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テーマ : 三島市

「三島のおせん」新名物に みしまコロッケ味の煎餅 「寅さん」せりふに登場 物語主人公に由来 商店主が共同開発

 「物の始まりが一ならば、国の始まりが大和の国(中略)さんで死んだが、三島のおせん。おせんばかりがおなごじゃない」。映画「男はつらいよ」で主人公の寅さんがたんか売をする時のせりふに登場する「三島のおせん」と称したみしまコロッケ味の煎餅が誕生し、12日に発売された。おせんは江戸時代に歌舞伎や浮世絵で人気だったあだ討ち物語の主人公。三島の新名物として売り出す関係者は「三島でもおせんを知らない人は多い。商品とともに多くの人に知ってほしい」と期待する。

三島の新たな土産物として発売する「三島のおせん」=三島市
三島の新たな土産物として発売する「三島のおせん」=三島市


 三島市の大通り商店街の化粧品店「千歳屋」と茶処「山田園」、おもちゃ店「ミシマトイス」が共同開発した。東海道の宿場町を訪れた証しとなる三島宿の御宿場印販売を扱う3店が、新たに食べ物の土産も一緒に売り出そうと考え、三島のおせんに着目。地元の名物を味わえるようにしようと、みしまコロッケ味に決めた。薄焼きの一口サイズで、コロッケの香りが漂う軽い食感に仕上げた。
 同市の広報誌によると、「三島のおせん」は北条時政に滅ぼされた伊東祐清の子・庄六のいいなずけで、三島を舞台に復讐(ふくしゅう)を図るが、時政の計略にはまり自害する物語。あだ討ちに出る美女の悲劇は人気を集めた。時代設定や人物名を変えて浄瑠璃や歌舞伎で数多く上演されたといい、浮世絵にも描かれた。
 たんか売のせりふの「さんで死んだ」に関して「産」が充てられる資料が残るが、歌舞伎の物語とは異なる。千歳屋の樋口純一さんは「北条家の家紋は三つうろこ。北条に滅ぼされたという意味が込められたのかもしれない」と想像を膨らませ「おせんは三島から生まれたスター。地元でも注目するきっかけになってくれたら面白い」と話す。
 価格は税込み700円。3店舗と、開発、製造に協力する山本食品などで販売する。
 (三島支局・岡田拓也)

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