テーマ : 大井川とリニア

大井川直下に断層か リニア工事計画地 湧水流出、下流水量減も

 リニア中央新幹線南アルプストンネル工事が計画されている大井川上流部の本流直下に断層や破砕帯が存在する可能性があることが30日、複数の地質学専門家の指摘で分かった。山梨県側へのトンネル湧水の流出が懸念される畑薙山断層と近接していて、工事中に大井川の水が破砕帯を通じて県外に大量流出し、下流部の河川流量に影響を及ぼす恐れがあるという。JR東海も断層の存在を把握しているとみられるが、これまでの静岡県との協議では説明していない。

リニア中央新幹線南アルプストンネル
リニア中央新幹線南アルプストンネル
静岡、山梨県境の地中断面図
静岡、山梨県境の地中断面図
リニア中央新幹線南アルプストンネル
静岡、山梨県境の地中断面図

 専門家によると、大井川本流直下の断層は山梨側に向け傾斜していて畑薙山断層と地下で一体化している可能性もある。トンネルより上流には川に沿った断層も存在するとされ、川から地下に染み込む水が大量に含まれている可能性がある。トンネル掘削時に高圧で大量の水が噴き出すことが懸念される。
 大規模な破砕帯がある畑薙山断層は大井川に沿って南下し、川の下をくぐるとみられている。この断層にも同様に川の水が染み込んでいる可能性がある。専門家は本流近くでボーリング調査をして事前に県外への湧水流出量を把握し、下流部の流量への影響を見極める必要があると指摘している。(2019年10月1日静岡新聞朝刊)

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