迫る投てきを連発。悪天候下の日本選手権でもただ一人の60メートル台をマークした。7月のアジア選手権(バンコク)出場が決まり、8月の世界選手権(ブダペスト)もランキングでの代表入りは射程内だ。北口と「同じ舞台で一緒に戦って切磋琢磨(せっさたくま)したい」と強い思いを口にした。