対中水産物輸出 83%減 10月14億円、ホタテはゼロ
農林水産省が5日発表した中国向けの10月の水産物輸出額は前年同月比83・8%減の14億円だった。東京電力福島第1原発の処理水放出に伴い、中国が8月24日から日本産水産物の輸入を禁止したことが響き、4カ月連続で前年を下回った。
ホタテは2カ月連続でゼロだった。輸出額には真珠やニシキゴイが計上された。ただ中国は日本からのニシキゴイの輸入を11月から事実上止めており、同月は輸出額が減る可能性がある。
10月の農林水産物・食品全体の輸出は、中国向けが43・3%減の153億円となり、ウイスキーや菓子が大きく落ち込んだ。香港や台湾も前年を下回った。米国や韓国向けは増えたものの、世界全体では9・5%減の1133億円にとどまった。
1~10月の累計輸出額は前年同期比4・1%増の1兆1664億円となった。2022年の輸出額は1兆4140億円で過去最高だった。記録更新や25年までに2兆円とする政府目標の達成に向け、中国の規制強化がどこまで長引くかが焦点となる。