郷土の歴史充実へ 三島市に資金寄付 解散の「伊豆史談会」
2022年に解散した郷土史研究会「伊豆史談会」がこのほど、三島市郷土資料館の充実に役立ててもらおうと活動資金の残金11万595円を市に寄付した。関守敏副会長(75)は「郷土の歴史を知ることは三島の発展につながる」と強調し、三島を中心とした伊豆地域の史実に光を当て、発信してきた同会の目的を託した。
同会は1930年、郷土史家の戸羽山瀚(かん)が創設。戦時下の紙不足を理由とした停止処分を乗り越え、2021年までに機関誌「伊豆史談」を151号まで発行した。郷土史の解明、普及に貢献し、研究成果は郷土資料館の展示にも活用されている。全盛期は80人近い会員が所属。年に2度の講演会や視察旅行などを行ってきたが、会員の高齢化や新型コロナによる活動の停滞で存続が厳しくなり解散した。
市役所中央町別館で目録を受け取った小塚英幸教育長は「研究成果は永久に残る。守っていきたい」と謝意を示した。寄付金は郷土資料のデジタル化を進めるための物品購入に充てるという。