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テーマ : 三島市

静岡人インタビュー「この人」 障害者の就労支援を兼ねて宅配事業を始めた 町塚俊介さん(三島市)

 障害者の就労支援を兼ねて2023年11月、静岡県内で最も高齢者率が高い西伊豆町で栄養バランスのとれる弁当や総菜の宅配事業を始めた。食を通して障害者と主な宅配先の高齢者との交流を創出し、新たな福祉の形の提案を目指す。31歳。

町塚俊介さん
町塚俊介さん

 ―なぜ西伊豆町で就労支援を始めたのか。
 「町内は高齢化率が高い上、障害者の就労支援をする事業所が少ない。高齢者は1人暮らしや運転免許証の返納などから社会的孤立状態になりやすく、障害者は他の市町の事業所へ通ったり、家族ごと別の市町へ移住したりする現状があった。宅配事業は高齢者の食の困りごとを解決し、障害者が地域に住みながら活躍できると考えた」
 ―就労支援に目を向けたきっかけは。
 「別の仕事で発達障害者向けの就労支援施設の立ち上げに関わった。その際、障害がある人は地域や人とのつながりが希薄で、交流が必要だと感じた。どうしたら関係を作れるか考えた時、この事業に行き着いた」
 ―事業内容は。
 「就労支援B型事業所『とことこ西伊豆』を開所した。オーガニック食堂などで勤務経験のある従業員が調理を担当する。精神、身体、知的の障害がある就労者が出来上がった料理を容器に詰めたり、利用者に届けたりする。事業所内でも販売している」
 ―今後の展望を。
 「西伊豆町は高齢化と過疎化が進み、県内の多くの市町がこれから直面する課題を先取りする課題先進地域に当たる。将来的には農業にも取り組み、障害者と高齢者が一緒に育てた野菜で弁当を作りたい。両者を含めたさまざまな人が、互いに支え合えるモデルになればいい」
 (東部総局・天羽桜子)

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