水素エンジン研究で連携へ バイク4社、開発後押し
カワサキモータース、スズキ、ホンダ、ヤマハ発動機のバイク大手4社は17日、水素エンジンの基礎研究を目的とした技術研究組合を6月に共同で設立し、小型モビリティー(乗り物)向けの技術研究で連携すると発表した。水素エンジンは実用化に向けた各社の研究開発が加速しているが、燃焼が不安定になりやすいなどの課題があり、連携して解決を目指す。
小型モビリティーは二輪車を中心に軽四輪、小型船舶、建設機械やドローンなどを対象に想定。4社はエンジンやタンク、燃料供給システムなどに関する基礎研究で協力する。トヨタ自動車と川崎重工業も特別組合員として参画し、知見を共有する。今後は海外メーカーなどにも参加を呼びかけ、脱炭素社会の実現に向けて貢献したい考えだ。
水素エンジンで燃料として使う水素は燃焼速度が速く、燃焼が不安定になりやすい。小型モビリティーで利用するには燃料の搭載スペースが狭くなり、航続距離が短くなるなどの技術的な課題もある。このため現状はまだ基礎研究が必要な段階で、商品化の見通しは立っていない。
東京都内で記者会見したヤマハ発動機の日高祥博社長は「正直ベースでは本当にものになるかどうか分からないが、ものにしてほしい。内燃機関(エンジン)を残せたらという気持ちがあり、水素は可能性がある」と語った。