あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 三島市

免疫薬物療法 解説 がんセンター 三島で講座 「家族の理解必須」

 静岡県立静岡がんセンター公開講座2023「ここまで進んだ!最先端のがん医療」(静岡新聞社・静岡放送主催、スルガ銀行特別協賛)の第2回講座が11日、三島市民文化会館で開かれた。同センターの医師2人が免疫薬物療法と膵(すい)がん治療の最前線について解説した。

来場者からの質問に答える(右から)杉浦氏、村上氏、上坂氏=三島市民文化会館
来場者からの質問に答える(右から)杉浦氏、村上氏、上坂氏=三島市民文化会館

 村上晴泰化学療法センター長は、免疫の働きを利用してがんを治療する免疫薬物療法を紹介した。最も臨床開発が進んでいるのが、免疫細胞の働きを抑制する分子「免疫チェックポイント」を阻害することで、がん細胞に対する免疫を活性化させる「免疫チェックポイント阻害薬」。既存の抗がん薬と比べ、効果が高く副作用が軽い、投与が簡便などの利点があるという。一方、免疫反応が過剰に促進されて副作用が重篤化する例もあるため、「治療継続には患者や家族の理解も必須」と述べた。
 杉浦禎一肝・胆・膵外科部長は膵がん治療について説明した。生存率が低いとされてきた膵がんは近年、化学療法などとの組み合わせで、手術が可能になったり、生存期間が延びたりしているという。ロボット手術や、がんの原因となった遺伝子変異に合わせて治療する「がんゲノム医療」、粒子線治療も選択肢に加わったとし、「より良く治すには、専門家のそろった経験豊富な病院で治療を受けることを勧める」とした。
 質疑応答には上坂克彦総長も登壇し、「治療に不明点があればまずは、(同センターの)『よろず相談』を活用してほしい」と呼びかけた。
 (東部総局・菊地真生)

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

三島市の記事一覧

他の追っかけを読む