テーマ : 医療・健康

4人に1人、妊娠高血圧症候群 卵子提供、高齢出産で

 第三者からの卵子提供で妊娠した女性の4人に1人が脳出血などの危険が高まる「妊娠高血圧症候群」を発症したという調査結果を、三重大の研究チームが16日までにまとめた。卵子提供による妊娠は高齢出産になることが多く、合併症のリスクがあるとして、チームはリスクの周知と産科体制の整備が必要だと指摘している。
 調査は2018~21年の出産を対象に実施。全国2150の産科施設に調査票を送り、58施設が「卵子提供による出産症例がある」と回答。このうち分析可能な171例を調べた。
 出産時の年齢は、46~50歳が約80人で最多。最高は60歳だった。78%が初産で、提供を受けた理由は「自分の卵子で体外受精をしたが、妊娠しなかったため」が約60%だった。
 妊娠高血圧腎症などの症候群を発症したのは44人で全体の約25%。このほか、40代女性が妊娠中に脳出血で死亡したケースも判明した。女性は以前にも脳出血を起こした経験があり、妊娠の影響は不明という。
 卵子提供を受けた国は米国が最も多く、次いで台湾だった。国内で卵子提供を巡る法的な規制はない。調査をまとめた同大の池田智明教授は、海外で提供を受けることで実態がつかみづらくなっているとして「妊娠前にチェックができないと母子の健康を損ねる原因になる。現状は危険な状態で、早急な法整備が必要だ」としている。

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