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コロナ飲み薬、2割で「再燃」 ウイルス増、うつす恐れも

 【ワシントン共同】新型コロナウイルス感染症の飲み薬パキロビッドを使った患者の21%に、一度は陰性となった検査結果が陽性に転じ、ウイルス量が増える「リバウンド(再燃)」が起きたと、米マサチューセッツ総合病院のチームが13日、米内科学会誌に発表した。無治療の人がぶり返す割合は2%だった。

ファイザーの新型コロナウイルス感染症飲み薬「パキロビッド」(ロイター=共同)
ファイザーの新型コロナウイルス感染症飲み薬「パキロビッド」(ロイター=共同)

 再燃した人の93%は、治療終了から5日後の時点で陽性で、人にうつす危険性があった。再燃しなかった人ではこの時点で陽性の人はいなかった。チームは「5日後に迅速抗原検査をすれば、長めに隔離すべき人が特定できそうだ」と指摘した。入院や死亡を防ぐという薬の効果には疑いがなく、使用を控えるべきではないとも強調した。
 2022年3月~23年5月、研究に参加した外来患者に週3回、鼻の穴を拭った試料を提供してもらい、ウイルスを分析した。パキロビッドを使った72人のうち15人が再燃。増殖可能なウイルスは14日程度にわたって検出され、再燃しなかった人の3日間より長かった。無治療の55人では、再燃は1人だった。
 ウイルスの遺伝子に薬剤耐性になる変異はなく、規定通り5日間服用してもウイルスを排除するには足りなかった可能性がある。
 また発症日から翌々日までに治療を始めた人に再燃が多く、初期から薬でウイルスの増殖を抑えたために体内で強い免疫反応が起きず、根絶に至らなかったとの見方もできるという。
 パキロビッドは、症状は比較的軽いが重症化リスクのある患者に日本など各国で使われる錠剤。1日2回、5日間服用する。

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