テーマ : 医療・健康

政府、東南アジア発達障害調査へ ASEAN首脳会議で表明

 日本政府が、インドネシアやフィリピン、ベトナムなど東南アジア各国における発達障害の実態調査や人材育成の支援に乗り出すことが12日、関係者への取材で分かった。17日に東京で開かれる予定の日・東南アジア諸国連合(ASEAN)特別首脳会議の声明に盛り込む方針。

日本・ASEAN発達障害イニシアチブ(案)のポイント
日本・ASEAN発達障害イニシアチブ(案)のポイント

 発達障害では、子どもの成長過程のみならず大人になってからもさまざまな問題が生じる。日本が進めてきた対策を共有するとともに、共通する課題の解決に向け双方で協力したい考え。こうした取り組みを通じて、各国との関係を強化する狙いもありそうだ。
 関係者によると、日本が設立を主導した国際機関が2021年から、東南アジアの発達障害当事者や家族の状況、保健施策の現状などを調査し、ガイドブックを作成する事業を展開してきた。
 その過程で、特に地方部では発達障害の存在自体が十分に認知されておらず、身体、知的障害と比べ対策が遅れがちで、人材育成などにも課題があることが分かってきた。専門人材の都市部への集中は、日本でも見られるという。
 そこで政府は「日本・ASEAN発達障害イニシアチブ(案)」を新たに立ち上げ、まずは当事者がどの程度いるのか実態調査をすることにした。さらに日本の就労支援策などを紹介するとともに、発達障害の子どもに対応できる教員など専門人材の育成を支援。当事者家族や産官学関係者の交流を進める。
 発達障害は、脳機能の発達に関係する障害で、コミュニケーションが難しく強いこだわりがあるなどする「自閉症スペクトラム障害」や、集中を持続できない「注意欠陥多動性障害(ADHD)」、読み書きや計算などが困難な「学習障害(LD)」などがある。日本では10人に1人ほどの割合と推計されている。

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