テーマ : 大井川とリニア

静岡・愛知知事会談 リニア「国調整を」一致

 リニア中央新幹線の南アルプストンネル工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、本県区間の本格着工を認めていない川勝平太知事が5日、愛知県庁を訪れ、2027年のリニア開業を求める同県の大村秀章知事と会談した。大村知事は早期着工を要請したが、川勝知事は水問題などが解決されなければ着工を認めない意向を改めて示し、議論は平行線に終わった。ただ、問題解決に向けて国の調整を求める方針では一致した。

会談を前に握手を交わす川勝平太知事(左)と大村秀章愛知県知事=5日午後、愛知県庁
会談を前に握手を交わす川勝平太知事(左)と大村秀章愛知県知事=5日午後、愛知県庁
静岡、愛知両県知事 会談のポイント
静岡、愛知両県知事 会談のポイント
会談を前に握手を交わす川勝平太知事(左)と大村秀章愛知県知事=5日午後、愛知県庁
静岡、愛知両県知事 会談のポイント

 会談は非公開で、終了後に両知事が記者団の取材に応じた。
 沿線9都府県でつくるリニア建設促進期成同盟会の会長も務める大村知事は「JR東海と静岡県が膠着(こうちゃく)状態になったら、国が調整に乗り出さないといけない。国土交通省が中心になって政府全体が関与してほしい」と国による調整を提案した。
 この点については川勝知事も同意し、期成同盟会として政府に大井川流量減少問題の解決を働き掛けるべきだとの考えを示した。
 本県とJR、国交省の3者は8月上旬に確認文書を交わしたが、その中で大井川問題などの具体的対応は示されていない。川勝知事は「河川を所管する国交省の部局も関与すべきだ」と主張した。
 ただ、そのほかの論点では、議論は物別れに終わった。リニア工事の進め方を巡っては、大村知事が着工後に問題解決するよう求めたのに対し、川勝知事が大井川の流量減少や南アルプスの環境保全の問題が解決しない限りは着工を認めない考えを強調した。
 両県のトップ会談は大村知事が本県の対応を「科学的根拠がない」と批判したため、誤解を払拭(ふっしょく)しようと川勝知事が要請していた。(2019年9月6日静岡新聞朝刊)

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