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テーマ : 三島市

三嶋大社、かつての神宝再現へ 明治期に宮中御留置 2本の太刀を初打ちの儀

 三島市の三嶋大社にかつて所蔵された太刀の再現に向けた初打ちの儀式が30日、同大社で執り行われた。本殿の改修や境内の整備などを行う令和の御大典奉祝記念事業の一環。明治期に同大社を離れた神宝を復元させ、再び三嶋大神に納めて神威の発揚につなげる。

火床に火をおこす宮入小左衛門行平さん=30日午前11時ごろ、三島市の三嶋大社
火床に火をおこす宮入小左衛門行平さん=30日午前11時ごろ、三島市の三嶋大社
原料となる玉鋼を受け取る宮入小左衛門行平さん=30日午後11時ごろ、三島市の三嶋大社
原料となる玉鋼を受け取る宮入小左衛門行平さん=30日午後11時ごろ、三島市の三嶋大社
玉鋼をたたく宮入小左衛門行平さん(左)=30日午前11時ごろ、三島市の三嶋大社
玉鋼をたたく宮入小左衛門行平さん(左)=30日午前11時ごろ、三島市の三嶋大社
初打ちを行う矢田部盛男宮司=30日午前11時ごろ、三島市の三嶋大社
初打ちを行う矢田部盛男宮司=30日午前11時ごろ、三島市の三嶋大社
火床に火をおこす宮入小左衛門行平さん=30日午前11時ごろ、三島市の三嶋大社
原料となる玉鋼を受け取る宮入小左衛門行平さん=30日午後11時ごろ、三島市の三嶋大社
玉鋼をたたく宮入小左衛門行平さん(左)=30日午前11時ごろ、三島市の三嶋大社
初打ちを行う矢田部盛男宮司=30日午前11時ごろ、三島市の三嶋大社

 太刀は、関東管領上杉氏が奉納したと伝えられる国宝「上杉太刀」(群鳥文兵庫鎖太刀)と、北条時政により奉納されたとされる重要文化財「北条太刀」(三鱗紋兵庫鎖太刀)の2本。かつては大祭の際に神前に飾られ、氏子崇敬者に公開されていたという。いずれも明治期に宮中御留置となり、現在は東京国立博物館に所蔵されている。
 復元事業は、同大社を主体に、刀剣や金工など各分野の専門家と構成する奉製委員会で実施。原品の本格的な学術調査を行い、得られた知見に基づいて材料を集め、当時の製作技術を再現する。刀身のほか、つばや飾り金具などの付属品も復元。失われた部分も含めて奉納された当時の姿をよみがえらせる。2028年3月に行う本殿遷座祭に合わせて完成させ、神前に奉献する。
 儀式には責任役員や総代ら約20人が参列。矢田部盛男宮司が、刀の原料となる玉鋼を初打ちした後、刀匠の宮入小左衛門行平(本名・宮入恵)さんらが薄い板状に打ち延ばした。刀は宮入さんが長野県坂城町の作業場で作り上げる。
 (三島支局・岡田拓也)

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