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テーマ : お酒・ビール

静岡の排水処理施設「管理に不備」 委託業務中の男性死亡 市長謝罪、示談成立へ

 静岡市は10日、2022年9月に同市葵区平野の農業集落排水処理施設で地元の男性=当時(71)=が市の業務委託中に亡くなった事故について、遺族2人と示談が成立する見通しとなったと発表した。難波喬司市長が同日、市役所静岡庁舎で記者会見し、「市の施設の管理に不備があり、それが原因で亡くなった。大変申し訳なく思っている」と謝罪し、点検事項の追加などの再発防止対策を講じたと説明した。

市が管理する排水処理施設で発生した事故について謝罪する難波市長=静岡市役所静岡庁舎
市が管理する排水処理施設で発生した事故について謝罪する難波市長=静岡市役所静岡庁舎

 事故は22年9月24日に発生。同施設は台風15号の影響で停電し、非常用のエンジンポンプによって排水を行っていた。男性は市の委託を受け、非常用ポンプの燃料を補給するため施設内にいたが、腐食によりポンプのマフラーに穴が開いていたため排ガスが漏れ、一酸化炭素中毒を起こして転倒し、施設に水が流入して溺死したとされる。
 市によると、施設は管理委託業者が2週間に1度のポンプの作動点検と年に1度の施設全体の点検を実施しているが、非常用ポンプのマフラーの腐食穴は発見できていなかったという。
 市は施設設置者としての管理責任があると判断し、遺族側と示談交渉を進めていて、賠償金計約3300万円を支払うことで示談が成立する見通しとなった。
 再発防止策として、点検の重点事項に非常用ポンプのマフラーと排気管の劣化確認を追加したほか、今後は停電時に地元住民が施設に立ち入らないよう、業務委託の仕様書に明記することも決めた。また、市が市内の同様の排水処理施設11カ所を点検したところ、平野地区のほか5カ所でもマフラーに穴が開いている問題を確認した。穴の修復や機器の更新などの対策を講じたという。

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