エンジンの停止遅れで月面衝突 ロシア探査機の軟着陸失敗
【モスクワ共同】ロシア国営宇宙企業ロスコスモスのボリソフ社長は21日、月面に衝突し軟着陸に失敗したロシアの無人月探査機「ルナ25号」について、着陸に向けた軌道修正の際にエンジンが予定より43秒間長く作動したことが主な原因だと明らかにした。ロシア国営テレビのインタビューに応じた。
ボリソフ氏は「エンジンの停止が予定されていた(始動の)84秒後ではなく127秒後になったため、探査機は月面に突っ込んだ」と説明した。
その上で、月探査機の打ち上げがソ連時代の1976年以来、約半世紀にわたり実施されなかったことも失敗の一因だと指摘。今回の失敗から「貴重な経験を得た」とし、今後も月探査機の打ち上げを続ける考えを示した。
ルナ25号は今月11日に打ち上げられ、21日に月の南極付近に軟着陸させる計画だった。南極着陸に成功すれば史上初だったが、19日に通信が途絶。ロスコスモスは20日、着陸できず月に衝突したと発表していた。