テーマ : 医療・健康

透析治療中の大地震想定 患者交えて初訓練 磐田市立総合病院

 磐田市立総合病院(同市大久保)は10日、人工透析中に大規模地震が発生したと想定した訓練を院内で実施した。腎臓内科医や臨床工学技士に加え、透析治療を受ける市内外の患者約30人が初めて参加した。治療を中断して屋外へ避難する流れを確認した。

患者の状態や透析機器の被災状況などを確認するスタッフ=磐田市大久保の市立総合病院
患者の状態や透析機器の被災状況などを確認するスタッフ=磐田市大久保の市立総合病院

 治療開始から3時間経過したところで、震度7の揺れが"発生"。横になっている患者たちは、頭から布団をかぶったり、ベッドの柵をつかんだりして身の安全を確保した。スタッフは担当患者の状態や透析機器の被災状況などを確認した後、透析治療を中断。患者の不安を軽減するため声をかけながら非常階段まで誘導し、透析室から屋外へ素早く避難させた。
 血液中の老廃物や余分な水分を取り除く透析治療。同病院では入院患者も含め約100人が週3回、1日4時間程度の治療を受けている。患者の長尾一男さん(63)=磐田市=は「災害時を考えると透析中、(自分自身が)何をしたらよいのか不安だった。訓練に参加し、どのように行動するのか分かってよかった」と話した。
 同病院腎センターの石田幸博技師長(49)は「スタッフ間だけでなく、患者さんを交えて透析室の場でシミュレーションができてとても有意義だった。安全な治療をするためにも、訓練を続けたい」と述べた。

いい茶0

医療・健康の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞