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川勝知事、リニア問題でJR社長発言批判 流域10市町と抗議へ

 川勝平太静岡県知事は30日の定例記者会見で、リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、JR東海の金子慎社長が国土交通省の専門家会議で「県から実現しがたい課題が課されている」などと発言したことについて、「科学的な議論をするための会議で、JRの事業を推進するための会議ではない」と強く批判した。流域10市町や利水団体と連名で、5月1日にも同社に抗議文を送る意向を明らかにした。

国土交通省専門家会議での金子慎JR東海社長の主な発言
国土交通省専門家会議での金子慎JR東海社長の主な発言

 金子社長は27日、同省がJR東海を指導するために設置した専門家会議の初会合で、県が工事に伴う水資源への影響回避を課題に挙げていることについて「いくら何でも事業者にそこまで求めるのは無理なのではないかという点も含めて審議してほしい」と求めた。
 これらの発言に関し川勝知事は「事業者の利益に沿うように議論してくださいと取れる。会議を私物化するのは許されない」と強い口調で非難した。
 一方、専門家会議を主催する同省に対しては、県が開催の条件としていた「会議の全面公開」が実現しなかったことに苦言を呈した。同会議は新型コロナウイルスの感染が拡大する中でオンライン形式で開催されたが、同省は傍聴者を一部に限り、会議の動画もインターネット上に公表していない。
 川勝知事は、県が別の会議や記者会見をライブ配信している点に触れて「県がやっているのに国交省がどうしてできないのか。(全面公開という)約束を破らないでほしい」と要請した。県は同省にもJRへの指導徹底と会議の全面公開を求める文書を送る方針。

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