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テーマ : 三島市

箱根西麓三島野菜 価値もっと高く 大根祭り 16、17日 復活 生産者団体の取り組み再評価

 JAふじ伊豆三島函南地区本部が、ブランド野菜「箱根西麓三島野菜」の価値をさらに高めようと動き出した。地元農産物の魅力を自ら発信してきた老壮青各世代の生産者団体「のらみちの会」「箱根ファーマーズカントリー」「のうみんず」の取り組みを再評価。第1弾として、約10年前に幕を閉じた大根祭りを16、17日に復活させる。

大根祭りの歴史やこれからの農業について語り会う(手前右から)前島さん、細井さん、杉本さん=三島市塚原新田
大根祭りの歴史やこれからの農業について語り会う(手前右から)前島さん、細井さん、杉本さん=三島市塚原新田


 のらみちの会は約60年前に発足した。当時はJAを通した出荷が一般的な時代。発起人で初代会長の細井要さん(80)は「野菜を知人に配ると『うまい』と言ってくれた。それならば自分たちで売ってみようと思い、大根祭りを始めた」と振り返る。祭りはたくあん漬けを中心に盛況を博し、元々有名だった大根の価値をさらに高めた。
 約20年前に発足した箱根ファーマーズカントリーは同会の意志を継ぎ、三島馬鈴薯(ばれいしょ)や三島甘藷(かんしょ)の祭りを開催した。杉本大輔会長(49)は「先輩の一生懸命な姿に刺激を受け、必死に付いていった」と話す。約10年前に活動を始めたのうみんずの前島弘和代表(40)も「自分たちでPRし、消費者に届ける思いを継いでいかないといけない」とマルシェ出店やSNS発信に力を入れている。
 いずれの祭りも地元野菜の知名度や取引価格に一役買ったが、運営負担が大きく終了した。同JAは生産者が受け継いできた思いを大切にし、地元農産物の魅力を伝える機会にしようと祭りの復活を決定。三つの祭りに加え、2021年から生産を始めたトウモロコシの祭りも計画する。細井さんは「やめた時は常連客に叱られた。復活してくれてうれしい」と期待する。
 大根祭りは16、17日、同市谷田の「みしまるかん」で開催し、たる漬けしたたくあんなどを販売する。三島の大根が世の中に広まるきっかけとなった農兵節の演舞も催される。
 (三島支局・岡田拓也)

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