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テーマ : お酒・ビール

大自在(8月27日)プリゴジンの死

 衝撃的な事件だが、驚きはなかった。ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者エブゲニー・プリゴジン氏の搭乗する小型ジェット機がロシア北西部で墜落し、乗客乗員の10人全員が死亡した。6月にワグネルを率いて武装反乱を起こしたばかり。墜落から間を置かず暗殺説が浮上したのも無理からぬことだろう。
 機内に爆発物が仕掛けられた可能性が報じられている。米大統領が見解を表明するのは少し早すぎるようにも思うが、バイデン氏はプーチン大統領の関与を疑う姿勢を示した。
 ロシア航空当局はフライトレコーダーを回収して原因を究明するという。どんな調査結果を発表しても、国際社会の疑念はぬぐえまい。それでもプーチン氏があえて暗殺を実行したとすれば、「裏切り者はこうなる」と見せしめにするのが狙いだったのかもしれない。
 ワグネルは2014年、ロシアのクリミア半島併合などを機に創設され、22年2月からのウクライナ侵攻で重要な役割を果たした。中東やアフリカでも活動し、多くの戦争犯罪に手を染めているとされる。
 プーチン氏と近い関係にあったプリゴジン氏が汚れ役を引き受け、蜜月関係を保ってきた。それだけに反乱へのプーチン氏の怒りは大きかったに違いない。
 ウクライナ侵攻の開始から1年半たったが、いまだに終結の見通しは立たない。県内では江戸末期に駿河湾で沈没したロシア軍艦ディアナ号の乗組員慰霊など長年の友好行事が影響を受けている。元の関係に戻るのはいつのことか。ロシアが信頼を取り戻すのは容易ではない。

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